海事振興部

旅客課/九州の旅客船事業

 「離島をぶらり」
六 連 島(むつれじま)

六連島
1.六連島の紹介
 六連島は、下関港の西約6kmの響灘に位置し、大型船舶が行き交う国際航路に挟まれた溶岩台地の島です。中央の小高い丘には、世界でも3カ所しかないといわれる雲母玄武岩があり、国の天然記念物に指定されています。日本書紀にも「没利(もつり)島」として登場する歴史のある島で、現在の「六連島」の由来は、大小6つの島が連なっているからとも、昔島の住民が土地を6等分したためとも伝えられています。

また、島の中央部の肥えた台地では、温暖な気候であることからキャベツなどの露地野菜の栽培がおこなわれていましたが、最近ではキクやカーネーション、ガーベラなどの花きのハウス栽培が盛んです。


雲母玄武岩
2.六連島を観る
・雲母玄武岩
 島の中央の小高い丘には、世界でも3ヶ所しかないといわれる「雲母玄武岩」があります。雲母玄武岩は、火山活動により噴出した高熱の玄武岩が、海水で急激に冷やされることにより無数の小さな穴ができ、その内側に4mmほどの光を放つ黒雲母と角閃石の結晶が生じた大変珍しいもので、明治の初め頃発見されました。日本では六連島だけのものであり、昭和9年1月22日に国の天然記念物に指定されました。
雲母玄武岩


六連島灯台 ・六連島灯台
 日米和親条約で決まった兵庫開港(現在の神戸港)に備えて、慶応3(1867)年4月の大阪条約に基づき建設された5つの灯台の一つとして、英国人アルへリン・ブランドンが率いるお雇い外国人により、明治4年11月21日に初点灯されました。現在のものは、4万燭光で15秒ごとに1閃光していますが、当初は第4等白色不転レンズで石油灯を使用しており、その後アセチレンガス灯、自家発電による電化と変化し、昭和38年には海底ケーブルによる本土からの電力供給と設備は近代化されましたが、外観は当時の面影をとどめています。
六連島灯台


3.六連島を食べる
・ウニの瓶詰め発祥の地
 下関の名産品として全国的にも有名なウニの瓶詰めの加工技術は、もともと六連島が発祥の地です。江戸時代には藩主献上用として日持ちのする塩漬けが考案され、後に焼酎漬けに改良されました。ところがある日、島を訪れた外国人水先案内人が西教寺の住職と歓談を講じていたとき、杯に注ごうとしていた強い洋酒(ジン)を誤ってウニの入った小鉢にこぼしてしまいました。住職はそのままウニを口に運びましたが、これが意外と美味であったため、島の城戸久七にこの話をして試作させ、城戸久七はさらに研究を重ねて独特のアルコール漬けウニの加工法を生み出しました。



※このページは、(財)日本離島センター発行の「日本の島ガイドSHIMADAS(シマダス)」(1998年)の内容の一部を転載したものを含んでいます。このページの一部または全部を無断で複製することはできません。

(C)日本離島センター National Institute for Japanese Islands

ページのトップヘ