【資料7】バリアフリー法改正の概要 1ページ目 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を 改正する法律について(概要) 2ページ目 背景・必要性  2018年12月のユニバーサル社会実現推進法の公布・施行や オリパラ東京大会を契機とした共生社会実現に向けた機運醸成等を受け、 「心のバリアフリー」に係る施策などソフト対策等を強化する必要 〇ハード面のバリアフリー化を進める一方で、使用方法等ソフト面の  対応が 十分ではないため、高齢者・障害者等の移動等が円滑に  なされない事例が顕在化  利用者数1日平均3千人以上の旅客施設の90%で段差解消、  87%で障害者用トイレ設置(2018年度末) @公共交通事業者等における課題  例1 車椅子の乗車方法に関し、公共交通事業者の習熟が必要との指摘。  例2 交通結節点における接遇を含めた関係者の連携が     必要であるとの指摘。(平成30年改正時の附帯決議)  例1、2より、公共交通事業者など施設設置管理者について、 ハード整備とともに、ソフト面の対策の強化が必要 A国民における課題  例 車両の優先席について、高齢者に対し、声かけが恥ずかしい等の    理由で譲らないケースも存在。   例より、オリパラ東京大会を契機とした共生社会実現に向けた  機運醸成(ユニバーサルデザインの街づくりと心のバリアフリーに  取り組む共生社会ホストタウンの拡大)を受け、市町村、学校教育等  (新学習指導要領に基づき心のバリアフリー教育を実施[小学校で  2020年度から、中学校で2021年度から全面実施])と連携して  心のバリアフリーを推進することが必要 3ページ目 法律の概要 1.公共交通事業者など施設設置管理者におけるソフト対策の取組強化  令和3年4月1日施行  〇公共交通事業者等に対するソフト基準(スロープ板の適切な操作、   明るさの確保等)適合義務の創設  〇公共交通機関の乗継円滑化のため、他の公共交通事業者等からの   ハード・ソフト(旅客支援、情報提供等)の移動等円滑化に関する   協議への応諾義務を創設    令和2年6月19日施行  〇障害者等へのサービス提供について国が認定する観光施設   (宿泊施設・飲食店等)の情報提供の促進 2.国民に向けた広報啓発の取組推進  (1)優先席、車椅子使用者用施設等の適正な利用の推進  令和3年4月1日施行  〇国・地方公共団体・国民・施設設置管理者の責務等として、車両の優先席、   車椅子用駐車施設、障害者用トイレ等の適正な利用の推進を追加  〇公共交通事業者等に作成が義務付けられたハード・ソフト取組計画の   記載項目に上記施設の適正な利用の推進等を追加  (2)市町村等による心のバリアフリーの推進(学校教育との連携等)     (主務大臣に文部科学大臣を追加)  令和2年6月19日施行  〇目的規定、国が定める基本方針、市町村が定める移動等円滑化促進方針   (マスタープラン)の記載事項や、基本構想に記載する事業メニューの   ひとつとして、心のバリアフリーに関する事項を追加  〇心のバリアフリーに関する教育啓発特定事業を含むハード・ソフト一体の   基本構想について、作成経費を補助(予算関連)  〇バリアフリーの促進に関する地方公共団体への国の助言・指導等 3.バリアフリー基準適合義務の対象拡大  令和3年4月1日  〇公立小中学校及びバス等の旅客の乗降のための道路施設   (旅客特定車両停留施設)を追加 4ページ目 @令和2年6月19日施行分 5ページ目 国民に向けた広報啓発の取組推進 市町村等による「心のバリアフリー」の推進(学校教育との連携) (主務大臣に文科大臣を追加) ・目的規定、国が定める基本方針、市町村が定める移動等円滑化促進方針 (マスタープラン)の記載事項に「心のバリアフリー」に関する事項を追加 旅客施設を中心とした地区等において、面的・一体的なバリアフリー化の 方針を市町村が示すもの(具体の事業の位置づけは不要) ・市町村が作成する基本構想に記載する事業メニューのひとつとして、 心のバリアフリーに関する「教育啓発特定事業」を追加 ・「教育啓発特定事業」を含むハード・ソフト一体の基本構想について、 作成費を補助(予算関連) ・バリアフリーの促進に関する地方公共団体への国の助言・指導等に 関する規定の創設 基本構想制度について  旅客施設など、高齢者、障害者等が利用する施設が集積する地区「重点整備地区」 において、公共交通機関、建築物、道路等のバリアフリー化を重点的かつ一体的に 推進し、面的なバリアフリー化を実現するための「基本構想」を市町村が作成。  基本構想には、ハード整備に関する事業(公共交通特定事業、道路特定事業、 路外駐車場特定事業、都市公園特定事業、建築物特定事業及び交通安全特定事業)を 位置づけることで、関係者に事業の実施が義務づけられる。 現在の特定事業(例) 公共交通特定事業 ノンステップバスの導入、ホームドアの設置等 道路特定事業 歩道への視覚障害者誘導用ブロックの設置、車道との段差解消、        滑り止め舗装等 建築物特定事業 建築物内のエレベーター設置、障害者対応型便所の整備等 交通安全特定事業 音響式信号機、残り時間のわかる信号機、          エスコートゾーンの設置等 加えて 教育啓発特定事業(例) 学校におけるバリアフリー教室の開催 障害当事者を講師とした住民向けバリアフリー講演会やセミナーの開催 交通事業者の従業員を対象とした接遇研修の実施等 写真 高齢者疑似体験、車椅子サポート体験、当事者講師によるセミナー 6ページ目 A令和3年4月1日施行分 7ページ目 公共交通事業者など施設設置管理者におけるソフト対策の取組強化 〇公共交通事業者等に対するソフト基準適合義務の創設 公共交通事業者等は、旅客施設・車両等の新設等の場合のハード基準への 適合義務に加え、役務の提供の方法に関する基準(ソフト基準)を 遵守しなければならないこととする。 例 スロープの適切な操作、適切な明るさの確保等 〇交通結節点における移動等円滑化に関する協議への応諾義務の創設 高齢者、障害者等である旅客の乗継ぎを円滑に行うため、公共交通事業者等が 他の公共交通事業者等に対し、ハード・ソフト(旅客施設、情報提供等)の 移動等円滑化に関する協議を求めたときは、当該他の公共交通事業者等は、 当該措置により旅客施設の有する機能に著しい支障を及ぼすおそれがあるとき その他の正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならないこととする。 【参考】高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する     法律案に対する附帯決議(平成30年5月17日参議院国土交通委員会) 三 高齢者、障害者等の移動に配慮し、交通結節点における移動の連続性を確保するため、 接遇を含めた関係者の連携が十分に図られるよう、必要な措置を講ずること。 8ページ目 国民に向けた広報啓発の取組推進 優先席、車椅子使用者用駐車施設等の適正な利用の推進 国・地方公共団体・国民・施設設置管理者の責務等として、「車両の優先席、 車椅子用駐車施設、障害者用トイレ等の適正な利用の推進」を追加 公共交通事業者等に作成が義務づけられたハード・ソフト取組計画の記載事項に 「車両の優先席、車椅子用駐車施設、障害者用トイレ等の適正な利用」等を追加 対象施設の例 車両等の優先席 車椅子使用者用駐車施設 障害者用トイレ等 施設設置管理者が講ずべき具体的措置 真に必要な方が円滑に利用できるよう、一般利用者に対して、ポスターの掲示、 車内放送等での呼びかけ等 9ページ目 バリアフリー基準適合義務の対象拡大 公立小中学校及びバス等の旅客の乗降のための道路施設 (旅客特定車両停留施設)を追加 公共交通事業者等 鉄道事業者 軌道経営者 路線バス事業者(定期運行) 貸切バス事業者 タクシー事業者 一般旅客定期航路事業者 旅客不定期航路事業者(遊覧船等) 本邦航空運送事業者 航空旅客ターミナル管理者 その他、現行規定上、バスターミナル事業者、旅客船ターミナル管理者等が 法適用の対象 貸切バス事業者とタクシー事業者は、車椅子対応型の車両を導入する際に、 ハードの基準適合を義務付け 建築物 特別特定建築物(2000平方メートル以上)(例 特別支援学校、病院、店舗、ホテル等) 特別特定建築物に公立小中学校を追加 道路 特定道路(移動等円滑化が特に必要など迂路を国土交通大臣が指定) 加えて 旅客特定車両停留施設(バス等の旅客の乗降のための道路施設) 公園施設 特定公園施設(都市公園内の園路、広場、休憩所、駐車場、便所等) 路外駐車場 特定路外駐車場(500平方メートル以上の駐車料金を徴収する路外駐車場)