国土交通省 中国運輸局
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更新日平成31年1月24日
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ごあいさつ


 中国運輸局長 土肥 豊 から皆さまへ

中国運輸局長 土肥 豊



  平成30年7月豪雨災害から約半年が経過いたしました。改めまして、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を祈念いたしております。
 中国地方の災害としては未曾有の規模となりましたが、関係者の皆様方による懸命な取組により、被災地の復旧は着実に進捗しております。甚大な被害を受けた鉄道についても、昨年12月にJR呉線、福塩線が全線で運転を再開し、現在運休している路線はJR芸備線三次〜狩留家駅間を残すのみとなりました。
 道路や鉄道の復旧工事、バスや旅客船による鉄道の代替輸送、被災地への緊急物資輸送等々、今般の災害においてご尽力いただきました関係者の皆様方に、改めまして御礼申し上げます。

 それでは、平成31年、中国運輸局が重点的に果たすべき使命について述べさせていただきます。

 一つ目は、「運輸の安全・安心の確保」です。日々の輸送の安全を確保していくことが中国運輸局の業務の根幹であり、最大の使命であります。
 交通・運輸事業者の自主的な安全管理体制を構築するための支援制度である「運輸安全マネジメント」については、運輸局が行う鉄道、バス、タクシー、トラック、船舶の各輸送モードに対する検査・監査と相互に補完しながら、運輸の安全性の確保・向上が実現されるよう引き続き緊張感を持って取り組んで参ります。
 また、昨年、中国運輸局では、車検切れ車両の対策強化のため、公道を走行する車検切れ車両を瞬時に検知することができる「可搬式ナンバー自動読取装置」を導入し、昨年11月から順次運用を開始しております。この他、街頭検査を通じた整備不良車・不正改造車の排除、車輪脱落防止・積載物落下防止についての啓発活動の実施など、引き続き事故防止に努めて参ります。
 運輸の「防災・危機管理」につきましては、先般のような豪雨災害や南海トラフを震源とする地震など、大規模災害に常に備えておかなければならない昨今です。中国運輸局としましては、7月豪雨災害の経験も十分に活かしながら、関係自治体、交通・物流事業者、関係機関及び四国・九州運輸局とも連携を取りながら、防災危機管理体制の強化・向上を図って参ります。

 二つ目は、「観光による地域振興」です。
 7月豪雨災害の直後は宿泊キャンセルが相次ぎ、中国地方では宿泊客の大きな落ち込みが見られました。
 被災地域の観光需要の回復と更なる誘客促進は、中国運輸局の最重要課題の一つです。幸いなことに、直接被害を受けた観光地は殆どなかったこともあり、中国運輸局では、SNSや観光PRイベントを通じて「観光地は元気に営業中」とのメッセージの発信に努めてまいりました。観光地の魅力を国内外に積極的に発信するなど、引き続き観光への風評被害払拭に向けて取り組んで参ります。
 インバウンドについては、昨年の訪日外国人旅行者数は3,000万人を超え、中国管内においても外国人延べ宿泊者数が対前年比約2割増で過去最高となる見込みです。
 英国の大手旅行雑誌「NATIONAL GEOGRAPHIC TRAVELLER」の2019年におすすめする観光地を紹介する「The Cool List 2019」において、“Setouchi”が日本で唯一掲載されており、瀬戸内海の多島美による魅力が世界で高く評価されています。今年は、3年に1度の瀬戸内国際芸術祭が開催される予定であり、海外から多くの観光客が訪れることが期待されます。また、アジア初となるラグビーワールドカップの開催も予定されており、中国管内においては長門市がカナダチームのキャンプ地となっております。中国地方の魅力を世界に発信する絶好の機会と捉え、訪日需要の創出、とりわけ中国地方における訪日外国人旅行者の広域周遊と滞在期間の延長を強力に推進して参ります。
 また、国土交通省が推進する「C to Sea プロジェクト」のアンバサダーSTU48の劇場専用船「STU48号」が今年の春に完成予定です。この船を重要な観光資源と位置付け、関係者と連携して、海と船の魅力、瀬戸内エリアの魅力を発信する様々な取組を進めて参ります。

 三つ目は、「地域公共交通の活性化」です。
 公共交通は、人の交流を生み出し、地域を活性化するために不可欠な社会インフラです。また、7月豪雨災害時においてバスや旅客船が地域の移動手段として大きな役割を果たし、その重要性が再認識されたところです。
 一方で、中国地方は中山間地や島嶼部が多く、過疎化・高齢化の状況も全国に比して高く推移しており、利用者の減少や担い手不足など、地域の公共交通を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。乗合バス、タクシー、離島航路、地方鉄道など、地域の生活交通の維持確保と活性化は喫緊の課題となっております。
 このような状況の中、平成26年の地域公共交通活性化再生法の改正を受け、地域の関係者による公共交通の今後のあり方の検討・議論が進んでおり、昨年は、三江線沿線地域、広島市、廿日市市、鳥取県西部地域、美祢市で再編実施計画が策定されました。
 三江線沿線地域では、廃止されたJR三江線の代替交通として昨年4月から新たなバス路線の運行がスタートし、地域住民の足としての役割を担っています。地域の方々が安心して住み続けられるよう運輸局としても引き続きサポートして参ります。
 また、昨年5月、政令市として初めて、広島市で再編実施計画に基づくバス路線の再編が行われ、都心循環バス「エキまちループ」の運行がスタートしています。今年は、バス路線再編の第二弾となる事業の実施を予定しており、運輸局としてもこの先進的なプロジェクトに積極的に取り組んで参ります。
 この他にも、岡山市の公共交通網形成計画の策定や、鳥取県中部地域、福山・笠岡地域における広域での再編実施計画の策定などを予定しており、運輸局も最大限サポートしていく所存です。
 また、今年は、JR西日本の境線、宇野みなと線においてICカードエリアの拡大が予定されており、更なるエリア拡大を支援するとともに、交通施設等のバリアフリー化を推進するなど、引き続き公共交通の利用者利便の向上に取り組んで参ります。

 最後に、「生産性革命による産業振興」です。
 交通・運輸産業においては、深刻な人手不足や将来の担い手不足が顕在化しております。こうした中で、生活や経済を支える交通サービスの機能を将来においても果たすため、また、魅力ある産業として発展していくためには、担い手の確保・育成と生産性の向上を両輪として推進していく必要があります。
 運輸業においては、運転士不足を原因としたバス路線の廃止・減便やタクシーの廃業が生じており、地域公共交通を確保・維持していく上で人手不足の解消は喫緊の課題となっています。運輸局としても、運転士の就職フェアや事業者向け人材確保セミナーの開催、運輸支局長の高校訪問による情報提供など、自治体や労働局とも連携しながら、引き続き担い手不足の解消に向けた取組を推進して参ります。
 また、昨年、海事局は、海事産業における女性の活躍を応援する「輝け!フネージョ★」プロジェクトを開始しました。女性が働きやすい職場環境を実現している取組事例、現役女性職員の声を「海事産業における女性活躍推進の取組事例集」として取りまとめ、情報発信しております。運輸局としても女性や若者が働きやすい職場環境づくりを支援して参ります。
 生産性向上に向けては、中国管内において、バスやタクシーを活用した貨客混載の取組が進められております。例えば、昨年4月から広島バスセンターにおいて、高速バスの荷物スペースを活用して地域の特産品を運搬し、広島バスセンター内の直営店で販売する取組が始まっております。タクシーについても、中国運輸局が全国で初めてタクシーによる貨客混載輸送の認可を行った(株)二葉観光運輸が、今年、岡山県矢掛町において農産物等の配送を開始する予定です。
 このような貨客混載やモーダルシフト等の輸送効率化に向けた取組については、物流総合効率化法に基づく支援措置も講じているところです。昨年、複数の事業者が連携して物流の省力化・効率化を図る事業として、営業用倉庫など物流拠点の集約化、トラックから船舶へのモーダルシフトなど合わせて6件の取組を認定しました。引き続き物流効率化に向けた取組を支援して参ります。
 海事分野に関しては、海事産業におけるIT化を進めるなど技術面での支援を行うとともに、我が国有数の造船・舶用工業集積地である瀬戸内海沿岸地域において、産官学の連携による造船教育の実施など人材確保・育成の取組を進め、海事生産性革命(i-Shipping)を深化させて参ります。

 以上、本年、中国運輸局が重点的に取り組む施策について所感を申し述べました。地方公共団体や地域の皆様から、中国運輸局があって大変良かった、おかげで中国地方が元気になったと実感していただけるような政策運営に努めて参ります。
 最後に、皆様のますますのご発展を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。


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