海事振興部

旅客課/九州の旅客船事業


 「離島をぶらり」
黄 島(おうしま)

1.黄島の紹介
 黄島は、福江島の南方に位置し、玄武岩質溶岩の平坦な小島で、噴火口を持つ番岳(92m)が最高点。鬼岳火山群に属する火山島で、島の裏側には直径200mほどの擂り鉢状の噴火口があります。東側には多数の溶岩トンネルがあり、奥行き10m以上の物だけでも10ヶ所位あります。
 また、水源がないため天水を利用していたが、昭和59年国のサンシャイン計画による太陽光発電利用海水淡水化施設(世界初)が設置され、現在は住民の生活用水として活用されています。


2.黄島を観る
・黄島熔岩トンネル(名称「丈の穴」)
 奥行き132m、高さ1.2〜7.2m、幅2〜5.7m。トンネルの最も奥には観音様がまつられており、島内外の人々に信仰され、県の天然記念物に指定されています。福江島富江町の洞窟「井坑」まで続いているという伝説があります。
 
・ノアサガオの群落
 ノアサガオは、東南アジア及びオーストラリアの海岸に生えている植物で黄島神社の南海岸にひっそりと生い茂っています。花は紫色で、茎は冬でも枯れることがなく、アサガオの原種といわれており、鐙瀬、大浜、三井楽、奈留島等でも見られます。
 
・太陽光発電利用海水淡水化施設
 太陽光をエネルギー源として、海水を淡水化するシステムは、福江市黄島の海水淡水化施設が、わが国の第1号で、実証プラントは福江市に移管して運転され、島民の暮らしに役立っています。
海水淡水化は、太陽電池によって得られた電力を動力とし、電気透析法によって行われています。黄島では25キロワットの太陽光発電実証プラントが造られ、昭和61年(1986)から3ヶ年の試験運転の結果、日量4立方メートルの淡水をつくることができ、簡易水道施設並みの滅菌装置をつければ飲み水にも使えることが分かりました。
 
・延命院
 高野山真言宗「延命院」は五島八十八カ所の第15番札所に指定されています。
 
・細ケ岳
 島の西端に位置する「細ケ岳」は、高さ15mほどで、県内でも最も低い山であり、日本の100低山に登録されています。


※このページは、(財)日本離島センター発行の「日本の島ガイドSHIMADAS(シマダス)」(1998年)の内容の一部を転載したものを含んでいます。このページの一部または全部を無断で複製することはできません。

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