北海道クルーズ振興協議会
 


経緯と目的

 北海道における「定期・定点クルーズ」について、2006年より、小樽港・網走港を起点とした観光ハイライト(人気スポット)の利尻島・礼文島、世界遺産知床を巡る「飛んでクルーズ北海道」が「にっぽん丸」により就航して2年目を迎える。
 その乗船客のアンケートによると、これまでのクルーズ旅行の特徴と異なり、リピーター客よりクルーズ未経験客が上回った結果が出ている。
 この結果が示しているとおり、「平成19年版海事レポート(国土交通省海事局)」によると、『平成18年の我が国のクルーズ人口は約177千人で、前年に比べ13.1%増加している。また、日本船社が運航する外航クルーズ船の利用者数は約2万人と前年比20%の増加となっており、エリア別で見ると近距離のアジアや大洋州地域へのクルーズが全体の80%を占めている。』
 200717、商船三井客船及びJTB北海道から北海道クルーズ振興協議会に対し、昨年に引き続き企画した「飛んでクルーズ北海道」の支援要請があった。本年の航路は昨年の反省をふまえて、網走港の出港時間を見直し、知床半島の眺望が楽しめるよう改善するとともに、運航回数と運航期間の拡大をし、さらに旅行客の拡大を図れるように改善を行った。
 この要請を受けるとともに、さらなるマーケットの拡大(東アジア圏)を図り、近い将来に日本初となる大型クルーズ客船による「定期・定点クルーズ」へと繋げたいと考えている。
 そのため、
VJC連携事業(招請事業)として、この「飛んでクルーズ北海道」に東アジア圏の観光旅行者を取り込むべく、本年の運航計画に合わせて、台湾、香港、シンガポールにおけるツアー造成のキーマンとなる旅行業者やメディア関係者に対し、体験クルーズを実施することとした。
 また、起点港である小樽港及び網走港において、観光視察及び地元関係者との意見交換会をあわせて実施することとした。
 近年のクルーズ乗船客は、富裕層に限った旅行ではなくなっており、クルーズ未経験の団塊世代の集客を増やしている。また、外国船社によるアジアクルーズには、シンガポール人をはじめとする東アジア圏の乗客が多く乗船している。
 今後、北海道における「定期・定点クルーズ」の定着を目指し、クルーズ客船の寄港地や
北海道全体の地域振興に寄与することを目的に実施した。



招請者の概要 

●台湾 旅行代理店
東南旅行社(South East Travel Service Co

台湾台北市中山北路二段60
林 雪嬌(Julie Lin
URL http://www.settour.com.tw/



●香港 旅行代理店
JTB香港(JTB HONG KONG LTD

香港九龍尖沙咀彌敦道20號喜来登典雅妨G09號舗
陳 苑華(Josephine Chan
 URL http://www.jtb.com.hk/



●シンガポール 旅行代理店
PRIME TRAVEL&TOUR(プライム トラベル)

16Raffles Quay #B1-14D Hong Leong Building Singapore
西村 紘一(Koichi Nishimura

URL http://www.primetravel.com.sg/j_default.asp
●台湾 旅行雑誌社
墨刻出版社(Mook Publishing Co
台湾台
北市104民生東路二段1419
李 玟嫻(Wenhsien Li

URL http://www2.mook.com.tw/wp/


●香港 旅行雑誌社
新假期(Weekend Weekiy
香港柴湾利街14-16號徳昌大廈6

陳 美儀(May Chan)「カメラマン」
廬 淑賢(Lucina Lo)「記者」
URL http://www.weekendhk.com/


●シンガポール 旅行雑誌社
Attorneys Inc.Limited Law Corporation

24 Raffles Placa,#25-06A Clifford Centre Singapore
Simon Tan Hiang Teek
(陳 賢徳)




スケジュールの概要

地 名

時間

適 用

備 考

9/5
()

香港
成田
羽田
女満別

08:15
13:30
17:50
19:35

・陳美儀及び廬淑賢が単独で網走入り




網走泊

9/6
(
)

台北
新千歳
丘珠
女満別

10:10
15:00
16:40
17:30

・周添乗員が林雪嬌及び李玟嫻と新千歳空港で合流し網走入りの予定
・台風9号の影響で網走入りできず、翌日の市内視察の途中で合流




網走泊の予定が札幌泊

香港
成田
羽田
女満別

08:15
13:30
17:50
19:35

・周添乗員が陳苑華を女満別空港で出迎えの予定
・台風9号の影響で網走入りできず、翌日の意見交換会で合流




網走泊の予定が東京泊

シンガポール

22:40

機中泊

9/7
()

成田
羽田
女満別

06:40
10:05
11:50

・西村紘一及びサイモンを女満別空港で出迎え

台風9号の影響で現地出発が遅れたこともあり、女満別空港着が17:05となる

網走市

・観光視察
・意見交換会

阿寒町

・意見交換会終了後にバスで阿寒へ移動
・周添乗員が、台風9号の影響で網走入りできなかった、西村紘一及びサイモンを女満別空港で出迎え、タクシーで阿寒入り




阿寒泊

9/8
(
)

阿寒町

・観光視察
・意見交換会

網走市
(網走港)

・意見交換会終了後にバスで網走へ移動
・にっぽん丸に乗船後、礼文島に向かう


船中泊

9/9
(
)

礼文町
(元地漁港)

・本船から通船で香深港に下船する予定が、台風9号の影響で入港できず、元地漁港に下船する
・礼文島及び利尻島の観光視察
・視察終了後、本船に戻り小樽へ向かう





船中泊

9/10
(
)

小樽市

・観光視察
・意見交換会

・交流会



小樽泊

9/11
(
)

・周添乗員が新千歳空港へ送迎




 網走市内の観光スポット視察と観光関係者との意見交換会のため、「廬淑賢さん、陳美儀さん、周JTB添乗員、北海道運輸局職員」の4名がバスにて出発。

1.能取岬
 市街地から8q程の所にある能取岬から見える、網走湖・能取湖・トーフツ湖・藻琴湖・知床連峰、さらに遠くには阿寒、大雪の山並みまで一望できる名所ですが、残念ながら、当日は天候が悪く、美しい風景をみせてくれませんでした。

2.オホーツク流氷館
 天都山山頂にある流氷をテーマにした科学館で、メインは本物の流氷を展示するマイナス18℃の流氷体験室、網走の四季を紹介するハイビジョンシアター、オホーツク海、流氷の下にいる生き物(クリオネや、フウセンウオ)を飼育展示している施設。
 ここで、台風
9の影響で前日に網走入りできなかった、「林雪嬌さん、李玟嫻さん」と合流して見学。

3.北方民族博物館
 世界各国から集めた衣食住、生業等のテーマ別に展示。また、アイヌをはじめイヌイトやコリヤークなど北方圏に暮らす人びとの文化を紹介している施設を見学。


4.意見交換会
 意見交換会は、「北天の丘網走湖鶴雅リゾート」において、『網走市、網走観光協会、網走監獄保存財団、北方民族博物館、北海道、網走開発建設部、北海道運輸局』と、招請者等7名で実施しました。
 また、ここで、前日に網走入りできなかった、陳苑華さん」と合流した後、網走市経済部長の歓迎挨拶、参加者の自己紹介を行い、参加者全員で昼食をとりました。
 その後、網走観光協会会長の挨拶、網走市職員から、網走観光のDVDを放映しながらのプレゼンが行われました。

【網走市】DVDを見ての感想はどうですか。
【招請者】DVDを見ると、サンゴ草や草花がとても綺麗で大自然を感じますが、昨日バスで能取岬や芝桜公園に行きま
     したが、時期外れで残念でした。また、交通手段が不便でした。
【網走市】景色・風景以外にどのようなことを望みますか。
【招請者】@テーマパーク、A食べ物(かに、とうもろこし、ジャガイモ、長芋、乳製品)、B温泉(香港にも温泉は
     あるが浴場がないので)、C香港は森林がないので、森林浴ツアー、乗馬、カヌーなど自然の中での体験ツ
     アーは好評である。
【網走市】台湾の自動車運転免許で、日本でも運転可能になりますが、今後、ツアーや個人旅行者の増加は見込めます
     か。
【招請者】台湾人の運転は荒いし、ハンドル・走行車線が逆であることなどを考えると、交通事故やトラブル(保障問
     題)や冬道などの不安材料が多くて、当社としては現段階では勧めたくない。

【網走市】網走市内の観光施設を見学しての改善点を教えてほしい。
【招請者】施設の案内標記がほとんど日本語であるため理解できない。特に、施設案内者や流氷館などで行われている
     ナレーション、イヤホンで中国語が聞ければよいと感じた。また、ホテルで、外国の電化製品が使える設備
     がほしい。

5.博物館 網走監獄
 明治時代から実際に網走刑務所で使用されてきた建物を現在の場所に移築して、保存公開している施設を見学。見学を終えて、隣接する食堂で一休みをしていると、香港から来た雑誌社の二人が、一般の見学客が食べていた「監獄定食」(現代の網走刑務所収容者が食べるメニュー)に興味津々!
 そこで、「ホッケの焼き魚、切り干し大根、野菜のソテー、ご飯(米
7:麦3)、みそ汁」(500円)を注文しました。二人は、あらゆる角度から写真を何枚も撮り、味見をしたうえで、隣で食べていたお客さんにインタビューと、今日一番の熱の入れようでした。感想はと聞くと、美味しくてヘルシーとのことでした。
 
網走監獄の見学で網走の視察は終了となり、阿寒に向かうことになるのですが、いまだシンガポールから来られている、「西村紘一さん、サイモンさん」が到着していないことから、6名がバスにて先に阿寒に入り、周添乗員が女満別空港で出迎え、タクシーで阿寒に入ることとしました。


自然の風景(花)がお気に入り
北方民族博物館付近

北方民族博物館
昼食を兼ねた意見交換会

網走観光をプレゼンする市職員

網走監獄博物館で説明を受ける

意見交換終了後も熱心に情




 
ニュー阿寒ホテルのチェックアウトを済ませて、ホテルのロビーで観光協会の方々と合流して、阿寒の観光スポット視察と観光関係者との意見交換会のため、招請者(全員)、添乗員、北海道運輸局職員の9名がバスにて出発。


1.阿寒湖
 湖畔を散策後に、遊覧船(高速船・ゼフィール)で、チュールイ島の「まりも展示観察センター」で、阿寒湖に生息している「まりも、淡水魚」を観察。

2.アイヌコタン
 200人のアイヌ民族が暮らす道内最大級のアイヌコタンで、コタン内のアイヌチセでは、国の重要無形民族文化財に指定されたアイヌ古式舞踊をはじめとするさまざまな舞踊が演じられ、アイヌ生活記念館では生活用具、衣服、民芸品等の展示や販売している店も並んでいるアイヌコタンを見学。時間的タイミングが悪く、アイヌ古式舞踊は見られませんでした。

3.意見交換会
意見交換会は、「あかん遊久の里鶴雅」において、『阿寒観光協会』と、招請者等9名で実施しました。

【阿寒町】阿寒湖には海外からのお客さんが多く来ていただいてますが、施設などを見学しての感想はどうですか。
【招請者】「まりも・淡水魚」の施設をみての感想として、@「まりもや魚など自然の生態を説明してくれる案内人が
     いると良い」、A水槽の中に展示してあるものを観察すのではなく、まりもや魚が自然の状態で観察できる
     施設だとより感動を与えることができる、Bまりもを直に手で触れてみたい、C案内表示、解説のナレーシ
     ョンが日本語のみであるので、少なくても英語での説明がほしい。

【阿寒町】阿寒を訪れる国内の観光客からも同様の要望が多い。まりもは特別天然記念物に指定されているため、自然
     のまりもを要望のように展示はできないので、要望に応えるために、人工まりもを用意するなど、研究して
     いるところである。
     また、より自然に近いかたちでの観察方法も検討したい。


 意見交換終了後、バスにて網走へ向い「にっぽん丸」に乗船。1530分網走港を出港し、ウトロ、カムイワッカの滝を見ながら礼文島に向かう。
 乗船早々、大型クルーズ船の旅が初めという方が大半ということもあり、船旅を十分に楽しんでもらうために、船内の施設の説明・見学を行う。
 食事が評判の「にっぽん丸」の夕食は洋食フルコースディナー、食事をしながらこれから二日間の船旅の話に花が咲くが、船酔いを心配する声が多かった。食後は、船酔いを忘れるぐらい船内イベントを楽しみました。


まりも観察センター(まりも水槽)

まりも観察センター(淡水魚水槽)
食事を兼ねた意見交換会

周通訳の説明に耳を傾ける(アイヌコタン)




早朝、「にっぽん丸」から通船により礼文島へ渡り島内観光、その後にフェリーにて利尻島に渡り島内観光を行い、再度フェリーにて礼文島にわたり、通船で「にっぽん丸」に乗船。1700分礼文島を出港し、天売島沖、積丹半島経由で小樽へ向かう。

1.礼文島
 当初の予定は礼文島香深港に入港する予定でしたが、強風と波のうねりが強く、元地漁港に入港することとなりました。見学場所のスコトン岬は、礼文島最北端の地で、正面には無人のトド島が浮かび、晴れた日には遠くサハリンを望むことができる。
 この日は強風と小雨まじりの天候で、暖かい国からこられた皆さんは真冬の思いをしているもの思いきや、寒さも忘れて、「こんな自然が豊かな観光地は初めて」と感激して、なかなかバスに戻ろうしませんでした。

2.利尻島
 礼文島の観光を終えて、香深港から沓形港まで東日本海フェリーに乗船、この間
40分なので二等船室(畳)で十分と思っていましたが時間ではないのです。日本の習慣とは異なりイス席でないと座れないということを認識し、急遽一等船室に変更しました。
 香深港着が予定時間より遅れたため、バスで昼食会場に向かうこととなり、利尻島名物の「うに丼」を食べました。昼食後、周囲の風景を見ながら「オタトマリ沼」にて、美しい自然を堪能しましたが、日本最北の名峰「利尻富士」が雲に覆われ、その雄姿をみることができなかったことは残念です。
 利尻島の観光を終え、沓形港から再びフェリーにて香深港へ戻り、さらに元地漁港から通船で「にっぽん丸」へ戻り、本日の礼文・利尻島観光を終えました。
 船内生活は二日目であり、夕食までそれぞれ、風呂に入ったり、ランドリーで洗濯をしたり、また、夕食後の船内イベントを十分に利用しながら時間を有効に楽しんでいました。
 なお、夕食は「北海道ディナー」で、北海道を就航している「飛んでクルーズ北海道」のクルーズらしく、北海道の海産物を贅沢に取り入れたもので、特に「かに」が人気でした。


強風に耐えながらピース(礼文島・スコトン岬)

フェリーで礼文島から利尻島へ

オタトマリ沼
(晴れた日には正面に利尻富士が見えます)

利尻島での昼食(うに丼)


《クルーズに対しての意見・要望》



Q1.
クルーズで訪れる北海道の魅力について


1. 船から見る利尻・礼文・知床などの離島半島の景観がすばらしい【回答/6】
2. 寄港地の町の雰囲気に魅力を感じる【回答/0】
3. 船から見る夜景が良い【回答/1】
4. 寄港地で楽しむ魚など海鮮の味覚が良い【回答/6】
5. 寄港地でのショッピングが魅力【回答/0】


Q2.
今回の寄港地の中でどこが一番印象に残ったか

1. 網走【回答/2】
2. 阿寒【回答/0】
3. 礼文・利尻【回答/3】
4. 小樽【回答/3】
<感想>
1. 小樽には北海道が歩んできた歴史がみえる。これからこそ過去の繁栄を取り戻してほしいと思う。
2.
小樽は、とてもロマンチックな街で綺麗。
3.
小樽はロマンチックな街で、ファンタジーなお土産店が沢山あって、とても良い。
4. 網走は、郊外の静かな港で、とてもリラックスできた。
5. 礼文島と利尻島は、今回は残念ながら天候が良くなかったけど、景色がとても綺麗。
6. 網走は素晴らしかった。礼文島・利尻島の観光は良かったが、時間がなくて残念だった。
7. 礼文島と利尻島の景色がとても綺麗。小樽や阿寒などは広く知られているが、このような場所は香港人には知られていないので、とても印象深かった。


Q3.クルーズでの旅行は、途中で乗りものに乗り換える必要がなく、手荷物などと一緒にホテルが目的地に移動するという点で、旅行者に優しい交通手段といわれていますが、今回のクルーズではいかがでしたか

1. 全くそのとおりだった【回答/6】
2. 船内は楽だが寄港地に上陸すると不便を感じた【回答/0】

3. 船内でも不便を感じたことがあった【回答/1】


Q3.
クルーズ船に乗ってもらうために今後何が必要ですか

1. 英語以外の通訳【回答/5】
2. 船内のバリアフリー化【回答/0】
3. 食事のバリエーション【回答/3】
<その他>
1. 言葉の問題が大きい。船内でのサービスやイベントなどはとても良かったが、英語または中国語の説明があれば、外国人観光客にも楽しんでもらえると思う。
2. 外国からの観光客には言葉の問題で不便を感じると思う。説明書や船内放送で乗船している観光客の母国語での案内がほしい。
3.
朝食のバイキングのバリエーションを増やしてほしい。
4.
若い人向けのイベントを増やしてほしい。


Q4.
クルーズ中の感想について

1. にっぽん丸の会社・クルーの皆さんが、お客様のために一生懸命努力していることが、肌で感じた。本船で展開されているサービス、スピリットはアジア人に通じるものがあるので、是非、日本の良さを継続して、日本の力、日本の優しさをアピールしてほしい。アジアの富裕層にクルーズ商品を紹介できるが、言葉の問題を解決しなければならないと思う。良きツアーガイドが必要と思う。
2. 船酔いに弱いので少々きつかったけど、船旅は通常の生活感覚でとても良かった。
3. 今回の船旅はとても良かった。今までの飛行機の上や車の中から見た景色と全然違う風景が見られた。食事も美味しかったし、イベントも素晴らしかった。しかし、もっとも残念だったのが、礼文島・利尻島での観光時間がなく楽しめなかった。また、言葉の問題として、英語や中国語の案内・説明がほしかった。
4. クルーズでの旅行は、ゆったりとした時間を感じられて本当に素晴らしい。また、毎晩のイベントも楽しかった。船内サービス、船員の態度も良かった。
5.
船旅は素晴らしい。
6. 船から見る景観は素晴らしい。知床の世界遺産を眺められたが、航路や景勝地の案内・説明が日本語のみであったので、英語での案内がほしかった。
7. 船内の食事がとても美味しかった。しかし、バイキングについては、もっと選択肢があっても良いと思う。




 日の船旅も最終日、右手に積丹半島をみながら小樽港に入港しました。小樽港では、北海道クルーズ振興協議会(小樽市、北海道運輸局)の皆さんが出迎えを行い、本事業の最終日の小樽市内の観光スポット視察、観光関係者などとの意見交換会や交流会のために、招請者、添乗員、北海道運輸局職員、小樽市職員の13名がバス2台に分乗して出発しました。

1.小樽運河
 
さすがに小樽運河を初めて見るという人は一人もいませんでした。浅草橋から人力車に乗車して運河周辺を見学しました。(人力車は、皆さん初めてとのことでした。)

2.吹きガラス体験
 
小樽運河に隣接する「運河工塾館」で、吹き硝子のコップ作りの体験を行うこととしていますすが、時間的制約があるため、前夜の夕食時に
3名にしぼる抽選をした結果、「李玟嫻さん、陳美儀さん、サイモンさん」が決定していましたので、それぞれ、グラスのデザインを決めて製作にとりかかりました。
 
さすが、国際観光地の小樽です。李玟嫻さんは中国語と日本語(日本人より綺麗な日本語)、陳美儀さんは中国語と英語、サイモンさんは中国語と英語、という状況です。

 グラス作成を指導する方に通訳が必要と思っていたところ、英語が堪能ということで、皆さんイメージ通りのグラスを作ることができて満足していました。このように観光施設において、海外からの観光客が言葉に心配なく旅行できることは、海外からの誘致に大きな役割を果たすこととなります。

3.小樽貴賓館
 小樽市指定歴史建造物で、鰊の網元が別荘として建築。大正6年に着工し、12年に完成した最後の鰊御殿。当時、東京のデパートが50万でできた頃に小樽のこの地で31万もかけ建築された。タモ材の階段、屋久杉の天井板、7間の長押、そして春慶塗りで埋め尽くした廊下等や、当時の一流の絵師、書家の作品が今も残されている施設を見学。
 貴賓館の見学を終えて、「政寿司」で昼食をとりながら5日間の旅の疲れを癒しつつ、次の視察先「天狗山」ロープウェイ乗車口まで車を走らせました。しかし、悪天候のため山頂までの空中散歩を断念し、堺町通りを視察後にホテルに戻り意見交換会まで一休みすることとしました。
 晴れた日には、小樽市街、小樽港、積丹半島、石狩湾、暑寒別連峰が一望できます。(北海道三大夜景「
函館山からの函館夜景」「藻岩山からの札幌夜景」「天狗山からの小樽夜景」)

4.意見交換会
 
意見交換会は、「小樽グランドホテル」において、
『小樽市、小樽観光協会、ホテル・運送事業者・サービス事業者などの観光関係者、北海道運輸局』と、招請者等27名で実施しました。
 
小樽観光協会観光プロモーション委員長の歓迎挨拶、同委員会国際観光誘致部会長から取り組み状況の説明、その後に小樽観光DVD 「再開の街角」の上映(プレゼン)が行われました。プレゼン終了後に、参加者の自己紹介、意見交換を行いました。

【小樽市】小樽に対する感想・意見を伺いたい。

【招請者】1.小樽のロマンチックさ、愛すべき歴史など、第二の故郷的な場所に感じる。
     2.北海道に旅行にきた際、どこへ行っても海鮮料理が出てきて、続けて食べるのがきつい。食事にバリエー
     ションをつけてはどうか?
     3.小樽は運河や歴史的建造物など「静」のイメージがあったが、今日DVDを初めて見て、アクティブな面
     があることと知った。マリンスポーツやショッピングなど、アクティビティーを前面にアピールをしてみて
     はどうか?
     4.日本へのツアー旅行では、北海道がダントツの人気となっている。(海外旅行の人気都市の中で3番目)
     5.直行便がなく、関空・羽田経由で
12時間かかるのがハンディになっている。
     6.小樽はガラス、オルゴール、映画「ラブレター」も有名。
     7.いつも堺町通りで観光客しか見たことがなかったので、今度は長く滞在して、小樽の街の雰囲気をゆっく
     り味わってみたい。
     8.旅行行程に小樽を入れないと売れないくらい人気が高いが、夏場の宿泊が確保しにくいため、洞爺、ルス
     ツ、北湯沢、札幌泊になってしまう。
     9.ホームスティや民宿等の情報があれば紹介したい。
     10.ボンネットバス初めて見たが、面白い素材だと思う。
【小樽市】冬の小樽観光としのスキーはどのように思いますか。

【招請者】1.国内の人工スキー場(屋内)のスキー教室に行って、ある程度滑れるようになってから、海外へスキーに
     行く人が多い。北海道では、ルスツ、ニセコが有名ですが、スキーから小樽は連想できない。
     2.冬の小樽は上手くアピールすれば売れると思う。
     3.小樽イコール運河ではなく、ソフト面をもっとアピールしては?
     4.今日、英語マップを見たが、これだけでは小樽に泊まりたいという気持ちにはなれない。もっとアクティ
     ビティが必要。
     5.スキーに行くなら韓国の方が安いので韓国に行く。日本も増えてきてはいるが、スキー+ショッピング、
     食事で売り出せば良いと思う。


5.交流会
 小樽市における意見交換会で、今回の事業日程は全て終了となりましたが、北海道最後の前夜を楽しんでいただこうと、観光関係者や行政関係者による交流を開催しました。
 交流会では、
小樽市港湾部長の歓迎の挨拶で始まり、招待者を取り囲んで和やかな時間を過ごしました。日本語が堪能な台湾の「林雪嬌さんと李嫻さん」は、交流会参加者からの人気を集め、食事もそこそこに皆さんと観光談義、台湾談義に華をさかせていました。



左から「李玟嫻、陳苑華、陳美儀、廬淑賢、林雪嬌、Simon Tan Hiang Teek、西村紘一」
(小樽運河)

人力車で運河周辺を散策

「にっぽん丸」から下船した皆さんを出迎える

デザインを決めて吹きガラス体験
(サイモンさん)

デザインを決めて吹きガラス体験
陳美儀さん

デザインを決めて吹きガラス体験
李?嫻さん)

貴賓官を視察

オルゴール堂を視察

意見交換会

交流会で小樽市から記念品贈呈



台湾(墨刻出版社/MOOK)旅行雑誌掲載

香港(新假期/Weekend Weekiy)旅行雑誌掲載
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