代表的な専門用語(略称)と解説         
AFS 国際防汚方法証書
AIS 船舶自動識別装置
CC 貨物船安全証書
CSO 船舶保安統括者
CSR 船舶の履歴情報を継続的に記録し続ける文書
DOC 適合書類(ISM関係)
ECA 船舶からの大気汚染物質の放出規制海域
EGC 高機能グループ呼出受信機
EIAPP 国際大気汚染防止原動機証書
EPIRB(イパーブ) 極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識
GMDSS 衛星等を利用した全世界的な海上遭難安全システム
IAPP 国際大気汚染防止証書
IMO 国連の一組織である国際海事機関
INMARSAT(インマルサット) 国際移動通信衛星機構
IOPP 国際油汚染防止証書
ISM 国際安全管理規則
ISPP 国際汚水汚染防止証書
ISPS 船舶・港湾施設の保安の確保等に関する国際規則
ISSC 船舶保安証書、船舶保安認定書(任意)
JCI 日本小型船舶検査機構
LL 国際満載喫水線証書
LRIT(エルリット) 船舶長距離識別追跡装置
MARPOL(マルポール)条約 船舶による汚染の防止のための国際条約
NAVTEX(ナブテックス) 船舶向けの海上安全情報を自動受信する装置・水域
NK (財)日本海事協会
NKKK(エヌスリーケー) (財)日本海事検定協会
QMS (財)日本品質保証機構に登録された品質管理システム
SART(サート) レーダー・トランスポンダー
SC 貨物船安全構造証書
SE 貨物船安全設備証書
SMC 安全管理証書
SMM 安全管理手引書
SMS 安全管理システム
SOLAS(ソーラス)条約 海上における人命の安全のための国際条約
SOPEP(ソペップ) 油濁防止緊急措置手引書
SR 貨物船安全無線証書
SSAS 船舶警報通報装置
SSO 船舶保安管理者
SSP 船舶保安規程
【AFS】International Anti-Fouling System Certificate
 船舶の有害な防汚方法の規制に関する国際条約(AFS条約:International Convention on the Control of Harmful Anti-Fouling Systems on ship)に基づき発給される、船体塗料の適合性に関する証明書。船体への海洋生物の付着を抑制・防止するための塗料に有機スズ系成分が含まれている場合、これが海中に溶け出して海洋環境を悪化させることがある。AFSは、この成分を含む塗料が塗布されていないこと、又は完全に取り除かれていること、もしくはコーティングにより無害化されていることを証明するもの。国際航海する総トン数400トン以上の船舶が対象。
 
【AIS】Automatic Identification System
 船舶固有のデータ(識別符号、船舶の種類、船名、位置、針路、速度、積荷等)を自動的に送受信する装置。国際航海する総トン数300トン未満の旅客船及び国際航海する総トン数300トン以上の船舶、並びに総トン数500トン以上の内航船や漁船が対象。
 
【CC】Cargo Ship Safety Certificate
 SOLAS条約に基づき発給される、船体、機関、救命設備、無線設備及び船底検査に関する証明書。国際航海する総トン数500トン以上の貨物船が対象。
 
【CSO】Company Security Officer
 国際航海する日本船舶の保安に関する業務を、陸上(会社)で統括管理する責任者。
 
【CSR】The Continuous Synopsis Record
 SOLAS条約に基づき交付される、船名、国籍、所有者等の船舶の履歴情報を船の一生にわたって継続的に記録し続ける文書。二重国籍を持つ幽霊船や海賊船対策として導入された。国際航海する旅客船及び国際航海する総トン数500トン以上の船舶(旅客船及び漁船を除く)が対象。
 
【DOC】Document of Compliance
 船舶の管理会社が安全管理システムの検査を受け、その所有する船種について国際安全管理規則(ISMコード)の要件に適合していることを会社ごとに証明するもの。
 
【ECA】Emission Control Area
 環境保護の観点から、大気汚染物質の窒素酸化物(Nox)や硫黄酸化物(Sox)等の排出について一般海域よりも厳しい規制が課せられている海域。現在はバルティック海及び北海がIMOで指定されているが、米国及びカナダの沿岸海域(200海里)を指定するMARPOL条約の改正が2011年8月1日に発効予定となっている。
 
【EGC】Enhanced Group Calling
 陸上の海岸局から発信されている海上安全情報と商業的情報を受信する装置。この装置はナブテックス受信機に付加して装備することができ、ナブテックス水域外を航行する船舶に搭載が義務付けられている。
 
【EIAPP】Engine International Air Pollution Prevention Certificate
 MARPOL条約に基づき発給される。船舶の原動機がNOx(窒素酸化物)排出に関する規則に従って放出量確認検査を受け、条約に定める要件に適合していることを証明するもの。
 
【EPIRB】Emergency Position Indicating Radio Beacon
 GMDSSによる設備の一つ。船舶が遭難した際にこれを使用して遭難信号を送信すると、信号を受信した衛星が位置データ等を救助機関へ通報する。EPIRBには手動式のものと、船舶の沈没時に自動的に海面に浮上して遭難信号を発する自動式のものとがある。
 
【GMDSS】Global Maritime Distress and Safety System
 船舶が遭難した際、従来のモールス信号ではなく人工衛星等の近代的な通信技術による通信網を利用できるようにしたシステム。通信範囲は世界規模となり、迅速かつ的確な救助活動が可能となった。1992年2月1日実施。船舶はその航行する水域に応じて、GMDSSに対応する無線・救命・航海設備を備えておかなければならない。
 
【IAPP】International Air Pollution Prevention Certificate
 MARPOL条約に基づき発給される。船舶が大気汚染防止規則に従って検査を受け、条約に定める要件に適合していることを証明する。国際航海する総トン数400トン以上の全ての船舶が対象。
 
【IMO】International Maritime Organization
 1958年に国連の専門機関として設置された。本部ロンドン。海上の安全、航行の能率、海洋汚染の防止等、海運に影響する技術的問題及び法律的問題について、政府間の協力を促進し、最も有効な措置の採用及び条約の策定等を行っている。
 我が国はIMO設立以来、理事国としての地位を確保してきた。IMO総会において2009年11月27日に行われた選挙においても、我が国は主要海運国の理事国としてトップで再選を果たした。(加盟国数:2010年3月現在で169カ国)
 
【INMARSAT】International Maritime Satellite Organization
 1979年に国際海事衛星機構条約に基づき設立された。現在の名称は「International Mobile Satellite Organization」で、本部ロンドン。静止軌道上に衛星を打ち上げ、陸海空におけるグローバルな衛星通信の円滑化のために活動している。
 
【IOPP】International Oil Pollution Prevention Certificate
 MARPOL条約に基づき発給される。船舶が油の排出防止に関する規則に従って検査を受け、条約に定める要件に適合していることを証明するもの。国際航海する総トン数150トン以上のタンカー及び国際航海する総トン数400トン以上のタンカー以外の船舶が対象。
 
【ISM】International Safety Management Code
 船舶及びそれを管理する会社の総合的な安全管理体制を確立するための「国際安全管理規則」。安全管理システムの構築及びその文書化や関係書類の備え置きが要求されている。国際航海する旅客船、国際航海する総トン数500トン以上のタンカーや液化ガスばら積船、液体化学薬品ばら積船等が対象。
 
【ISPP】International Sewage Pollution Prevention Certificate
 MARPOL条約に基づき発給される。船舶がふん尿等汚水の排出防止に関する規則に従って検査を受け、条約に定める要件に適合していることを証明する。国際航海する総トン数400トン以上又は最大搭載人員16人以上の船舶が対象。
 
【ISPS】International Ship and Port Facility Security Code
 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保に関する国際規則。テロや海賊行為の発生を防止するため、船舶・港湾施設を警備するための保安措置や危害行為発生時の対応方法等について、2002年12月に改正SOLAS条約として採択され、2004年7月1日発効。国際航海する旅客船又は国際航海する総トン数500トン以上の船舶(国の非商用船及び漁船等を除く)が対象。
 
【ISSC】International Ship Security Certificate
 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律に基づき発給される。ISPS適用船舶が法に基づき検査を受け、船舶の保安システム・保安設備が法の規定に適合し、承認された船舶保安規程が備え置かれていることを証明する。ISPS非適用船舶についても、国際的な交流・物流の円滑化のため、船舶保安認定書等交付規則に基づきISSC「船舶保安認定書」が交付される。
 
【JCI】Japan Craft Inspection Organization
 総トン数20トン未満の小型船舶を検査する、船舶安全法により設立された特別民間法人。
 HP:http://www.jci.go.jp/
 
【LL】International Load Line Certificate
 満載喫水線に関する国際条約(LL条約:International Convention on Load Lines)に基づき発給される、各海域における満載喫水線(貨物満載時に船体が水面下に沈むことのできる限界線)を指定する証明書。旅客船又は貨物船であって、国際航海する長さ24メートル以上の船舶が対象。
 
【LRIT】Long-Range Identification and Tracking System
 船舶の識別、位置等に関する情報をその船舶から陸上のデータセンターへ自動的に送信することにより、世界的規模での船舶の動静把握を可能とする装置。国際航海する総トン数300トン未満の旅客船及び国際航海する総トン数300トン以上の船舶(漁船を除く)が対象。
 
【MARPOL条約】International Convention for the Prevention of Pollution from Ships
 MARINE POLLUTIONスペルを抜粋して「MARPOL」。油、ばら積みの有害液体物質、ふん尿等の汚水、大気汚染物質による海洋汚染防止のための措置等を定めている。
 原油を満載した大型タンカーのトリー・キャニオン号が座礁して119,000トンもの油が流出した事故を契機に、海洋環境保護のための包括的な規制を導入する必要性が高まり、1973年にロンドンで開催された国際会議においてMARPOL条約が採択され、1983年から段階的に発効している。
 
【NAVTEX】Navigation Telex
 NAVTEX受信機:「海上安全情報」(全国各地の灯台から半径300海里の円内の水域を航行する船舶に向けて放送される)を自動的に受信し、内蔵のプリンタで印字する装置。ナブテックス水域を航行する船舶に搭載が義務付けられている。
 NAVTEX水域:ナブテックス受信機により海上安全情報を受信できる水域又はSOLAS条約の締約国政府が定める水域。
 
【NK】Nippon Kaiji Kyokai
 国際船級協会である日本海事協会。船舶に関する技術の発展、人命及び財産の確保や海洋環境の保全を目的としている。政府から登録を受けているNKが検査した船舶は、官海官庁が検査したものとみなされる。(旅客船や特別検査を除く。)
 
【NKKK】Nippon Kaiji Kentei Kyokai
 港湾運送事業法に基づく鑑定・検量事業や、船舶安全法に基づく諸検査等を行っている。
 
【QMS】Quality Management System
 国土交通省海事局が国の検査機関として初めて、(財)日本品質保証機構に登録されたISO9001に基づく品質管理システム。業務手順の文書化、手順書に従った業務の実施、記録の管理、PDCAサイクルによる業務の継続的改善等を行う体制の整備が確認された。
 
【SART】Radar search and rescue transponders
 GMDSSによる設備の一つ。船舶や航空機に搭載されている9GHz帯の電波を使用し、遭難船から送信された位置情報等を捜索側の船舶や航空機のレーダー画面上に表示させる装置。レーダー画面には12個の輝点列が表示され、その輝点列からSARTまでの距離及び位置を確認できる。SARTは、遭難者に救助船等の接近情報を逐次通報することができる。
 
【SC】Cargo Ship Safety Construction Certificate
 SOLAS条約に基づき発給される。船舶が条約の規定に従って検査を受け、その船体、機関が条約の定める要件に適合していること及び船底検査を受検したことについて証明するもの。国際航海する総トン数500トン以上の貨物船が対象。
 
【SE】Cargo Ship Safety Equipment Certificate
 SOLAS条約に基づき発給される。船舶が条約の規定に従って検査を受け、その消防設備、救命設備、灯火、音響信号及び遭難信号の装置等が条約の定める要件に適合していることを証明するもの。国際航海する総トン数500トン以上の貨物船が対象。
 
【SMC】Safety Management Certificate
 船舶の安全管理システムについて検査を受け、個々の船舶が国際安全管理規則(ISMコード)の要件に適合していることを証明するもの。
 
【SMM】Safety Management Manual
 SMSを文書化した安全管理手引書で、ISMコードによりその備え付けが義務づけられている。
 
【SMS】Safety Management System
 安全管理会社の職員が会社の定めた船舶の安全航行、環境保護に関する方針を効果的に実施できるよう構築されたシステムで、ISMコードによりその構築が義務づけられている。
 
【SOLAS条約】The International Convention for the Safety of Life at Sea
 船舶の構造、救命設備、無線通信、特殊貨物や危険物の運送、船舶の安全運航の管理、海上の保安のための措置等を定めた条約。
 英国籍のタイタニック号が流氷と衝突・沈没して約1,500名が犠牲となった事故を契機に、船舶の安全性確保について国際的な枠組みを作る気運が高まり、1914年の国際会議でSOLAS条約が採択された。これは第一次大戦のため発効には至らなかったが、1929年にロンドンで開催された国際会議において一部を修正したものが採択され、1933年に発効した。
 
【SOPEP】Shipboard Oil Pollution Emergency Plan
 船舶からの油流出を防止するための緊急措置マニュアル。非常時の通報手続や油排出時の対応方法、当局との調整等について記載されている。
 
【SR】Cargo Ship Safety Radio Certificate
 SOLAS条約に基づき発給される。船舶が条約の規定に従って検査を受け、その無線設備が条約の定める要件に適合していることを証明するもの。国際航海する総トン数300トン以上の貨物船が対象。
 
【SSAS】Ship Security Alert System
 テロや海賊行為等が発生した際、船内や他船に知られることなく海上保安庁にその旨を通報することができる装置。船舶識別情報や現在位置を速やかに伝達する。スイッチは船内に2カ所あるが、その場所は通常、船長とSSOしか知らない。
 
【SSO】Ship Security Officer
 国際航海する日本船舶の保安に関する業務を、船内で統括管理する責任者。
 
【SSP】Ship Security Plan
 国際航海する日本船舶の保安の確保のため必要な事項を記載した規程で、国土交通大臣の承認を受けることでその効力が生じる。この規程は機密文書として扱われている。