資料3の2 国土交通省における建築物バリアフリー化の取組 全9ページ 1ページ目 国土交通省における建築物バリアフリー化の取組 2ページ目 バリアフリー法 建築物分野 の概要 特定建築物 令第4条 多数の者が利用する建築物。 例 学校、卸売市場、事務所、共同住宅、工場など。 特別特定建築物 令第5条 不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が 利用する建築物他。 例 公立小中学校、百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗、 不特定かつ多数の者が利用する官公署、飲食店、サービス業を営む店舗など。 条例により、特別特定建築物に特定建築物の追加が可能。 新築、増築、改築、用途変更、修繕又は模様替えについて、 建築物移動等円滑化基準への適合努力義務。 二千平方メートル以上(公衆便所については五十平方メートル)の新築、 増築、改築(増改築部分のみが義務化の対象)又は用途変更について、 建築物移動等円滑化基準への適合義務。 条例により、面積要件の引下げが可能。 建築物移動等円滑化基準 令第十条から第二十四条(最低限のレベル) 高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために 必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する基準。 例 車椅子使用者と人がすれ違える廊下幅を1以上確保。 車椅子使用者用のトイレがひとつはある。 条例により、必要な事項の付加可。 五百平方メートル未満の建築物について、規模に応じた基準の設定可。 建築物移動等円滑化誘導基準 省令(望ましいレベル) 高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき 建築物特定施設の構造及び配置に関する基準。 例 車椅子使用者同士がすれ違える廊下幅の確保。 車椅子使用者用のトイレが必要な階にあるなど。 計画の認定 法第十七条 建築物移動等円滑化誘導基準を満たし、所管行政庁の認定を受けると、 容積率の特例などの支援措置を受けることができる。 3ページ目 建築物移動等円滑化基準 義務基準、 建築物移動等円滑化誘導基準 誘導基準の例 トイレ 車椅子利用者用便房の数 義務基準 建物にひとつ以上 誘導基準 トイレを設ける階ごとに2%以上 当該階の便房数が二百を超える場合1%プラス2以上 オストメイト対応便房の数 義務基準 建物にひとつ以上 誘導基準 トイレを設ける階ごとに2%以上 低リップ小便器の数 義務基準 建物にひとつ以上 誘導基準 トイレを設ける階ごとに2%以上 駐車場 車椅子使用者用駐車施設の数 義務基準 ひとつ以上 誘導基準 2%以上 全駐車台数が二百を超える場合1%プラス2以上 車椅子使用者用駐車施設の義務基準 幅三百五十センチメートル以上 利用居室からの経路ができるだけ短くなる位置に設ける。 条例で基準を強化している例 横浜市 機械式を除いた駐車台数の1%以上の車椅子使用者用駐車施設 奥行き六百センチメートル以上を設ける。 京都府 車椅子使用者用駐車施設の数は誘導基準と同様 機械式以外の台数を上限 劇場等の客席 令和三年三月三十一日公布 令和四年十月一日施行 車椅子使用者客席の数 誘導基準 総客数が二百以下 2%以上 二百を超え、二千以下 1%プラス2以上 二千を超える場合 零点七五%プラス7以上 車椅子使用者用客席の誘導基準 幅九十センチメートル掛ける奥行百二十センチメートルで 区画された、平らな床 同伴者用の客席又はスペースを隣接して設置 客席総数二百を超える場合には、2か所以上に分散して配置 舞台等を容易に視認できる構造、サイトラインの確保 4ページ目 バリアフリー法に基づく条例 バリアフリー法では、地域の実情に応じて、地方公共団体の条例により、 1義務付け対象用途の追加、2義務付け対象規模の引下げ、 3移動等円滑化基準に必要な事項の追加を可能としています。 条例制定のメリット 義務付け対象規模の引下げや対象用途の追加など、地域の実情に応じた きめ細やかな基準を設定することができるようになります。 例 小規模な建築物や共同住宅のバリアフリー化を義務付け バリアフリー法に基づく条例の規定は、建築基準法の 建築基準関係規定となるため、民間の指定確認検査機関等の 建築確認審査において、基準適合の実効性が担保されます。 自主条例等に基づき、地方公共団体との協議対象としている 基準について、法に基づく委任条例とすることで、手続きが統合され、 事務負担の軽減・効率化にもつながります。 委任条例で審査される基準について、 自主条例の手続きを免除している事例 東京都福祉のまちづくり条例(抄) バリアフリー法の委任規定を別条例で制定 届出 第十八条 特定整備主は、第十四条第2項各号に掲げる事項について、 規則で定めるところにより、工事に着手する前に知事に届け出なければならない。 ただし、法令又は都の他の条例により、整備基準に適合させるための 措置と同等以上の措置を講ずることとなるよう定めている事項については、 この限りでない。 5ページ目 バリアフリー法に基づく条例の事例 自主条例からの法委任条例に移行した事例 鳥取県 平成8年に、県独自のバリアフリー基準を規定した条例を制定し、 床面積五百平方メートル未満の施設も含めて、建築物等の バリアフリー化の遵守義務を規定。 施設用途毎に、バリアフリー化する施設の床面積を規定。 病院零平方メートル以上、飲食店三百平方メートル以上等。 平成二十年に法に基づく条例として全部改正し、 特別特定建築物はバリアフリー基準への適合を義務化。 特別特定建築物の用途を追加 公立学校、高等学校、大学、 各種学校等、共同住宅等、スポーツ練習場他。 バリアフリー基準に独自基準を付加 ベビーチェア、音声誘導装置の設置義務化等。 適合義務対象床面積を引下げ 義務付け対象用途の追加及び規模の引下げを実施している事例 徳島県 全ての学校千平方メートル以上を義務付け対象に追加。 病院、診療所、保健所等を千平方メートルに引下げ。 用途に応じた基準を追加している事例 東京都 ホテル・旅館の義務付け対象規模を千平方メートル以上に引下げ、 一般客室のバリアフリー基準を追加。 共用部の基準 一般客室までの経路。 一般客室内の基準 客室出入口幅、便所及び浴室等の出入口幅、 階段又は段なし等。 二千平方メートル以上の共同住宅について、 道等から住戸までの経路(特定経路)のバリアフリー化を義務付け。 6ページ目 バリアフリー法に基づく条例の制定状況 令和三年十月時点では、二十自治体においてバリアフリー法に 基づく条例が制定されています。 バリアフリー法に基づく条例制定自治体 岩手県、山形県、埼玉県、東京都、神奈川県、長野県、石川県、 京都府、大阪府、兵庫県、鳥取県、徳島県、大分県、熊本県、 世田谷区、練馬区、横浜市、川崎市、高山市、京都市 床面積の合計五百平方メートル未満の建築物を 条例の対象としている自治体 埼玉県、東京都、大阪府、兵庫県、鳥取県、 世田谷区、練馬区、横浜市、川崎市 7ページ目 建築物のバリアフリーガイドライン 建築設計標準 通路や駐車場、トイレ、エレベーターなど建築物の個別施設ごとに、 法令に基づく基準、設計時の考え方・ポイント、標準的な整備内容や 実現方法、管理運営上の配慮事項等をガイドラインとしてまとめています。 行政や民間事業者において、施設の計画、設計段階、 管理運営時に広く活用されています。 掲載例 車椅子使用者用便房の例 便房のサイズや設置物を表示 写真 直径百八十センチメートル以上の円が 内接できるスペースを有する便房 大型ベッド付。 近年の改正概要 平成二十七年度 劇場・競技場等の客席、観覧席を有する施設 車椅子使用者用の客席、観覧席の基準整備 一般、その他客席、観覧席 音声、画像等による情報提供等。 平成三十年度 ホテル又は旅館 設置数基準の見直し(1室以上から1%以上へ) 一般客室のバリアフリー対応水準の見直し等。 令和2年度 小規模店舗、重度の障害、介助者等への配慮 小規模店舗 出入口に段差を設けない、 有効幅員八十センチメートル以上等。 重度の障害、介助者等への配慮 車椅子使用者用便房の大きさの見直し 車椅子使用者用駐車施設の必要な高さの見直し 8ページ目 小規模店舗等のバリアフリー改修への支援制度 事業名 バリアフリー環境整備促進事業 民間建築物への補助は、民間事業者への直接補助ではなく、 地方公共団体を通じた間接補助 地方公共団体による補助制度の創設が必要 バリアフリー法に基づく基本構想・条例等の策定、 小規模店舗をはじめとした既存建築ストックの バリアフリー改修工事等を支援し、 障害者等が安心して暮らせる環境の整備を図る。 交付対象事業者 地方公共団体、民間事業者、協議会等 交付率 三分の一を国費で支援 補助対象地域 1三大都市圏の既成市街地等 2人口5万人以上の市 3厚生労働省事業等の実施都市 4都市機能誘導区域の駅周辺 5バリアフリー基本構想、移動等円滑化促進方針、 バリアフリー法に基づく条例を策定した区域 支援概要 バリアフリー法に基づく条例、基本構想の策定への支援 既存建築物バリアフリー改修事業 対象建築物 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、 障害者等が利用する建築物 店舗等。 バリアフリー条例による規制対象の建築物。 補助対象 バリアフリー改修工事に要する費用 段差の解消 出入口、通路の幅の確保 車椅子使用者用トイレの設置 オストメイト設備を有するトイレの設置 乳幼児用設備の設置 ローカウンターの設置 車椅子使用者用駐車施設の設置 駐車場から店舗までの屋根設置 視覚障害者誘導用ブロックの設置 点字、音声等による案内板の設置  トイレ、客室へのフラッシュライトの設置 集団補聴設備の設置など。 トイレのバリアフリー化の写真 建物入り口のスロープの写真 車椅子使用者が利用できるローカウンターの写真 視覚障害者誘導用ブロック、点字による案内板の写真 集団補聴設備の写真 トイレへのフラッシュライトの写真 写真の出典 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 令和三年三月 9ページ目 バリアフリー基本構想の建築物特定事業の事例 基本構想により、建築物のバリアフリー化に面的に取り組んでいる事例 文京区 各地域における特定事業等の進捗状況 令和元年度までに実施し、完了した事業は百六十一件ありました。 また継続的な取組や、何らかの検討を始めた事業(実施中)と 合わせると四百五十七件となっています。 各事業で設定した実施時期を目指して事業が進むよう、 引き続き働きかけを行っていきます。 主な完了事業の紹介 重点整備地区において、令和元年度中に完了した主な特定事業を ご紹介します。 公共交通特定事業 東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅 トイレ 車椅子使用者に配慮した多機能トイレの改修 東京メトロ千代田線 根津駅 ホーム ホームドアの設置 都営地下鉄三田線 千石駅 券売機等 点字運賃表の位置の改善 東京メトロ丸の内線 茗荷谷駅 トイレ トイレの洋式化 建築物特定事業 千駄木交流館 トイレ 一般トイレの洋式トイレへの改修 小石川郵便局 案内設備 各窓口の対応業務などがわかる案内板の設置 小日向台町児童館 トイレ トイレの洋式化 文京区教育センター 案内設備 色や形に配慮した施設名表示の工夫 日本女子大学 目白キャンパス 上下移動 エレベーターの設置 トイレ 車椅子対応トイレの増設 目白台図書館 建物内通路 ジス規格に適合した視覚障害者誘導ブロックの設置 東京ドーム 上下移動 階段の段鼻の強調 屋外部 案内設備 屋外案内サインの整備 外国語対応、ピクトグラム その他設備 車椅子用観客席からの観覧しやすさの向上 道路特定事業 区道九百八十二号 整備 道路整備事業等にあわせた歩道のバリアフリー化 段差や勾配の改善、幅員構成の見直し、 視覚障害者誘導用ブロックの設置の推進 区道八百九十三号 整備 連続的な視覚障害者誘導用ブロックの設置及び ジス規格に適合したブロックへの更新 区道九百一号 整備 道路整備事業にあわせた歩道のバリアフリー化 段差や勾配の改善、幅員構成の見直し、 視覚障害者誘導用ブロックの設置の推進 都市公園特定事業 目白台運動公園 管理棟 階段の手すりの取替え 筆談用具及び耳マークの設置 小石川後楽園 案内設備 トイレへの音声案内設置 人的対応、心のバリアフリー 高齢者、障害者等に 配慮した案内(ソフト対策)の充実 パンフレットやウェブページ等 文京区ホームページより転載 以上です。