貨物自動車運送事業における飲酒運転防止にかかる自己チェックの取り組みについて
〜アルコール依存症対策の推進を図るために〜
<取り組み概要>
東北運輸局では、 現在、事業用自動車総合安全プラン2025において飲酒運転ゼロを目標として取り組みを行っているところです。
しかし、令和3年の東北運輸局管内における飲酒運転事案は7件※発生し、その全ての事案について、運転者のアルコール依存症の可能性が疑われる状況です。
※令和4年2月末時点において把握している件数
今年度、東北運輸局では、東北各県のトラック協会と連携し、毎年実施している「年末年始の輸送等に関する安全総点検」の期間を活用し、貨物自動車運送事業に従事する運転者が飲酒の影響やアルコール依存症に関して、どれだけ理解しているかを確認し、アルコール依存症対策の推進を図るため、「飲酒運転防止にかかる自己チェックシート」に取り組みました。
東北運輸局管内の約4千3百の事業者に所属する総勢約6万8千人の運転者から自己チェックを実施していただき、この度、その結果を取りまとめましたので、お知らせします。
<取り組み結果 全体統括>
全体的には、「1.遵守事項」の項目の理解度が高く、「3.アルコール依存症対策」の項目の理解度が低い傾向なので、飲酒運転は絶対にしてはならないことについては、理解されているが、その背景にあると疑われるアルコール依存症については、十分理解されていないものと思慮されます。
個別項目では、『2−3』の項目について、「4:理解している」の割合が全項目中、最も低い状況ですので、アルコールの分解は、起きている時によりも寝ている時の方が余計に時間がかかることについて、運転者へ積極的に指導すべき事項であると言えます。
『3−5』の項目について、全項目中、2番目に「4:理解している」の割合が低いことは、最近、減酒治療が始まったばかりで、まだ認知度が低いことから当然ですが、『3−4』の項目について、全項目中、3番目に「4:理解している」の割合が低いことは、スクリーニングテストの活用について令和3年7月の通達でも周知しているものの十分に認知されていない残念な状況ですので、これからも粘り強く周知していくことが重要です。
取りまとめの結果から、飲酒運転ゼロを達成するためには、アルコール依存症対策の推進が重要であり、そのためにはアルコール依存症に関する正しい知識を持ち、病気の早期発見及び早期治療につなげることができるよう、引き続き、取り組む必要があります。
今後更に、運転者に対する指導・教育の充実を図るとともに、運転者の健康について、きめ細やかな管理体制の構築に向けて取り組むことが望まれます。
<自己チェックシート>
事業者は、運転者に対して、アルコール依存症対策に対する意識付けを図るため、「アルコール依存症スクリーニングテスト」を行ったうえで、別紙1「飲酒運転防止にかかる自己チェックシート」により自己チェックを実施しました。
・飲酒運転にかかる自己チェックシート
<取りまとめ表>
事業者は、飲酒に関する各運転者の理解度を把握するため、別紙2「「飲酒運転防止にかかる自己チェックシート」の取りまとめ表」を営業所毎に集計し、自己チェック実施結果を確認しました。
<参考資料>
事業者は、運転者に対して、アルコール依存症の正しい知識等を理解させるため、「参考資料」に掲載している飲酒運転防止にかかる啓発資料、啓発動画等を活用した教育を実施しました。
・参考資料 飲酒運転防止にかかる啓発資料、啓発動画等