第2回移動等円滑化評価会議四国分科会 ○日 時 令和2年8月21日(金)14時から16時 ○場 所 高松サンポート合同庁舎 低層棟2階 アイホール ○出席者 藤澤正一郎  徳島文理大学 理工学部 電子情報工学科 教授   柳原 崇男  近畿大学 理工学部 社会環境工学科 准教授   浅見裕一郎  (公財)香川県視覚障害者福祉協会 会長   田村 治仁  全国脊髄損傷者連合会 香川県支部 副支部長   香川県障害者スポーツ指導者協議会 副会長   岡村 隆次  (公財)香川県身体障害者団体連合会 会長   近藤 龍治  四国ろうあ連盟 事務局長   高尾 早苗  (社福)香川県手をつなぐ育成会 理事長   横田敬一郎  (一社)日本発達障害ネットワーク 四国地区代表   吉村美登利  香川県精神障害者家族連合会 会長   井谷 重人  CIL星空 代表   近藤 光司  四国旅客鉄道株式会社 お客様サービス推進室長   清原 昭彦  四国鉄道協会 事務局長   今西 照章  四国バス協会 専務理事   大矢 浩一  四国旅客船協会 専務理事   岡 千人志  四国ハイタク協議会 専務理事   山下 和伸  高松空港ビル株式会社 企画管理部 空港総務グループチーフマネージャー   墨田 千里  高松空港ビル株式会社 企画管理部 空港総務グループ   松原 広幸  徳島県保健福祉部障がい福祉課 主事   安藤 大輔  香川県交流推進部交通政策課 主任   大宿聡一郎  愛媛県土木部土木管理局土木課技術企画室 技師   武田 耕治  高松市市民政策局政策課 ユニバーサルデザイン推進室 企画員       1.開会 2.開会挨拶 【四国運輸局 軸丸交通政策部長】 3.議題  @ 四国における移動等円滑化の進展状況・基本構想の作成状況等について ※事務局より「資料1 四国における移動等円滑化の進展状況、基本構想の作成状況」 「資料1-2 四国における移動等円滑化の進展状況(県別)」に基づき説明。  A 事業者団体、自治体、運輸局、地方整備局の主な取組について   ※事業者団体等、自治体より「資料2:事業者団体等、自治体の取組」に基づき説明。 ※四国地方整備局より「資料3:四国地方整備局におけるバリアフリーの取組」に基づき説明。   ※四国運輸局より「資料4:四国運輸局におけるバリアフリーの取組」に基づき説明。  B バリアフリー法の改正の概要等について ※事務局より「資料6:ハード・ソフト取組計画について」 「資料7:バリアフリー法の改正について」に基づき説明。  C 意見交換   ※意見交換に先立ち、事務局より「資料5:意見・要望等の内容及び回答・方針」に基づき、 事前意見・回答について報告した後、意見交換を実施。(内容は下記のとおり。) 【藤澤分科会長】   これから時間を取りまして、意見交換をしていきたいと思います。   これまでご報告、あるいは今のご意見に対する回答などに関連した   ご意見ご質問がありましたら、よろしくお願いします。   特に先ほど井谷委員からもご意見のありました新型コロナに関わっても何かありましたら、   ご意見等お聞かせいただけたらと思います。 【日本発達障害ネットワーク四国地区 横田委員】   誰かが口火を切らないとその後が続きませんので、そういう役割で、 私の方からたくさんご報告をいただいた感謝と発達障害や自閉症についてのご理解とご協力のお願い、 そして、この障害の近況について情報提供させていただきたいと思います。   ざっくばらんに一番困っているところをお伺いしたいと思いまして、   発達障害や自閉症の対応事例をお伺いしましたが、 交通事業者のみなさまにご迷惑をおかけしている事例をたくさんご報告いただきました。 (「資料5 意見・要望等の内容及び回答・方針」参照)   一見分かりづらい発達障害や自閉症のこどもたちは大変な状況を抱えており、 本人だけではなく親御さんもきょうだいも同じように大変な状況を抱えています。   事例もひとりひとりの子どもによって全部違いますので、親御さんもご苦労しています。   この障害ではいわゆる社会のルールが分かりづらいというのもあって、   みなさんに大変ご迷惑をおかけしています。   例えば、私が担当していた子どもは、バスの中で指定席を勝手に作って、   自分がここに座るものだと思い込んでしまうので、そこにおばあさんが座っていると、   首ねっこつかまえて前に倒して自分が座ってしまうというようなことがありました。   本人にとっては、私が座るところは決まっているのに、何でこのおばあさんが   座るのだろうと思ってしまうわけです。 そのルールを修正することはとても大変でした。   私は55年前に自閉症の子どもを担任して以来、この障害について研究してきましたが、   未だにわからないことばかりです。   発達障害の方については、イギリスにもフランスにも世界中のどの国にもいて、平成19年から   国連が国際的な取組を行っていますが、私だけでなく世界中が未だにわからないのです。   私が担任していた55年前は、発達障害は5千人から1万人にひとりの出現率でしたが、   今は100人、50人にひとりです。   どんな小さな山奥の学校に行ってもひとりは必ずおります。   しかしながら、発達障害や自閉症と診断されても、それで治るというものでもありません。   事業者の方々に彼らの対応について研修してくださいと言いながら、お医者さんの分野でも   教育の分野でも研究が続いていて、なかなか一朝一夕にはいかない、未だに難題を抱えているわけですけど、   そういう状況を踏まえたうえでなお、公共交通を利用して外出するということは、   彼らにとっては世の中に出る練習として大事なことでありますので、   家庭でも学校でも努力していますので、事業者の方々にご協力をお願いしたいと思います。   今日は本当にありがとうございました。 【CIL星空 井谷委員】   事業者の方、行政の方、日頃のバリアフリーの活動や取組の報告ありがとうございました。   少し気になったところとお願いについてお話ししたいと思います。   研修について、ソフト面の「心のバリアフリー」という言葉がたくさん出てきましたが、   どうしても日本のバリアフリーというのは昔から思いやりとか優しさに依存して   進んでこなかったという面があると思うんです。   私たちが小学校に行って「障害の社会モデル」についてしっかり伝えようと、   わかりやすくかみ砕いて説明しても、最後に先生が「みんな優しい思いやりを持った行動をとろうね。   困っている人がいたら助けようね」となってしまうことが多いんです。   さらに言うと、この会議は全国で行われていると思うんですけど、   出席している障害当事者の中でも「心のバリアフリー」という言葉のせいなのかもしれませんが、   思いやりを持って接してほしいとか、そういうものと認識してしまっている部分がまだまだあると思うので、   しっかり「心のバリアフリー」とはどういうことなのか明確にしていただきたいと思います。   そして、研修についてですが、こういう研修を何人受けたとか、研修を修了したとか、   数字だけは立派なところがあったりしますが、それが果たしてそこまできっちりできているのか、   全ての人に対して配慮できているのか考えてほしいなと思いました。   差別的な取り扱い、合理的な配慮の不提供というのは気づかないところで起こっている場合が多いので、   コミュニケーションや意思表示が難しい人も含めてコミュニケーションを取っていけるように、   共感というかそこで想像して行動できる人を育てて、初めて研修ができましたって言ってほしいなと思いました。   僕も何度か意見として言わせてもらっていますが、やはり研修の場に障害当事者がしっかり入っていくことで、   わからないところも埋めていく。   事業者の方の理解と障害当事者の発信と併せてやっと完成していくのかなと思いますので、   ぜひ我々のような団体を使っていただいて、いい研修を行っていただきたいと思います。 【全国脊髄損傷者連合会香川県支部(香川県障害者スポーツ指導者協議会)田村委員】   事前に連絡のあった今回の意見・要望の回答の後に、気になる点が出てきたので発言させてもらうのですが、   デュアル・モード・ビークル(DMV)という鉄道とバスを両方併せ持った車両が   徳島から高知間で導入されるというのをニュースで流れているのを見て、こういった新しい車両を取り入れる際に、   今この会議で話し合っているような問題点を含め、駅の設置方法であるとか、駅までのアクセス方法など   考えてもらえたらいいんじゃないかと思ったので、ぜひお願いできたらと思います。 【香川県視覚障害者福祉協会 浅見委員】   先ほど井谷委員から「心のバリアフリー」についてご意見を聞かせていただいて、すごく共感したんですけど、   どうしても「心のバリアフリー」というのはお互いが少しずつ我慢するであるとか、   歩みよるというようなイメージがついてまわります。   様々な研修が行われていますが、それらの研修がどうしても障害の形態に特化したもの、   もっと簡単に言えば「気の毒な障害者に何をしてあげたらいいのだろう」とか   「何をどう直したらいいのだろう」というようなところに到達点をおいているような気がしてなりません。   「障害の社会モデル」というのはそうではなくて、障害者を障害者たらしめているのは社会なのだから、   社会を変えていく、そのための研修が必要ではないでしょうか。   それは障害者疑似体験ではないような気がしてなりません。   私は盲導犬との生活をもう30年近くやっております。   30年前に比べれば、みなさんかなり盲導犬に対しても認識されておられると思いますし、   飲食店やホテルなどの入店拒否もかなり少なくなってきましたが、それでもまだまだ、   旅行に行くときに前もって先方に確認することなしではいきなり行くことは難しいです。   盲導犬と視覚障害者が旅に出る、宿泊することは何も特別なことではありませんので、   盲導犬と旅行に行ったときの宿泊に関して、何かバリアフリー法の中で付け加えられないものだろうかと感じています。   同じようなことが言えるのがタクシー業ですけど、高知県でUDタクシーに乗ろうとしたら、   「ちょっと犬は困る」と言われた経験があります。   その時は後ろに停まっていたタクシーの運転手が降りてきて、「断ったらあかん」というようなことで   乗せてもらったという経緯があるのですが、まだまだUDタクシーでもそういう現実なのかという気がします。   それともう一点ですけど、ホームページのことで、今は音声で読みやすくなっているページがたくさん増えていますが、   ホームページ上のPDFファイルについてぜひお願いしたいことがあります   先日も協会員がホームページで時刻表を調べたいということで、PDFファイルを読み込んだのですが、   PDFファイルだと段組がバラバラになってしまって、時刻表で数字がバラバラになってしまうと、   そこに書かれている情報が正確にわからないといったことになってしまいますので、   ホームページを作成するときはPDFと一緒にテキスト形式のファイルを横にくっつけていただいて、   どちらかを選択するというかたちにしていただきたいです。   こういったことはちょっとした技術的なことで、経費のかかることではないかと思いますのでぜひお願いできたらと思います。   【香川県身体障害者団体連合会 岡村委員】   先ほどの説明にありましたタクシーの乗務員研修についてお聞きしたいのですが、   私はよそに行ったときにタクシーを利用するのですが、以前と比べたらだいぶ良くなったと思います。   ここに新しく乗務員になる人は研修を受けなければならなくて、昨年は366名受けたと書いてありますが   (「資料2事業者団体等・自治体の取組」参照)、   それ以前からいる乗務員の研修についてはどの程度進んでいるかというのをちょっとお聞きします。   それともう一点、車いす専用駐車場というものがありますが、そこに車いす専用ですよっていう立て看板が出ているんです。   最近この「車いす専用駐車場」が増えてきていて、他の優先駐車区画がなく   「車いす専用駐車場」しかないというところが多くなってきたように思うんです。   先日、同じように杖をついている人に、僕らみたいな歩行困難な人に車いす専用駐車場に停めてよいものか   聞かれたのですが、車いす専用駐車場と書かれている駐車区画は私たちのような   歩行困難な者は利用してはいけないのでしょうか。   どういう認識で「車いす専用駐車場」を作っているのかお聞きしたいです。 【四国ハイタク協議会 岡専務】   タクシー乗務員の研修について、ご質問いただきました。   まずは、新しく乗務員になる場合は研修が必要だということで、昨年は366人でしたが、   だいたい毎年このぐらいの数字で、四国では毎年400名前後が研修を受けています。   その他の乗務員についても基本的な法律で教育の義務づけがなされていますけれど、   具体的にどの会社がどのようなかたちで研修しているのかというのはつかめいていない状況ですけれど、   タクシー事業者として乗務員への指導・教育・研修などはなされているものと考えています。 【藤澤分科会長】   障害者の方が車いすの駐車場を利用されることは問題ないと思います。   車いすの駐車場というのは、車いすで乗降しなければいけないのでスペースを空けますよねという   物理的な意味合いでの保障で、当然、障害者の方も使っていいものと思います。 【四国ろうあ連盟 近藤委員】   私が強くお願いしたいのは「情報のバリアフリー」です。   最近はだいぶ手話は言語であるということが浸透してきましたが、それでも今も手話をすると   皆さんひいたりするような状況があります。   ぜひ手話を覚えてほしいというわけではなくて、聴覚障害者に対してまず理解をしていただきたい。   聴覚障害者に対する接し方を頭に入れていただけたらありがたいと思います。   例えば、JRに乗って一番困ることは、車内放送が聞こえないことです。   私たちは車内放送では駅名を言っているだけだと思っていたのですが、通訳の方や健常者の方と一緒に行って、   実際はいろんな情報を声によって提供されていたことを初めて知りました。   そういう状況です。   一番トラブルになるのは、駅員さんのお話がわからないことです。   紙に書いて表示していただくとか筆談していただくにも、実際、書くものもありません。   それなので、提案したいことがあります。   駅の中で情報を発信している場所はここですというルールのようなものを決めていただきたい。   そこに行ったら情報が発信されているというようなものを設置していただきたいと思います。   二番目に先ほど研修のご報告をいただきましたが、聴覚障害者のなかには重複障害の方もいますので、   基本的な研修の内容というものもあると思いますが、一人一人に合った柔軟な対応を研修に   含めていただけたらと思います。   よろしくお願いします。 【日本発達障害ネットワーク四国地区 横田委員】   近藤さんがご発言されるのを待っていました。   自閉症の子どもさんというのは、声は聞こえているのだけど、言語がわからないのです。   しっかり、優しく、分かりやすく言っても、日本語としてくみ取ってもらえない。   言ったからわかるだろう、聞こえているからわかるだろうではなく、   言ってもわからない、聞こえていてもわからないから親御さんも家族も教員もみなさん困っているんです。    【CIL星空 井谷委員】   コロナの話が全然できてなくって残念ではあるんですけど、   この会議に対して、少し思ったことお願いしたいことをいくつか言って終わりたいなと思います。   高知で地域別の意見交換会を開こうとしていらっしゃって、コロナの影響で中止か延期かになったというのを   お聞きしたんですけど、こういう状況で集まれなかったりする場合にやめてしまうのではなくて、   ウェブ会議などで行っていけたらいいのかなと思いました。   あと、今日、事業者の方々のご報告を聞いていて、資料をめくってもらいながら必死で聞いていたんですけど、   なかなかついていけなかったので、いろんな障害の方もおられますし、合理的配慮の意味も込めて、   前もって資料を受け取れたらいいのかなと思いました。   その2点をお願いしたいと思います。 【事務局】   まず一点目のウェブ会議ですが、今回の会議もウェブで開催することも検討させていただいたのですが、   出席されるどなたもがウェブ会議のできる環境が整っているわけではないというところで、   暑いなか、コロナ禍のなか、皆さんにご足労いただいたこと大変申し訳なく思っています。   それで高知の意見交換会については、ウェブ会議のできる環境が整っていれば、   ウェブで開催することも考えていきたいと思います。   二点目の資料のことですが、今回、事業者団体のみなさんや自治体の皆さんからも   たくさんの資料をご提供いただきまして、それをこの場で全部見るというのは難しいと思いますので、   皆さんには「資料5 意見・要望等の内容及び回答・方針」については   今までも事前に送らせていただいていますので、今後は資料5を送るタイミングで他の資料も一緒に   お送りさせていただくことも検討させていただきたいと思います。 【CIL星空 井谷委員】   僕は資料をめくるのを(ヘルパーさんに)お願いしながらなので大変だし、それこそテキストで   用意していただいているのか他の方の事情がわからないですけど、いろいろな方に配慮した資料を   作成していただけたらなと思います。   皆さんには資料を作っていただく時期が早まったりするかもしれないですが、こういった会議ですし、   ぜひそういったところから配慮していただけたらと思います。   僕は対面会議が好きな方なので全然対面でもいいですけど、こういう時期で来られないって方も   いらっしゃると思うし、ウェブ会議はもちろん、環境のない方、慣れていない方いらっしゃるのはわかるんですが、   年に1回のこの会議だけでは足りないと思いますので、地域別でもいいですし、鉄道、バス、船、建物別とか、   別立てでできる会議がいくつもあった方がいいと思いますので、ぜひ考えていただけたらと思います。 【香川県手をつなぐ育成会 高尾委員】   私は知的障害の人と接している仕事をしておりまして、メンバーの中にはバスで通っている子もたくさんいます。   バスの中というのは密室ですけど、コロナ対策ということで、今の状況にあったいろんなポスターをバスの中に   貼って下さっているんですね。   メンバーから「今日はマスクをつけんといかんってポスターが貼ってあったよ。バスに乗ったら、   ずーっとつけないといかんのやな」という言葉があったり、運転手さんに近い一番前の席に座るのが好きなメンバーから   「コロナになっていつもの席には座れなくて、そこにはロープが張ってあって、ペケって書いてあった。   そこは座ったらいかんのやねぇ」など、そんな話をきっかけに「コロナの場合はなるべく人と人との距離をとって、   こういうようにするんだよ」という話をしたら、「じゃあ、僕たちも座るときは二人座りのところを一人で   座らないといかんのやねぇ」とそのような会話がバスの中のコロナ対策をきっかけにたくさん出てきました。   知的障害の子たちは経験を通じていろんなことを体得していく、おぼえていくというところがあって、   バス会社の方がコロナ対策でしてくださっていることが、彼らがこれからの新しい生活様式をひとつずつ   体得して覚える機会になったということ、この場を借りてお礼を言いたいと思います。   それとともに、バス会社以外のところでも、障害者の特性を知るための研修をしていたり、   いろいろな支援のあり方を研修しているというお話が出ておりましたが、   障害者も積極的に外に出て公共交通を利用するということはすごく大事なことだと思うんですね。   私も特別支援学校の教員をしていましたが、子どもたちがよく使う路線のバスや電車を運転して下さっている方は   接する機会が多いので、障害者の方を理解してくださって、その子その子にこういう対応をしたらいいんじゃないかなって   知っていって、声かけをしてくださっている。   本当にそういう姿も嬉しく思っています。   公共交通機関を利用しながらお互いに理解し合う、そういった共生社会のひとつのかたちが   進んでいったらいいかなと思っています。   よろしくお願いします。     【近畿大学 柳原先生】   時間が押していますので、一点だけコメントさせていただきます。   井谷委員や浅見委員からもありましたように、社会モデルについて自治体の職員さんも   あまり理解されていないんじゃないかというのが私の印象です。   というのは、運輸局さんが各自治体に基本構想作って下さいねとお願いしにきているにもかかわらず作らないというのは、   おそらく社会モデルに対する理解が足らず、公共としてやらないといけないという使命感といいますか、   当たり前という認識があまりないのかなという気がします。   関西でも、「駅はある程度エレベータもついていますし、市役所も福祉施設もだいたいバリアフリーできていますし、   基本的にそろっているので基本構想は必要ないかな」というようなことを言う自治体がおられます。   バリアフリー法の理念というのはそういうことではなくて、「障害の社会モデル」をみなさんにちゃんと理解していただく場、   それを体現するというのが趣旨になりますので、そのあたりも自治体の方々に理解していただけたらと思います。   そのうえで、基本構想やマスタープランをどんどん作成し、各自治体なりのバリアフリーや障害者への   対応の方向性を明確に位置づけて、同時に市民の方々に対する啓発活動も行っていただけたらと思いますので、   運輸局の皆さんには各自治体の方々へのプロモート活動を頑張っていただけたらと思います。 【藤澤分科会長】   私の方から最後にまとめになるかどうかわかりませんが、   まずはこのような一堂に会した場というのは検証にもなりますし、情報交換、情報共有という点においても   非常に重要な会議だと思っています。   特に当事者の皆さんの思いを訴える場としては、非常に貴重な場ではないかと思っています。   今日、心のバリアフリーについて、何か手を差し伸べたらいいのではないかというような、   言い方は悪いですけど、安直な心のバリアフリーというようなものがあるのではないかとお話がありました。   私はものづくりに携わっていて、今までに経産省絡みでISOとか規格に関わってきたのですけど、   前の会議のときにガイド71というお話をさせていただきました。   ガイド71というのは高齢者や障害者のための製品作りの設計指針なんですけど、   このガイド71というのはアクセシブルデザイン、アクセスできるかどうか、   これは製品だけではなく、環境も社会システムも全てに関わる設計指針なんですね。   その指針のひとつは手を差し伸べない製品を作りなさい、障害者が使うにあたって、   健常者が手を差し伸べてしまうようなものを作ってはダメだよというものです。   なぜかというと、生き生きとした生活をする。自立した生活をする。   これらをターゲットに掲げているからなんです。   そのきっちりとした心のバリアフリーというかそういう観点が必要だなという感じがしましので、   ちょっと斜めからですが、アクセシブルデザインの観点でこのバリアフリーを考えていったらいいのかなと思いました。   昨年、高知で意見交換ができたらいいですよねと話をしましたが、やっぱり各県によって状況が違うと思うんですよね。   個人的な話ですが、実は昨日、高知に行っておりまして、一昨日は愛媛に行ってたんですけど、やっぱり違いがありますよね。   私は点字ブロックとか信号機とかそういう調査をしているのですが、やはりそれぞれ違いがありますので、   そこら辺の情報交換とか、最近はリモートアプリや読み上げアプリなど非常に便利なもの増えてきていますので、   そういったものも利用しながら情報共有できるかと思いますので、工夫していただけたらいいのかなと思います。   今日はどうもありがとうございました。 4.閉会挨拶 【四国地方整備局 松田環境調整官】 5.閉会