【資料5】意見・要望等の内容及び回答・方針 1ページ目 第2回移動等円滑化評価会議四国分科会への意見・要望等の内容及び回答・方針 出席者からの意見・要望等の概要 ◆視覚的表示による情報提供について  聞こえない人にとって大切なことは、情報保障です。  設備とか課題もあると思いますが、新しい駅を作るときに視覚的表示できるよう お願いします。 いろいろと工夫されていると思います。 引き続きよろしくお願いします。                                        【近藤委員(四国ろうあ連盟)】 回答・方針  令和2年7月3日に国土交通省が「バリアフリー法に基づく基本方針における 次期目標についての中間とりまとめ」をプレス発表しました。 https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000244.html  次期目標は、今までの整備目標では聴覚障害についての項目がないという お声を反映し、聴覚障害や知的・精神・発達障害に関する項目として、 一定規模の駅やターミナルなどについて、文字や音声による運航情報提供設備、 案内用図記号による案内設備の設置についても目標値を定めるように 検討されているところです。  この次期目標については、今年度中には決定し、来年度から5年の間に 目標達成に向けて取り組んでいくことになります。 【四国運輸局 消費者行政・情報課】 出席者からの意見・要望等の概要 ◆「障がいの社会モデル」の理解と浸透について  地域を面として捉えるバリアフリーを推し進めるためには、ハード面の 整備は元より「障害者に対する社会的障壁を取り除くのは社会の責務 (障害の社会モデル)」という考え方を、国・地方公共団体・施設設置管理者・ 住民のそれぞれが正しく理解することが不可欠である。  意識上の障壁の具体例として、車両の優先座席、車椅子使用者用駐車 スペース等における必要となる配慮については、より一層の広報活動および 啓発活動を勧めていただきたい。 【浅見委員(香川県視覚障害者福祉協会)】 回答・方針  令和2年5月のバリアフリー法の改正で、優先席や車椅子使用者用駐車施設、 障害者用トイレの適正な利用の推進策として、令和3年4月1日より 施設設置管理者は新設する高齢者障害者等用施設等について、真に設備を 必要としている方が円滑に利用できるよう広報活動・啓発活動(ポスターの掲示・ 車内放送等)を行う努力義務が課せられます。  また、ハード・ソフト取組計画の記載事項に「優先席・車椅子使用者用駐車施設、 障害者用トイレの適正な利用の推進等」の項目が追加されるため、一定規模の 公共交通事業者は、毎年、適正利用推進のためにどういった取組を行うか計画し、 その報告についても公表することになります。  このように事業者の取り組みが見える化されることにより、啓発活動の推進が 期待されます。 【四国運輸局 消費者行政・情報課】 出席者からの意見・要望等の概要 ◆施設等のバリアフリー情報について  障害者等が日常生活でなじみのない施設を利用しようとする場合、 移動等円滑化に関する的確な情報を、事前に把握しておける環境整備が 必要だと考える。  宿泊施設・飲食店などの観光施設のバリアフリー情報を入手する 手段としては、ホームページ等の閲覧が一般的になってきている。そのため、 情報の掲載に当たっては、個々の障害者の障害特性に応じた媒体が 選択可能となる合理的配慮が求められる。  また、バリアフリー情報の提供等の必要な措置を講じている施設については、 その内容をわかりやすく表示しているステッカーやポスターを作成していただきたい。 【浅見委員(香川県視覚障害者福祉協会)】 回答・方針  平成30年5月のバリアフリー法改正で、高齢者の方や障害者の方などが安心して 外出できるようにバリアフリーマップ作成を促進するしくみが創設され、現在、 各県や県庁所在地の自治体などでバリアフリーマップが作成されています。  国土交通省では、「バリアフリーマップ作成マニュアル」を配布し、より多くの 自治体が利用者のニーズに合ったかたちでマップ作成が促進されるよう 取り組んでいます。  さらに令和2年5月のバリアフリー法の改正では、宿泊施設、飲食店、 観光案内所などの観光施設について、高齢者・障害者の円滑な利用に 必要と認められる用具の備付け、これらの施設におけるバリアフリー情報の 提供など、必要な措置を講じている施設を認定する仕組みを整備し、 外形上認定されていることをわかりやすく表示することを可能にするとともに、 予約サイト等を活用しながらバリアフリー情報が高齢者・障害者に わかりやすく提供されるようになります。 【四国運輸局 消費者行政・情報課】 2ページ目 出席者からの意見・要望等の概要 ◆障がい者等への接遇に関する教育について                                             各事業者の年間計画の中で、研修が位置付けられていると思いますが、 発達障害、知的障害について、どのように研修されているのでしょうか。  又、その折に、困ったことや対策対応に工夫したこと等について、 現状を教えてください。 【横田委員(日本発達障害ネットワーク)】                                            回答・方針  研修の一部において、障がい者のお客様応対について教育を実施しており、 発達障害、知的障害についても、少しですが、学んでいます。  具体的には、専門の部外講師により、障がいの内容や、どのような支援が 必要なのか、お手伝いポイント等について学習しています。  なお、お身体の不自由なお客様が、安心して鉄道をご利用いただけるよう、 サービス介助士の資格習得にも取り組んでおり、2020年3月末現在169名が 資格習得しています。 【四国旅客鉄道株式会社】  障がい者対応についての社内教習を毎年1回実施。2019年9月には、 より専門的な知識の習得を行うため、外部講習の依頼。 講師:香川県視覚障害者福祉センター視覚障害者訓練指導者) 2019年受講者の感想  介助する前に、右側から介助を行う、左側から介助を行うか確認する 必要があると聞き、勉強になった。  電車の乗車時に、右手で電車の手すりをつかむ場合もあるが、その際は、 左足から乗車してもらうとバランスが崩れない等、細かな点まで配慮が 必要だと痛感した。 【高松琴平電気鉄道株式会社】  視覚障害・認知症の方々への接遇等、毎年テーマを決めて研修を 実施しております。発達障害や知的障害をお持ちの方々の接遇研修は 実施しておりませんが、今後の研修において適宜取り入れていきたいと 思っております。 【伊予鉄道株式会社】  弊社では、障がい者、高齢者等にとって、バスを利用する際には特に 乗降時に困難を感じていることがあるため、車両についてはノンステップバスを 積極的に導入しております。  しかしながら、ハード面を強化しても、お客様(障がい者・高齢者)に 対する接客が一番に大切であり、適切な接客対応を行っていくことが 必要であるため、新人研修などに車椅子の乗降時には、スロープやリフトが あるので、それぞれの手順や扱い方を、運転士側・お客様側(障がい者・高齢者)の 両方の立場に立ち、声かけの重要性やコミュニケーションを積極的に取るよう、 実地教習も含め教育をおこなっております。 【ことでんバス株式会社】  お客様の立場に立った接客を心がけるよう指導しておりますが、細かな事例に 対応した教育まではできていないのが実情です。  今後も情報収集に努め教育指導のレベルアップに努めたいと思います。 【伊予鉄バス株式会社】 3ページ目 出席者からの意見・要望等の概要 ◆発達障害、自閉症に関する対応事例について                                             運転手さんなどの現場からの発達障害、自閉症などの児童生徒、 及び大人の方々の対応で困難だった事例がどのように上がっていて、 どのように解決されましたか。  本当にご苦労をおかけしていることを察しております。必要な事は 私共も検討し、事前に指導していかねばと思っています。  どのようなことでもいいですので教えてください。  参考までに各県に発達障害関連の支援センターが有りますし、また、 各県に自閉症協会が有ります。  もちろん、全国規模で、自閉症協会が有り、関連の資料もホームページが有ります。  無料でご利用いただけます。 【横田委員(日本発達障害ネットワーク)】 回答・方針 ※事例によっては個人が特定されるおそれがありますので、会社名を伏せています。  運行をおこなって行く上で、特に困ったような事例は把握しておりません。  運転士には、お客様の安全を第一に考え、柔らかい口調で分かり易く、 伝える気持ちを持って、接客対応していくこと。また、運行に支障をきたす恐れが 発生した場合は速やかに連絡を入れ対応していくように努めております。 【A社】  発達障害の方がドア開閉機器に物を差し込み、ドアが閉まらなくなった事例があり、 ご本人にそういったことを行わないよう依頼しました。 【B社】  お客様の立場に立った接客を心がけております。事前に対応事例等を作ることが 難しく、原則、その場で運転手が都度対応しているのが実情です。参考となる 事例等ご紹介いただけると助かります。 【C社】  過去には、精神的障害と思われるお客様が、列車に乗車する度、自称他害行為が 見られたため、ご家族に付き添いをお願いしましたが、ご家族が納得されなかったため、 他のお客様に迷惑が掛からぬよう、社員が業務時間を割き、付き添いや見守りを 行ったことがあります。 今後についても、弊社としてできる限りの対応を行いつつ、関係先と連携をとり 対応していきたいと考えます。 【D社】  男児がうろうろ動き回っていた。他のお客様にご迷惑がかかると思い、声掛けを 行うもご理解いただけなかった為、駅間の長い区間を利用し、降車されるまで適時、 声掛けを続けた。  大きな声を出すお客様(60歳代)に声掛けを行った。数回大きな声を出したので、 その都度、声掛けを行った。声掛け後、数分間は大きな声を出すことはなかった。  車内で走り回るお客様(10歳代)がいたので、声掛けをした。 その後、走ることはなかった。  周りの乗客に一方的に話しかける方がいて、対応に困った。  車内で体操をしていた。周囲に迷惑というほどでは無かったが、混雑している 時間帯だったので、転倒したら危険だと思った。 4ページ目(3ページ目の続き)  電車が到着した際、並んでいる人を無視して車内に乗り込もうとしていた お客様(30歳代)がいた為、声掛けを行い、順番を守っていただいた。  まれに大きな声を出すお客様(10歳代)がいたので、自然な挨拶を交えながら、 やんわりと声掛けを行った。その後、ひとり言は続いていたが、 大きな声を出すことは無かった。  お客様(10歳代)が大きな声で泣き叫んでいたため、声掛けを行い、一緒にいた 父親と共に、お客様をなだめた。  改札を通る際、急に大声を出しホームの方へ走り出し、ホームを行ったり来たり していたため、電車が着くまで近くで見守りをしていた。  地面に座り込んでいるお客様(40歳代)がいた為、声掛けを行い、 ベンチに座っていただいた。  千円札で乗車券を購入しようとするも、毎回千円札が券売機に入れることが 出来ないお客様がいる。買い方が分からないとのことで、その度に購入の サポートを行っている。  体格の良い男性が女性に付き添われて改札口を通ろうとしたが、奇声を上げ、 女性の言うことを聞かず暴れだした。駅係員もサポートに回ったが手に負えなかった。 女性が乗車困難と判断されたため、乗車されなかった。  ICカードを持った養護学校の生徒が改札を出る際に、カードがエラーになり、 確認すると残高不足であった。お金をチャージしてもらうように伝えると、バスで チャージすると言うばかりで、それ以上こちらの話を聞いてくれなかった。帰りに 窓口によっていただくよう伝え、そのまま改札を出てもらい、その日の帰りに 精算していただいた。 【E社】 出席者からの意見・要望等の概要 ◆バス・電車・船・飛行機を結ぶ公共交通機関の導線について                                             松山でいうと、特に港への連結が弱い。  松山観光港まで繋がっているバスがなかったり、東予港まで行く手段がないなど、整備されていない。   【井谷委員(CIL星空)】 回答・方針  旅客需要等を勘案し、今後の検討課題とさせていただきます。松山観光港への接続については、 乗換えのご不便はございますが、郊外電車高浜線と高浜駅から観光港までの連絡バスによる 乗り継ぎでの移動方法がございます。 【伊予鉄バス株式会社】 5ページ目 出席者からの意見・要望等の概要 ◆ラッシュ時の身障者用ソーシャルディスタンスの確保について                                             朝や夕方に車椅子利用者や視覚障がい者が電車バスに乗り込んだ際、 自ら距離を空けることが難しい。前もってスペースを確保されていると助かる。   【井谷委員(CIL星空)】 回答・方針  朝夕の通勤通学時間帯は多数のお客様が乗車されるため、目恵もっての スペース確保は難しい状況です。ただし、列車をご利用のお客様へ、放送や ポスター等により、お身体の不自由なお客様へ声かけや必要な配慮のご協力を お願いしています。  また、一部の特急列車及びマリンライナーの指定席に、車椅子専用の座席を 設けていますので、車椅子のお客様や介助が必要なお客様は、係員が お手伝いいたしますので事前にご連絡をお願いします。  弊社では、新型コロナウイルス感染症対策として、車両の消毒や換気装置等による 換気を実施しているほか、駅・車内の放送やポスターにより、マスク着用や会話を 控えめにしていただく等、感染防止のご協力をお願いしております。 【四国旅客鉄道株式会社】  ご利用いただく全ての方々への感染防止対策として、マスクの着用のお願い、 車内で会話をお控えいただく啓発掲示、換気の徹底等を実施しておりますので、 ご理解いただければと存じます。 【伊予鉄道株式会社 鉄道部】    弊社では事前にご利用のご連絡(電話)をいただいた場合には、当該運転士に、 いつ何処のバス停から車椅子ご利用のお客様が乗車する旨の連絡を入れ、 運転士が運行開始前に車椅子スペースを確保するようにしています。また、 運行中に他のお客様が車椅子スペースの座席を使用している場合は、声かけを 行った上、ご協力いただくように努めております。 【ことでんバス株式会社】  昨今のコロナ感染防止対策については、我々も苦慮しているところです。ご指摘の 件につきましては、限られたスペースしかないためご利用の際に不安に思われる こともあるかとは思います。対策として、お客様へのマスク着用のお願いや、会話を 控えていただくなどご協力への周知、また、換気扇の利用及び窓を開けての運行による 換気強化をして感染予防対策しております。 【伊予鉄バス株式会社】 6ページ目 出席者からの意見・要望等の概要 ◆ヘルパーが利用者の車を運転することについて                                             電車もバスも整備されてきたので、一昔前よりかなり便利になってきたが、 やはり少し離れると車がないと生活できない地域も多い。  毎日タクシーを利用するのは負担が大きすぎる。  責任の所在をヘルパー事業者やNPOの団体が持ったうえで、 運転を許可することはできないか。   【井谷委員(CIL星空)】 回答・方針  自分の車(利用者)を他者(ヘルパー)が運転することについては、 当局が所掌する道路運送法の範疇外になりますが、場合によっては 自動車運転代行業、人材派遣業等とみなされることがあります。 道路運送法には運転者が必要な要件を満たした上でヘルパーが 主体となって行う自家用有償運送やNPO法人等が主体となって 行う福祉有償運送という制度があります。  前者では、訪問介護事業所等の指定を受けかつタクシー事業等の 許可を取得している事業者との契約に基づき介護サービスを提供する 訪問介護員等が許可を受けると、自家用車による輸送サービスの提供を 行うことが可能になります。  後者では、NPO法人等が道路運送法に基づく運営協議会の合意を得て 登録すると、自家用車で要介護者や身体障害者の方を輸送することが 可能になります。 (いずれも、ヘルパー自身の車、NPO法人(ボランティア個人の持込みを含む)の車を使用)  こういった公共交通を補完する輸送サービスを提供しているところも ありますので、選択肢の一つとしてお考えいただけたらと思います。 【四国運輸局 消費者行政・情報課】 【四国運輸局 旅客課】 出席者からの意見・要望等の概要 ◆事業者に対しての研修について  「障害の社会モデル」の周知や障害者差別解消法の勉強会の義務づけ。 そして、当事者団体の参画を必須にしてほしい。 【井谷委員(CIL星空)】 回答・方針  四国運輸局では、障害者差別解消法で求められる取り組みや考え方が 幅広く浸透するように、障害者差別解消法セミナーやバスの乗務員研修等で 障害者差別解消法の講義をさせていただいています。  昨年度は10月に徳島県バス協会主催の乗務員研修で、2月には 愛媛県バス協会主催の乗務員研修で障害者差別解消法の講義を させていただいており、今後もこのような取り組みを継続して行います。  また、国土交通省で作成した「接遇研修モデルプログラム」では、 障害当事者が研修に参加することが理解を深めるためにも重要とし、 その参画方法や障害当事者講師の紹介窓口を記載しています。  当局としましても、各社の研修がより効果的で充実したものになるよう、 協力していきたいと思います。 【四国運輸局 消費者行政・情報課】