九州運輸局長 日向 弘基
令和8年 年頭の辞
新春を迎え、謹んで御挨拶申し上げます。
九州運輸局では「運輸と観光で九州の元気を創ります」のキャッチフレーズのもと、「持続可能な地域公共交通の実現」、「運輸の安全・安心の確保」、「観光による地域振興」、「人材確保と生産性の向上」という4つの柱を中心に業務を推進しています。この4つの柱に沿って年頭の抱負を述べさせていただきます。
まずは、「持続可能な地域公共交通の実現」についてです。
地域公共交通は、地域住民や観光客等の来訪者の移動手段として必要不可欠なものです。
利用者の減少や物価高騰、運転者不足による路線バスや鉄道の減便等により、地域住民や来訪者の移動手段がない、移動手段があっても利用しづらいといった「交通空白」の課題を抱える地域が各地に存在しています。
また、利用者が減少する中、ローカル鉄道のあり方を含め、地域にとって望ましい公共交通のあり方をどのように再構築するか地域の関係者を中心とした真剣な検討が各地で進められています。離島航路についても同様です。
九州運輸局は、今年も自治体や交通事業者の皆様と連携しながら、喫緊の課題である「交通空白」の解消をはじめ、移動手段の確保・利便性の向上、離島航路の維持・改善に向けた支援に取り組んでまいります。
次に、「運輸の安全・安心の確保」についてです。
鉄道・自動車・海上交通の輸送の安全を確保し、誰でも安心して利用できるよう、今年も、各分野の取組を進めてまいります。
鉄道・自動車分野では、まず、鉄道・軌道について、運転・施設・車両の安全性向上に向け、必要に応じ監査・指導、検査を的確に実施します。また、自動車については、事業用自動車について、重大事故やインシデントの防止に向けた指導・監督や情報共有の促進、安全運行の励行と安全意識の高揚に加え、人身事故や死傷者数の削減、飲酒運転の撲滅を関係各所と連携して進めるとともに、マイカーを含めた自動車の登録・検査の充実・点検整備の推進に取り組みます。
海上交通分野については、知床遊覧船事故を踏まえた「旅客船の総合的な安全・安心対策」に関する取組の一環として、今年4月から、すべての小型旅客船・遊漁船の船長に対する新制度による特定操縦免許の取得が義務化されるとともに、安全統括管理者・運航管理者の選任要件が強化されます。こうした新たな安全規制を着実に実施するとともに、引き続き監査・検査を厳格に執行し、海上交通を安心して利用できるよう、取り組んでまいります。
次に、「観光による地域振興」についてです。
九州各地には、関係者の皆様のご尽力により、温泉や食はもちろん、自然、歴史、文化面で優れた観光資源を活かした、世界に訴求しうる素晴らしい体験コンテンツが豊富にあります。
一方、地域人材の確保・育成や生産性向上、二次交通対策、地域住民の満足度向上等、九州観光の「持続的な成長」を実現する上での課題も少なくありません。
今年度中に策定予定の観光立国推進基本計画(第5次)を踏まえ、幅広い観光関係者の皆様と連携して、これらの課題の解決を通じた「誰もが何度も訪れたくなる九州観光」の実現に向け、取組を加速してまいります。
最後に、「人材確保と生産性の向上」についてです。
運輸・観光業界の持続可能な発展には人材の確保と生産性向上が不可欠です。
人材確保については、引き続き、関係行政機関や業界団体等と連携し、社会人、学生、子ども、退職予定自衛官を対象とする各種セミナーや説明会、運転体験会等の取組を継続するとともに、女性活躍の機会を増やすため、「ジェンダー主流化」の浸透を図る取組を進めてまいります。
また、生産性の向上については、省人化にも資する自動運転車両や自動操縦船舶の実用化に向けた技術的・財政的支援をはじめ、交通・物流・観光のDX・GXを推進してまいります。
九州運輸局は、運輸と観光で九州の元気を創るために、今年も、各地域が抱える課題解決に向けて、関係自治体、事業者に寄り添い、連携しながら、九州の未来を切り拓いてまいります。
結びに、九州の発展と皆様の御健勝・御多幸を祈念し、新年の御挨拶といたします。
