第15回 海事プレス社読者が選ぶ
クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー 2006




■ 総合部門


順位  船名 票数 にっぽん丸の「飛んでクルーズ北海道」来年も実施目指す
 1位
 飛鳥U 388
日本での「定期・定点クルーズ」の定着を目指した、国内フライ&クルーズ商品「飛んでクルーズ北海道」が成功を収めた。9月に実施した小樽、利尻、網走、礼文などに寄港する3コースは、どれもほぼ満室。
商船三井客船とJTB北海道の共同企画、また
北海道クルーズ振興協議会の後援で実施されたもので、来年も実施を目指すことで3者が同意している。
2位  にっぽん丸 188
3位  クイーン・エリザベス2 140
4位  クリスタル・セレニティ 132
5位  ぱしふぃっく びいなす 116
6位  クイーン・メリー2 104
7位  セブシーズ・ボイジャー 88
8位  サファイヤ・プリンセス 83
9位  ダイヤモンド・プリンセス 79
10位  ふじ丸 68
にっぽん丸(利尻町沓形港)



■ 外国船部門
ラグジュアリー

順位  船名 票数 あこがれVS親近感 二極化が進む
1位
 クイーン・エリザベス2 259
7年連続の首位に輝いたのは、名船クイーン・エリザベス2だ。日本人の絶大な人気を誇る理由をたどってみると、そこには歴史がある。1975年の日本初寄港時は横浜港に3日間停泊、見学者数は52万人に上った。
また、89年の横浜博覧会期間中は大桟橋にホテルシップとしてや2ヵ月間停泊し、多くのファンがその麗姿を心に焼き付けた。2007年は最後の世界一周クルーズに出発し、3月に横浜&大阪に寄港予定。その後も、QE2はオセアニアクルーズなどで日本を訪ねるとか。
2位  クイーン・メリー2 191
3位  クリスタル・セレニティ 172
4位  セブンシーズ・ボイジャー 96
5位  シルバー・ウィスパー 36
6位  シルバー・シャドー 35
7位  クリスタル・シンフォニー 24
7位  セブンシーズ・マリナー 24
9位  オイローパ 12
10位  シーボーン・レジェンド 9



■ 外国船部門 スタンダード-プレミアム

順位  船名 票数 「日本生まれ」を筆頭に、各社の新造船が続く
1位  サファイヤ・プリンセス 123
ラグジュアリー客船と対照的に、気楽なクルーズを楽しめ、実際に乗船しやすいのがスタンダードからプレミアムクラスの客船。多くのクルーズファンにとって「実用的」な客船と言えよう。スタンダード客船なら1泊あたり70〜300ドルファミリー客も多く、にぎやかな雰囲気だ。プレミアム客船は、1泊あたり150〜600ドルでありながら、エレガントな雰囲気も漂う。
特筆すべきは、就航以来、姉→妹のランク・インが順位をひっくり返したサファイア・プリンセス。ダイヤモンド(姉)&サファイア(妹)はアラスカやメキシカンリビエラなどをめぐり、実際に多くの日本人がこの2船で初クルーズを体験した。「里帰り」を毎年行っているという点において、サファイアの方がより強い印印象を与えている。
2位  ダイヤモンド・プリンセス 105
3位  フリーダム・オブ・ザ・シーズ 94
4位  スーパースター・ヴァーゴ 60
5位  カーニバル・プライド 36
6位  MSCムジカ 28
6位  ボイジャー・オブ・ザ・シーズ 28
8位  プライド・オブ・ハワイ 24
9位  アムステルダム 20
10位  コスタ メディタラニア 16



■ 日本船部門

順位  船名 票数 個性ハッキリ キャンセル待ち続出の一年
1位  飛鳥U 700
2006年は、なんといっても飛鳥Uのデビュー。日本に於けるクルーズ市場の底上げに果たした役割は、だれもが知って納得するところだろう。日本船クルーズの人気爆発の追い風に乗り、にっぽん丸やぱしふぃっくびいなすも、クルーズプランやハード&ソフト面におけるアレンジを積極的に行っていった。
初代に比べ、約1.7倍と各段に大きくなった飛鳥U。多種多様なパブリック・スペースを見ていくと、飛鳥U自体を、旅の目的地としているファンが多いのにもうなずける。船側もワンナイトや2泊3日のショートクルーズでも、船上での時間をゆったりと過ごせるように船上での滞在時間を長めにアレンジしている。
にっぽん丸は、テーマクルーズにさらなる注力。ぱしふぃっくびいなすは、いやしの空間びいなすサロン、スモーキングコーナーを新設するなど船内設備を改装した。
08年は3船そろって世界一周クルーズを催行、それだけ世界一周を実現するファンが増えたのだから、日本のクルーズも未来は明るい。
2位  にっぽん丸 490
3位  ぱしふぃっく びいなす 336
4位  ふじ丸 147
5位  トパーズ 15



■ 港部門

順位  港名(国名) 票数 日本も海外も、入出港時の風景が美しい港が人気
1位  横浜(日本) 483
第1位は横浜港。天気の良い日に日本のシンボル・富士山を背景に望むことができる美しい港町だ。今、2009年の開港150周年へ向けて、大々的な記念事業の計画が進行している。過去を振り返ると、開港100年記念の際にはマリンタワーや氷川丸の山下公園係留などの記念事業を実施している。開港発祥の地の再整備や文化・芸術の持つ創造性を活かした都市づくりを重点に置いた今回の計画では、どんな新スポットが登場するか期待したい。
神戸港も港湾地区を中心に近代的な都市づくりが進んでいる。06年は、中突堤旅客ターミナルのリニューアルオープンや神戸空港開港、神戸〜関空ベイ・シャトル就航と相次いだ。今年は開港140周年。現在、神戸メリケンパークオリエンタルホテルの東壁面に「世界への船出」と題したイルミネーションを点灯(3月31日まで)。ロマンチックな神戸、クルーズファンには一層うれしい演出だ。
2位  神戸(日本) 324
3位  ベニス(イタリア) 187
4位  大阪(日本) 105
5位  シドニー(オーストラリア) 100
6位  長崎(日本) 92
7位  イスタンブール(トルコ) 52
8位  バンクーバー(カナダ) 48
9位  東京(日本) 40
10位  小樽(日本) 36



■ フェリー部門

順位  港名(航路) 票数 瀬戸内のライナーが続々ランクイン 
1位  きそ
 (名古屋〜仙台〜苫小牧)
325
ベスト10内に新定番!?
フェリー部門のランキングは、太平洋フェリーと新日本海フェリーと分け合っていたベスト10が崩れたのが特徴といえよう。おれんじ8は、3位が指定席となった感がある。
太平洋フェリーは2年連続1位の「きそ」を筆頭に、同社の船にはまだ乗ったことのないクルーズ派も憧れるブランド。ただ、これまで得票数が安定していた「きたかみ」が10位圏外に。新日本海が苦戦した感も否めない。
一方躍進したのは「おがさわら丸」。昨年、高速船テクノライナー(TSL)が就航断念となったが、小笠原村が積極的にキャンペーンに務め、運航便数も多くなったことなどが、ベスト10に押し上げたようだ。
パンスター・ドリームは2004年から始めたクルーズ・フェリーのコンセプトが受け入れられたと言えそうだ。また、就航フェリーが多い瀬戸内海勢がベスト10に4隻ランクインしたことは、もっともな結果のように思える。
新造船発注も途絶えているが、2007年は快適性の追求がさらに進みそう。商船三井フェリーではフェリー初のインターネットサービスを開始、また、阪九フェリーは2等を改装し、個室化する。
2位  いしかり
 (名古屋〜仙台〜苫小牧)
173
3位  おれんじ8
 (新居浜〜東予〜大阪)
132
4位  おがさわら丸
 (東京〜小笠原父島)
48
5位  すずらん
 (敦賀〜苫小牧)
32
6位  らいらっく
 (新潟〜小樽)
31
7位  パンスター・ドリーム
 (大阪〜釜山)
28
8位  たこフェリー
 (明石〜岩屋)
26
9位  はまなす
 (舞鶴=小樽)
25
10位  フェリーきょうと2
 (大阪〜新門司)
21

きそ(太平洋フェリー)

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