◎船員法に言う船員

 

船員とは、船の中で働いている人の総称です。船員の職種としては、大きく分けて海技免状を持った職員と海技免状を持たない部員とがあります。
また、船員法等の法律により、船員の給料、労働時間、休日、有給休暇等が定められています。船員になると、船員手帳を持つことが義務付けられ、船内で働く際には雇入契約等の成立届出の手続きが必要になります。

 

 ○職名の一例

職員

部員

甲板部

機関部

甲板部

機関部

船長
一等航海士
二等航海士 

機関長
一等機関士
二等機関士 

甲板長
甲板手
甲板員 

操機長
操機手
機関員

*このほかに、旅客船のスチュワーデス・スチュワード、通信を担当する通信長、料理を担当する司厨長、外航航路の旅客船の船医などいろいろな職種があります。

 

労働時間

  船員の1日の労働時間は8時間以内で、1週間あたり平均40時間以内と定められています。

 

休日

  平均1週間に1日以上と定められています。

 

有給休暇

  内航船(日本国内のみで動く船)の場合年間15日以上、外航船(外国へも行く船)では年間25日以上と定められています。

 

船員手帳

  船員手帳の交付を受ける際には、交付申請書に、手数料、会社の雇用証明書、戸籍抄本(本籍の記載のある住民票でも可)及び写真2枚(縦5.5×横4.0p)、を添えて申請します。また、15才未満の者(15才以上でも中学在学中の人を含みます)は船員になれません。未成年の場合は、法定代理人(通常両親)の記名捺印した許可書が必要となります。[申請手続]

 

雇入契約等の成立届出

  船長は、船舶所有者と船員との間に、船舶内で船員として働くという雇用関係が生じたときには、雇入契約等の成立届出に、労働条件を記入し、雇用される船員の了解を得た印としての認め印を押捺した海員名簿、船員手帳、海技免状等を提示して届け出します。

 

労働条件の確保

  上で述べたような労働条件や、船内の安全衛生環境を確保するため、「船員労務官」という職務のものがおり、常に各船や船員を雇っている会社等を巡回し船内書類や環境を調査し、不具合があれば注意をしております。また、悪質な法違反に対しては、司法警察員としての資格で、犯罪として捜査し、検察庁へ送致する場合もあります。