2024.7.12 移動等円滑化評価会議近畿分科会 新田保次 「第11回移動等円滑化評価会議」報告 1.概要 イ.日時:2024(R6)年3月29日14時〜16時 ハイブリッド開催 ロ.議事内容 @移動等円滑化の進展状況について A移動等円滑化評価会議における主なご意見と国土交通省等の対応状況 B当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する最終とりまとめ案について C国土交通省におけるバリアフリー関係の取組み事例について Dその他 ≪配布資料≫ 資料1移動等円滑化評価会議 委員名簿 資料2移動等円滑化評価会議等の概要等 資料3―1基本方針に定める新たな移動等円滑化の目標達成状況 資料3−2ハード・ソフトの取組計画の公表状況 資料4移動等円滑化評価会議における主なご意見と国土交通省等の対応状況 資料5当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する最終取りまとめ案 資料6国土交通省におけるバリアフリー関係の取組事例について 参考資料国土交通省等における最近の取組み 2.移動等円滑化の進展状況について ■基本方針に定める移動等円滑化の目標達成状況(資料3−1) @第3次整備目標の達成状況(2022年度末)からみた達成率の低い指標 ・鉄軌道(3000人以上/日及び基本構想の生活関連施設に位置づけられた2000人以上/日の鉄道駅におけるバリアフリー化率)・視覚障害者誘導用ブロック:現状値約43%(2025年度末目標原則100%)(公共交通移動等円滑化基準第9条(2020年4月施行)への適合をもって算定) 近畿28.0%(VS.北海道96.9%、九州70.4%) ・乗合バス車両・リフト付きバス(適用除外車両):現状値約7%(2025年度末目標約25%)(各車両への公共交通移動等円滑化基準への適合をもって算定)  近畿6.6%(VS.中部16.8%、関東11.4%) ・ユニバーサルデザインタクシーの割合(タクシー総車両数に対して):現状値19.2%(目標約25%)  滋賀6.6%、京都10.3%、大阪9.3%、兵庫8.8%、奈良5.7%、和歌山6.7% (VS.東京57.5%、鳥取34.3%、愛知24.9%、千葉22.0%) ・基本構想等・移動等円滑化促進方針の作成:34自治体(作成率2.0%)(2025年度末目標約350自治体、全市町村約1740の約2割)  近畿6(3.0%)(VS.東北7(3.1%)、中国3(2.8%)、関東9(2.6%) ・基本構想等・移動等円滑化基本構想の作成:321自治体(18.4%)(2025年度末目標約450自治体、2000人以上/日の鉄軌道駅及びバスターミナルが存在する市町村(約730)の6割)  近畿40.9%(VS.関東28.3%、中部24.9%、中国21.5%) ・「心のバリアフリー」の用語の認知度:約21%(2025年度末目標約50%)(インターネットモニターアンケート「公共交通機関を利用する際の配慮について」による A鉄軌道駅のバリアフリー化に関する今後の取組み ・鉄道駅バリアフリー料金制度の創設(2021年12月):都市部では本料金制度(2024年3月末時点で17社より届出)によりバリアフリー化の推進 ・地方部における支援措置の重点化(2022年度より):市町村が作成するバリアフリー基本構想に位置づけられた鉄道駅のバリアフリー設備の整備について、補助率を1/3から最大1/2に拡大) 3.当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する最終取りまとめ案(資料5)より 〇最終取りまとめ案の検討の経緯(目次、位置づけ、今後の検討)および検討(93〜95頁) 〇鉄道事業者に対する実態調査(96頁) 〇現地視察を通した事例等の収集(97〜100頁) ・近畿分科会の視察:JR大阪駅うめきたエリア、2024年1月15日 ・現地視察により得られた主な意見(100頁) 〇各課題の優先順位と対応の方向性(案)(103頁) 4.国土交通省におけるバリアフリー関係の取組み事例について(資料6)より 〇「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」について(135〜136頁) 〇電動車椅子利用者の航空機における搭乗手続き等の時間短縮に向けた取組み(148〜150頁) @航空会社の取組 〇国内定期航空保安協議会での検討【国内線運行航空会社12社】 ・企画調整部会及び危険物部会(2024年3月25日)において、各社共通の取扱いとして、タグ等によりチェックイン時にバッテリーをチェックしたことが確認できた電動車椅子に係る保安検査場でのバッテリーチェックを省略することを提案 〇電動車椅子のバッテリー等の仕様を簡素に確認できる方法の確立【ANA/JAL共同】 ・ANA及びJALのHPに、電動車椅子メーカーのHP(電動車椅子の仕様等の頁)へのリンク一覧を掲載→バッテリー等の仕様を簡素に確認できる A近畿分科会からの要望・意見の反映 ・ 要望書:移動等円滑化評価会議近畿分科会会長三星昭宏(近畿大学名誉教授)から国土交通省総合政策局バリアフリー政策課長あてに(令和4年3月28日付 ) ・上記、空港の保安検査等の要望書に関する意見交換会(2023年6月12日) 【委員からの主な意見】 @乗合バス車両のうちリフト付きバス(適用除外車両)の2025年度末整備目標約25%に対して、2022年度末では約7%であり、前年度より1ポイントしか上がっていない。高速バスが主に対象となるが、導入を積極的に進めてほしい。 A基本構想、マスタープランの作成が遅れている。そろそろ義務化して作成の推進をはかったらどうか。 B都市部でのバリフリー料金の導入、地方部でのバリアフリー整備の補助率の拡大など、バリアフリーに関する財政面の支援がちょっと強化されている状況になっているので、基本構想、マスタープランを、特に地方の鉄道駅を中心に、積極的に鉄道事業者と地方自治体が連携してやっていくような取組を加速していただきたい。 C心のバリアフリーの理解を一般人だけでなく、交通事業者にも広めていただきたい。 D心のバリアフリーという言葉って何という人が多い。この言葉でいいのかどうか、検討していただきたい。 Eハード面というよりはソフト面の充実が必要な発達障害の特性上からいくと、周りの方たちの助け、サポートというのがやっぱり充実していくことが活動・参加につながっていくので、ソフト面の充実をさらに進めていただきたい。 Fバス停でのバス車両からの案内、バス路線、バス時刻表などの表示などについての情報バリアフリーについても考えていく必要がある。聴覚障害者にわかるように工夫していただきたい。特に、バス車両側から案内されてもわからないので。 G電動キックボードや自転車は聴覚障害者の歩行にとって脅威である。何とか安全に歩行できるよう考えられないか。 H民間事業者の合理的配慮の義務化に伴い、合理的配慮について交通バリアフリーの評価に組み込むことを考えたらどうか。 I災害時の移動困難者の避難行動のバリアフリー化は重要な課題。 J増加する無人駅に対して障害者は多くの不安を持っている。モニタリングなどして問題点を洗い出し、対策について考える必要がある。 (詳しくは、国交省のホームページの議事録をみていただきたい) 資料3−1 基本方針に定める移動等円滑化の目標達成状況 <総論> バリアフリー法に基づく基本方針における第3次目標について 基本方針に定める移動等円滑化の目標達成状況の概要 <各論> 旅客施設 車両等 道路 都市公園 路外駐車場 建築物 信号機等 移動等円滑化促進方針・基本構想 心のバリアフリー <総論> バリアフリー法に基づく基本方針における第3次目標について 基本方針に定める移動等円滑化の目標達成状況の概要 バリアフリー法に基づく基本方針における第3次目標について(概要) 背景 基本方針における第2次目標は令和2年度までを期限としていたため、「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」において、学識経験者、高齢者・障害者等団体、事業者団体の方々から専門的・具体的なご意見をいただきながら、新型コロナウイルス感染症による影響等の状況も踏まえ、令和2年12月に新たな目標をとりまとめた。 (第8回検討会:令和元年11月15日、第9回検討会:令和2年1月16日、第10回検討会:令和2年6月17日、第11回検討会:令和2年11月18日) 第3次目標の設定に向けた見直しの視点 ・第2次目標においては、施設等の種別ごとにバリアフリー化の目標を設定し、国、地方公共団体、施設設置管理者等が連携してバリアフリー化に取り組み、一定程度の進捗がみられるが、引き続きバリアフリー化を進める必要がある。 ・第3次目標については、ハード・ソフト両面でのバリアフリー化をより一層推進していく観点から、以下の点に留意。 各施設等について地方部を含めたバリアフリー化の一層の推進 (平均利用者数(※1)が2,000人以上3,000人未満/日であって基本構想に位置付けられた旅客施設等に関する目標を追加) 聴覚障害及び知的・精神・発達障害に係るバリアフリーの進捗状況の見える化 (旅客施設のバリアフリー指標として、案内設備(文字等及び音声による運行情報提供設備、案内用図記号による標識等)を明確に位置付け) マスタープラン・基本構想の作成による面的なバリアフリーのまちづくりの一層の推進 移動等円滑化に関する国民の理解と協力、いわゆる「心のバリアフリー」(※2)の推進 ※1:新型コロナウイルス感染症のような特殊な外的要因により、年度によっては前年度に比べ著しく増減する可能性があることから、適切に補正した結果(例えば、過去3年度における平均値を用いる)も考慮したうえで、取組む ※2:「ユニバーサルデザイン2020行動計画」(平成29年2月ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議決定)において、「心のバリアフリー」を体現するためのポイントとして、「障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること」、「障害のある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないよう徹底すること。」及び「自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や痛みを想像し共感する力を培うこと。」が挙げられている 目標期間 ・第2次目標:平成23年度(2011年度)から令和2年度(2020年度)までの10年間 ・第3次目標:社会資本整備重点計画等の計画期間、バリアフリー法に基づく基本構想等の評価期間、新型コロナウイルス感染症による影響への対応等を踏まえ、時代の変化により早く対応するため、5年間とした。(※3) ※3:新型コロナウイルス感染症による更なる影響、新技術の開発など予見し難い状況の変化が生じた場合には、次期目標期間内であっても、必要に応じて目標の見直しに努める