旅客船のバリアフリー

 交通バリアフリー法では、海上運送法による一般旅客定期航路事業を営む者が旅客船を新たに導入する場合、移動円滑化のために必要な構造及び施設に関する基準(バリアフリー基準)への適合を義務づけています。
 
 この基準は、平成14年5月15日以降新たに導入される総トン数5トン以上の旅客船について適用されます。
 
【船舶の主なバリアフリー設備設置基準】
 
(船内旅客用設備利用に関する基準)
  1. バリアフリー化された客席及び車いすスペースを設けること。
     (1)バリアフリー客席:旅客定員25人に対して1個以上の割合で設置する。
     (2)車いすスペース :旅客定員100人に対して1個以上の割合で設置する。

  2. トイレについて、高齢者、身体障害者の円滑な利用に適した構造とすること。
     バリアフリー便所:法律において大便所の設置義務がある場合は1以上設置する。

  3. 食堂を設ける場合は、高齢者、身体障害者の円滑な利用に適した構造とすること。
     バリアフリー食堂:食堂を設ける場合そのうち1以上 バリアフリー食堂でなければならない。
     車いすテーブル : バリアフリー食堂の車いす使用者テーブルはいすの収容数100人に対して1個以上の割合で設置する。
(通行部分に関する基準)
  1. 船内通路では、高齢者、身体障害者等を含む全ての使用者が安全に通行可能な配慮をすることが必要となる。
     バリアフリー通路 :基準の幅を有する バリアフリー通路の設置及び手すりを設置する。

  2. バリアフリー客席等からトイレ、食堂等の船内旅客用設備へ通ずる1以上の経路について、エレベーターの設置等により、高齢者、身体障害者等が単独で移動可能な構造とすること。
     バリアフリー エレベータエスカレータ :複数の甲板を有する船舶で、客室と船内旅客用設備が異なる甲板に設置されている等の場合、垂直移動が必要となるためエレベーター等の設が必要。
     
(情報提供に関する基準)
  1. 視覚障害者の船内移動のため、点状・線状のブロックの敷設が必要。

  2. 視覚障害者をはじめ全ての旅客の移動を円滑にするため点字案内板等の船内の案内が必要。

  3. 目的港の港名その他運航に関する情報を提供するため、文字等を表示するための設備及び音声により提供する設備が必要。

  4. 身体障害者等の利用に関する配慮がなされている主要設備には、国際シンボルマーク等を表示することを配慮。
 以上は主な設備設置基準でありますが、全ての旅客船に一律に適用されるわけではなく、旅客船の構造または航行の態様により異なる場合があります。


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