九州の元気を創る運輸・観光行政の推進に向けて
九州運輸局では、「運輸と観光で九州の元気を創ります」のキャッチフレーズのもとで幅広い業務にあたっています。九州運輸局長として2年目を迎えたことも踏まえ、九州運輸局として取り組んでいくことについて、改めて以下の4つの柱をもとにお伝えします。
1.持続可能な公共交通の実現
公共交通は、地方の「暮らし」と「安全」を守るための基盤として必要不可欠なものです。一方、利用者の減少や運転者不足に伴う路線バスや鉄道の減便等により、地域住民や観光客等の移動手段がない、又は移動手段があっても利用しづらいといった「交通空白」の課題を抱える地域が各地に存在しています。
また、ローカル鉄道や離島航路も含め、地域にとって望ましい公共交通のあり方に係る議論が各地で行われています。
国土交通省としては令和7年度から令和9年度までを「交通空白解消・集中対策期間」と位置づけ、制度的・財政的支援を実施しています。
本年6月に公表されたフォローアップ調査では、九州管内の「交通空白」地区は283地区から407地区に増加しましたが、その9割については「交通空白」の解消に向けた対策が実施中あるいは準備中であり、各地域の取組は着実に進んでいます。
九州運輸局として、引き続き、各地域において実情とニーズに応じた取組が検討され、必要な移動手段が持続的に確保されるよう、丁寧な伴走支援を行ってまいります。
2.運輸の安全・安心の確保
輸送の安全を確保し、誰もが安心して交通手段を利用できる環境を整備することは、運輸行政の基盤となるものです。このため、鉄道・自動車・船舶における監査や指導、検査の的確な実施や、海上交通分野における新たな安全規制の着実な実施に取り組んでいます。
今般の令和8年熊本地震においては、緊急支援物資拠点から避難所への輸送体制の確保や、鉄道の運休区間を代替するバスの運行に係る支援・調整をはじめ、関係機関と連携しながら、交通・物流機能の早期回復に向けて取り組んでまいりました。今般の教訓も踏まえ、平時からの備えを含めた運輸の安全・安心の確保の取組を一層強化してまいります。
3.観光による地域振興
九州には、自然、歴史、文化、食といった素晴らしい観光資源が多くあり、観光は九州の成長を支える重要な産業です。本年3月に閣議決定された「第5次観光立国推進基本計画」では、「観光の持続的な発展」や「地方誘客促進」等が柱に掲げられています。
これまでも「誰もが何度も訪れたくなる九州観光」の実現に向け、地域人材の確保・育成や、二次交通対策等に取り組んできたところですが、今後も、地方部への誘客を一層促進するとともに、オーバーツーリズムの未然防止・抑制にも配慮しながら、持続可能な観光地域づくりを進めてまいります。あわせて、令和8年熊本地震からの観光復興に向け、風評被害の払拭に向けた取組や、九州の魅力の情報発信についても強力に推し進めてまいります。
4.人材確保と生産性の向上
運輸・観光業界が発展していくためには、人材の確保と生産性向上が大変重要です。
まず、本年7月に閣議決定された地域未来戦略の枠組みの下、本年8月28日に発表された、九州地域のポテンシャルを活かし次世代船舶の供給力強化の実現を目指す「次世代船舶 戦略産業クラスター計画」については、関係行政機関や関係事業者と連携し、着実に取組を進めてまいります。
また、九州運輸局では、関係行政機関や業界団体等と連携し、社会人や学生向けのセミナーや説明会のみならず、即戦力となる退職予定自衛官向けの説明会や運転体験会、将来を担う子どもを対象としたイベント等を実施しています。
今後もこれらの取組を継続するとともに、あらゆる人が能力を十分に発揮できる環境づくりに向けた「ジェンダー主流化」の浸透にも取り組んでまいります。
また、自動運転車両や自動操縦船舶の実用化に向けた技術的・財政的支援を行うとともに、交通・物流・観光のDX・GXを推進し、生産性の向上に向けて取り組んでまいります。
今後も、地域に身近な国土交通省の組織として、地域の皆様、自治体、事業者の皆様と連携しながら、様々な課題の解決と施策に取り組んでまいります。
九州運輸局長 日向 弘基
