2025年12月3日 更新
令和7年度近畿運輸局交通関係環境保全優良事業者等表彰受賞者一覧表
令和7年度受賞事業の概要
| 受賞者 | 主な受賞事由 |
| ネスレ日本株式会社 |
「中距離帯モーダルシフトを行うことにより、CO?排出量削減やトラック運転時間縮減を実施」
本取組は、食品飲料業界では初めて、中距離帯(300q-400q)において大量の貨物を定期的に鉄道で輸送することを実現したもので、トラック輸送量の削減によりCO2排出量、運転時間を大幅に削減させており極めて顕著な成果をあげている。 鉄道貨物輸送を行う際は、到着駅から在庫拠点へはトラックで輸送することが大多数であるが、今般の取組では鉄道貨物ターミナル駅内に物流拠点を新たに設立し、その側線倉庫へコンテナのまま納品、在庫管理を行っている。これにより到着駅から各拠点へのトラック輸送を不要にし、在庫拠点への輸送人員、輸送コストも削減させている。 また、人身事故や自然災害などを要因とする運行遅延や運休へのリスクヘッジとして、輸送経路を分散させることにより、安定した輸送力を確保している。その上で、同社のシステムと貨物鉄道の輸送システムを連携させることにより、輸送状況の「見える化」を行い、計画的な輸送を実現した点は特筆すべき点である。 本取組の成果は、世界企業として国の内外に向けて情報発信しており、他事業者への波及効果も大きく、鉄道貨物輸送の利用促進と環境保全に向けた物流の啓発にも貢献している。今後も鉄道輸送エリアを拡大するとともに、他企業との混載共同輸送をスタートさせるなど、CO2削減とトラックドライバー不足の課題に対し意欲的に取り組む姿勢は高く評価できる。 |
| 株式会社読売新聞大阪本社 公益財団法人大阪府学校給食会 株式会社永尾運送 株式会社宮田運輸 |
「新聞輸送の空きスペースを活用した、互いの貨物の品質に干渉しない共同配送のマッチング」 本取組は、同一地域(大阪府北部)において、これまでそれぞれのトラック事業者によって決められた時間に輸送していた新聞夕刊と給食食材を同一のトラック車両で輸送することにより、CO2排出量とトラックドライバーの運転時間を削減したものであり、地域に根ざした貨物輸送における共同化の好事例として高く評価できる。 新聞輸送は定期・定時の輸送を行うことが強みであるが、一方で空きスペースの活用が課題である。今般の取組は、新聞輸送と同様に定期・定時の輸送を行う給食食材との共同輸送を実施したものであるが、新聞と給食食材という異なる品質の貨物を同じ車両で運ぶためには、荷主企業による深い理解と運送事業者との合意形成が必須であり、双方で良好な連携が構築されていることも注目すべきである。 また、給食食材の輸送は、新聞の配送トラックの空きスペースを活用し、輸送ルートに工夫を凝らすことによって行っており、新たな設備投資を一切行わずに共同輸送を実現させた点も特筆すべきである。 地域を問わず実施されている新聞輸送と給食輸送をマッチングさせる今回の取組が、各地で水平展開されることを大いに期待する。さらに、新聞輸送のネットワークを活用した様々な取組が行われているがこれらについても引き続き注視していきたい。 |
■問い合わせ先:近畿運輸局 交通政策部 環境・物流課
TEL:06-6949-6410 FAX:06-6949-6169
