日時:平成15年3月3日(月)
13:00〜
場所:新潟ワシントンホテル
4階「飛鳥の間」
北陸信越地方交通審議会
第1回北陸信越地方交通審議会 議事録
1.開会
事務局(企画部長)
予定の時刻となりましたので只今から第1回北陸信越地方交通審議会を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましてはご多忙の折にもかかわらず、ご出席いただきまして誠にありがとうございます。
申し遅れましたが、私、北陸信越運輸局企画部長の芦沢と申します。
後ほど、選任予定の会長様に議事運営をお願い申し上げるまでの間、進行役を務めさせていただきますのでよろしくお願いします。
2.委員紹介
事務局(企画部長)
それでは議事に先立ちまして委員の皆様方をご紹介させていただきます。
〜出席者名簿に従い紹介〜
以上で委員の皆様方のご紹介を終わりますが、本日の審議会は委員25名中代理出席を含めまして21名のご出席をいただいておりますので、後ほどご紹介申し上げます審議会規則第7条に定めます定足数に達しておりますことをご報告いたします。
続きまして北陸信越運輸局の出席者を紹介させていただきます。
〜順次紹介〜
3.局長挨拶
事務局(企画部長)
それでは審議会を開催するにあたり、北陸信越運輸局長園田よりご挨拶を申し上げます。
園田北陸信越運輸局長
本日は遠路から第1回北陸信越地方交通審議会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。平素から国土交通行政につきまして各般にわたりまして、格別のご理解ご協力いただいておりますことに対しまして、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。
ご案内のとおり昨年の7月1日に運輸行政の組織の改革がございまして、従来、石川県、富山県につきましては名古屋に本局がございます中部運輸局の管轄区域になっておりましたけれど、私ども旧新潟運輸局の管轄区域に入るということになりました。同じく旧新潟運輸局にございました秋田県、山形県は東北運輸局に移管するということの中で、旧新潟運輸局は新潟県、長野県、石川県、富山県を一緒にしまして、新たに北陸信越運輸局が生まれたわけでございますけれど、この地域におきまして今後どういった交通ビジョンを作っていくのかということが、省議の問題になっております。我々組織は7月にスタートしたわけでございますけれど、交通政策を今後どういうかたちで運営していくのかというビジョン、いわゆる魂にあたる部分がまだできておりません。こういったビジョンづくりが今一番求められているわけでございまして、本日は各界の有識者の皆様にお集まりいただきまして、このビジョンづくりに是非参画していただきたいということで、ご出席をお願いしているわけでございます。
私どもとしましては来年の夏ぐらいまで約1年ちょっとでございますけれど、それまでに皆様のご意見を伺いましてビジョンづくりを答申をいただければということを思っておりまして、10年後のこの北陸信越地域の交通をどういうかたちに持っていくのかということのご答申をお願いしたいと思います。10年後といいますとずいぶん遠い先のようにも思いますけれど、今後10年後にどういったことが起こるかということを考えますと、今、中部新空港が2005年の愛知万博を目指して開港するため、急ピッチで工事が進んでいます。先般、名古屋に出張した際に中部空港のほうを見させていただきましたけれど、着々と工事が進んでいるということでございます。
現在北陸地方とは東海自動車道が飛騨高山を抜けまして富山との直結ルートができる予定となっております。それがほぼ9割がた完成しておりますけれども、10年後までには必ず開通するということで、もう後2、3年で開通すると思いますけれど、そういった形で中京圏が非常に近くなってきます。
それから、北陸新幹線の工事は長野以北が着々と進んでおります。これも10年後には富山に入ってくるということは計画で決まっておりますし、今年の末に再度整備計画の見直しが予定されておりまして、既に金沢と富山県の石動の間は一部工事に入っておりますので、おそらく2013年の前後頃には金沢までもおそらく新幹線が入ってくるということになろうかと思います。
そうしますと今までどちらかというと石川県、富山県につきましては関西圏との結びつきが非常に強いということで、入り込み客を見ていましても関西からのお客が第1位、それから名古屋の中京地域からが第2位ということで関東圏と今遠いんですけれども、これは220分で東京から金沢のほうへ入ってくるということになりますと、非常に東京が近くになるということであろうかと思います。それから先ほど言いましたように東海北陸自動車道ができますと中京圏とも非常に近くなるという中で、我々北陸信越運輸局で考えてみますと日本海側に面しておりますけれど、いずれも京浜、阪神、中京といった大都市圏を控えているということでございまして、大都市圏に近いという特性を生かしたかたちの中で、この交通をどう考えていくかということかと思います。
明治の初めの定着人口ということで見ますと新潟県が一番でございまして、144万の人口を擁していたということで、北陸信越地域は定住人口で見ますと現在は5%強ということでございますけれど、当時はもっと高かったと思います。そういった中でこの地域の交通を考えていく場合には、首都圏、阪神、中京に近いという特性を生かしまして、交流人口をどんどん増やしていく必要があると思います。定着人口に交流人口を増やした形の中で交通をどう考えていったらいいのかということで検討をお願いしたいと思います。
国土交通省におきましては平成2年から規制緩和をスタートしております。当初は物流の方からスタートしましたけれど、昨年の2月はバス、タクシーといった我々一番移動に身近な公共交通機関についても、規制緩和したということでございます。私どもは規制緩和することによっていろんな事業者が参入しまして、その中で競争を通じて利用者の方によい交通サービスを提供することを念頭に置いているわけでございますけれど、規制緩和というのは参入も自由ですが撤退も自由になったということになりますので、マーケットメカニズムを通じたかたちの交通サービスの提供を政策の柱に掲げてあるわけでございますけれど、そういった規制緩和の逆にいえばマイナスの面そこにもわれわれ目を向けていく必要があろうかなと思っております。特にこの北陸信越の特徴としてみた場合、定着人口が少ない中で交流人口を増やしていかなければならない立場にあるわけですけれども、そういった中で交通事業者から見た場合、ある一定の業者がいて始めてサービスが提供できるわけでございますけれど、マーケットメカニズムがこの地域では直接には適用しにくい面もございます。そういった中で交通行政のあり方として規制緩和をしたら政府は何にもやらなくてもいい。あとは自治体なり事業者の方にすべてをお任せすればいいんだ、というわけにもなかなかいかないという側面も持っていると思います。私どもは規制緩和を進める中でこういった問題にどう対処していけばよいのか。我々としてはこの局の特徴でございます地方からの発信というか、そういった観点から今後の交通政策の指針、ビジョンこういったものをお示しいただければと思います。
それから今いろんな形で少子高齢化社会、そういった問題あるいは情報化社会、こういった中で交通サービスが従来と同様というわけにはいかない面が多々ございます。そういった需要に対してどういった形で我々は応えていくのかということも重要な問題であろうと思いますし、この地域は一世帯あたりのマイカー保有率が全国でも1,2位を争う地域でございます。住民の方々は公共交通機関に頼るよりもマイカーに頼っているというのが多々あろうかと思いますけれども、そういった中でも高齢者であるとか生徒であるとか、公共交通機関に頼らなければならない交通弱者もいらっしゃいます。そういった問題に対しましても今後どう対応していくのか、検討材料は山ほどございますけれど、我々としては公共交通のあるべき姿というものをどういう形で描いていくのかということで考えておりますので、なにとぞご審議いただきたいと思います。
簡単ではございますが私の挨拶にさせていただきます。
4.議事次第及び資料確認
事務局(企画部長)
それでは議事に入る前に本日の議事次第につきまして簡単にご説明申し上げます。
お配りしております「議事次第」の議題(1)「北陸信越地方交通審議会の設置等について」につきまして、事務局よりご説明させていただきます。
続きまして議題(2)「会長の選任」ですが、これは当審議会の議事運営を行っていただきます会長を、委員の皆様に選任いただくものです。
会長選任後、議題(3)にありますように「北陸信越地域(新潟県、長野県、富山県及び石川県地域)におけるおおむね10年後の公共交通のあるべき姿」を北陸信越運輸局長から諮問させていただきまして、その後、議題(4)「北陸信越地方交通審議会の審議の流れ」及び議題(5)「北陸信越地方交通審議会の今後の審議に係る視点」につきまして事務局から提案し、ご審議をお願います。
なお、念のためお手元にお配りしております資料の確認をさせていただきます。
お手元の議事次第にあります「配布資料」と記載のある枠の中をご覧下さい。
説明資料1として「北陸信越地方交通審議会の設置等について」
説明資料2として「北陸信越地方交通審議会の審議の流れについて」
説明資料3として「北陸信越地方交通審議会の今後の審議に係る視点について」を一冊にまとめてございます。
説明資料3の関連資料として「我が国及び北陸信越地の現況資料集」を別冊で用意しております。
さらに
資料番号を右上にうってございますが、
参考資料1としまして「委員名簿」
参考資料2として「地方交通審議会規則」等
参考資料3として「諮問書及び諮問理由」の写しを用意しております。
以上がお手元にお配りしてあります資料でございますが、その他参考といたしましてパンフレット「北陸信越運輸局 業務紹介」、「図で見る北陸信越の運輸」をお配りしております。
不備等がございましたらお申し出いただきたいと思います。
5.議事
事務局(企画部長)
それでは、これより議題(1)の「北陸信越地方交通審議会の設置等」について説明させていただきます。
事務局(企画・情報課長)
〜「北陸信越地方交通審議会の設置等について」を説明〜
事務局(企画部長)
ただいまの説明につきまして、何かご質問、ご意見はございませんか。
なければ、地方交通審議会の設置根拠について、説明申し上げます。
参考資料2に国土交通省組織令の抜粋、地方交通審議会規則を添付してございます。
〜地方交通審議会規則について説明〜
また、地方交通審議会規則第9条によれば、この省令に定めるもののほか、「議事の手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める」とされておりますが、今回は初回であり、北陸信越地方交通審議会運営規則の案を事務局で用意させていただきました。
〜運営規則について説明〜
北陸信越地方交通審議会運営規則につきましては、このような規定ぶりでよろしゅうございましょうか。
委員全員
異議なし
事務局(企画部長)
異議がないようでございますので、資料のとおり北陸信越地方交通審議会運営規則が決定されたことを確認させていただきます。
続きまして、議題(2)の会長の選任に入らせて頂きます。
地方交通審議会規則第5条の規定によれば、会長は、委員の皆様の互選により選任するとされております。
どなたか、ご推薦頂けませんでしょうか。
山田委員
事務局でどなたかお考えの方がいらっしゃいますでしょうから、その方がよろしいのではないかと思います。
事務局(企画部長)
只今、山田委員からご提案いただきましたが、事務局は松澤委員にお願いしたいという考えを持っておりますがいかがでしょうか。
委員全員
異議なし
事務局(企画部長)
異議がないようでございますので、全会一致で松澤委員が会長に選任されたことを確認させていただきます。
事務局(企画部長)
それでは会長にご就任いただいた松澤会長よりご挨拶をいただきたいと思います。松澤会長よろしくお願いします。
松澤会長
ただいま審議会の会長を仰せつかりました松澤でございます。よろしくお願いします。僭越ながら一言ご挨拶申し上げます。当審議会は北陸信越運輸局長の諮問機関といたしまして公共交通の整備、公共交通サービスのあり方等を検討するために設置されております。後ほど運輸局長の方から諮問があると思いますが、当地域の公共交通のあり方に関するビジョンにつきまして審議していくことになっております。各県ごとには交通計画はございますけれど、この審議会では北陸信越の4県、新潟県、長野県、富山県、石川県の広域的な地域における公共交通の整備、サービス供給のありかたにつきまして整合的な方法を検討していくということになります。
委員の皆様方におかれましてはご多用中のところとは存じますが、この重要な問題につきましてよろしくご検討のほどお願いいたします。
私が何かと及ばぬことも多いかと存じますが、ご協力をよろしくお願いいたしたいと思います。簡単ではございますが挨拶に代えさせていただきます。
事務局(企画部長)
松澤会長どうもありがとうございました。次に会長代理のご指名をお願いしたいと存じます。審議会規則第5条第3項によれば「会長はその職務を代理する者を指名する。」ということとされております。会長より会長代理をご指名いただきたいと思います。
松澤会長
藤井委員にお願いできればと存じますが。
事務局(企画部長)
ただいま会長より藤井委員が会長代理に指名されました。
それではこれから先の議事運営については会長にお願いしたいと思います。
松澤会長よろしくお願いします。
松澤会長
それではこれから議事を進めさせていただきたいと思います。まず、議事の(3)「北陸信越地域(新潟県、長野県、富山県、石川県の地域)におけるおおむね10年後の公共交通のあるべき姿について」でございますが、当審議会に対しまして北陸信越運輸局長から諮問案件が出されておりますので、事務局よりご説明願います。
事務局(企画・情報課長)
それでは資料の説明をさせていただきます。お手持ち参考資料3のところに諮問書並びに諮問理由がございます。ご参照いただければと考えております。
〜諮問書及び諮問理由を説明〜
松澤会長
ただいまの事務局からの説明につきましてご質問ご意見等がございましたらご発言をお願いします。ございませんでしょうか。特にないようでしたら、次に議事の方4番目の北陸信越地方交通審議会の審議の流れについて、これは案の段階でございますが、これについて事務局からご説明をお願いします。
事務局(企画・情報課長)
それでは引き続きまして説明資料2に基づきまして説明をさせていただきます。
〜「北陸信越地方交通審議会の審議の流れについて」を説明〜
松澤会長
どうもありがとうございました。それではただいまの事務局からの説明につきまして、ご質問ご意見等がございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは特にございませんようですので、次に議題の方(5)北陸信越地方交通審議会の今後の審議に係る視点について、事務局から説明をお願いします。
事務局(企画・情報課長)
引き続き説明申し上げます。本日ご審議賜ります事項のひとつである今後の審議の視点というところでございます。本日ご審議いただきます趣旨等について、説明資料3の3ページから38ページまでをスライド形式でご説明いたします。
〜「北陸信越地方交通審議会の今後の審議に係る視点について」を説明〜
松澤会長
ありがとうございました。ただいま事務局から、我が国全体および北陸信越地域という、2つの側面から社会経済的な動向および交通の動向、そしてまたこれから当地域で交通の諸問題について審議していく上で重要だと思われる視点についての抽出ということを要領よくご説明いただきました。
最初の我が国全体としての中で、時代の流れが交通に与える影響ということで、特に地方分権というキーワード、もうひとつは規制緩和、このふたつが大きなポイントになるということを指摘しております。
それから、北陸信越地域の交通を取り巻く諸条件およびそれに要請される要件について説明がありまして、当地域の自然的条件、地理的条件、そして経済社会的条件が、交通の整備、サービス供給にどのように影響を与えるかを、3つの面からみています。1番目は地域内交通、2番目には地域間交通、そして3番目には交通一般の利用環境の面から見ております。
特に2番目の地域間交通におきましては、先ほど園田局長からもお話がありましたが、観光が地域経済にとって非常に重要でありますし、またそれを支える意味での交通の整備ということが、当地域にとって大きな鍵になるかと思われます。
そういったことを踏まえた上で、最後に、38ページになりますが、審議の視点を挙げております。
このうち、視点1から3までは先ほどの地域内交通ということで1番目に相当するわけです。それから、2番目の地域間交通につきましては視点4、5、6が対応すると。3番目の交通利用環境につきましては視点の7、8、9が対応しているかと思います。
以上につきまして、皆さん方のご意見、ご感想、あるいは質問等々、どのようなことでも結構でございますので、お聞かせいただきたいと思います。
須田委員
非常によくまとめていただいていると思います。資料のレイアウトが非常によかったものですから、また、わかりやすかったのでよく理解できたと思います。
視点の面で、これから論点を整理していただく意味で参考になるようなことを一言申し上げておきたいのですが、19ページのところにグローバリゼーションというのがありました。国際化ですね。それから、もう一つ、34ページでしたか、これはほんの一部しか触れていないのですが、環日本海経済圏という問題がありました。
これに関連してお願いしておきたいのです、これから10年先ということになりますと、環日本海経済圏というのは相当大きなウエートを占めてくると思います。ソ連も開放されましたし、それから、韓国、北朝鮮(これもおそらくそのころには何らかの形で自由な交流ができると思います)、中国も北のほうからの交流があると思います。環日本海、これから将来性のある大きな発展をするかもしれないひとつの日本海経済圏というものができると思います。
その場合の窓口というのはあくまで日本海側にあるところの北陸信越地方なんですね。例えば新潟とか伏木富山の港だとか、それから新潟、小松、富山の空港等がこれから国際港湾・空港になってくると思います。
逆に環太平洋経済圏というのは、これまでから既に相当活用しておりましたから今さらでございますが、やはりこれも非常に重要だと思います。その面でこの地域を見るならば、太平洋側の東京、京浜、あるいは清水とか名古屋、四日市、そういったような港湾はたくさんあります。それらとの関係をどういうふうに考えていくか。これから環日本海経済圏はこの北陸信越地方が窓口になって、後背圏というのが単にこの北陸地方の山側だけというのではなくて、むしろ中京圏であり、関西圏であり、あるいは首都圏であり、東北の南部まで含めた太平洋側全部が後背地になると思います。
環太平洋経済圏というのは太平洋側の港湾、空港を持っているところがもちろん窓口になりますが、この後背圏というのは山を越えた北陸も信越も全部含めて後背地になる。ちょうどこの地域はその両方の接点にあって環日本海経済圏と環太平洋経済圏を結びつける働きをする。こういうふうな非常に大きな働きがあるということが、これからこの地域の公共交通を考える際の大きなポイントではないかと思います。
ちょっと見てみますと、太平洋と日本海を結ぶ高速道路は4本もあるんですね。磐越、上越、関越、東海北陸と。これはもうじきできるわけですが。新幹線は2本あるんですね。新潟とそれからこれからできる北陸新幹線。こんなところは日本どこを探してもありません。これを何とか生かさない手はない。これを生かして太平洋経済圏と日本海経済圏を一体とした大きな日本経済圏を両側に目を向けてつくるということは、この4つの道路と2つの鉄道をうまく使うしかないと思います。
そういうふうな観点に立って考えると同時に、それらをまた地域的にうまく活用することが大切です。例えば両新幹線の圏域内の部分をうまく圏域内交通に使う。道路は既に使われていますが、そういうことをやる。つまり、それにかかわる一般道路を走る公共交通機関であるバスだとか、それから在来の鉄道を走る鉄道だとか、そういうものをうまく絡み合わせることによって今の4本の交通道路と2本の新幹線が生きてくると思います。
ただ残念なことにその道路の名前を見てもわかりますように、磐越だとか関越だとか東海北陸というのは全部太平洋側が頭に書いてあるんですね。つまり、これからは北陸信越の視点に立って、こちら側から向こう側を見てこの道路や鉄道をどう生かしていくのかという観点が、この委員会のひとつの大きなポイントではないかと私は思います。
そんなような意味合いで、ぜひひとつ環太平洋経済圏と環日本海経済圏をどのようにまとめ上げるかということが、国家的な要請としてこの地域の交通にはかかっているということを視点にしていただき、それをいかにこの地域内交通にうまく活用していくかというところが、2番目のポイントではないかと思います。
もう一言だけ申し上げますと、先ほど来、観光の話が出ておりますがあそこに視点が9本書いてありますが、あの中の5までのところと、6から9までのところというのはちょっと次元が違うと思います。1から5までを横軸とすれば、6から9はむしろ縦軸につながってもいいのではないか。気象災害に強い公共交通というのはすべて公共交通にかかわります。観光というものはすべての公共交通にかかわってきますし、シームレスも環境にやさしいも同じです。そのように考えていけば、私は案外頭の整理ができるのではないかという気がしておりますので、それもこれからのご参考にしていただきたいと思います。
なお、この中にいろいろな統計がございますが、どうも国土交通省絡みのものが非常に古い。平成7年というのが最新年度になっているものかたくさんございます。逆に通産省とかその他のものは12年ぐらいまで出ております。これはなぜか知りませんけれども、もうちょっと新しい統計があるはずでございますから、新しいものに更新していただければと思います。
それから、これから雪の降る地域、先ほどお話がありました豪雪地域ですね。気象に厳しいところ。これは大変交通機関には厳しい環境ですが、これは公共交通機関を生かすための、公共交通機関に対するニーズが逆に非常に大きい地域であるということも意味いたします。それから、人口が減っていくということは、逆に交通機関にとっては厳しいことですが、これは人口が減って都市が形成できなくなってきた場合、その都市がうまく機能するためにはその間を結ぶ鉄道とか公共交通機関というものがあってこそ、都市の人口が減っても生きていけると思いますので、むしろこういうような逆境を逆手にとって、これからの公共交通を前向きに取り組んでいければと思います。以上です。
松澤会長
どうもありがとうございました。
事務局のほうで何か。よろしいですか。
須田委員
要望ですから特にお答えは必要ありません。何かあれば次回伺います。
山田委員
ただ今、須田委員から我々の問題意識をそのものズバリおっしゃっていただきました。
私ども北陸経済連合会と中部経済連合会さんとは、いろいろとコンタクトを取っておりまして、中部さんは環太平洋、我々は環日本海、両方とも手を握って日本の発展のためにというのがスローガンです。
北陸経済連合会では、我々の地域のスタンスを「環日本海交流のゲートウェイ」と位置付けて今まで活動し、今後とも活動していこうと思っています。
ただ、こちらの新潟県は、東北経済連合会に入っておられます。地域割りがうまく一体化していませんけれども、東北さんとはこれまた交流をしておりますので、同じ感じを持って、取り組んでいるという状況であります。
そういう意味で、今ほど須田委員がおっしゃったことは全く当方が考えていることと一緒でございますので、ぜひとも今後検討されるときに留意していただきたいと思います。
ここで一言だけ申し上げたいのですが、地域内連携、地域内交流ということを盛んに言われておりますが、冒頭、局長がおっしゃったように、北陸というと富山、石川、福井という感じが強いんですね、富山と新潟とは壁があり、交流が少ないと思います。地形的に親不知という天下の険があったことが歴史的に尾を引いているのかも知れませんが、北陸三県と新潟県との交流が今までとても薄かったような気がします。
新潟も「越の国」ですから、歴史的にも一体感を持つべきだと思います。それで、新潟と長野と今度一緒に仕事をやっていこうと、同じ視点から問題を解決できればと思っています。
そういう意味で、中沖知事も「越の国構想」ということを盛んに言っておられますが、この機会にどういうふうにしていくか。現に、富山から新潟に来る交通の便は現在でも不便極まりないというのが実態でございます。そういった身近なところから手を着けていただき、もう少し互いに親近感を持ち合うということに取り組んでいただきたいと思います。
もちろん長野さんとも同様でございます。
長期の観点もさることながら、できることから手をつけていただいて、肌で親しみを感ずるような、そういう施策もお考えいただければなという気がします。以上です。
松澤会長
どうもありがとうございました。
それでは、今日は初回でもございますので、できるだけ皆さん方から、これからこういうことを特に留意しながら審議してくださいということで、ぜひご意見をお伺いしたいのですが。
高山委員
非常に膨大な資料に基づいて全国の情勢、それから北陸、信越地域の状況等、説明をいただきました。非常にわかりやすかったのですが、できればもう少し詳細な資料も次回準備していただけたらと思います。
例えば全国の流れについては4ページから20何ページまで非常に趨勢がわかるのですが、特に北陸信越地域の交通を取り巻く諸条件であるとか、社会経済的な条件については数値的に全国との比較でどういう位置づけになっているかというのはよくわかるのですが、特に今回、議題に上がっている交通の状況を見ますと、ほとんどデータ的な資料が、ないのかもしれませんし、今回準備が間に合わなかったのかよくわかりませんが、その辺もう少しデータ的に整備をしていただきたいと思います。
最後の38ページに審議の視点が挙がっています。おそらくこの視点の中で、今後10年後を目標に整備目標をどう掲げたらいいのかというところが、課題になってくるかと思います。整備目標としては、アウトプットで考えるのか、あるいはアウトカムで考えるのか、2つの視点がありますけれども、いずれにしろ現状がきちっとどういうレベルにあるのかということを抑えておかないと、おそらく10年後を目指してどういうふうに整備をしていけばいいかという、それぞれの視点が見えてこないと思いますので、そういう点でもう少し次回までにその辺のデータの整理をぜひお願いしたいと思います。
それと、今、地域間のつながりの問題があったかと思います。経済的な繋がりという点と、あるいは観光とか地域交流という繋がりでは多少ニュアンスが違うのかなと。経済的な繋がりは、おそらくこれまでの長い歴史があって、確かに北陸3県と呼ばれる福井、石川、富山と新潟という繋がりというのは少ないのかもしれませんけれども、観光とか、それ以外のことで言えば、これからもっともっと公共交通の整備を進めていけば、どちらも魅力的な地域が多いということになっていますので、そういう点では、地域間交流人口を増やすという意味でも、ぜひ公共交通の整備を進めていただきたいと思います。以上です。
松澤会長
どうもありがとうございました。
操川委員
トラック業界を代表して、北信越4県の石川から出ておるわけでございますが、我共、長い歴史の中で、物流の行き先を見ると、皆さんがおっしゃるように壁があるというか、交流があまりないんです、新潟県と北陸3県。やはり大阪、中京、東京、こういうところと今までずっと交流してきたものですから、今、局が一緒になったからといってなかなか増えるものでもございませんけれども、この中に、我々、金沢港の活用ということで、いろいろ委員会をつくってやっておるのですが、できることなら金沢港は物流、コンテナとか材木とかいろいろ入っているのですが、大浜のところへ移動して門司型の港湾づくりをすると。要するに県民市民が金沢港を活用して繁栄を図ると幸い、県庁と金沢港というのは1キロぐらいしか離れておりませんので、これからおそらく10年20年の間に県庁周辺に都心が相当移動してきます。熊本県の県庁なんか見ますと、30年間で周辺の人口が倍になったということで、私も行って見て聞いてきておるわけです。金沢もそういうふうに移動してくるのではないかなと思われ、できることなら、ここにフェリーの誘致というものを入れていただけないかなと。本日の資料の中にはそういうものはひとつも出てこないように感じております。現状は、貨物の種類、行き先は、ほんとうに北陸3県にとどまり、新潟は薄いです。これは今後やはり絆を深めていく上においても、これから太く交わっていきたい、1本の髪の毛ほどの量であっても、1本のロープのように太く築いていくときにはどうあるべきかということを、私どもは懸念をし、思っておるわけでございます。
そして、電車のことも言われましたけど新潟市、局へ来るのが金沢市から本数も限られて帰りも苦労しておるわけです。そういうことでこのごろ日帰りというのは大体既成の事実です。新潟へ来るとこうして遅くなると帰りが夜中になってしまうんです。そういうことも踏まえて、もう少し地に足がついたような視点も入れていただけたらなということを、お願いしておきたいと思っております。
私どもの仕事の関係から、物流の行き先のことを申し上げましたけれども、山田委員が言われたように本当に新潟とは物流も人的な面も、観光的な面も私は薄いと思います。そういうことは皆さん実感しておられると思うので、この辺もよく主導型でお願いしたいと思っております。以上です。
松澤会長
ちょっと厳しいご意見を伺いましたが、何かお答えすることはございますか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
唐沢委員
長野県から参りました。今いろいろお話を聞いておりまして、私ども長野県も信越、北陸ということになりますと、何かひとつ飛び越えて向こうのほうにいるような感じがするんですけれども、非常に交通とか、あるいは経済圏を見たときに、長野県の場合は3つの地域に分かれてくる。ひとつは関東圏であり、ひとつは中京圏であり、そしてまた北陸圏というふうに分かれておりまして、交通ひとつ見ても、新潟県に来るには、今日も私、群馬県の高崎まで出てこちらに回ってくるわけですね。そういう地域でございます。
また、新潟県ということになると、鉄道も1本、信越線があるのですが、何とこれが急行すらないんですね。すべて鈍行だということで、直江津に出るのに1時間半もかかってしまって、たった70キロのところを1時間半もかかっているというような状況にあるわけです。
あと、高速道はおかげさまで直江津まで開通をしているわけでございますけれども、今までの18号線がたった1本しか繋がっていないということで、北陸圏との交流が非常に難しかったと。しかし、今、観光とか、そういうものを考えたときに、これから北陸圏と長野県、あるいは新潟県というものは大変有意義な観光資源だと思うんですね。ですから、これらの有効活用を図るには、いわゆる北陸圏全体の交通システム、あるいは交通体系というものを整備しないといけないと思います。
特に私どもの南のほうに行きますと、まさに中京圏、名古屋のすぐそばになりますし、あるいは静岡の隣とか群馬県の隣山梨県の隣ということで、日本の中心である長野県は中山間地が多く、交通の不便地帯でございます。そういう中にあって、人口が減少しながらも小さい町村がたくさんあるわけでございます。現在も120市町村のうち、町村が何と103あるわけです。こういう中において、その生活圏の中でいかに交通整備をしていかなければ、そこに住んでいる人たちが不便を来たすかということもあるわけでございます。
今回、非常に価値ある9つの視点を出されて、この中で、観光であり、生活であり、あるいはバリアフリーということを出されていて、ほんとうにきめ細かな、視点をもってご論議をしていただいたり、また決めていただくことをお願いしてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
松澤会長
ありがとうございました。
予定の時間が少し過ぎておりますが、せっかく皆さん方、お忙しい中をお集まりいただいておりますので、もう少し時間を延長してご意見をお聞きして構いませんか。お急ぎの方もいらっしゃると思いますので、そういう方は途中で出ていただいて結構でございますので。
もしお急ぎの方でぜひ意見を先にという方はお願いします。
石塚委員
今ほど説明に関してですが、今後の審議視点や審議の流れの中で、どの項に該当するのか整理もできていませんが、審議の最終段階での「重点的に取り組む対応」事項で、関係者の役割分担の提起がなされています。
今後の議論の中では、公共交通の将来を見据えて積極的な活性化策や事業として採算性について、突っ込んだ条件設定議論がされれば問題ありませんが、地方の過疎化という厳しい環境の中では、当該事業者の責任分担を明確にしても、現実の指針となるかどうか疑問も残ります。
したがって、現実を直視した議論をしていく必要があると思いますので、一言意見として申し上げたいと思います。
松澤会長
どうもありがとうございました。
高山委員
今、過疎地のバスの話が出ましたが、私、ちょっと知り合いの先生にお話を聞いたら、中部運輸局のほうでは、管内全域を対象に規制緩和後のバスの状況、あるいは特に中山間地域の地方自治体でどういう動きがあるのかという調査をされると伺ったのですが、北陸信越の地域ではそういう予定はあるのでしょうか。この中では、おそらく上のほうにバスの問題が挙がっていて、規制緩和後の、特に過疎地での路線バスの廃止というのはずいぶん動きとしてはいろんなところで見られていますが、その辺はいかがなんでしょうか。
事務局(自動車交通部長)
規制緩和後の具体的な管内の動きでございますけれども、今のところ、撤退という意味では、具体的な動きはそれほど出ておりません。
冒頭おっしゃいました各市町村の動き等、事業者、あるいは市町村を通じてこれから把握をしていきたいと思っております。
米窪委員(代理池田氏)
これからはやはり日本海の貿易拠点が必要になると思います。伏木港、新潟港の整備が大事になるのではないでしょうか。
それから、もうひとつ、地域住民の足になっている路線は、損得ぬきで、出来る限り、公の補助も入れ、存続してゆくべきだと思います。私は上田市なんですが、ご存じでしょうか、別所線という小さな電車が走っています。以前は丸子線、スキー場のある菅平へ行く真田線、それから別所までの3つの線があったのですが、やはり時代の流れの中で2線がなくなりました。その時、別所線の沿線住民がどうしても残してほしいという強い要望のもとに、行政に働きかけをしました。私ども地域婦人会は、乗客数を確保する為、回数券販売をし、「電車に乗りましょう運動」を始めました。行政、地域をあげての願いが実り、小さな路線が消えていくなかで、私たちが残した別所線を誇りに思っています。今は、通学の生徒や、列車で遠出する人々の足となって、住民によろこばれ、愛されながらラッシュ時の車の列を横目に、田園の中をさわやかに走ってくれています。以上です。
松澤会長
どうもありがとうございます。
事務局(企画部長)
たくさんご指摘いただきまして、今、メモっておりますが、全部にお答えすると大変長くなるので、ここで1度お答え差し上げて、それでまた不足の点についてはご指摘いただくということをやらせていただきたいと思います。
ご意見として賜って、今直ちに答えが出せないものもありますが、今いただきました意見で、我々、今考えていることを申し述べさせていただきたいと思います。
始めに、須田委員から大変高い見地から、この地域、環日本海のこのエリアを太平洋側の地域とも相互連携してやるべきだと。その交流の動脈は高速道路も、新幹線も2本もあると。これをうまく使ってというお話がございまして、そのとおりだと受けとめております。
やはりこの北陸信越地域は非常に大きな、東京、名古屋、大阪みたいなコアの大都市を持っていないということですから、地域内だけですべて完結するということはやはりできないので、他地域との連携は非常に密接にしていかなければいけない地域ではないかと思っております。
したがいまして、これから、高速道路も整備が進み、新幹線も通るというこの機を捉えまして、高速系で非常に密接な関係をつくっていくために、どうしたらいいのかということは、非常に重要な視点だと思います。私どももそれは視点の中に入れたつもりではありますが、より鮮明に次回以降の審議に、こういう大きな課題があるということで、提案させていただきたいと思っております。
ご指摘はさらにございまして、先ほどの審議の視点の1から5が縦軸であれば、6から9は横軸ではないかと。縦と横はどっちでもあるのですが、それはまさしくそう思っておりまして、そのように縦横を組み合わせて考えているつもりでございます。
それから、山田委員は既に列車の都合でお帰りでございますが、須田委員のご指摘と基本的には共通点があろうかと思いますが、その中でも強調されておりましたのは、操川委員からもご指摘があるのですが、やはり富山と新潟、同じブロックの中でありながら、交流が少ないという問題の指摘がございました。その連携強化のためにも一歩でも何かできないかというお話だろうと思っておりますが、北陸信越地域という運輸局の管轄区域がこうなったから4県が一緒にやらなければいけないということで考えるわけではなく、やはり管轄区域がどうであろうとも、隣県との協力、これは地域がますます広域で活動していかなければいけない時期に交流が少ないということは非常に問題があると思いますので、その交流を増やしていくと。それにはやはり交通側の努力も必要と考えます。もちろん潜在的な結びつきというのが必要なのですが、それを助けるような、交通が地域を変えていくという意味で、能動的に働きかけるという意味で、そのためにどういった交通体系をとるべきかという点について、ぜひとも今後ご審議いただきたいと思っております。
その中で、経済的な結びつきというのがもともと薄いところでどうするんだという話がございましたが、高山委員からもご指摘がありましたように、ひとつは観光という交流を促す大きな材料もございますので、もちろん観光だけではなく、産業とか経済の結びつきというのも必要なんですが、観光をひとつの切り口として地域間の、かつ地域内の交流人口を増やすということについてもぜひご指摘いただきたいと考えてございまして、視点の中にも個性ある地域づくり、観光振興と一体となった地域、公共交通の整備という視点を入れたつもりでございます。
それから、操川委員からフェリーの活用というお話がございました。もちろん陸上系だけでなく、海上交通で結ぶというのもその地域間、もしくは地域内の交流促進に必要な観点であるというご指摘をいただきました。私どもも海上交通を全く考えていないわけではなくて、ぜひご検討いただけるように材料を用意していきたいと思っております。
それから、唐沢委員からも長野から新潟に来るのは非常に大変だというお話を聞きました。私どももそれは日常、長野を管轄しておりまして感じているところでありまして、何とかより利便性の高いサービスができないのかということが、この地域での課題のひとつだと思っております。これは次回以降、需要予測なり、地域間流動量のデータを用意させていただきまして、これだけの交流があるのだから逆にこれぐらいサービスがあってもいいのではないかと、こういうような具体の議論に進めてまいりたいと思っております。
それから、石塚委員ご指摘の地域の生活交通をどうやって確保していくかというのは、視点の一番に入れたように、この地域共通の問題でございます。生活交通をどうするかというのは課題のひとつでございますので、より具体的な検討を次回以降やらせていただくというふうに考えてございます。
それから、池田委員ご指摘の別所線のお話、今、バスだけでなく、地方鉄道も非常に経営が苦しくて、存続の危機を迎えているところが別所線以外でもあります。なかなか管内でも難しくて、長野県でも先般、長野電鉄の木島線がバス転換になったわけですけれども、私どもこの審議会全体を通じて考えていきたいと思いますが、国だけが一方的にこうあるべきだというふうに考えても、やはり地域側の取り組みと一緒にやっていかなければいけない課題が、過疎交通だけではなくて、幹線交通の部分についても出てきているのだろうと思っております。したがいまして、地域側の取り組みを前提にして、どういった支援策を国としてやっていけるのかというのは、当然最後の答申のところでも盛り込みたいと考えます。これがないと絵に描いた餅で、こうあればいいというだけで終わってしまいますので、ぜひ実行性、これに沿って関係者がこの答申に沿って動いていただけるような具体的な役割分担、そこまで書いていきたいと思っております。
大変たくさんのご指摘をいただきまして、全てにお答えできたかどうかわかりませんが、とりあえず事務局からご回答申し上げます。
それから、データ関係が古いというご指摘につきましては、取り急ぎつくったところもありますので、最新のものを次回以降出して、お叱りを受けないように留意いたします。申し訳ございませんでした。
松澤会長
どうもありがとうございました。今のご質問に関して、一区切り、あらかたお答えいただきました。
30分ちょっと前ぐらいまでよろしいでしょうか。あとお一方、お二方。
笠原委員
鉄道協会の笠原でございます。
木島線の問題も出て恐れ入ります。それとは関係ないのですが、大変な膨大な資料をまとめられて、苦労いただいたと思っております。
ただ、私のほうから意見でございますけれども、局からの諮問の内容が10年後の公共交通、それから諮問理由が書いてございますけれども、やはりそういう観点で全体を見ていきますと、審議の視点というのも個々にはよろしいかと思うのですが、我が国全体のところの4つの社会の変貌、3つの時代の流れという根っこの部分で考えていきますと、やはり何で人々の生活が公共交通を必要としているのか、を考えますと、4つの社会の変貌に入れるのか、3つの時代の流れに入れるのかはちょっとわからないのですが、4つの社会の変貌からいいますと、少子高齢社会、車社会、情報社会、グローバル化社会の車社会というのがこのまま車社会でいいのかということが今問われているわけでして、その問題が長野県もCO2の排出量が非常に大きい県ですが、地球環境問題、という投げかけが、非常に大きい社会問題ということで、車社会という項目をもうひとつ大きいところで、地球環境問題としていただいたほうがいいのかなと思います。
そんなことで、3つの時代の流れがいいのか、社会の変貌がいいのか、その辺、ちょっと根っこの部分でご検討いただきたいと思います。
飛田委員(代理堀氏)
一点だけですが、これまでの県別の計画を発展的にさせるということで、北陸、信越をひとつの圏域として捉えて、その圏域の将来ビジョンを描くということになっているわけですから、視点1から9までがあって、これは優劣があるとか順番とかいうわけではもちろんないのだろうと思いますけれども、北陸、信越という地域をくくってビジョンを考えるとなりますと、例えば視点3、4、5あたりにこの審議会としては力点を置いて、これをもっと前面に出すというと語弊があるかもしれませんが、視点3、4、5あたりに審議の重点を置いて、そこら辺をもっと前に出していく形のほうがよろしいのではないかなと、そんな感じがいたしました。以上です。
松澤会長
どうもありがとうございました。
今のご意見、十分に参考にさせていただきたいと思います。
時間的制約もありますので、特にございませんようでしたら、事務局のほうから何かありますか。
園田北陸信越運輸局長
先ほど多くの委員の方からご意見をいただきましたが、今後この審議会でいろいろ検討をしていく上において重要なポイントかなということで、今日いろいろいただいたことを最大限に配慮したかたちで、今後、来年の夏まであと4回ございますので、その中で議論に反映させて最終的な構想の中に織り込んでいただきたいと存じます。
北陸信越という局ができたわけですけれども、冒頭言いましたように、そういった中でブロックとしてのビジョンをどう考えるかといった場合に、まだそういった人流とか物流の面でほんとうに「おへそ」になる部分があるのかといった時に、残念ながらこの地域はほかの地域と比較した場合に、そういった面での「おへそ」になる部分がないのかなという気がします。
例えば東北ですと仙台にどんどん集中が進んでいますし、あるいは九州を見た時には福岡に集中すると、3大都市圏はそれぞれの中心があるという中で、むしろこの地域では逆に発想の転換が先ほど委員の方からもございましたが、今、地方分権の時代になってきて私どもの扇大臣も言っているのですが、昔のいわゆる四全総の時代には均衡ある国土の発展ということで、どこの町並みもいたるところ同じかたちの国づくり、地域づくりをやったわけですが、今、21世紀はむしろ地方の時代ということで、私ども国土交通省の施策も個性ある地域の発展という具合に180度方針転換しまして、それで、整備局、運輸局が車の両輪となって、地域の国土交通というものを作っているわけです。
そういったハードの面でも整備局では地方の皆さんの意見を聞いて、物づくりをやっていくということで、今までとかく縦割りで、お互い道路、河川あるいは空港といった公共事業の部分はびた一文ですね割を変えないという、硬直的な財政運用なり公共事業の整備を図ってきたわけですが、これも180度の方針転換といいましょうか、地方にとって一番必要なものを地方に聞くとそういう形で進んでいます。それに対して、我々も運輸行政の方も、まさにハード、ソフト一体となった形で、個性ある地域づくりを目指した中でやっていきたいと思っています。
そういった中でこの地域を見たときに、「おへそ」はないんですけれども、むしろそれが北陸信越地方の特徴なのかなと。その特徴の中で、当然4県の間の交流というのも考えなければいけないと思いますし、あるいは今まで4県がそれぞれ歴史的、経済的な繋がりをもって、従来からの繋がり、それから他ブロックとの繋がり、こういったことも尊重しなければいけませんし、それから、須田委員のほうから非常に大きな視点に立った、まさにこの地図を、アジア、シベリアのほうから見ますと、我々は普通の地図で見ていますと、何となく日本海側というのは裏日本という形のイメージですけれども、大陸からこの地域を見ていますと、まさにこの北陸信越地域というのは環日本海という中心に属しているわけでございまして、そういった明治維新後は太平洋側のほうが非常にそういう面ではヨーロッパ、アメリカとの交流の中で発展してきましたけれども、歴史的な流れを見ればまさにそうだったし、今後もロシアとか朝鮮とかいろんな問題で、いろんな経済的な交流も盛んになってくると思います。
私どもこの北陸信越地域の交通ビジョンを作る時に、そういった複眼的な視点に立って、「おへそ」がないということもひとつ発想の転換の中で、それを生かした地域の交通づくりというものをやっていきたいと思っています。そういった観点から皆さんからいろんな意見を伺って、立派な答申の内容になるように、事務局としても今後いろいろデータ等を提供していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
松澤会長
どうもありがとうございました。
では、特にこれだけは言っておきたいということがもしありましたら。
特にございませんようでしたら、事務局のほうで何かございますか。
事務局(企画・情報課長)
それでは、最後でございますが、次回の開催の日程につきまして簡単にご説明申し上げます。
先ほど説明資料2で申し上げましたように、次回、本年7月ごろ、開催を予定しております。
具体的な日程、場所につきましては、後日、委員の皆様方のご都合等々調整させていただきまして、決定次第、再度ご連絡申し上げさせていただきたいと考えております。
次回につきましては、現状評価ということで現状分析をしていただくわけでございますが、先ほど高山先生からもお話がございましたように、交通にかかわる現況データがだいぶ不足しておるというご指摘をいただきましたので、アウトカム、アウトプット、定性、定量、すべての客観的評価に資するデータを取り揃えまして、次回までに用意させていただきたいと考えております。以上でございます。
松澤会長
どうもありがとうございました。
それではこれをもちまして議長の役目を終了させていただきたいと思います。
どうも皆様方、お忙しい中お越しいただき、そして貴重なご意見をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。これを今後活かして、案づくりに反映させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
事務局(企画部長)
松澤会長、大変ありがとうございました。委員の皆様、大変ありがとうございました。ほんとうに今日は貴重な意見をたくさんいただきまして、事務局もこれで奮闘せねばならないと思いました。次回に向けて作業を積み重ねてまいりますので、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
これをもちまして第1回北陸信越地方交通審議会を閉会とさせていただきます。本日はありがとうございました。