ページトップ

[本文へジャンプ]

中国運輸局 > 中国運輸局について > 中国運輸局長 年頭所感

中国運輸局長 年頭所感印刷用ページ

2020年1月1日 更新

写真



                                            どひ   ゆたか
                   中国運輸局長 土肥 豊

 明けましておめでとうございます。
 謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、令和2年の年頭にあたり、皆様にご挨拶を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、日本各地において、記録的な豪雨や度重なる秋台風によって大規模な災害が発生し、経済活動にも大きな影響が及んだ一年でした。改めまして被災された方々にお見舞い申し上げますとともに一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
 中国地方においては、一昨年の7月豪雨災害により甚大な被害が発生いたしましたが、昨年10月23日にJR芸備線の中三田−狩留家間が運転を再開したことにより、被災した全ての鉄道路線が復旧いたしました。復旧に向けてご尽力いただきました関係者の皆様方に、改めまして御礼申し上げます。

 それでは、新年を迎えまして、本年、中国運輸局が重点的に果たすべき使命について申し上げます。

 一つ目は、「運輸の安全・安心の確保」です。日々の輸送の安全を確保していくことが中国運輸局の業務の根幹であり、最大の使命であります。
 交通・運輸事業者の自主的な安全管理体制を構築するための支援制度である「運輸安全マネジメント」については、運輸局が行う鉄道、バス、タクシー、トラック、船舶の各輸送モードに対する検査・監査と相互に補完しながら、運輸の安全性の確保・向上が実現されるよう引き続き緊張感を持って取り組んで参ります。
 事業用自動車の交通事故の防止に向けては、「中国地域事業用自動車安全対策会議(事業用自動車総合安全プラン2020)」の計画最終年であり、事故件数及び死者を計画的に削減すべく、関係団体と連携を図り、安全・安心の確保に万全を期することとしています。あわせて、使用者による自動車の適切な維持管理の推進を図るため、地域色のある「自動車点検整備推進運動」を展開し、各種イベント及び街頭車両検査などの機会を通じて、大型自動車の車輪脱落事故防止を含め点検整備の必要性や重要性を啓発して参ります。
 今年は、オリンピック・パラリンピック東京大会の開催を控え、人流や物流の一層の活発化も予想されます。交通事故防止に万全を期すとともに、貸切バス事業の「SAFETY BUS」や貨物自動車運送事業の「Gマーク」など安全性評価制度を活用した事業者の更なる安全意識の向上にも努めて参ります。
 運輸の「防災・危機管理」につきましては、交通事業者、関係自治体、関係機関等と連携した防災訓練の実施、交通事業者に対するBCP作成の働き掛けなど、地域全体としての防災・危機管理体制の強化・向上に取り組んでいるところです。昨年9月には、宮島フェリー航路において外国人を含む旅客への事故対応訓練を初めて実施するなど、平成30年7月豪雨災害の経験も十分に活かしながら、新たな取組みも始めております。また、中国運輸局としても、BCPの見直しや防災訓練の充実化など、災害時における対応力の更なる向上に努めております。大規模災害がいつ起きてもおかしくないという意識の下、引き続き防災・危機管理体制の強化・向上を図って参ります。

 二つ目は、「地域公共交通の活性化」です。
 公共交通は、人の交流を生み出し、地域を活性化するために不可欠な社会インフラです。しかし、利用者の減少や担い手不足など、地域公共交通を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。地方鉄道、乗合バス、タクシー、離島航路など、地域の生活交通の維持確保と活性化は喫緊の課題となっております。
 一方、スマートフォンの普及やAI・IoTなど新技術の進展により新たな移動サービスの実現が可能となってきております。昨年は、MaaS(Mobility as a Service:複数の公共交通を組み合わせて移動を最適化し、アプリ等での一元的な検索・予約・決済を可能とするサービス)が注目を浴び、公共交通分野におけるイノベーションへの期待感が大きく高まりました。
 国土交通省では、MaaSの推進に向けて、令和元年を「MaaS元年」と位置付け、事業環境の整備や実証実験に対する支援を行い始めました。昨年6月には、全国で19の先行モデル事業が選定され、中国地方では、広島県庄原市、島根県大田市及び山陰エリア(鳥取県・島根県)の3地域における事業が選定されました。中国運輸局では、これらの実証事業に対するサポートを行うとともに、管内各地での横展開に向けて情報発信等に取り組んでいるところです。今後、MaaSが社会実装されることで地域が抱える課題の解決につながるよう、引き続き尽力して参ります。
 また、低速で環境に優しい新型モビリティ「グリーン・スロー・モビリティ」の普及にも努めているところです。グリーン・スロー・モビリティは、高齢者の日常的な移動手段や観光資源となるような新たな観光モビリティとしての活用が期待されております。昨年4月には、福山市鞆地区において、全国初のグリーン・スロー・モビリティによるタクシー運行が開始されました。狭い道や坂の多い鞆の浦において、低速かつ小型という特性を活かし、観光客や地域住民の移動手段として活躍しています。また、事業化に向けた実証運行も中国地方各地で行われており、本年1月時点では、松江市、尾道市及び大田市において運行中となっております。
 地域公共交通の活性化に向けては、利便性と効率性の向上を図るため、地域公共交通活性化再生法に基づく交通再編が中国地方各地で進められています。中国運輸局では、これまでに9件の再編実施計画を認定し、自治体と事業者が連携した形での交通再編を推進して参りました。
 100万人都市としては全国で初めて再編実施計画の認定を受けた広島市においては、取組みの第1弾として、平成30年5月に都心循環線「エキまちループ」が運行を開始しました。これに続く取組みとして、本年1月26日より、都市循環線「まちのわループ」及び「広島みなと新線」が新たに運行を開始します。今後も、市内北部や西部の再編を予定しており、中国運輸局としてもこの先進的なプロジェクトに積極的に取り組んで参ります。

 三つ目は、「観光による地域振興」です。
 観光に関しましては、昨年は、日韓関係や香港におけるデモ活動などの世界情勢により、中国地方においても影響が出ているところですが、一方で、欧米豪からの外国人旅行者が過去最高となるなど、着実にインバウンドが増加しているところです。
 さらに、インバウンド全体としてみれば明るい話題も多くあります。昨年12月には広島〜バンコク便が10年ぶりに復活、本年1月からは米子〜上海便の就航が予定されております。また、今年はオリンピック・パラリンピック東京大会が開催されます。昨年のラグビーワールドカップでは、中国地方には試合会場がなかったにもかかわらず、当該期間中、欧米豪を中心とした外国人旅行者が増えた地域もありました。オリンピック・パラリンピックについても、大会開催による効果に大きな期待を寄せているところです。
 こうした中、中国運輸局としましても、中国地方の魅力を世界に発信する絶好の機会と捉え、訪日需要の創出、とりわけ中国地方における訪日外国人旅行者の広域周遊促進と滞在期間の延長化を強力に推進して参ります。
中国運輸局は、海事観光の振興にも力を入れて取り組んでいます。魅力ある海事観光コンテンツの開発、観光客の受入環境整備、積極的な情報発信等を官民一体となって推進していくため、昨年5月、中国運輸局・西日本旅客鉄道(株)・瀬戸内海汽船(株)は「せとうちエリアの海事観光の振興に向けた連携協定」を締結いたしました。本協定に基づく取組みの一つとして、両社は観光型高速クルーザー「SEA SPICA」の建造に着手し、オリンピック・パラリンピック東京大会開催時期にあわせて竣工・お披露目される予定です。
 また、昨年開催された瀬戸内国際芸術祭の会場の1つである犬島と岡山市中心部の京橋を結ぶ定期航路や、「ラビットアイランド」として外国人観光客からも人気の大久野島と三原港・竹原港を結ぶ定期航路が新たに就航するなど、瀬戸内海の島々への誘客を促進する動きが各地で出てきております。
 本年秋からJRグループにおいて実施される「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」とも連携するなど、引き続き官民一体となって海事観光の振興に取り組んで参ります。

 最後に、「生産性革命による産業振興」です。
 交通・運輸産業においては、深刻な人手不足や将来の担い手不足が顕在化しております。こうした中で、生活や経済を支える交通サービスの機能を将来においても果たすため、また、魅力ある産業として発展していくためには、担い手の確保・育成と生産性の向上を両輪として推進していく必要があります。
 公共交通分野においては、運転士不足を原因とした路線バスの休廃止・減便やタクシーの稼働率の減少が生じており、地域公共交通を確保・維持していく上で人手不足の解消は喫緊の課題となっています。運輸局としても、運転士の就職フェアや事業者向け人材確保セミナーの開催、運輸支局長の高校訪問による情報提供など、自治体や労働局とも連携しながら、引き続き担い手不足の解消に向けた取組みを推進して参ります。
 また、貨物自動車運送業についても、人材の確保が大きな課題となっており、長時間労働の是正に向けた「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」の普及や、適正な運賃料金の収受を推進する改正標準貨物自動車運送約款の定着、ホワイト物流推進運動の展開等により、働き方改革や生産性の向上を推進して参ります。
 海事産業については、将来を担う人材の育成を促進するため、子供や若者の海・船に対する興味・関心を高めるための「C to Seaプロジェクト」に力を入れて取り組んでおります。同プロジェクトのアンバサダーであるSTU48や久保田夏菜アナウンサーにもご協力いただきながら、海や船に触れる機会の創出や海事・海洋に関する情報発信を積極的に行っております。例えば、昨年4月に日本初の船上劇場船として完成した「STU48号」の船舶国籍証書交付式の開催や、STU48のメンバーや久保田アナウンサーによる小型船舶免許の取得挑戦企画を実施するとともに、中国運輸局HPに開設した海と船のポータルサイト「C to Sea 中国地方」にて、これらの取組みについて情報発信しております。加えて、海事産業におけるIT化を進めるなど技術面での支援を行うとともに、我が国有数の造船・舶用工業集積地である瀬戸内海沿岸地域において、産官学の連携による造船教育の実施など人材確保・育成の取組みを進め、海事生産性革命(i-Shipping)を深化させて参ります。

 以上、本年、中国運輸局が重点的に取り組む施策について所感を申し述べました。地方公共団体や地域の皆様から、中国地方に活気があふれてきたと実感していただけるような政策運営に努めて参ります。
 最後に、皆様のますますのご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

PDFファイルをご覧いただくにはAdobe Reader(無償)が必要です。
ダウンロードした後インストールしてください。

Get Adobe Reader

Adobe Readerダウンロードページへのリンク