船員になりたい方にお知らせします。
船員になるには
1.船員とは
船員とは、船舶に乗り組み、海上で働く人たちの総称です。
船員には、船長、海員、予備船員の別があります。
船長は、主に船内にあり、海員を指揮監督する船舶における最高責任者です。
海員とは、船内で使用される船長以外の乗組員を指し、この海員をさらに分けて、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士などを職員、それ以外の乗組員を部員と呼びます。
なお、予備船員とは、船舶に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていない者を指し、一例としては有給休暇中の船員などが挙げられます。
船長、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士などの職員として、船舶に乗り組む場合には、船舶の航行する区域や船舶の大きさ、推進機関の出力の区分ごとに法令で定められた海技従事者の資格が必要となります。
加えて、甲板部の職員(船長や航海士)には一定の無線従事者資格が必要となりますし、乗船する船舶の種類によっては別に職員に必要な資格を求めているものもあります。
なお、部員にはそれ自体に特別な資格は求められていませんが、航海当直の職務を行う部員として船舶に乗り組む等の場合には認定を受けた有資格者が求められています。
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2.船員になるには
船員になるには、まず、船舶所有者に船員として雇用(採用)されることが必要です。
ただし、特別な場合を除き、15歳に満たない方は船員となることができませんし、未成年者の方が船員となるためには法定代理人の許可を受けなければなりません。
船舶所有者からの船員の求人は、地方運輸局や運輸支局(海事事務所)の船員職業安定業務の窓口でご覧になることができますが、一般的に経験(海上実歴)のない方の求人は非常に少ないのが現状です。
したがって、海上技術学校(旧海員学校)や水産高校といった船舶職員養成系の学校で海技従事者の資格(海技免状)を取得した上で、海上労働の第一線に出るというかたちが一般的です。
船舶所有者に船員として雇用(採用)された方は、次に、地方運輸局や運輸支局(海事事務所)、指定市町村等の窓口で船員手帳の交付を受けます。
その後、船員法指定医療機関で船内労働に適することの証明(健康証明)を得た上で、船員法に定める雇入契約の届出を行った後、はじめて船員として船舶に乗り組むことができるという手順になります。
3.船員の労働条件
船員の労働基準を規定する法律が「船員法」です。
この法律には、船員の給料や労働時間、休日、有給休暇等の基準が定められており、陸上労働者に対する労働基準法に相当するものです。船員手帳を持つことの義務付けや健康証明書の受有、雇入契約の届出といったこともすべて船員法に規定があります。