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具体化に向けた概要(平成22年度から)

「関東交通プラン」の推進方針 2010-2015

1 経緯

   関東地方交通審議会においては、都県ごとの「地域における公共交通機関の維持整備に関する計画」を策定するとともに、順次フォローアップを行い、平成12年末までにこれらの計画の目標年次に至った。

   その後、「需給調整規制の撤廃」「少子高齢化」「地球環境問題の深刻化」「技術革新による情報化」等、公共交通を取り巻く環境は大きく変化していたことから、それまでの都県ごとの計画に代わる、新たな計画を策定する必要性があった。

   また、関東運輸局においても、従来からの事業監督型行政に加え、公共交通・観光分野における地域密着型行政の展開、環境対策・バリアフリー化等の新たな課題に対応するため、企画振興部(現企画観光部)及び交通環境部の2部体制とされた。

   このような中で、平成17年4月に関東地方交通審議会より「関東交通プラン2005-2015〜安全・安心・便利で環境にやさしい交通の実現と観光による地域の活性化のための行動計画〜」が答申された。

   「関東交通プラン」は、「8つの目標」を立てるとともに、目標ごとに「めざす姿」と「施策の方向」を明らかにしている。また、具体的施策を掲載した「推進プログラム」を作成することに加え、優れたモデル的な施策については、年度ごとに「モデル施策」として選抜することとしている。

   「関東交通プラン」の具体的な実施に当たっては、フォローアップ部会として「政策推進部会」を設置し、モデル施策に焦点を当てながら施策の推進状況を報告し、部会委員から意見・助言をいただいているところである。

2 関東運輸局における施策の実施と実現した効果

これまで、関東運輸局の行政の中心であった、運送事業の許認可・処分、自動車・船舶の検査・登録等の業務に加え、公共交通・観光等の地域密着型行政の展開を図ることとした結果、上述の通り、「関東「運輸局における企画2部体制」が構築されるとともに、関東管内における交通・観光施策の指針となる「関東交通プラン」が策定されるに至った。

   また、「公共交通活性化総合プログラム」をはじめ、鉄道・バス・旅客船関係の補助制度、各種バリアフリー関係補助制度等、関東運輸局が活用できる支援制度が充実し、企画2部のみならず各原部(鉄道部、自動車交通部、海事振興部等)においても、これらの業務が増加した。さらに「関東交通プラン」の推進に係る関東運輸局内の協力体制の整備を進めた結果、各部、各職員に企画業務に関する意識の浸透が図られてきた。

   このように「関東交通プラン」に基づく「6つの基本姿勢」に沿って、「8つの目標」ごとに施策を推進してきた結果、

  • 交通関係のNPO法人の増大等、交通・観光施策への市民の参画の機会の増加
  • 鉄道駅・車両のバリアフリー化やノンステップバスの導入率の増加等、公共交通のバリアフリー化
  • 都市鉄道ネットワークの整備やバスロケーションシステムの導入の増加等、都市交通の利便性の向上
  • 地域における関係者が一体となって取り組む生活交通の確保
  • 物流システムのグリーン化・効率化
  • 低公害車導入車両数の増加等、環境に配慮した交通の確保
  • 交通事故件数や事業用自動車重大事故件数の減少等、安全・安心な交通の確保
  • 入込観光客数の増加等、観光立国の実現
等、これまでも様々な効果を実現してきたところである。

3 「関東交通プラン」の効果的な推進に向けた方針

   「関東交通プラン」は、2009年度(平成21年度)に5年目を迎えるが、関東地方の人口は平成22年をピークに緩やかに減少し、少子化が進展する中で高齢化率が上昇し、今後は地方部よりも都市部において高齢人口の増加数が多くなると推測されている等、答申当時からみても社会・経済情勢が変化し、公共交通等を取り巻く環境も変化してきている。

   また、関東運輸局内においても、今後は、職員定員の増加が見込まれない中で、各運輸事業の安全対策の強化、事業の適正化等にも、当局の資源を傾注しつつ、「関東交通プラン」も強力に推進していく必要があり、より一層、効果的、効率的に推進することが求められている。

   このため、平成21年6月に「今後の関東交通プランの望ましい進め方に関するワーキンググループ」を設置し、議論を行ってきたところであり、同WGにおける議論を踏まえ、2015年度(平成27年度)までの残りの期間において、以下の通り「関東交通プラン」の効果的な推進を図る。

(1)今後の重点課題とその取組方針の策定

   「関東交通プラン」においては、交通・観光に関する個別具体的な施策を展開していくに当たり、利用者・受益者・地域の一員である市民の参画が必要という考えから、すべての施策に関わる横断的な目標1として「交通・観光施策への市民の参画」を位置づけている。当該目標を踏まえ、地域公共交通の活性化、観光地域づくりの推進等に向けて、自治体が中心となり市民も参加する協議会において議論していく制度を創設するなど、個別具体的な施策の推進に当たって市民参画の機会の確保を図る取組が広がってきているところである。

    このような市民参画の取組の浸透など、これまでの施策の成果や社会・経済情勢の変化を踏まえ、関東交通プランの残り期間において、効果的に施策を推進するため、他の行政計画との整合性を図りつつ、今後の重点課題について、焦点を絞った取組方針を定め、その取組方針に沿って、具体的な施策を重点的かつ効果的に実施していくこととする。

(2)「関東交通プラン」の推進状況の検証方法の改善
[1]関連指標の調査・分析

   これまで、「関東交通プラン」の推進に当たっては、各年度の「モデル施策」の推進が中心的な役割を担い、推進状況の検証についても「モデル施策」を対象に、PDCAサイクルを用いて評価することに主眼をおいてきたところであるが、今後は(1)の重点課題ごとの取組方針に沿った施策(以下「重点施策」という。)の推進状況について、検証していくこととする。

   その際、施策の推進状況については、「推進プログラム」の更新を踏まえた上で検証することとなるが、「関東交通プラン」に基づく施策の総合的な推進状況を的確に把握・検証できるよう、重点課題ごとに関連のある定量的なデータ(関連指標)の調査・分析を行うこととする。

   関連指標については、

  1. 重点課題ごとに、施策の背景や推進状況を、具体的に明らかにできる
  2. 初期年度(原則として平成17年度)と最新年度を比較できる
  3. 既存の枠組みや統計調査等により、比較的容易に算出できる
ものを基本とし、毎年度、市民の意見も聴きながら、必要に応じ見直しの有無等を検討することとする。

[2]交通・観光に対する意識調査の実施

   「関東交通プラン」の推進に当たっては、市民が公共交通サービスや観光の現状についてどのように考えているか等、[1]の関連指標では位置づけられない状況についても把握・評価し、今後の施策展開に反映していくことも有効と考えられる。

   このため、今後は、インターネットを活用し、公共交通利用者等としての一般市民を対象に、交通・観光に対する満足度等に関し、定期的に意識調査を実施し、その結果を定量的に評価することとする。

(3)政策推進部会の進め方
[1]審議内容

   政策推進部会における審議に当たっては、これまで、事務局から「モデル施策」の取組状況や評価を詳細に報告した上で、委員より、これに対する意見・助言をいただくことが主な議題となっているが、今後は、重点施策の推進状況からみて、施策の内容や効果・課題について、特に報告すべきものを選抜し、効果的に審議を行うこととする。

   さらに、(2)の重点課題ごとの関連指標の状況をあわせて報告し、「関東交通プラン」に基づく施策の総合的な推進状況について審議いただくことにより、PDCAサイクルを通じ、「関東交通プラン」の的確な推進を図ることとする。

[2]開催時期

   部会の開催時期については、「関東交通プラン」においてスケジュールの骨格が示されており、これまでは毎年度後半(1月・3月)に開催されてきたところである。

   しかしながら、翌年度の予算措置が不透明な中で、翌年度の施策を選定することとなっており、その候補の提示が困難であることや、推進状況は可能な限り直近のデータを用いて検証することが望ましいことを踏まえ、今後は、以下のとおり、当年度末に1回、翌年度前半に1回開催することを基本とする。

    【当年度末】

  • 当年度重点施策の評価・分析(PDCA)(報告案件を選抜)
  • 翌年度重点施策案等の提案
  • 翌年度重点施策案等に対する意見募集の提案
    【翌年度前半】
  • 前年度の推進状況(重点課題ごとの関連指標の状況、交通・観光に対する意識調査の結果を含む。)に関する審議
  • 当年度重点施策案等に対する意見募集の結果報告
  • 当年度重点施策等の決定

(4)市民からの意見募集やモニタリングの実施

   「関東交通プラン」の策定段階においては、関東地方交通審議会の成果をPRするとともに、市民の意見を聴取するため、アンケート調査やグループインタビューによるPI(パブリック・インボルブメント)を実施した。

   関東運輸局では、「関東交通プラン」策定後も、「関東交通プラン」をはじめとする関東運輸局の施策の意義・必要性を広く市民に伝えられるよう、毎年度、ターミナル駅における「オープンハウス」を開催するとともに、関東運輸局のホームページ等において翌年度のモデル施策等に対する意見募集を行ってきた。

   しかしながら、「関東交通プラン」は策定から5年目を迎え、既に一定程度の周知が図られ、このような取組については、「関東交通プラン」の策定段階における市民への情報提供という一つの意義が薄れてきているところである。一方、「関東交通プラン」を、より一層、効果的、効率的に推進するために、進捗の評価を求められる段階にある。

    このため、今後は、

  1. 重点施策及び関連指標に対する市民からの意見募集
  2. 一般市民を対象とした交通・観光に対する満足度等に関する定期的なモニタリング
を行い、利用者・受益者・地域の一員である市民の意見を聴き、それをPDCAサイクルに反映し、交通・観光に関する個別具体的な施策を展開していくこととする。

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