議事概要 第4回移動等円滑化評価会議四国分科会 日  時:令和4年7月26日(火)14:00〜16:00 場  所:高松サンポート合同庁舎 低層棟2階 アイホール 開催方法:対面・オンライン併用 1.開会 2.開会挨拶 【四国運輸局 久保交通政策部長】 3.議題 @四国における移動等円滑化の進展状況・基本構想の作成状況等について  事務局より「資料1:四国における移動等円滑化の進展状況、基本構想の作成状況」  「資料1-2:四国における移動等円滑化の進展状況(県別)」に基づき説明。 A事業者等、自治体、地方整備局、運輸局の主な取組について  事業者、自治体より「資料2:事業者、自治体の取組」に基づき説明。 【全国脊髄損傷者連合会香川県支部 田村委員】 徳島県さんの発表の中で、身体障害者手帳及び精神障害者保健福祉手帳については、 既にマイナンバー連携をしており、民間アプリの活用により、鉄道、バス会社、 美術館等の障がい者割引サービスに必要な手続をデジタルで行うことが 可能となっているとのことですが、民間アプリとはどういったものを使っているのか、 詳しく教えていただけたたらと思います。 【徳島県保健福祉部障がい福祉課】 民間のアプリになりますが、内閣府などでもプレスされておりますので名称を 申し上げますと、ミライロという障害者手帳アプリのことでございます。 それをまず障がい者の方にダウンロードしていただきます。 手帳がマイナンバーと連携しておりますので、マイナンバー連携しているという マークが表示されます。マイナちゃんというPRキャラクターのマークです。 それを見せることによって、信頼性の高い手帳である、マイナンバーと連携して 法的な証明となるものであることを、手帳原本でなく、アプリを見せることで 確認ができるようになりました。 ※四国地方整備局より「資料3-1:四国地方整備局におけるバリアフリーの取組」 「資料3-2:国土交通省における建築物バリアフリー化の取組み」に 基づき説明。 ※四国運輸局より「資料4:四国運輸局におけるバリアフリーの取組」に基づき説明。 【NPO法人福祉住環境ネットワークこうち 笹岡委員】  資料3−2の6ページ、バリアフリー法に基づく条例の制定状況の地図について、 四国では徳島県のみとなっておりますが、高知県には 「人にやさしいまちづくり条例」があり、平成22年から実施されております。 バリアフリー法の改正内容が反映されたマニュアルも作成されておりまして、 これは該当しないのかどうか、ご意見をいただければと思います。 また、三県の皆様に参考までにお聞きしたいのですが、高知県の場合、 条例に基づいてバリアフリー整備マニュアルがあり、県立など公立の建物については 届出がいらないことになっております。当然バリアフリーの配慮をしているだろうと いう観点からだと思いますが、逆にそのことが抜け落ちの原因になっていて、 いざ公的な施設が出来上がってみると、障がいを持つ方々から使いにくいという声が 上がって、また予算を付けて改修し直すということが起こっています。 公的な施設ほど設計段階から、障がいのある方々や地域の声を反映できるような システムを作ってほしいと行政にもずっとお願いしているところです。 三県ではそういった議論やチェック機能があったりするのかという点を教えて いただきたいです。 もうひとつ、7、8ページの、バリアフリー改修の際の多目的トイレについてですが、 高知県のバリアフリー観光相談窓口で県内外からの旅行者に対応している中で、 最近多い相談が、大人のおむつ交換ができる介助シートいわゆる ユニバーサルシートについてのものです。 7ページの使用者便房例でいいますと、折り畳み大型ベッドがそれに該当します。 これがなかなか、どこに設置されているのか情報がつかめません。 公的な機関に聞きに行っても、そういった一覧はないと回答されることが多く、 自分たちで探しに行って案内をしている状況です。 ユニバーサルシートが設置されていないトイレは多いですけれども、 そういったニーズは高知県だけのものなのか、他県のニーズはどうなのか、 設置しているところを教えてほしいと言われた際に、一覧やここに聞けば わかるという場所があるのかなど、ユニバーサルシートに関する声をお聞かせ下さい。 【四国地方整備局建政部都市・住宅整備課】 高知県の条例について確認いたしました。高知県で定められているのは、 バリアフリー法第14条第3項に基づく条例ではなく、県独自で定められている ものでございました。バリアフリー法施行令の中で、 特別特定建築物として建築物移動等円滑化基準適合義務が課されているのは、 2000u以上の公立小中学校という状況になっています。例えば、バリアフリー法に 基づく条例の中で、その他の学校につきましても特別特定建築物に 追加していただければ、適合義務を課すことは可能かと考えます。 また、ユニバーサルシートについて、設置リストなどがあるかという ことに関しては、私どもの方では把握しておりません。 【事務局】 各県の設置状況を調べることができるサイトは見当たらなかったのですが、 丸亀市は、市のHPに市内のユニバーサルシート設置トイレ一覧を 掲載しているようです。 この会議の場に自治体のみなさまもいらっしゃいますので、 各県や市で設置状況がわかるリスト等があるのかといったことを お聞きできたらと思うのですが、いかがでしょうか。 【高松市市民政策局男女共同参画・協働推進課】 高松市ではユニバーサルデザインマップといいまして、 公共施設と民間の一部の施設にどういった設備があるのか 検索できるようになっているものがございます。 その設備の中にユニバーサルシートがあったかどうかこの場では分かりませんが、 高松市であれば、そういったマップがあり、 各施設の設備検索ができるようになっております。 【全国脊髄損傷者連合会香川県支部 田村委員】 バリアフリートイレの整備について、私は香川県内の小中学校に行く機会が 多くあり、そのほとんどが和式トイレでしたが、 現在は洋式トイレに改修工事をしているところが増えています。 それに合わせて男子トイレ・女子トイレそれぞれに多目的トイレを設置する 動きがあります。整備局さんなどの働きかけもあってトイレの整備が 進んでいます。校長先生や教頭先生に、どうしてバリアフリートイレにしたのか 聞いてみましたら、避難所に指定されているところは、避難時に高齢の方や 車いすの方もいらっしゃるので、多目的トイレとは別に、 車いすで入れるようなトイレを整備した方が良いと言われているとのことでした。 実際どれくらい整備されているのか知りたいと思っています。 毎年バリアフリー教室で高松市内の亀阜小学校へ行きますが、 実はこの学校にはバリアフリートイレがなかったのですが、 予算が付いて整備するので来年からは安心して来てくださいねと言われました。 徐々にですが、進んでいるのかなと思います。 また、ユニバーサルシートの件ですが、実は高松市の ユニバーサルデザインマップ作成の初期段階に関わり色々調査させて もらったのですが、一緒に調査した人の中に「シートがあることが望ましく、 マップにも設置の有無を載せた方がいい。全てのトイレに設置するには規模の 問題があるので、同じ建物の中で一つでも設置しているとこがあれば助かる」と 言われていた方がいた気がします。やはり必要な人はいらっしゃいます。 Bハード・ソフト取組計画の作成状況等について 事務局より「資料6:ハード・ソフト取組計画について」 「資料7:移動等円滑化に関する好事例・先進事例の共有」に基づき説明。 C意見交換 意見交換に先立ち、事務局より「資料5:意見・要望等の内容及び回答・方針」に 基づき、事前意見・回答について報告した後、意見交換を実施。 (内容は下記のとおり。) 【香川県視覚障害者福祉協会 浅見委員】 テレビCMによる広報についてですけれども、みなさんご存知のように、 ACジャパンというところが盲導犬や、海外の飢餓に苦しんでいる子供たちの 支援などについて放映しているのをご覧になっている方も多いと思われます。 こういったCMというのは自然と耳に入ってきて、何度か聞いていると 残るものがあると自分自身も実感しておりますので、なんとかそういった形で 実現できたらと考えております。 以前、踏切の中に車で入ってしまった場合は、そのまま突っ切って出てくださいと いう内容のJR四国のCMを見たことがあります。短いCMの形で、 駅が欄干の無い橋という恐怖を感じる場所だということが数秒でもビジュアル的に 取りあげられると、非常にインパクトがあるかと思い提案させていただきました。 私はこの会議に7〜8年前から参加しておりますが、当初からJR四国さんには 要望を続けさせていただいております。その結果、この会議に参加したころに比べて、 随分変わったと感じております。最初に提案させていただいたのは、 普通列車の開閉ボタンについてでした。開閉ボタンのところに、 当時は赤と青のシールが貼っていたと記憶していますが、それが剥がれていたりして 分かりにくいということで、埋め込んだものを付けて下さいと要望して、 三角が上を向いたものと下を向いたものですが、列車が改造されるたびに 順次つけていただきました。 ただ現在は、コロナ禍で停車時は常に扉が全開となり、夏は暑く冬は寒いという 環境の中で乗っています。生活様式というのはその都度変わる、 障がい者にとっては何か皮肉なことも生じるのではないかと考えます。 コロナ禍で乗り降りに関しては楽になったという何か不思議な感覚を覚えております。 一度、JR四国さんの当時の担当の方とお話をして、私が利用しているJR本山駅の 現地調査をしていただいたことがあります。無人駅ですので、乗り降りの際、 1番乗り場2番乗り場を分かりやすくする方法はないだろうかとお願いしました。 この時は、特別な点字ブロックをここだけ除けてしまうことは残念ながら難しいと 見送りになってしまいました。ただ、職員が声をかけてくれるケースは 非常に増えました。今回もヘルパーと多度津から電車に乗ってきましたけれども、 乗るとすぐに車掌が、「どの駅までですか、お手伝いは必要ですか」と声を かけてくれました。この点は、ほぼ徹底されてきたと言えるかと喜んでおります。 ただやはり当時の担当者の方も言っておりましたけれども、 表現が悪いかもしれませんが、声かけができる方とできない方がおり、どうしても 差が出てくる。毎日電車を使っていますから、今日はこの方だと大体声で 分かりますので、今日ははずれかなと思ってしまうこともありますね。 先日、降車駅まで残り二駅というところで列車トラブルで止まってしまいました。 いつ発車するのかわからず、困った家族に連絡しようかと思っていたところ、 その日の車掌さんから、「どうされますか?当分動かないので、 タクシー乗られるのでしたら、タクシー乗り場までご案内しますよ。」と 声をかけていただきました。そこで、家族に電話した後で、 「外の目立つベンチまで誘導してください。」とお願いし、 時間を取られずに上手く帰ることができました。もし、あまり話さない方が その日の車掌さんであったらどうなっていたのかと考えると、 まだ頼りない部分もあるなと感じたりもします。 もちろん限界はあるとわかっていますけれども、無人駅がどんどん増えていますので、 何か対策はないだろうかと思います。 内方線付きブロックの説明が先ほどありましたが、普段利用している 本山駅についても、今あるブロックが壊れたら次はそれになるのでしょうが、 まだまだ壊れそうにないので変わらないのかなという風に思います。 本山駅には改札はなくて、スロープを上がったところに待機する場所があり、 いつもそこで盲導犬と待っています。そこに学生が大勢いると 左右が分からなくなってずれてしまうことがあるのですが、 ずれた場合に対策ができないかなという風に今も考えています。 しかし、トータルすると、ここ7、8年で四国の駅のバリアフリーはかなり 進みました。こういった会議で話すことの効果がかなり出ていると実感しています。 【日本発達障害ネットワーク四国地区 横田委員】 それぞれの機関で障がい児の体験的理解の講座やイベントが開かれていて、 それはとても嬉しいことだと思っております。私どもからも事前質問のとおり、 (発達障がいの子供等が迷子になった際の)早期発見などの協力を お願いしたところです。幸い四国管内の事例はありませんが、昨年、 名古屋・広島・山口・神戸で、昼間に迷子になり水死する事故が起こっています。 私は50年ほど前に自閉症の子どもの担任を始めましたが、自閉症の子どもたちは、 ここ20年で8倍に増えているという文部科学省の調査結果があります。 大変なのです。この子たちは、どんな心と脳のメカニズムを持っているのか。 できるだけわかりやすく、体験的理解につながるような経験をと 思って研究しています。発する言葉が少ないこともあってか、 言葉が分からないのなら絵を見せればいいという方法が外国から入ってきて、 日本に広まりました。けれども、やはり子どもの理解には繋がっていません。 ある講演で「言葉が理解できないという感覚は、 外国へ行けば実感として理解できる」ということで、 私はフィンランドに行って体験したのですが、それは悲惨なものでした。 フィンランドのヴァンター空港に降り立った途端、 わけのわからない状況に放りだされました。 フィンランド語や英語が全く聞きとれない。こういうことなのだ、 言語はやはり大事なのだと思いながら1週間ほど滞在しましたが、数年前から、 いや言語だけの問題ではなかっただろうと思い始めました。 私は日本仕様の文化で旅行していたのです。ガイドブックを頼りに 絵や写真や紹介文を見ながら、日本の文化を背後に持った状態で旅行したのです。 一方、自閉症の子供たちは母国語がわからない上に、自分の後ろにある文化を もまだ持っていないとか、独自に開発した文化をもった人、 まったくピュアな人であるのです。 体験的理解を進めていく上において、どうすればよいのか。 本人も親御さんも一番困っているのは、自分の拠るべき地域の文化を 持っていないこと、文化を教えにくいことです。 絵を見たら分かると言うならば、例えばエジプトのヒエログリフはどうでしょう。 魚や鳥が描かれている文字盤ですが、長年の間全く解読できませんでした。 後年ロゼッタストーンが発見されてからやっと解読できるようになりました。 ですから、発達障がいの子どもたちには絵を見せたらよいという風に 短絡視してほしくないのです。まずは文化を教えよう、 言語媒体や体験の機会を通してやっていかねばならないと思い始めたところです。 重度の自閉症は無文化、文化未獲得なのです。 言語や記号が分からないというだけではなくて、地域の生活文化を まだ持っていないということについても、皆さん一緒に考えていただければ、 体験会の実施でより良い方向へ進んでいくのかなと思います。 【NPO法人福祉住環境ネットワークこうち 笹岡委員】 障がい者団体の皆さまに伺いたいのですが、心のバリアフリーの部分で、 ヘルプマークがございます。高知県で公報をはじめてから5年ほどになりますが、 なかなか浸透しておりません。外見から障がいがわからない精神障がいの方が、 街中で身に着けていた際に、障がいもないのに 障がい者用トイレを利用していると怒られ、パニックを起こしてしまったという 例もあります。広まっていないために困難が生じているので、 なんとか知ってもらいたいと身に着けている方がいらっしゃいます。 障がいによっては、ヘルプマークが大変効果的なので広まってほしいという意見も あれば、あまりヘルプマークは効果が無いという声もあるかと思います。 各団体で、それまでの経験からヘルプマークをどんどん広めていきたいという考えを お持ちか、行政や先生方で心のバリアフリーの一環として啓発していこうという 取り組みがあるかなど、みなさんの意見をお聞かせいただければと思いました。 【香川県視覚障害者福祉協会 浅見委員】 視覚障害者福祉協会では、残念な話ではあるのですが、 ヘルプマークを付けようという動きがないのが現状だと思います。 香川の話というよりは、日本視覚障害者団体連合の全国会議の時に 出た話になりますが、ヘルプマークあるいは白杖を高く上げて 助けを求めるというような運動を考えたこともありました。 しかし、ある面においては、あえてこの表現を使わせていただきますが、 自分は弱いんだということを社会に知らしめていることになり、 攻撃されるという意識を持っている当事者もいるのです。 私自身は、その考えを必ずしも正しいものとは思っていませんが、 特に女性の障がい者の場合には、 かえって危険だとおっしゃるケースもあるのが現状です。 性善説でものを考えられないというのは非常に残念なことではありますけれども、 視覚障がいという障がい特性を考えた場合に、 それも実態なのかなとも感じております。 【香川県手をつなぐ育成会 高尾委員】 この会議に参加させていただいてから3年になります。 最初の会議では、各交通事業者や団体の方々が、 障がい者への理解を深めるために、どういった職員教育・研修を すれば良いかというお話が出てきていたかと思います。 今日の会議に来る前、当会の事務局から1つ伝えてほしいことがあると言われました。 私も感じていたことですけれども、バスの運転手さんの声かけが、 この頃すごく温かく感じると。バスに乗ると、通常録音されたテープから、 次の停留所の案内や、バスが止まってからお立ち下さいという言葉が流れますが、 この頃は、運転手さんによっては、「終点にはあと何分くらいで着きますよ。」と 知らせてくれたり、「降りる時はボタンを押してくれたら止まります。」と 復唱してくれたりします。私どもの事務局には、 知的障がいや自閉症のお子さんを持つ保護者が多く、 子どもたちと一緒に乗り物に乗る機会も多いです。 子どもたちは乗り物に乗って色んなところへ行くのが大好きなので、 車はあるけれどもあえて月に何回かは公共交通機関を利用するのです。 その中で以前との違いを感じ、心温まることが多いとのことでした。 ユニバーサルデザインの関係ですと、車内で携帯電話はダメだよと伝える時も、 携帯電話使用禁止のマークを指さすことで、沢山の言葉を使って注意しなくても、 子どもたちも理解して頷いたりして、環境が整ってきたということも話していました。 また、先ほどのヘルプマークについて個人の意見ですが、 あのマークを付けた方がおられると、心臓などの病気か、 それとも発達障がいや自閉症の方かとこちらも考え、何かあった時に どういう風に関わろうかなという思いで見ています。バスでのことになりますが、 自閉傾向のある方がいらっしゃって、その方が座る席は いつも大体決まっているんですね。お客さん達もマークを見てわかっているから、 彼が座る席をいつも自然と空けて、なんとなく彼の場所を作っている。 マークひとつで周りの方が色々考えて配慮できるというメリットもあって、 ヘルプマークには非常に良い意味があるのではないかなと考えています。 【CIL星空 三ツ井委員】 お話を聞く中で、バリアフリー法をもとに、四国内で話し合って情報を共有し、 四国内で進めていくことが有効であることも多いのかなと思う部分も 多かったのですが、バリアフリー法以外で、 障害者差別解消法など障がい者に対する差別を禁止する法律という部分でも 考えていける仕組みが必要かと感じました。 というのも、資料にもありました「障害の社会モデル」という考え方は、 障害者差別解消法などをもとにして考え取り組んでいかないといけないもので、 障がい者に優しくしようという意味あいでの心のバリアフリーの取組が進んでいって しまうのは怖いなというのが自分の中にあります。 周りの環境に障がいがあるという考えを持ったうえでバリアフリーを進めて 行かないといけないのに、ただの優しさだけで取り組もうという仕組みが、 県や市の方から進んでしまっているのではないかと。 今は、障害者差別解消法の合理的配慮について、 民間事業者は努力義務になっていますが、 法改正により今後義務化される中で、数年後を見据えて民間に対しても、 支援金や協力金といった仕組みを作っていかないといけなくなると思うので、 社会モデルの考え方の浸透についても、講演会や勉強会などをする中で、 是非一緒に進めて行っていただけたらと思いました。 あともう一点、資料説明の時など、今回会場の声が聞き取りにくい部分が ありましたので、次回以降、何か検討していただけたら助かります。 ミキサーを使用するなど対策がないと、 オンラインの参加者が置いて行かれる様な気がしました。 【事務局】 多くの貴重なご意見いただきまして、誠にありがとうございました。 補足のあるものにつきましては確認し、後日ご連絡いたします。 本日の報告や意見交換については、概要を取りまとめたうえで、 運輸局HPにおいて議事概要を公表する予定です。 また、9月に予定されている第6回目の本省評価会議にも本分科会の概要を 報告することとなりますが、概要作成にあたっては、 事前に皆様にご確認いただきますので、よろしくお願いいたします。 それから先ほどのご意見の中で、オンラインの環境で聞き取りづらいというお声が ございましたので、本会議やその他の会議についても、 環境が改善できるように努めてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 講評 【近畿大学 柳原先生】 今回の会議で、少しずつバリアフリー整備が進んでいるというご報告を いただきましたが、移動等円滑化基本構想(以下、基本構想)や マスタープランに関しては、なかなか進んでいないなという印象です。 私もこの会議に長いこと参加しておりますが、なかなか各自治体さんに 作っていただけないというのが非常に大きな課題だと感じております。 本日の会議で出た、公的な建築物を作る際に事前に 相談等ができないのかというお話は、基本構想が作成されると、 自治体の中で協議会が作られていますので、その委員さんから、 市の建築物をつくるときはやはり事前に連絡をとか、 作っている途中色々相談して下さい、というようなことを おそらく直接市に話せたりすると思います。 トイレのユニバーサルシートの情報が出ていないというお話もありましたが、 基本構想の中でバリアフリーマップを作成したりもするので、 ピクトグラムを使ってトイレ内の詳細な情報、ユニバーサルシートが あるかないかという表示ができたりもします。 今年4月に奈良県の大和郡山市で視覚障がい者の方が、 踏切で亡くなる事故がありました。私はちょうど大和郡山市のバリアフリー委員会の 座長をしておりますが、事故の起こった箇所と基本構想の中で定められた 経路においても踏切を整備しましょうという話になりました。 やはり基本構想が軸となって、 色々な場所の整備が可能になってきますので、四国運輸局さんの方から 各自治体さんにさらに一層の声かけをしていただきたいというのが私の願いです。 声かけをするに当たって、各自治体さんからは、予算が無い、人がいない、 担当部署が見つからないという声、いわゆる出来ないことへの言い訳が 多いかと思いますが、基本構想とマスタープランを作る意義は、 障がい者の方たちにとって利便性が高く安心できますよというだけではなく、 障害の社会モデルの考え方、移動を確保すること自体が社会としての責務ですよと 強い言い方をしても良いかと思います。 日本の法律はなかなか権利というところまでいかないですが、 海外の文献などを見ますと、ヒューマンライツというのが一番初めに出てきます。 やはりそのあたりが世界の常識的なところになっているので強く打ち出して、 世界の標準であり、取り組まなくてはならないこということで、 是非とも各自治体さんに作成を促していただければと思います。 【藤澤分科会長】 本日は、各部署からご意見や取組報告をいただきありがとうございました。 特に、先ほど柳原先生が言われておりました基本構想とマスタープランについては、 まだ緒についたという感じですので、笹岡さんが言っておられた建物に 当事者の意見をどう反映させていくかということ、基本構想とマスタープランの中に 当事者の意見をどう入れていくかということについて、社会モデルを理解し、 しっかりと構築しておく必要があるのではないかと思っています。 建物などが出来上がった時点ではもう遅いですから、 作る時にしっかりと機能するシステムにしていく必要があると思っています。 毎年進捗状況をご報告いただく中で、確かに四国のバリアフリーは 着実に進んでいるなと感じております。本会議は重要な場であると 認識しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。 4.閉会挨拶 【四国地方整備局 坂本環境調整官】 5.閉会   以上です。