【資料10】移動等円滑化に関する好事例・先進事例の共有 1ページ目 移動等円滑化に関する好事例・先進事例の共有 2ページ目 移動等円滑化に関する好事例・先進事例の共有について 〇当事者団体からの紹介  日本スポーツ振興センター:新国立競技場整備事業における               ユニバーサルデザインワークショップ  成田国際空港株式会社:成田国際空港における当事者参加を前提とした             UD推進体制の構築 全日本空輸株式会社:発達障害のある人のための空港&搭乗体験ツアー            イン成田空港  東京空港交通株式会社:エレベーター付リムジンバス 等 〇各地域分科会における紹介  東北:仙台市交通局「地下鉄東西線の建設初期から当事者意見の反映」、     (一社)山形バリアフリー観光ツアーセンター「車椅子による     パラグライダー体験フライト」  関東:運輸局「UDタクシーの事業者向けセミナーの開催」、     東急電鉄(株)(バリアフリー連携アプリ等)  近畿:明石市「手話フォン」、     西日本旅客鉄道(株)「みどりの券売機プラス」  中国:センサリーフレンドリー映画上映事例、     クワイエットアワー実施事例  四国:高松市「たかまつユニバーサルデザインマップ」、     とさでん交通(株)「車椅子対応可能バス停マップ」  九州:西日本鉄道(株)「街なか手助けサポートプロジェクト     「たすけっと」の取組紹介」等 3ページ目 新国立競技場:日本スポーツ振興センター  新国立競技場整備事業におけるユニバーサルデザインワークショップについて     ○「新国立競技場の整備計画」(平成27年8月28日関係閣僚会議決定)において   「世界最高のユニバーサルデザイン」を基本理念のひとつに掲げている。  ○「業務要求水準書」において、「設計から施工段階において、高齢者、障害者団体   及び子育てグループ等の参画を得てユニバーサルデザインワークショップを   開催し、関係者の意見を集約した上で業務を進める。」と記載されている。  ○新国立競技場整備事業の事業者である大成建設・梓設計・   隈研吾建築都市設計事務所共同企業体において、車椅子使用者、高齢者、   子育てグループ等の14団体により構成されるユニバーサルデザインワークショップを   開催した。  ○設計図による検証に加え、世界最高のユニバーサルデザインを導入した   スタジアムとするため、実物大の検証模型やサンプル等も用いてワークショップで   細部にわたり確認と検証を行うことで、障害者団体等の要望等にも配慮した。  ユニバーサルデザインワークショップの意見を踏まえ改善した主な項目  ・3層スタンドの車椅子席を、各階にバランス良く分散。  ・外部階段の横に、エレベーターやスロープを増設。  ・エレベーターの扉幅を車椅子使用者が出入りしやすいよう拡幅。  ・外部に補助犬トイレを増設。  ・トイレブース内のボタン配置を視覚障害者が認識できるJIS-S0026に準拠。  ・外部エレベーターをアクセスしやすいよう交差点付近に位置を移動。  ・スタンド縦通路の段差部分を視覚障害者が認識しやすい色分け。  ・エレベーター扉側に車椅子使用者が鏡越しに確認できるよう階数表示器を設置。  ・エレベーターの階数ボタン全体が乳白に点灯するとともに触知サインの   サイズを改善。  ・アクセシブルトイレについて、各機器の配置と操作性について改善。  @ベビーチェアクッション設置、  A手摺の視認性が向上する色に改善、  B一般トイレ大型ブース内の便器に子供用便座設置、  C便器の高さを座りやすい高さに改善、  Dトイレ内の手摺、フックの形を丸く改善、  Eオストメイトの方の器具が置きやすい棚の大きさに改善 等 4ページ目 成田国際空港株式会社  成田国際空港における当事者参加を前提としたUD推進体制の構築   2017年5月に障害者、有識者、空港関係者などで構成される  「成田空港UD推進委員会」を設立し、当事者参加による現場視察等を  踏まえて空港における課題を明確にしたうえで、UDに関する基本的な  考え方や取組の方向性等について検討を進め、2018年4月に成田空港の  UDに関する取り組みを推進するための指針となる「成田空港  ユニバーサルデザイン基本計画」と、それに基づいて2020年までに  実施する具体的な取組を決定した。  当事者参加を前提としたプロセスの重視   理念の策定や取り組みの検討・具体化・評価・改善の各段階への   継続的な当事者参加   空港利用に関する当事者ニーズの把握   障害者、空港事業所、有識者のトライアングル  多様なお客様の個別ニーズへの対応   ハードだけでなく、ソフトの取り組みを合わせた総合的な対応   より多くのお客様が「問題なく利用できて」(アクセシビリティの向上)、   「より使いやすい」(高いユーザビリティ)施設やサービスの実現   ハード(施設等の改修)プラス ソフト(人的支援・情報提供等の充実)  継続的・横断的な向上を図る仕組みの構築   スパイラルアップ 定期的な評価とその結果を踏まえた改善            (スパイラルアップの実施)   ノウハウ(技術・人材) ニーズや技術的な使用等のデータベース化や、               UD視点を持った人材の育成によるノウハウの蓄積   連携 切れ目のないサービス提供に向けた事業者間の連携強化  多様なお客様が安全・安心・快適に利用できる空港   「様々なバリアをなくすこと」によって、お客様の旅行機会の   創出・増加を実現  主な取組   ・発達障害者への対応    (搭乗体験プログラム、カームダウン・クールダウン用スペース設置等)   ・トイレのユニバーサルデザイン化    (多機能トイレの機能分散・異性介助等のニーズへの対応)   ・人的支援のさらなる充実    (全ての空港スタッフ向けの障害理解・基本的な接遇研修) 5ページ目 全日本空輸株式会社  発達障害のある人のための空港&搭乗体験ツアーイン成田空港   成田国際空港株式会社とANAの共催、   一般社団法人日本発達障害ネットワーク監修   2018年1月14日、2019年1月14日、成田空港で開催  「発達障害」は見た目には分からない障害であり、予想外のことが  発生したときにパニックに陥ることもあるため、飛行機を利用した  移動を諦めてしまう実態もある。  飛行機を利用した移動を想定し、空港・飛行機を事前に体験できる  プログラムを開催。  「案内カウンター」、「搭乗手続き」、「保安検査」、  「機内への搭乗」、「着席」、「降機」の一連の流れを体験。  事前予習のための冊子「そらばすブック」の配布、動画の配信  ツアー当日の人的サポート  クールダウン・カームダウンのためのコージルームを設置  (成田国際空港株式会社により設置) 6ページ目 東京空港交通株式会社  エレベーター付リムジンバス  ・世界でも例のないエレベータ付リムジンバスを営業用バスとして   国内初導入。  ・平成30年12月より営業運送開始   (東京シティエアターミナル〜羽田空港国際ターミナル)。  主な特徴  ・新たな車椅子での乗降方式を採用    エレベーター装置を車内に設置することにより、客室開口部が小さく   雨風の影響が少なく、車内での垂直昇降により利用者の安心感を向上。   エレベーター部への乗降は、スロープ板を使用することにより、   停留所では省スペースで円滑な乗降が可能。  ・エレベーター及び車椅子固定方式の改善により、   乗降に係る所要時間を短縮。  ・エレベーター下に、手荷物収容スペースを確保。  写真 スロープによる乗降     客室への風雨の影響が少ない開口部     車内エレベーターで客室へ     エレベーター上昇時はそのまま客室床面を構成     新しいタイプの車椅子固定装置     エレベーター下降位置 7ページ目 車椅子によるパラグライダー体験フライト(東北)、 バリアフリー連携アプリ等取り組み(関東)  (一社)山形バリアフリー観光ツアーセンター  「車椅子によるパラグライダー体験フライト」   パラグライダーで空の旅へ!日本初のバリアフリースカイエリア   南陽は空もバリアフリー!   世界一自由な空へつばさに乗って行こう!   車椅子によるパラグライダー体験フライトの受入れ可能な日本唯一の   フライトエリア、全国各地からたくさんの方々が車椅子で空を飛ぶ   「夢」を叶えています。   山形県南陽市にある南陽スカイパークは2016年4月車椅子による   パラグライダーのフライト、2018年4月より子どもたちのフライトが   可能となりました。只今、フライト希望者を大募集中!   パラグライダー専用車椅子を使った体験タンデム(2人乗り)フライトを   ご希望の方へ    パラグライダーでのフライトでは離着陸の際に助走しますが、   パラグライダー専用車椅子により、走ることが困難な方でも   フライトを楽しんでいただくことができます。    しかし、パラグライダーは自然の中で行うスポーツであり、   もともと大きな危険(死亡や重大な障害を含む)を内包しています。    スタッフはお客様の安全を確保するために常に最善を尽くしますが、   自然の中に潜むすべての危険に対して絶対の安全を保障できるものでは   ありません。    具体的には離着陸の際の転倒・着陸時の強い衝撃・フライト中に   強い揺れが起きることが想定されます。天候急変時には安全のため   緊急降下することがあり、最大3Gの荷重がかかる場合もあります。   このような状況はお客様の身体に大きなダメージをもたらす可能性が   あります。    また、ほとんどのお客様は緊張により血圧と心拍数が上昇します。   高度差300メートルのフライトのため、着陸まで5分以上かかりますので、   万が一空中で発作等が起きた場合、着陸まで手当をすることができません。    車椅子での体験フライトをご希望のお客様は、上記の危険性について   事前にご家族と主治医にご相談いただき、同意書と診断書の記入を   ご依頼ください。当日はお客様の身体の状況に合わせて調整したのち   実施いたします。    以上、ご理解いただきますようお願いいたします。 東急電鉄株式会社  「バリアフリー連絡アプリ」の開発をはじめとするハード・ソフト両面での  バリアフリーの取り組み   東急電鉄株式会社では、「バリアフリー連絡アプリ」の開発による  車椅子利用者等の応対ミス減少、「転落検知システムの導入」による  転落事故防止等、ハード面でのバリアフリーや安全管理の取り組みと並行し、  障害当事者との意見交換会を定期的に実施し乗客対応向上に努めるなど、  ソフト面での取り組みも行っています。  〇「バリアフリー連絡アプリ」の開発   介助が必要な乗客の乗降支援のため連絡アプリを開発し、降車駅、時間や  乗車位置等の情報をスマホにより駅員間で情報共有。電話連絡など手作用で  行っていた時期と比べ情報伝達ミスを約30パーセント減少。  @列車在線位置システムと連動   付近の列車の運行番号と列車種別(急行・各停など)を取得し、反映。  AQRコードの活用   ホームドア等にQRコードを貼り、読み取ることでご案内したドア位置を   アプリに反映。  〇「転落検知支援システム」の開発    画像解析技術を応用し、駅構内カメラの情報から、ホームから線路へ   転落する人物などを自動的に検知して通知するシステムを構築、運用。   車両との接触など重大な事故の可能性を見取り迅速な対応が可能。   転落検知システムの仕組は画像から人物を検出し、人物が指定エリア   (軌道側)に進入した場合に通知する。  〇障害当事者等との意見交換会の実施    盲導犬訓練センターや特別支援学校関係者と定期的に意見交換会を実施。   関係者の意見を全乗務職場に展開し、障害者の乗客に対する声掛け方法の   改善等、サービス向上に役立てている。   例:盲導犬訓練センターとの意見交換、特別支援学校との意見交換 8ページ目   UDタクシーの事業者向けセミナーの開催(関東)  開催趣旨   ユニバーサルデザインタクシーによる車椅子利用者の乗車を拒否する  事案が発生しており、関東運輸局では、こうした状況を踏まえ、  タクシー事業者を対象とした、実車を用いた車椅子搭乗方法の  デモンストレーションを含むセミナーを開催。  開催概要  〇日時:平成31年3月15日(金)13時半〜16時半  〇場所:関東運輸局  〇主催:関東運輸局・交通エコモ財団  〇内容   ・ 交通エコモ財団からバリアフリー動向に関する講演   ・ 運輸局から改正バリアフリー法の説明   ・ DPI日本会議工藤様から障害当事者の立場からの講演   ・ タクシー事業者による取組事例発表   ・ 神奈川トヨタ自動車株式会社による車椅子搭乗方法の     デモンストレーション(スロープ組立て、車椅子乗車体験)  効果  ・メーカー、ディーラー、タクシー業界が連携し、優れた取り組みの共有  ・会社内におけるバリアフリーに対する意識向上、   車椅子の方の乗車技術の更なる向上   様々な利用者に対するタクシーの利用しやすさの向上