事業概要
<事業の狙い>
大型外航クルーズ客船が地方港に1日寄港し、同船の乗客が上陸した際の直接的な経済効果は1日約3,600万円にのぼると推計されている。
北海道の各港に海外クルーズ船の定期的寄港を目指す誘致活動は、各港湾の活性化と北海道の観光戦略上重要性が増している。
海外のクルーズキーパーソンを北海道各地域に招請する事業は、運航航路計画の決定権のある責任者に対し、それぞれの地域が熱意を持ってPRすることができ、また、実際に地域の観光メニューを体験していただき、さらにはどの様にすれば寄港していただけるか意見交換できるため、北海道各港に寄港するクルーズ航路の新設を早期に具体化させるには非常に効果的である。
<今年度事業の概要>
北海道運輸局が展開するVJC(ビジット・ジャパン・キャンペーン)地方連携事業として、クルーズ先進国である米国の大手客船会社「リージェント・セブンシーズ・クルーズ社」のクルーズキーパーソンである「ダリウス・メータ」氏を北海道の3港湾(小樽、函館、釧路)に招請し、市長との対談、現地視察、意見交換会の開催等を展開することにより、北海道各港への海外クルーズ船の定期的な寄港へつなげる。
なお、同社所有の豪華客船「セブンシーズマリナー」が、9月30日小樽港(初入港)、10月1日函館港(3度目)に入港するため、これに時期を合わせて招請したものである。
<寄港誘致>
リージェントセブンシーズクルーズ社では、現在2008年の運航計画を作成している段階であり、「今回、北海道の3港を見せていただいたが、その全てに寄港することは難しい。日程を考慮すると2港に寄港するのが限界であり、場合によっては小型のクルーズ客船を投入することも検討が必要である。」との結果を得た。
会社概要
主な船舶概要
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9月30日(土)11時20分、ダリウス・メータ氏とJTB同行アテンドが新千歳空港到着、ジャンボタクシーにて北海道運輸局職員がお出迎えし小樽へ。
13時00分、小樽「政寿司」にて北海道運輸局海事振興部長、小樽市港湾部長らと昼食会を実施。
その後、小樽市職員及び北海道運輸局職員がジャンボタクシーで同行し、小樽の港湾施設及び観光スポットを視察案内した。
観光視察では田中酒造の亀甲藏にて工程見学の上お酒の試飲をした後、歴史的建造物の「海陽亭」を見学。
また、人力車にて小樽運河等の観光コースをまわり、そのまま小樽寄港中の「セブンシーズマリナー」に立ち寄る。
船内では乗船客が体験している「お茶会」で自らお茶をたてた後、よさこいソーラン演舞を鑑賞した。
16時30分、北海道運輸局長らとJR小樽駅にてSLニセコ号を見学後、岸壁に戻り、潮太鼓の打演と北海道クルーズ振興協議会が組織する「見送り隊」による「セブンシーズマリナー」の見送り風景を視察した。
「セブンシーズマリナー」出港後、運河工藝館で硝子工芸品の製造を体験してもらい、18時30分、ホテルノルド小樽にて、小樽港貿易振興協議会メンバー、小樽市、北海道運輸局職員ら55名により意見交換会を実施した。
意見交換会は、始めにダリウス・メータ氏が同社所有の豪華クルーズ客船でのクルーズライフなど映像を基にプレゼンし、その後、参加者から小樽港のセールスポイントや乗客が寄港地で求めるニーズなど質疑応答形式で行われた。
同氏からは、「人力車5台で10名程の乗船客を市内の寿司店(政寿司など)に運び、市内観光を含めて一人350ドルでどうか。」と、クルーズ船入港時の具体的プランの提案もいただいた。
交流会では、山田市長が「小樽潮まつり」をモチーフにした扇子を贈呈した。
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意見交換会
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「セブンシーズマリナー」をバックに…
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山田市長から扇子のプレゼント |
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お茶立て体験
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吹きガラス体験 |
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歴史的建造物「海陽亭」にて…
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SL「ニセコ号」見学 |
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10月1日(日)、小樽からジャンボタクシーにて函館向け出発。
途中、中山峠からの羊蹄山や洞爺湖などを展望し、函館には13時00分到着。
函館「五島軒」にて函館港利用促進協議会副会長、函館市港湾空港部管理課長、北海道運輸局函館運輸支局次長らと昼食会を開催。
その後、函館市及び函館運輸支局職員がジャンボタクシーで同行し、函館港寄港中の「セブンシーズ マリナー」を訪問、出航イベントへ参加した。
出航イベントでは、「セブンシーズ マリナー」の甲板上で市民と一緒になって「イカ踊り」をする乗船客の姿も見られ、熱烈なイベントに同氏も感嘆していた。
函館の港湾施設及び観光スポットの視察案内では、大型クルーズ船着岸バースの港町埠頭などを案内し、観光スポットの西部地区を徒歩で散策、併せて書道を体験してもらった。
17時00分、函館山山頂レストランにおいて、函館地区クルーズ振興協議会会員ら33名により意見交換会を実施した。
意見交換会では、函館の多様な魅力ある観光施設と乗船客が寄港地で求めるもの、クルーズ船の着岸場所と観光施設への交通アクセス等について、熱心に意見交換が行われた。
また、同氏から「函館の出港時間は乗船客が夜景を鑑賞できるよう遅らせたい」などと函館にとって喜ばしい意見もだされた。
意見交換会の後、同会場において歓迎レセプションを実施した。
同会場からも函館の夜景を見ることはできたが、レセプション終了後、改めて函館山展望台からの夜景を堪能してもらった。
翌2日は9時00分から、函館朝市や五稜郭タワーの観光施設の視察案内をし、10時30分、函館市助役と対談の後、12時20分函館空港でお見送りした。
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羊蹄山をバックに…
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洞爺湖展望台にて |
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函館山山頂展望台にて
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ミス函館と…
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意見交換会 |
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書道体験
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函館市助役との対談 |
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10月2日13時30分、飛行機により釧路空港到着。
釧路「六園荘」にて釧路市副市長、釧路運輸支局長らと昼食会を開催。
その後、市内の観光スポットである米町公園やクルーズ船が着岸するふ頭周辺を視察案内した。
17時00分、釧路プリンスホテルにおいて、地元港湾関係者及び観光関係者ら49名で意見交換会及び交流会を開催した。
意見交換会では、二つの国立公園を抱えた釧路市が、クルーズ客船の寄港地として最適地のひとつであることをアピールし、将来のクルーズ客船の寄港要請を行い、また、欧米のクルーズ客の嗜好、受け入れる側として必要な心構えなどの意見交換を行った。
同氏は、釧路近郊の貴重な自然と、それを体験できるプログラム(カヌー、ホーストレッキング)、湿原をゆっくりと見ることができるノロッコ号など多様な観光が体験できる釧路港に大変興味を持ち、また、クルーズ船を受け入れる側として、ラグジュアリークラスの自社のクルーズ客には、通訳の充実は特に必要であると強調された。
また、着岸する岸壁と市街地のアクセスが重要であり、シャトルバスがあることが望ましいとのことであった。
翌日の3日は、阿寒湖を中心に現地視察を行い、先住民族であるアイヌの生活様式を体験、民族楽器の「ムックリ」の演奏に挑戦したほか、雨のため観光船を使用したマリモ観察センターの視察は中止となったものの、湖畔において森林浴によるストレス解消プログラムを体験した。
その後は同氏の希望により、特別天然記念物である丹頂鶴を飼育している鶴公園に立ち寄り、釧路市内「マナボット」にて釧路市長らと昼食会を開催。
昼食会終了後、魚市場等(「MOO」「和商市場」)を視察し、15時15分、釧路空港にて同氏をお見送りした。
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意見交換会
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意見交換会
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アイヌ生活館にて |
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鶴公園にて
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交流会でプレゼント |
和商市場の見学 |
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