1.基本(法関係)
   
バリアフリー法
 (基準:移動等円滑化基準=利用円滑化基準+移動円滑化基準)
  「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(平成18年6月21日公布、同年12月20日施行)の通称名。一体的・総合的なバリアフリー施策を促進するために、ハートビル法と交通バリアフリー法を統合・拡充した法律。
   
ハートビル法   (基準:利用円滑化基準)
  「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(平成6年6月29日公布、同年9月28日施行 )。デパートやスーパーマーケット、ホテルなど、不特定多数の者が利用する建築物を特定建築物とし、その建築主は建物の出入口や階段、トイレなどに、高齢者や身体障害者等などが円滑に利用できるような措置を 講じるように努めなければならないこととした法律。【改正】(平成14年7月12日公布、平成15年4月1日施行)
  不特定でなくとも多数の者が利用する学校や事務所、共同住宅などを特定建築物とした。また、特別特定建築物の建築をする場合等に利用円滑化基準への適合が義務づけられた。
   
交通バリアフリー法   (基準:移動円滑化基準)
  「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(平成12年5月17日公布、同年11月15日施行)。駅などの旅客施設や車両等に新たに建設、導入をする場合等に移動円滑化基準への適合が義務づけられた。
  市町村が、駅とその周辺の道路、信号機などを一体的にバリアフリー化するための仕組み(基本構想制度)が設けられた法律。
   
ノーマライゼーション
  Normalization。障害を持つ人でも地域社会で普通に暮らせるようにすること。北欧デンマークで「精神障害者ができるだけノーマルな生活を送ることができるように」と提唱された理念。
   
移動等円滑化の促進に関する基本方針(バリアフリー新法第3条第1項)
  主務大臣が定める移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進するための基本方針(平成18年12月15日告示、同20日施行)(改正 平成23年3月31日告示、施行)。
   
バリアフリー
  Barrier free。バリアフリーの「バリア」とは、英語で障壁(かべ)という意味で、人々の移動時に障壁となっているバリアをなくす(フリーにする)こと。
  「バリアフリー社会」を実現するためには、障害のある人をとりまく4つの「バリア」を取り除くことが必要といわれ、4つのバリアとは、物理的、制度的、文化・情報面、意識上のバリアがあります。
     
ユニバーサルデザイン
  Universal design。年齢、性別、国籍、個人の能力に関わらず、はじめからできるだけ多くの人が利用可能なように、利用者本位、人間本位の考え方に立って、快適な環境をデザインすること。
  ユニバーサルデザインは、@公平性(誰にでも公平に利用できること)、A自由度(使う上で自由度が高いこと)、B簡単(使い方が簡単ですぐわかること)、C明確(わかりやすい情報で理解しやすいこと)、D安全性(うっかりミスで、間違った使用をしても、出来る限り危険につながらないこと)、E持続性(無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること)、F空間性(誰にでも使える大きさ、広さがあること)の7原則が示されている。

例)頭部や側面に「ギザギザ」があるシャンプー(目の不自由な人だけでなく、目をつぶったまま使いたい時にも便利)
   
STS(スペシャル・トランスポート・サービス)
  (STS)Special Transport Serviceの略。地域で生活する高齢者・障害者の移動手段として、利用者の住居近くから目的地までの送迎サービスを提供するもの。主に身体的 状態の制約により、バスや鉄道などを利用することのできない人や利用困難な人を対象としている。
   
身体障害者福祉法
  身体障害者の福祉の増進を図る為の日本の法律。
   
障害者基本法
  障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって障害者の福祉を増進することを 目的として制定された日本の法律。
   
障害者自立支援法
  障害者基本法の基本的理念にのっとり、他の障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする日本の法律。
         
身体障害者補助犬法
  身体障害者補助犬を訓練する事業を行う者及び身体障害者補助犬を使用する身体障害者の義務等を定めるとともに、身体障害者が国等が管理する施設、公共交通機関等を利用する場合において、身体障害者補助犬を同伴することができるようにするための 措置を講ずること等により、身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、もって身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的とする日本の法律。
  「身体障害者補助犬」には、【盲導犬】【介助犬】【聴導犬】がある。
   
インクルーシブ
  Inchusive。「障害者制度改革」の基本的報告と今後の改革の中で、「インクルーイシブな社会の構築」が掲げられ、障害者があらゆる分野において社会から分け隔てられることなく、日常生活や社会生活を営めるよう留意しつつ、障害者に対する虐待のない社会づくりを目指す。
   
スパイラルアップ
  「バリアフリー社会」の実現のためには、スパイラルアップの考え方が重要と考えられています。スパイラルアップとは、物事に取り組むにあたって、事前の検討段階から事後の評価の段階に至るまで当事者が積極的に参加しながら、取り組みの段階的かつ 改善(PDCA[=計画(Plan)→実行(Do)→検証(Check)→改善(Action)の流れを、次の計画に活かしていくプロセス])を行うこと。
   
パブリックコメント
  行政手続法に規定する意見公募及び結果公示をすること。通称「パブコメ」。
(「意見公募」とは、行政機関が命令等(政令、省令など)を制定するに当たり、事前に命令等の案を示し、その案について広く国民から意見や情報を募集するもの)
 
2.障害者
   
身体障害者
  大きく分けて視覚障害、聴覚・言語障害、肢体不自由(四肢の切断や機能障害など)、内部障害の人のことで、2つ以上した重複のある人も多くいる。先天性の障害のほか、事故や病気によるもの、加齢によるものなどがある。
  身体障害者の6割以上が65歳以上の高齢者。
   
聾者(ろう者)
  聴覚障害者、耳の聞こえないこと、言葉を話せないこと。聾唖者(ろうあしゃ)ともいう。
   
知的障害(ダウン症など)
  先天性または出生時などに、脳になんらかの障害を受けたために知的な発達が遅れ、他人とのコミュニケーションなどの社会生活に困難が生じる障害です。
   
精神障害(統合失調症、気分障害(うつ病)など)
  精神障害とは、統合失調症、気分障害(うつ病等)等の様々な精神疾患により、日常生活や社会生活のしづらさを抱える障害です。適切な治療・服薬の配慮があれば症状をコントロールできるため、大半の方は地域社会の中で生活している。
   
発達障害(自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)など)
  発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群等の広汎性発達障害(PDD)学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)等、脳機能の障害であって、通常は低年齢において症状が発現する障害です。
   
特定疾患(難病)
  行政や医療の現場では特定疾患を指して「難病」と俗称することがある。
「難病」のうち日本において厚生労働省が実施する難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野の対象に指定された疾患で、2009年の時点で対象は130疾患。
体の内部に障害を持つ内部障害と同様に外見上では他者に理解を得づらい。
   
オストメイト
  病気や事故等により消化管や尿管が損なわれるなど、腹部等に排泄のための開口部にストーマ(人工肛門・人工膀胱)を持つ人のこと。
 
3.補装具等
   
補装具
  「障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間に渡り継続して使用されるものその他の厚生労働省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車いすその他の厚生労働大臣が定めるもの」(障害者自立支援法第5条第19号より)
  具体的には、義手・義足、車いす、義眼等が該当する。
   
白杖(はくじょう)
  視覚障害者が歩行の際に、前方の路面を触擦して使用する白い杖。身体障害者福祉法や福祉用具の分類における名称は盲人安全つえ。
  高い所にある障害物でも超音波センサーで認識できる視覚障害者向けの電子白杖が、国産品として初めて開発され、外国産の半額程度のコストダウンに成功している。

   
車いす(手動車いす)
  身体の機能障害により歩行困難となった者の移動に使われる福祉用具。道路交通法において、障害者が車いすに乗車している場合は、歩行者と定義されている。
   
電動車いす(ジョイスティック型)
  電気モーターによる走行が可能な車いす。
  ジョイスティック型は、手動車いす同様、左右の駆動輪の回転数の差によって旋回することが可能。
  道路交通法において、最高速度は6Km/h以下で、かつ障害者が電動車いすに乗車している場合は、歩行者と定義されており、これを超える場合は車両扱いとなる。
   
シニアカー(ハンドル形電動車いす)
  高齢者向けに作られた、三輪または四輪の一人乗り電動車両(バッテリーカー)。
  ハンドル形はハンドル操作の容易性から導入が増えている。
  道路交通法における取り扱いは、電動車いすと同様。
   
ストレッチャー
  動けない人や病人を搬送するための器具。
   
コミュニケーションボード
  知的障害、発達障害、精神障害のある人の中には、自分の気持ちを言葉にできない、言葉が理解できない人もいるため、絵記号や写真等を用いて自分の意思を指さして伝えるボード。
   
筆談
  聴覚障害者の場合は会話が出来ないため、互いに筆談器等を使い文字で意思を伝達する。
   
障害者手帳
  各自治体において障害者として公式に認定を受けると、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳が発行される。
 
4.設備(鉄道駅等)
   
階段昇降機
  構造上等で車いす対応エスカレーター、エレベーターが設置できない駅の階段などで、壁際の手すりの傍に取り付けてある車椅子等の上下移動を支援する折り畳み式リフト。未使用時は折りたためられる方式のものが多い。
   
ホームドア、可動式ホーム柵
  駅のホームで線路に面する部分に設置された可動式の開口部を持った仕切り。ホーム上の利用者への安全対策の一つで、線路内への転落事故や列車との接触事故を未然に防ぐ。
  ホームドアは床面から天井までを完全に被うタイプ。また、可動式ホーム柵は高さが床面から腰高程度のタイプ。

  ホーム柵  ホームドア
   
磁気(誘導)ループ
  聴覚障害者用の補聴器では聞こえづらい場面や、軽度から重度までの聞こえをサポートする放送設備のこと。磁界を発生させるワイヤーを輪のように這わせることから、通称「磁気ループ」と呼ばれる。
   
点字
  視覚障害者が触覚で読む字で、点が盛り上がって文字・数字を表現する。通常、用いられる点字は横2×縦3の6つの点で表現される。
   
誘導チャイム
  視覚障害者をはじめとする施設環境に不案内な人向けの、誘導や情報提供を目的とする音声情報案内装置。鉄道駅などの出入口や改札口、階段付近に設置されている。
   
触知案内板
  視覚障害者が、手で触れて現在地や目的地を把握出来る案内板。
  駅や公共施設などの構内図、周辺図として設置している。最近では、音声で案内するものもある。
   
障害者用トイレ
  車いす使用者、足の不自由な人、乳幼児連れ、オストメイト使用者等の多様な利用者に対応しており、内部が広く、手すり、ベビーシート、汚物流し等を備えたトイレ。
   
AED
  Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)。心臓の細動という動きを取り除き正常の状態にするために電気ショックを与えるもので、電気ショックの必要性を自動的に判断する器械で、空港や駅等、大勢の人が利用する施設に設置されている。
   
視覚障害者誘導用ブロック
  視覚障害者を安全に誘導するために床面、路面等に敷設されている、点状または線状の突起をもったブロック。
  線状ブロックにはホーム側と線路側を判別出来るような内包線ブロックもある。


 
5.車両(鉄道、バス、タクシー等)
   
LRT
  Light rail transit。軽量軌道交通。
  軌道・電停の改良により乗降の容易性、定時制、速達性、快適性等の面で優れた特徴を有する次世代の軌道系交通システム。
   
BRT
  Bus rapid transit。バス高速輸送交通。
  バス専用道路、公共車両優先信号、大型連節バスの組み合わせ等により快適な走行環境を確保し、速達性や定時性を備えたシステム。
   
バスターミナル
  バス停留所のうち、複数のバス路線の発着点(バス停)として設置されている施設。
   
停留所
  バス、路面電車が客の乗降のために止まる一定の場所。
   
低床式バス
  地上面から床面までの高さは65cm以下であり、スロープ板及び車いすスペースを1以上、乗降口と車いすスペースとの間の通路の有効幅は80cm以上であること等、バリアフリー新法の移動等円滑化基準に適合するバス。
   
ノンステップバス
  地上面から床面までの高さは概ね30cm以下であり、バリアフリー新法の移動等円滑化基準に適合するバス。
  ニーリング機能:ノンステップバスは、エアサスペンション(空気バネ)を採用する事により乗降時に車高を下げて歩道との段差を少なくする「ニーリング機能」が装備されている。
   
ワンステップバス
  低床式バスの一種で、車両内で一段のぼる形式のバス。乗客が乗降しやすいよう乗降口のステップを1段だけとした。
  備え付け車いす用スロープを使用することで車いす利用者の乗降が簡単になる。
  ノンステップバス同様に、ニーリング機能が装備された車両もある。
   
ツーステップバス
  バスの出入り口の踏み板が2段で、床面の高さが65cm以上のバス。
   
リフト付きバス
  バスに設けられたリフトを使って、主に車いす使用者の乗降を円滑に行うことができるバス。
   
コミュニティバス
  地域共同体、自治体等が住民の移動手段を確保する ために運行するバス。大型の路線バスとは異なり小型 バスを駅から遠く、バス路線から外れている交通空白 地帯において公共交通サービスを提供するもののほか、市街地内の主要施設や観光拠点等を循環する路線等の さまざまなタイプがあり、従来の乗合バスを補う公共 交通サービスとして導入された。
   
ラッピングバス
  あらかじめ広告等を印刷したフィルムを車両全体に貼り付けた車両。
  塗装することなく車体をラッピングフィルムで包み込んでいるため路面電車、鉄軌道車両、飛行機などでもその技術が一部使用されている。
   
福祉タクシー、ハイヤー
  車椅子に乗った人など、障害のある人を運ぶことができるタクシー。車椅子のまま乗車できるリフト付タクシーなどがある。
  運転手は、利用者の乗降に様々な介助が要求される事があるため、ホームヘルパーの資格(2級)と普通自動車第二種免許の資格をもっている。介護保険の対象。
   
介護タクシー
  介護サービスの利用者を病院等へ移送することを目的に事業を行っているタクシーのこと。一般乗用旅客自動車運送事業(患者等輸送限定)の許可を取得した訪問介護事業者や居宅介護事業者等の介護事業者が行う場合が多い。介護保険は対象外。
   
ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)
  健常者はもちろん、足腰の弱い高齢者、妊娠中の女性、ベビーカー使用者なども含め、みんなが使いやすい新しいタクシーのこと。
  予約制の福祉限定による利用に限らず、誰もが利用できるユニバーサルデザイン構造になっており、車いす利用者はそのままでの乗車が可能な構造になっている。
   
子育て支援タクシー
  子育て支援タクシーとは、親子が気軽に利用できるタクシーのこと。子ども連れでの移動が中心となりますが、その他に妊産婦の通院や、子どもの通塾などにも利用が期待されている。
   
全国子育てタクシー協会
  それぞれの家庭により多種多様なニーズがあることから、その要望に応えていくために全国規模で定期的な講習、研究や情報交換子育てステッカーの管理などを行うことによって、子育てタクシーを利用されるお客様が、どこの県の子育てタクシーに乗っても同じサービスが受けられるという水準を保てるように、子育て支援事業者と連携して設立された。商標「子育てタクシー」。
 
6.道路
   
道路構造令
  道路法の規定に基づき道路を新設、又は改築する場合に安全かつ円滑な交通を確保出来るように道路の一般的な技術基準を定めた政令。
   
マウントアップ(歩道)
  歩道の出入り口だけ切り下げて、車道より高い(10cm〜25cm)歩道形式。
  車が歩道に進入してくるのを防ぐ効果はあるが、自転車や車いすの人には不評。
   
セミフラット(歩道)
  フラットように見えるが、歩道の出入り口のところに数cm(2cm〜3cm)の段差がある歩道形式。視覚障害者用誘導ブロックの意味合いもあるが、自転車や車いすの人には不評。
   
フラット(歩道)
  車道と歩道が同じ高さの歩道形式。
  自転車や車いすの人には好評だが、視覚障害者には不評。
   
ゼブラ表示
  危険な交差点、狭隘な交差点等を交差点の手前から直角三角形の横断歩道状に間隔を置いて白線を引き、運転者に危険を知らせる表示。
   
コミュニティ道路
  自動車の通行を主たる目的とはしない道路。住宅地の道路整備手法で、歩道の設置や車道をジグザグにして車のスピードを抑え歩行者の安全を優先した道路。
   
コミュニティゾーン
  歩行者の通行を優先すべき住居系地区等において、地区内の安全性・快適性・利便性の向上を図ることを目的として、面的かつ総合的な交通対策をする一定のまとまりを持った地区。と定義づけられ、コミュニティ道路がまとまって整備された地区を示す。
   
音響装置付信号機
  視覚障害者用交通信号付加装置が付加された交通信号機。歩行者用灯器が青色であることを視覚障害者に知らせるため、外部のスピーカーより誘導音を鳴動させる。
   
無電柱化(電線類地中化)
  電線共同溝などの施設を道路(主に歩道)に埋設し、電線類を収容することで道路上から電柱を無くして街の景観を向上させ、災害時に強く、ベビーカーや車いすなどの移動が円滑化されるというメリットも併せ持つため注目されている手法。
  しかしながら、工時費用が高額になるというデメリットも内包している。
   
エスコートゾーン(視覚障害者用横断帯)
  視覚障害者が安全で最短距離に横断歩道を渡れるように、横断歩道の中央部に視覚障害者が認知できる突起物を敷設し、横断歩道を安全にまっすぐ進めるようにするもの。
   
パーキングパーミット
  身体障害者用駐車場を必要とする人に共通する利用許可証を交付することで、駐車場を利用する人を明らかにし、駐車スペースを確保する制度。地方自治体により制度名が異なる場合がある。
  (佐賀県の例:「佐賀県パーキングパーミット(身障者用駐車場利用証)制度」
 
7.その他
   
ICT
  (ICT)Information and Communication Technologyの略。情報・通信に関連する技術一般の総称で別名を情報通信技術。ITとほぼ同様な意味で用いられる。
   
NPO
  非営利組織(Non-Profit Organization)の略。営利を目的としない公益事業や、市民活動を行う組織。
   
JIS規格
  日本工業規格。工業製品や品質の試験・測定方法などに一定基準を策定したもの。
   
アウトソーシング
  外部委託。外注(がいちゅう)、外製(がいせい)ともいい、企業や行政の業務のうち専門的なものについて、それをより得意とする外部の企業等に委託すること。
   
アカウンタビリティー
  accountability。説明責任。
   
アクセシビリティ
  accessibility。高齢者・障害者を含む誰もが、さまざまな製品や建物やサービスなどを支障なく利用できるかどうか、あるいはその度合いをいう。
   
インセンティブ
  incentive。動機、やる気を起こさせるもの。刺激策。
   
サービス介助士
  駅、ホテル、ボランティア施設等で高齢者、障害者のサポートサービスを身につける資格。NPO法人日本ケアフィットサービス協会が認定(2〜4級)。
   
スキーム
  制度の骨格のこと。
   
ディスアビリティ
  Disability。能力障害
   
デマケ
  デマケーション(demarcation)。縄張り、仕切り、区切り、境界線。
   
ナショナルミニマム
  national minimum。国が国民に対して保証する生活の最低限度(最低水準)のこと。
   
ピクトグラム
  「絵文字」「絵単語」を表す。2色で表したい概念を単純な図として表現。車いすや非常口が有名。
   
マタニティマーク
  妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやくするもの。厚生労働省所管。
   
ユビキタス
  ラテン語で「至る所に存在する(偏在)」という意味を持ち、あらゆる情報機器が広帯域ネットワークで結ばれ、誰もがいつでもどこでも安全に情報をやりとりできる環境。ICT(前述)が生活に隅々に融けこむことにより、これまで通信機器と思われていなかったものも含め、あらゆる人や人物が結びつくという基盤性に着目した理念。
   
リバイス
  revise。修正、改訂すること。
   
ロジ
  ロジスティックス(logistics)。あるイベントを成功させるために必要な手配、準備、予約等。
   
ワークショップ
  本来は「仕事場、作業場」の意味だが、価値観の違う人々が集まって、コミュティの諸問題を解決するために、お互いアイデアを出し合い意志決定をする集まり、特に行政への市民参画を促進するために行っている。
   
交通エコロジー・モビリティ財団
  国土交通省の関係法人。 略称:エコモ財団。高齢者及び障害者等のより一層円滑なモビリティを実現するための啓発広報、情報提供及び調査研究並びに施設の整備、保有、貸し付け及び施設整備等に対するその他の支援を行う。
http://www.ecomo.or.jp/outline/shokai.html
   
らくらくおでかけネット
  交通エコロジー・ モビリティ財団が提供する、駅・ターミナルのバリアフリー情報、バリアフリー経路情報 提供サイト。
 
8.基本構想関連
   
基本構想
  移動等円滑化基本構想の略。バリアフリー法に基づき、重点整備地区において鉄道駅、バスターミナル、空港などのうち、相当数の利用者がある特定旅客施設を中心に、重点的かつ一体的整備が必要な地区として市町村が作成するもの。
   
施設設置管理者
  公共交通事業者、道路管理者、路外駐車場管理者、公園管理者及び建築主等。
   
生活関連施設
  高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設、その他の施設。(特定旅客施設が当施設に該当する場合もある)
   
生活関連経路
  生活関連施設相互間の経路
   
一般交通用施設
  道路、駅前広場、通路など一般交通の用に供する施設。(生活関連施設や特定旅客施設等も含む)
   
重点整備地区
  生活関連施設を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区、生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について移動円滑化の事業実施が特に必要であると認められた地区、移動円滑化の事業実施が総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切であると認められる地区の三種類。
  バリアフリー法に基づく基本構想を定める場合の、対象となる地区。
   
基準適合義務
  施設設置管理者は、施設・車両等を新設等する場合、移動等円滑化のため必要な構造や設備などに関する各主務省令で定める基準に適合させなければならない。
   
基準適合性審査等(基準適合命令等)
  新設旅客施設などの許認可申請があった場合、許認可の法令以外にも、公共交通移動等円滑化基準に適合しているか否か審査しなければならず、適合しないと認める場合は許認可の処分をすることが出来ない。
   
認定特定建築物
  特定建築物のうち、建築基準法で特に認定された建築物。
   
特定建築物
  学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、老人ホーム等、多数の者が利用(法第2条第十六号)する政令で定める建築物。建築物特定施設である出入り口や階段等の施設を含んだ建築物。
   
特別特定建築物
  不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物であって、移動等円滑化が特に必要なもの(法第2条第十七号)として政令で定めるもの。特定建築物と重複する施設もある。
   
建築物特定施設
  出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、敷地内の通路、駐車場その他の建築物又はその敷地に設けられる施設で政令により定めるもの。
   
移動等円滑化
  高齢者、障害者等の移動又は施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上又は施設の利用上の利便性及び安全性を向上すること。
   
公共用通路
  旅客施設の営業時間内において常時一般交通の用に供されている一般交通用施設であって、旅客施設の外部にあるもの。
   
移動等円滑化された経路
  公共用通路と車両等の乗降口との間の経路であって、高齢者、障害者等の円滑な通行に適するもの。
   
特定事業計画
  バリアフリー法に基づく基本構想に記載された特定事業に関し、関係する事業者が、単独で又は共同して基本構想に即して特定事業を実施するための計画。
  この計画に基づき当該特定事業を実施することとなる。公共交通事業者が作成する公共交通特定事業計画、道路管理者が作成する道路特定事業計画、公安委員会が作成する道路特定事業計画などがある。
   
特定事業
  公共交通特定事業、道路特定事業、路外駐車場特定事業、建築物特定事業、都市公園特定事業及び交通安全特定事業のこと(以下、個別解説)。
   
公共交通特定事業
イ 特定旅客施設内において実施するエレベーター、エスカレーターその他の移動等円滑化のために必要な設備の整備に関する事業
ロ イに掲げる事業に伴う特定旅客施設の構造の変更に関する事業
ハ 特定車両(軌道経営者又は一般乗合旅客自動車運送事業者が旅客の運送を行うために使用する車両等をいう。以下同じ。)を床面の低いものとすることその他の特定車両に関する移動等円滑化のために必要な事業
   
道路特定事業
イ 歩道、道路用エレベーター、通行経路の案内標識その他の移動等円滑化のために必要な施設又は工作物の設置に関する事業
ロ 歩道の拡幅又は路面の構造の改善その他の移動等円滑化のために必要な道路の構造の改良に関する事業
   
路外駐車場特定事業
  特定路外駐車場において実施する車いすを使用している者が円滑に利用することができる駐車施設その他の移動等円滑化のために必要な施設の整備に関する事業。
   
建築物特定事業
イ 特別特定建築物(第十四条第三項の条例で定める特定建築物を含む。ロにおいて同じ。)の移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の整備に関する事業
ロ 特定建築物(特別特定建築物を除き、その全部又は一部が生活関連経路であるものに限る。)における生活関連経路の移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の整備に関する事業
   
都市公園特定事業
  都市公園の移動等円滑化のために必要な特定公園施設の整備に関する事業。
   
交通安全特定事業
イ 高齢者、障害者等による道路の横断の安全を確保するための機能を付加した信号機、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九条の歩行者用道路であることを表示する道路標識、横断歩道であることを表示する道路標示その他の移動等円滑化のために必要な信号機、道路標識又は道路標示(第三十六条第二項において「信号機等」という。)の同法第四条第一項の規定による設置に関する事業
ロ 違法駐車行為(道路交通法第五十一条の二第一項の違法駐車行為をいう。以下この号において同じ。)に係る車両の取締りの強化、違法駐車行為の防止についての広報活動及び啓発活動その他の移動等円滑化のために必要な生活関連経路を構成する道路における違法駐車行為の防止のための事業
   
特定経路
  特定旅客施設との間の移動が通常徒歩で行われ、かつ、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用すると認められる官公庁施設、福祉施設、その他の施設間の経路。重点整備地区の捉え方としてバリアフリー法は生活関連施設や生活関連経路を中心とした地区に対し、交通バリアフリー法では特定旅客施設と特定経路を中心とした地区で構成されていた。
   
特定旅客施設
  旅客施設のうち、利用者が相当数(1日平均5,000人以上)であること又は相当数であると見込まれることその他の政令で定める要件に該当するもの。
   
特定道路
  生活関連経路を構成する道路法による道路のうち、多数の高齢者や障害者等の移動が通常徒歩で行われるもので、国土交通大臣がその路線及び区間を指定したもの。
   
特定公園施設
  移動等円滑化が特に必要なものとして政令で定める公園施設。
   
特定路外駐車場
  駐車場法に規定する路外駐車場であって、自動車の用に供する部分の面積が500u以上であり、かつ、その利用について駐車料金を徴収するもの。
   
移動等円滑化実績等報告書
  高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則の第23条に規定。
  公共交通事業者等は、毎年五月三十一日までに、公共交通事業者等の区分に応じ移動等円滑化実績等報告書を提出しなければならない。
   
国の責務
  高齢者、障害者等が安心に日常生活や社会生活ができるようにするためには施設整備(ハード面)だけではなく、高齢者、障害者等の困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除き、その社会参加に積極的に協力する「心のバリアフリー」が重要であり、高齢者、障害者等、地方公共団体、施設設置管理者その他の者と協力して、移動等円滑化の促進のための施策の内容について、これらの者の意見を反映させるために必要な措置を講じた上で、適時に、かつ、適切な方法により検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めることにより、スパイラルアップを図る。
   
国民の責務
  高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性、並びにそのために高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用を実現することの必要性について障害には多様な特性があることに留意し理解を深めるよう努めなければならない。
  また、視覚障害者誘導用ブロック上への駐輪、車椅子使用者用駐車施設への駐車等による高齢者、障害者等の施設の利用等を妨げないことのみならず、必要に応じ高齢者、障害者等の移動及び施設の利用を手助けすること等、高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用を確保することに積極的に協力すること。
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