船の種類とその特徴(その1)
貨物船 |
貨物船は、貿易物資や国内貨物の輸送を行うための船です。現代の貨物船は、貨物の種類によってさまざまなタイプに分かれており、形や構造もそれぞれ非常に異なっています。このように、より輸送効率を高めるために、特定の貨物に会わせた構造や特徴をもつ船を「専用船」と呼び、原油を専門に運ぶオイルタンカーやコンテナを運ぶコンテナ船などがその代表です。 |
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タンカー |
船倉はタンク状になっており、原油の積みおろしを行うためのパイプラインやポンプを備えています。 |
セメント専用船 |
セメントを粉状のままバラ積込み輸送する船。荷揚用コンベアのセルフ・アンローダーをつけた構造の船が多い。 |
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石灰石専用船 |
石灰石をばら積みで専門的に運ぶ船。荷揚用コンベアのセルフ・ア ンローダーをつけた構造の船もある。一般的に、大量輸送を求め られるため、大型船が多い。 |
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コンテナ船 |
国際規格の海上コンテナを専門に運ぶ船で、国際定期航路の主力。 |
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自動車専用船 |
自動車を専用に運ぶ船で、船内は何層にも分かれた駐車場ビルのようなつくりです。積み荷の自動車は自走してから積み込み積みお ろしされます。 |
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LNG船 |
マイナス162℃の液化天然ガス(LNG)を運ぶ船で断熱構造のタンクには超低温に耐えられる特殊素材が使われています。 |
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LPG船 |
液化石油ガス(LPG)を運ぶ船で、低温で液化するタイプ(主に外航)と高圧で液化するタイプ(主に内航)があります。 |
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ばら積み船 |
穀物や石炭などの貨物をばら積みの状態で運ぶ船です。荷役装置を持つものと持たないものがあり、大型船では持たないのが普通です。 |
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鉱炭兼用船 |
ばら積み船の一種ですが、鉄鋼原料の鉄鉱石と石炭を運ぶために専用化した船で、船型もタンカーに次いで大型化しています。 |
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ロールオン |
貨物をトレーラシャーシーごと運ぶ船で、貨物が自走して積み込まれます。 |
船の種類とその特徴(その2)
旅客船 |
旅客を運ぶ船には、国内の各地を結んで人を運ぶ一般旅客船、人 と自動車を一緒に運ぶフェリーや世界のさまざまな海域を周遊する外航クルーズ船、レジャーを楽しむ観光船、離島航路などを結ぶ ジェットフォイルなどの高速旅客船もあります。 |
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外航クルーズ船 |
季節やニーズに応じて世界のさまざまな海域を周遊するレジャー志 向の客船で、豪華な設備と行き届いたサービスが魅力です。 |
一般旅客船 |
主に国内各地の港を結び、旅客を運ぶ船です。船によって生活物資も運びます。 |
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長距離フェリー |
国内の主要都市を結び人と車を同時に運びます。貨物船の性格も持っており、国内貨物の輸送にも大きな役割を果たしています。 |
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フェリー |
離島航路などに就航するフェリーで、地域の生活の足として重要な存在です。 |
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ジェットフォイル |
離島航路や近隣国への航路を結ぶ高速旅客船で、時速80q以上の高速で走ります。 |
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レストランシップ |
食事をしながら湾内クルーズなどを楽しむ新しいタイプの観光船です。 |
船の種類とその特徴(その3)
その他の船 |
貨物船や旅客船の船の他にも、漁船、巡視船や消防艇まどの官庁船、護衛官や潜水艦などの艦艇、各種調査船などさまざまな船があります。また特殊な船として石油掘削船などの作業船があります。 |
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護衛艦 |
海上自衛隊の保有する主力艦。高度な電子機器やミサイルを装備しています。 |
訓練船 |
船員になるための航海実習訓練に使われます。 |
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巡視船 |
海難救助や沿岸警備に活躍する海上保安庁の船で、小型のものは「巡視艇」と呼ばれています。 |
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漁船 |
漁ろう船(カレイ、タラ、ニシンなどを獲るトロール漁船)、工船、運搬船、その他(指導船、調査船)があります。 |
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消防艇 |
船の火災時に消火活動を行う船で、海水を噴射する強力なポンプを備えています。 |
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海底油田 |
海底油田を掘削する船で目的地まで他船で曳航されます。 |
(出典)わかりやすい海事知識「造船と海洋知識」(財)日本海事広報協会
内航辞典(内航実務研究会編)内航ジャーナル