北海道クルーズ振興協議会
 クイズの解答「客船雑学クイズ」




 世界一周クルーズ「素朴な疑問編」

クルーズ2007年11月号から

Q.世界一周クルーズって一体何? Q.外国船と日本船はどう違う?

A.正式な定義は特になく、大まかに言えば、「出初と到着が同じ港で、全ての子(経線)を通過する船の旅」です。世界では毎年10隻前後の旅客船が、世界一周を行っています。1〜4月に出初し、約3ヶ月でぐるりと世界を巡るのが一般的。日本船は毎年2〜3隻が4月に出初しています。



A.日本船では全行程に乗船する人がほとんどですが、外国船はコースをエリアごとにいくつかの区間に分けて販売しています。もちろん一周する人もいますが、興味のあるエリアのみ区間乗船する人や、数年かけて各エリアを巡って“世界一周”とする人もいます。乗下船する場合へは飛行機での移動となるため若干大変ですが、客船も客室カテゴリーも種類が多いので選択の幅が広がります(客室によっては日本船より安い場合も)。日本人乗客が多い場合は日本人コーディネーターが乗船したり、和食が提供される日も。日本船の魅力は、日本語、日本食、展望風呂を満喫しながら世界を周れること。発着地が国内なので、荷物は行きも帰りも宅配便で送ることができるので楽です。



Q.世界一周、具体的にどんな旅? Q.船やコースはどう決める?

A.約100日間で約20ヵ国、25港ほどを訪れます(船によって日数や寄港地数は違います)。寄港地までの距離によって、1週間近く航海日が続く時もあらば、立て続けにいろんな国へ寄港する場合も。航海中はさまざまな講座やイベント、ショーなどがありますが、参加は自由。決まっているのは食事時間と夜のドレスコードぐらいです。



A.ベストなのは気に入った船で行きたいコースを巡ること。それぞれの客船の雰囲気や個性、料金などをよく研究してください。また寄港地重視であれば、それぞれの船のコースをホームページやパンフレットで確認してみましょう。




Q.やっぱり世界一周は高いのでしょうか Q.船旅初心者で不安です

A.船や客室によりますが、1名で300万円〜。日数で割ると1日3万円。食事などの生活費と移動費と考えると極端に高い旅とも言えません。参加者の多くが「高いと思ったけれど、こんな盛りだくさんの内容ならば、お得な旅!」と口をそろえ、船上で2年後の世界一周を予約する方も結構います(短いクルーズも含めると再び客船に乗る率は約8割!)。金額に対して非常に満足度の高い旅と言えるでしょう。




A.世界一週というと、船旅上級者の印象がありますが、「初めての船旅が世界一周」という方もかなりいます。船上でも「船旅初心者の集い」なども開かれるのでご安心を。ただ、船上生活をイメージするためにも、申し込んだ後は一度クルーズを体験することをお勧めします(短いクルーズでも構いません)。
 船会社のほとんどには、一度乗船すると登録できる会員組織があり、会員になったあとは乗船日数に応じて特典があるので、世界一周の前に乗船して会員になると、何かとお得です。



Q.どんな人が乗っていますか? Q.寄港地では、どう過ごす?

A.日本船の世界一周の平均年齢は約70歳。多いのは夫婦での参加者ですが、親子や友人同士、またシングルで参加する方もいます(シングル利用のクルーズ代金は船や客室で違いますが、スタンダードで130%ほど。シングル利用の客室数には限りがあります)。会社勤めをリタイアされた方がほとんどですが、休暇や家族の付き添いで乗る若い方もいます。世界一周のリピーターは平均3割といわれています。





A.朝、寄港地に着いて、日中は観光をし、夕方に出港することがほとんどですが、見所が多い場所には2日間滞在することも。寄港地では船主催のツアーが何種類か設けられていて、事前に申し込んで参加します(有料)。もちろん自由行動も可能で、港から街まで遠い場合はシャトルバス(有料と無料の場合がある)やタクシーを利用。
 また船を離れ、内陸のホテルに宿泊しつつ、数日間観光を楽しんで次の寄港地で船に戻る「オーバーランドツアー」も何本かあります。港から遠い世界遺産などを見られると、人気です。



Q.申し込みは、いつどこへ? Q.日本船は満室で予約できない?

A.コースやクルーズ代金は、日本船なら約2年前、外国船は約1年半前に発表されます。希望の船や客室を狙うなら早めに、クルーズが得意な旅行会社に相談しましょう。クルーズ代金はどの旅行会社も同じ(直接予約できる船会社も含め)。旅行会社の会員割引や付帯サービスの有無、担当者のクルーズに関する知識や対応などに若干差があります。
 クルーズ旅行に関するスペシャリストである。「クルーズ・コンサルタント」の資格をもっている人に相談を。




A.発表と同時に2年後の世界一周に予約が殺到するのは事実です。人気があるのは料金の一番高い客室と安い客室で、客室も少ないため両方から埋まっていきます。キャンセル待ちでどうしても予約を入れた場合は、第3希望くらいまで客室カテゴリーの幅を持たせましょう。また満室の場合も、キャンセル料がかかってくる出発3ヵ月前に空きが出る可能性があるので、辛抱強く待ってみるのも方法です。


Q.申し込んでからの流れは? 申し込みから出発まで(日本船の場合)

A.日本船の場合、申し込みと同時に「予約金」(クルーズ代金の10%)を支払い、乗船の半年前に「中間金」(同20%)、出発の約3〜4ヵ月前にその残金を支払います。また出発の半年前くらいに船会社主催の事前説明会があり、「寄港地ガイドブック」や「船内生活の手引き」などがもらえます。
 後日、寄港地ツアーの案内が送られてきて、5ヵ月前くらいに申し込みます。出発1ヵ月前には乗船券やクルーズ中の連絡先など、最終の資料が届きます。











 世界一周クルーズ「準備問題編」(日本船の場合)


Q.パスポートやビザは必要? Q.クルーズ代金以外のお金はいくら必要?

A.パスポートは長めの残存期間や多くの余白ページが求められるので、申し込み後、旅行会社に確認を。クルーズで寄港するほとんどの国では、船側が出入国手続きを代理で行ってくれるのでパスポートは預けっぱなしが基本。ビザ(査証)は必要な国もありますが、こちらも多くの場合、船上で取得してくれます。寄港する国にもよるので旅行会社にたずねてみましょう。




A.クルーズは「オールインクルーシブ」。基本的には全ての食事とエンターテイメント費用がクルーズ代金に含まれます。別途必要なのは参加する寄港地ツアーの代金と船内でのアルコールなどの飲み物代。ツアーは1回5,000〜15,000円ほどなので、事前申し込みの時点でおよその合計金額が分かります。
 あとは寄港地での食事や買い物、土産代など。こちらは人によって使う金額が違うので何とも言えません。1人100万円弱とも言われますがあくまで目安。夫婦で300万円ほど用意する人も多いようです。



Q.お金はどうやって持っていく? Q.健康面で気をつけることは?

A.寄港地ツアーや船上で使ったものはクレジットカードでの支払いがお勧めです。上限金額を確認しておきましょう(日本の客船だと国内利用になり、海外利用より上限額が低い設定になっていることも)。盗難などのリスクのも備え、複数枚のクレジットカードを持参するのがベスト。
 最近ではクレジットカードを使用する際、サインではなく機械に暗証番号を入力するケースが増えているので、事前に暗証番号の確認をお忘れなく。各国の通貨へは、船上で日本円から両替してもらえます。
 またユーロや米ドルが使える国も多いので、持参する現金の半分をユーロと米ドルに両替しておくのもよいかもしれません。



A.船には医師と看護師が常勤しているので安心です。乗船前には健康アンケートや、年齢によっては医師の診断書の提出が義務付けられています。船の医務室はこの書類を元に万一の場合に備えるので、正直に申請を。慢性疾患の薬は通常服用しているものを日数分持参するのが鉄則です。






Q.荷物はどのくらい持っていく? Q.ドレスコードが気になります

A.船旅のよいところは、荷物の制限がないこと。100日間、夏〜冬ほどの気温差に対応する衣類や、ドレスコードに合わせた衣装や靴なども必要です。下着は船内の洗濯室で洗ったり、クルーニング(有料)が利用できるので少なめでも大丈夫。運び入れる荷物は夫婦でダンボール箱10個ほどが平均だとか。行きも帰りも宅配便を利用できますが、帰国したときはお土産で箱が増えていることでしょう。



A.長いクルーズでちょっと緊張感がなくなりそうな時に、時折ドレスアップして皆で船内を華やかに盛り上げましょう、というのがドレスコードの主旨。約100日間でフォーマルが6〜8回、インフォーマルが10〜13回、残りの日がカジュアルとなります(外国船では、フォーマルとインフォーマルの回数が多くなります)。
 男性は、タキシードやスーツに合わせるシャツやネクタイで変化をつけることができますが、女性は華やかなドレスや和服をある程度持って行ったほうが楽しめますし、周囲を気にして肩身の狭い思いをせずにすみます。ドレスコードの目安や回数は船会社から配られる資料で前もって確認できます。




Q.必需品はなんですか? Q.持って行くと便利なものは?

A.手持ちで乗船するものは、乗船券、現金、クレジットカード、パスポート、旅行保険の控え、常用薬など。
 荷物で送るのは、日中のカジュアルウエア、歩きやすい靴、ドレスコードに合わせた衣服やアクセサリーと靴、防寒着、寝間着、靴下、下着、帽子、水着、スポーツウエア、小さめのバッグ、スキンケア用品(化粧品含む)、電気かみそり、常備薬、日焼け止め、電卓、カメラとフィルム(デジカメの場合はメモーリーカード)、交換用の電池など。現地で調達できるものもありますが、海外で見つけにくいストッキングなどは日本から多めに持参しましょう。



A.地図、ラジオ、双眼鏡、ガイドブック、マグネット付きのフック、洗濯ネット、突っ張り棒、延長コード、クリアファイルやクリアブック、日記帳やメモ帳、カレンダー、パソコン、名刺(旅行会社が作ってくれる場合も)など。


Q.客室には何がありますか? にっぽん丸の窓側客室の見取り図

A.基本はツインベッド、トイレ、シャワー(またはバスタブ)、ソファ&テーブル、テレビ、電話、冷蔵庫、金庫、湯沸かしポット、湯飲みとティーバック、クローゼット、ドレッサー、ドライヤー、シャンプーや石鹸などのアメニティー、DVD・CDプレーヤーやミニバーなどが付く場合も。







Q.客室の選び方のコツは? Q.船上で心がけるべきことは?

A.頻繁に客船に乗るような、ヘビーリピーターの一部は、安い客室を選んで、その分何度も世界一周に参加するとか。初めてのクルーズで若干の余裕があれば、やはり世界を航海していることを体感するためにも、窓側やバルコニー付きがお勧め。
 客室の位置は、船酔いが心配な人は低層階の船体中央に近い客室を、歩行に自信がない人は中央エレベータ近くをリクエストしましょう。ただし、客室にも限りがあるため、すべてリクエスト通りになるわけではありません。




A.
毎日配られる船内新聞には、スポーツや共用、クラフトなどのアクティビティー、講演、ショー、イベントの予定がびっしり。退屈することはありません。寄港地観光もありますし、すべてに参加すれば当然疲れます。クルーズ前半は、張り切りすぎた乗客がダウンして医務室が混むことも。自分の体力と相談しながら、マイペースで、「船上を日常」として過ごしましょう。
 相反するようですが、100日という長旅ですから、好きな作家の全集を読破する、ダンスを習得するなど、自分なりの目標を作るのもお勧め。
 また、限られたスペースに多くの人が共同生活をします。楽しみながらも周りの人やクルーに対する心遣いもお忘れなく。



Q.世界一周中、連絡の取り方は? Q.クルーズ中、ニュースは届く?

A.電話、ファックス、メールが利用できます。メールは船のパソコンルームで、クルーズ中のみの専用アドレスを利用することがほとんど。いずれにしても衛星通信を使うので、電話1分、ファックスも1枚が1,000円ほど、メールも、送信・受信ともに1通最低200円くらいかかります。インターネットが使える船もありますが、通信速度が遅く不安定なことも。
 ハガキなどはレセプションに預けておくと、次の港で出してもらえます(切手代は有料)。主要な港では日本からの郵便物も受取ることができます。



A.通信衛星で送られてくるファックス通信が毎日配られます。またNHKの海外向け放送でニュースやドラマが見られます(一部海域えお除く)。
 また、世界一周中の「船上の様子」は同上している写真家やスタッフが各船会社のホームページにアップしているので、留守宅の家族も安心。世界一周に興味がある人の予習としても人気です。また、参加者が執筆した本やブログも参考になります。





 リバークルーズ基本のQ&A

クルーズ2007年7月号から


Q.海のクルーズライフとの違いは? Q.どうやって申し込む?

A.一番の違いは船の大きさです。リバー船の定員は150〜250名ほど。客室は若干狭く、バルコニー付き客室は少なめです(シャワーやトイレ、基本的なアメニティーはあり)。カジノやシアター、免税ショップはなく、エンターテイメントは現地の民族音楽演奏などで、規模は小さめです。
 リバークルーズでは日中の観光もありますが、醍醐味は移りゆく景色を屋外デッキで楽しむこと。夜は停泊していることも多いので、ぶらりと街歩きやバー巡りができます。またリバークルーズは海と違い、揺れることがほとんどないので、船酔いが心配な方にお勧めです。




A.海のクルーズと同じで、旅行代理店が主催するパッケージツアーか、個人旅行があります。語学に不安がある方には、添乗員付きのツアーをお勧めしますが、現在のところリバークルーズのツアーはあまり多くありません。クルーズのツアーをたくさん作っている旅行会社のパンフレットをチェックしてみましょう。
 また個人旅行の場合は、個人クルーズ手配を得意とする旅行代理店で相談するか、日本に販売総代理店や特約代理店のある船会社を選ぶのが無難です。この場合、さまざまな国籍の乗客に混じってのクルーズになりますが、申し込みや乗船地への移動の手配がうまくいけば、船上では英語がカタコトでもそんない不便はありません。また、リバー船は乗客定員が少ないので早めの予約を心がけましょう。基本的にシーズンは春〜秋。



Q.ドレスコードはありますか? 日本に総販売代理店・特約代理店があるリバークルーズ会社

A.海のクルーズよりカジュアルな服装でOKなのもリバークルーズのいいところです。夜もほとんどの場合、ドレスコードはありませんが、船長主催のパーティーなどがあるので、男性はジャケットとネクタイ、女性もちょっとしたワンピースなどがあると安心です。
 また、お昼でもデッキにいると体が冷えるのでウインドブレーカーなどの持参を。



■バイキング・リバークルーズ
http://www.vikingrivers.com/


スイスに本社を置く世界最大のリバークルーズ会社。ヨーロッパ、ロシア、長江で運航する。旅行誌「Conde Nast Traveller」で4年連続Best10(小型客船部門)を受賞している。
●オーシャンドリーム
042-773-4037
http://www.oceandream.net/




■シー・クラウド・クルーズ
http://www.seacloud.com/


ドイツのハンブルグに本社を置くシーク・ラウンド社のリバー船2隻。そのサービスと施設の豪華さから「川のオリエント急行」と呼ばれることも。ライン〜ドナウ川に就航。
●アンフィトリオン・ジャパン
03-3832-8411

http://www.amphitryon.co.jp/



■ユニワールド
http://www.uniworld.com

30年の歴史を誇る米国の老舗。ヨーロッパとロシア、中国で運航する。アムステルダムから黒海手前までのヨーロッパ横断クルーズが人気。
●オーシャンドリーム
042-773-4037
http://www.oceandream.net/


Q.乗船までに気をつけることは?

A.
同じ港から発着するクルーズが多い海のクルーズと違い、リバークルーズは片道で完結、発着地が違うことがほとんど。そのため最寄りの空港やホテルを手配するときは気をつけましょう。
 加えて、大きな客船が着く港と違い、リバー船の港は街が近くにあることが多いのですが、目立たない場所にある可能性も。また船が低く、似た形の船が多いため、乗るべき船を見つけにくいので、出発前によく場所を確認しましょう。
 出発日に空港から船までの送迎をアレンジしてくれる船会社もあるので、利用すれば安心です。


Q.料金には何が含まれますか?

A.クルーズ料金に含まれるのは、海と同様1日3回の食事とエンターテインメントです。多くのリバークルーズでは、寄港地ツアーは1種類に限られますが、ほとんどの場合ツアーも料金に含まれているのがうれしいところです。
 チップは最終日に一括して払うのがほとんど。金額の目安は船で教えてもらえます。船内にはラウンジを兼ねたバーがありますが、アルコールは基本的に別料金です。




Q.食事はどんなものがでますか?

A.
朝や昼はビュッフェが多く、夜はその土地の料理を取り入れながら、基本はフレンチのコースです。食事はほとんど1回制で、テーブルは4〜8人掛け。指定制でない場合、いろんな人と相席になることもあります。また夜に停泊していれば、外食や「ちょっと一杯飲み」に出かけることもできます(行きたいレストランがあれば、船から予約してもらいましょう)。


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