参考資料 資料8 国土交通省等における最近の主な取組 全五十五ページ 1ページ目  道路局における取り組み 2ページ目 道路の移動等円滑化に関するガイドラインの概要 令和4年3月二十九日公表 令和4年6月9日改定 令和6年1月十五日改定 第1部 道路の移動等円滑化に関するガイドラインの活用と基本的な考え方 1章 道路の移動等円滑化に関するガイドラインの活用にあたって 1点1 ガイドライン作成の背景 1点2 ガイドラインの位置づけ 1点3 対象施設等と対象者 2章 連携協力や当事者参加の考え方 2点1 道路計画の考え方 2点2 関係機関等との連携協力の考え方 2点3 心のバリアフリーの推進 2点4 当事者参加の考え方 2点5 バリアフリー整備の継続的な推進 関係機関、施設間の連携協力、当事者参加によるバリアフリーチェックの実施、 研修による障害の社会モデルの考え方の取得、接遇等について、事例を用いて記載  施設間の連携の写真  バリアフリーチェックシステムの写真  障害当事者(講師)との研修の写真 第2部 道路の構造及び旅客特定車両停留施設を利用した役務の提供 各整備箇所に関して、整備にあたっての考え方を示した上で整備内容を記載 ※主な内容や事例を抜粋して記載 1章 歩道等及び自転車歩行者専用道路等 歩道等の構造や整備事例について記載 歩道の高さを5センチとし波打ちを解消したイメージ図 2章 立体横断施設 エレベーターや傾斜路等の構造について記載 エレベーターの断面の例の図 3章 乗合自動車停留所 乗合自動車停留所の構造や整備事例について記載 バス正着の工夫の写真及び図 4章 路面電車停留場等 幅員や傾斜路等の乗降場の構造について記載 傾斜路の設置 富山電鉄 国際会議場前駅の写真 5章 自動車駐車場 障害者用の駐車、停車施設等について記載 障害者用駐車施設の構造例の図 6章 旅客特定車両停留施設 ハード 通路や乗降場、案内所等の構造について記載 相談発券窓口 バスタ新宿 の写真及び図 6章 旅客特定車両停留施設 ソフト  各施設、設備等の維持管理、管理者の教育訓練、体制の確保等について記載  筆談に対応する案内所 バスタ新宿 の写真 7章その他の施設等  案内標識や視覚障害者誘導用ブロック、休憩・照明施設、踏切道等について事例などを記載  視覚障害者誘導用ブロックの輝度比を確保した事例の写真 国土交通省HP https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001563.html 三ページ目 道路の移動等円滑化に関するガイドラインの主な改定概要 令和5年9,十月に実施した踏切道上の実証実験を踏まえ、踏切道付近の視覚障害者誘導用ブロックと 踏切道内誘導表示の設置方法や構造を規定する等、道路の移動等円滑化ガイドラインの改定を行う。 〇現行のガイドラインでの記載内容概要 第7章丸二 視覚障害者誘導用ブロック  踏切道での視覚障害者の誘導について整備内容を規定  踏切道内には、表面に凹凸のついた誘導表示等 歩道等に設置する視覚障害者誘導用ブロックとは 異なる形式とする を設けることが望ましい。 望ましい整備内容  誘導用ブロック等の設置図や事例を掲載 対策事例の図と写真  表面に凹凸のついた誘導表示等の構造は別途検討する。 第1章 歩道等及び自転車歩行者専用道路等  コラム 踏切道におけるバリアフリー対策の事例紹介  レールフランジの緩衝材の写真  ブロックによる歩車道分離の写真 〇改定したガイドラインでの記載内容概要 第7章丸六 踏切道 項目を新設し、踏切道関係の記載を集約  踏切道手前部の視覚障害者誘導用ブロックと踏切道内誘導表示の設置方法及び構造を規定  視覚障害者誘導用ブロック・踏切道内誘導表示の設置  踏切道内には、踏切道内誘導表示を設ける。 標準的な整備内容  踏切道付近の視覚障害者誘導用ブロックと踏切道内誘導表示の標準的な設置方法及び構造を規定。  標準的な設置方法及び構造の図参照 ※歩道等が無い又は有効幅員が狭い場合の踏切道での対策についてもコラムへ掲載。  歩行者通行空間の確保及び路面等  視覚障害者誘導用ブロックと遮断かんの間の路面はゴムチップ舗装とすることが望ましい。  踏切道内のカラー舗装及び車道外側線の設置等が望ましい。  車両への注意喚起看板等の設置が望ましい。 望ましい整備内容   ゴムチップ舗装の写真   カラー舗装の写真   踏切道内の車道外側線の写真   注意喚起看板の写真 実験結果概要  令和5年9月二十一日、十月3から5,十二日に実施した評価実験を紹介  コラム  音に関する実証実験結果の紹介  踏切道におけるバリアフリー対策の事例紹介 等 標準的な設置方法及び構造 1 標準的な設置方法等  踏切内誘導表示の構造の図  整備イメージの写真 2 幅員が狭い場合の標準的な設置方法等  踏切内誘導表示の構造の図  整備イメージの写真 四ページ目 中表紙 ソフト施策の取組状況 五ページ目 ソフト施策の取組状況 心のバリアフリーの推進 バリアフリー教室の開催  高齢者・障害者等のバリアの体験等を通じ、バリアフリーに対する国民の理解増進を図るとともに、 心のバリアフリーの普及を目指して、各運輸局等がバリアフリー教室を開催。  視覚障害者サポート体験の写真  車椅子サポート体験の写真  子供用車椅子の写真 交通事業者の接遇向上に向けた取組  ユニバーサルデザイン2020行動計画 平成二十九年2月二十日関係閣僚会議決定に基づき、 交通、観光分野における接遇の向上と職員研修の充実を図るため、平成三十年に接遇ガイドラインを策定。  また、認知症施策推進大綱 令和元年6月十八日関係閣僚会議決定に基づき、 接遇ガイドライン 認知症の人編 を、加えて、新型コロナウィルス感染症対策を踏まえた 接遇方法をとりまとめた接遇ガイドライン 追補版 を、令和3年に策定。  さらに、これらの接遇ガイドラインの内容を反映させるため、平成三十一年に策定された 接遇研修モデルプログラムの改訂版を令和4年に策定。 高齢者障害者等用施設等の適正利用推進やあり方の検討  高齢者障害者等用施設等 バリアフリートイレ、車椅子使用者用駐車施設等、旅客施設等のエレベーター、 車両等の優先席等 の適正な利用の推進に向け、ポスター等によるキャンペーンを実施。  機能分散推進や多様な利用者特性への対応など共生社会におけるトイレの 今後のあり方について検討を行い、令和3年にとりまとめ。  さらに適正利用推進やハード整備の方向性など車椅子使用者用駐車施設等のあり方について検討を行い、 令和4年度にとりまとめ。 これを踏まえつつ、車椅子使用者用駐車施設等の適正利用に関するガイドライン作成に係る検討を行い、 令和5年度にとりまとめ、ガイドラインを策定。 上記とりまとめの内容については、各種ガイドラインの改正等に反映。 公共交通機関等におけるベビーカー利用円滑化推進  公共交通機関等におけるベビーカーを一層利用しやすい環境の整備に向け、 ベビーカーの安全な使用と周囲の理解協力の普及啓発を図るため、 ポスター等による キャンペーンを実施。 教育啓発特定事業の円滑な実施に向けた取組  令和2年バリアフリー法改正により、児童や住民の心のバリアフリー理解促進等のために 市町村等が実施する事業として、教育啓発特定事業を創設。  そこで、同事業の円滑な実施に向け、具体的な取組内容や実施方法等を検討する際の 参考となるようなガイドラインを令和4年に作成、公表。  取組の想定例の写真 六ページ目 教育啓発特定事業とは 移動等円滑化に関する心のバリアフリーを推進するため、市町村又は施設設置管理者等  市町村等という。 が行う次のいずれかの事業で、市町村が作成する基本構想に位置づけて実施するもの。 基本構想に位置づけることにより、市町村等は特定事業計画を作成し、当該計画に基づいて事業を実施することとなる。 学校連携教育事業 イ号事業 文部科学省共管  移動等円滑化の促進に関する児童、生徒又は学生の理解を深めるために 学校と連携して行う教育活動の実施に関する事業  学校の場を活用した市町村等によるバリアフリー教室 障害当事者によるセミナーや 車椅子サポート体験、高齢者疑似体験等 の開催 旅客施設におけるバリアフリー教室の開催 等 ※学校の教育活動との調和や教職員への過大な業務負担の防止を図るため、 連携対象である学校と十分に事前に協議することが重要  小学生へのトイレ利用マナーに関するバリアフリー教室の写真  小学生による公共交通の利用疑似体験の写真 理解協力啓発事業 ロ号事業  移動等円滑化の促進に関する住民その他の関係者の理解の増進又は移動等円滑化の実施に関する これらの者の協力の確保のために必要な啓発活動の実施に関する事業  障害当事者を講師とした住民向けバリアフリー講習会やセミナーの開催  優先席や車椅子使用者用駐車施設の適正利用に関するポスターの掲示 等  市町村等によるユニバーサルマナーセミナーの写真  車椅子使用者用駐車施設等の適正利用啓発ポスター 七ページ 教育啓発特定事業の実施に関するガイドラインの概要  令和2年のバリアフリー法 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律 改正により、 面的、一体的なバリアフリー化を図るために市町村が作成する計画 バリアフリー基本構想 に基づき、 市町村や施設設置管理者等が実施する心のバリアフリーに関する事業である教育啓発特定事業が創設。  本ガイドラインは、市町村等の教育啓発特定事業の継続的、計画的かつ円滑な実施を促進するため、 具体的な進め方についての標準的な手法や望ましい実施方法等をマニュアルとして示すもの。  今後、本ガイドラインも参考としつつ、様々な取組が実施されることが期待される。 ガイドラインの構成 ガイドライン本編 教育啓発特定事業を実施する意義、計画的かつ継続的な実施の必要性、心のバリアフリーや 障害の社会モデルについて理解を得ることの重要性、障害当事者の参画の意義、 学校と連携して実施する場合のポイント等を掲載。 教育啓発特定事業 1 学校連携教育事業 児童等の理解を深めるために学校と連携して行う教育活動の実施に関する事業  例 学校の場を活用した市町村等によるバリアフリー教室 等 2 理解協力啓発事業 住民その他の関係者の理解の増進又はこれらの者の協力の確保のために必要な啓発活動の実施に関する事業  例 障害当事者を講師とした住民向けバリアフリー講習会やセミナーの開催 等 実施マニュアル 教育啓発特定事業としての実施が想定される代表的な4つの取組について、進め方、 企画におけるポイントと留意事項、具体的な実施方法、フィードバックのやり方等について、 実施事例等を紹介しつつ、標準的な手法や望ましい実施方法を提示。 バリアフリー教室編の写真 まち歩き点検等編の写真 シンポジウム・セミナー編の写真 適正利用等の広報啓発編の写真 八ページ目 車椅子使用者用駐車施設等の適正利用に関するガイドラインの概要  共生社会における移動環境確保のための基本的インフラの一つである、 車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設 車椅子使用者用駐車施設 に、 それを必要としない人が駐車すること等により、真に必要な人が利用できない場合があり、 その適正利用についての課題が指摘されている。  当該駐車施設の利用対象者に公的利用証を交付し適正利用を促す地方公共団体の取組  パーキング・パーミット制度 については、車椅子使用者の他、車椅子を使用しないものの移動に配慮が 必要な人 高齢者、妊産婦、けが人等 も広く対象とし、そのような人向けの優先駐車区画を設ける場合もあり、 利用区分の明確化や不適正利用の減少等によって、車椅子使用者等の利用環境改善に効果が認められる。  引き続き、地域の実情等に応じ、同制度の導入促進・普及啓発の他、以下の考え方を踏まえ、 地方公共団体、施設設置管理者等及び国民における理解の増進と協力の確保等により、適正利用を推進。  車椅子使用者用駐車施設に駐車する頻度 月に1回以上,半年に1回以上,年に1回以上八点五%の理由は、 急いでいたから、一般利用者用が空いていなかったから、出入口に近くて便利だから 車椅子使用者用駐車施設の利用対象者の明確化  車椅子使用者用駐車施設については、バリアフリー法令上、 車椅子使用者その他障害者等を除き、利用を控える等の適正配慮を規定。  不適正利用や利用集中等により車椅子使用者の円滑な利用環境が阻害されている場合等には、 地域の実情や施設の利用状況等に応じ、車椅子使用者用駐車施設の 利用対象者を車椅子使用者と明確化することが望ましい。  利用対象者を車椅子使用者と明確化している例の写真  通過に必要な最低幅 八十センチ の図 ・車椅子が転回 百八十度 可能な幅 百四十センチ の図 様々な駐車区画の確保・不適正利用対策の取組  多様な利用対象者の駐車区画の確保、限られた区画の効率的利用、不適正利用対策の取組等を引き続き推進。  機械式ゲートの設置による不適正利用対策の事例の図  3台分の区画を2台分の幅広い区画とする運用例の写真  狭小敷地等での車椅子使用者用駐車施設の確保、ダブルライン活用による 駐車場全体の緩やかなバリアフリー化のイメージ写真  多様な利用対象者向けの優先駐車区画の写真  敷地活用に制約がある場合等に、一般の駐車区画の隣に乗降スペースを設け、 一般の駐車区画においても車椅子使用者が乗降可能となる工夫の図  施設の入口近くの駐車区画数が僅かであること等から、車椅子使用者以外の障害者等を 車椅子使用者用駐車施設の利用対象者とする場合に、誤認等が無いよう、 利用対象者をピクトグラム等で分かりやすく明示している事例の写真 利用対象者の明確な区分とその考え方  車椅子使用者以外の障害者等については、広い幅員を必ずしも必要としないものの 駐車区画の位置等に関し、移動に配慮が必要な人もいることから、地域の実情や施設の利用状況等に応じ、 そのような人への駐車区画を設置、運用する場合には、バリアフリー法令に位置づけられている 車椅子使用者用駐車施設とは別に優先駐車区画として位置づけることが望まれる。  複数種類の駐車区画を運用する場合のイメージの図  地方公共団体の利用証の例の写真 九ページ 高齢者障害者等用施設等の適正利用推進キャンペーンについて キャンペーン概要  改正された高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律  バリアフリー法 では、高齢者障害者等用施設等  バリアフリートイレ、車椅子使用者用駐車施設等、旅客施設等のエレベーター、 車両等の優先席等 の適正な利用の推進 が、 国、地方公共団体、施設設置管理者等、国民の責務として規定され、令和3年4月1日から施行。  本施行を踏まえ、高齢者障害者等用施設等の適正な利用の推進のためキャンペーンを実施し、 障害の社会モデルの考え方を普及させ、心のバリアフリーを推進。  キャンペーンポスター バリアフリートイレ、車椅子使用者用駐車施設等、 旅客施設等のエレベーター、車両等の優先席 令和5年度実績  実施期間 令和5年十二月3日から令和6年1月8日  十二月3日から十二月9日 障害者週間  キャンペーンは令和3年度より実施  協力団体、機関等におけるポスター掲示等による周知 公共交通事業者等、都市公園、 ショッピングセンター、高速道路会社、百貨店、地方公共団体等 など  SNSを活用したキャンペーン実施の周知 国土交通省公式X 旧ツイッター  トイレマナー講習会の実施 地方運輸局主催のバリアフリー教室の1コマ  各地方局等の取組  庁舎内におけるポスター掲示  チラシの配布  バリアフリー教室でバリアフリートイレの適正利用に関する講習会の実施 十ページ目 公共交通機関におけるベビーカーの使用がしやすい環境づくりの取組 ベビーカー利用キャンペーン キャンペーン概要 ベビーカーマーク ベビーカー使用者が安心して利用できる場所や設備 エレベーター、鉄道や車両スペース等 を表示。 ベビーカーマークは平成二十七年5月に JIS 化。 ベビーカーマークのあるスペースについて一般利用者の配慮を呼びかけ。 国土交通省では、平成二十六年より毎年5月頃、ベビーカーキャンペーンとして、 ベビーカー利用にあたってのお願い とベビーカーマークを広く周知・浸透させる取組を実施。 令和5年度実施概要 ベビーカーキャンペーンの実施 駅や鉄道、バス車両、商業施設などにおいて、ポスターやチラシ、デジタルサイネージ等により周知。 ここから表 駅、車両等 ポスター約三万八千七百枚  チラシ配布約二万六千六百枚 建築物 ポスター約千三百枚 チラシ配布約八千七百枚 ※その他、アナウンスを実施するなど事業者独自の取り組みを実施。 表 終わり  国土交通省公式X 旧ツイッター への掲載  ポスターやチラシ、デジタルサイネージ等により周知  国土交通省ホームぺージ等においてベビーカーマーク及びキャンペーンの実施の周知  地方運輸局等が実施するバリアフリー教室におけるベビーカー利用及びベビーカーマークの普及、啓発 等 百六十二ページ 公共交通機関における子ども用車椅子の取扱いについて  子ども用車椅子 バギー型車椅子 の特徴 姿勢を保てない等の子どもが、背もたれの角度を変えられたり、姿勢を固定できたりする バギー型の車椅子を利用。 ベビーカーと間違えられ、必要な介助が受けられない場合があるため、配慮することが重要。 ベビーカーを子ども用車椅子と同じ目的で使用している場合もある。  折りたためない 車椅子であり、座る姿勢が取れないなどの身体的特徴から、車体を折りたたむことは容易ではない。  重量がある 車椅子自体の重量に加え、医療機器を搭載している場合もある。 車体を持ち上げて大きな段差などを超えることは非常に困難。 子ども用車椅子マークを付けた利用者あり 認知度向上に向けた各種取組 公共交通事業者等への周知 公共交通事業者への周知を行うとともに、駅や鉄道・バス車両、商業施設などにポスターを掲出。 子ども用車椅子マーク 子ども用車椅子だと判別しやすいように、団体等にて独自にマークを作成。 子ども用車椅子マークの一例の写真 十二ページ目 中表紙 公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する取組 文部科学省 十三ページ目 公立小中学校等施設におけるバリアフリー化の加速について 令和2年5月のバリアフリー法の改正により、既存公立小中学校等 施設のバリアフリー化が努力義務化されたことを踏まえ、 文部科学省では、令和7年度末までの整備目標を設定し、取組の加速を要請。 学校設置者は、関係部局との連携を図りながら整備計画を策定し、計画的な取組を加速することが必要。 具体的には、要配慮児童生徒の入学予定情報等を早めに収集しつつ、 あらゆる機会を捉えて学校施設のバリアフリー化を図るとともに、 長寿命化改修等の大規模改修時には、施設全体のバリアフリー化を進めることが重要。 文部科学省では、令和3年度から、バリアフリー化のための改修事業について 国庫補助率を三分の一から二分の一に引き上げ。 バリアフリー化率の現状と、令和7年度末までの国の目標 学校施設のバリアフリー化に関する計画等がある地方自治体は二十五パーセントに留まる。 ここから表 バリアフリートイレ 校舎 令和2年度六十五点二% 令和4年度七十点四% 令和7年度末までの目標避難所に指定されている全ての学校※に整備する ※令和4年度調査時点で総学校数の約九十三%の校舎、約九十八%の屋内運動場に相当  バリアフリートイレ 屋内運動場 令和2年度三十六点九% 令和4年度四十一点九%  令和7年度末までの目標避難所に指定されている全ての学校※に整備する ※令和4年度調査時点で総学校数の約九十三%の校舎、約九十八%の屋内運動場に相当  スロープ等による段差解消 門から建物の前まで 校舎 令和2年度七十八点五% 令和4年度八十二点二% 令和7年度末までの目標 全ての学校に整備する スロープ等による段差解消 門から建物の前まで 屋内運動場  令和2年度七十四点四% 令和4年度七十七点九% 令和7年度末までの目標 全ての学校に整備する スロープ等による段差解消 昇降口・玄関等から教室等まで 校舎 令和2年度五十七点三% 令和4年度六十一点一% 令和7年度末までの目標 全ての学校に整備する スロープ等による段差解消 昇降口・玄関等から教室等まで 屋内運動場 令和2年度五十七% 令和4年度六十二点一% 令和7年度末までの目標 全ての学校に整備する エレベーター 1階建ての建物のみ保有する学校を含む 校舎 令和2年度二十七点一% 令和4年度二十九% 令和7年度末までの目標要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校※に整備する ※令和4年度調査時点で総学校数の約四十一%の校舎、約七十六%の屋内運動場に相当 エレベーター 1階建ての建物のみ保有する学校を含む 屋内運動場 令和2年度六十五点九% 令和4年度七十点五%  令和7年度末までの目標要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校※に整備する ※令和4年度調査時点で総学校数の約四十一%の校舎、約七十六%の屋内運動場に相当  表 終わり  〇バリアフリー化工事の国庫補助算定割合引き上げ ※地方負担分について、九十%まで地方債を充当可能。そのうち六十六点七%が交付税措置される。  ここからグラフ 国庫補助 五十% 地方負担 地方債の充当 地方負担の九十% うち財源対策債十五%、 学校教育施設等整備事業債七十五%、実質地方負担二十% (グラフ 終わり) 十四ページ 公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する国の更なる取組について ・令和4年十二月、学校施設のバリアフリー化に関する実態調査の結果を公表するとともに、 各学校設置者に対し、改めて取組の一層の推進を要請。 ・文部科学省ウェブサイト中に学校施設のバリアフリー化の推進の特設ページを開設。 特設ページでは以下の内容を公表 学校施設のバリアフリー化の検討や実施のほか 機運醸成等のためにご活用ください。 ・バリアフリー化に関する調査研究・事例集 ・整備目標・実態調査 ・これまでの通知・事務連絡等 ・国庫補助制度 ・広報資料 ポスター、チラシ ・相談窓口 掲載URL https://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/seibi/mext_00003.html また、整備計画の策定状況やバリアフリー化の状況のフォローアップを継続的に実施する予定。 既存施設を含めた学校施設のバリアフリー化が着実かつ迅速に進められるよう、積極的な取組にご協力をお願いします。 十五ページ目 中表紙 交流及び共同学習オンラインフォーラム 文部科学省 十六ページ 交流及び共同学習オンラインフォーラム 交流及び共同学習の充実のため、各自治体における取組の参考となる優れた実践事例を動画で各20分程度紹介。 動画で紹介している取組実践例 静岡県 外部機関と連携した交流及び共同学習 福井県 ICTを活用した全県的な交流及び共同学習 仙台市 障害当事者との組織的な交流及び共同学習 南箕輪村 長野県 副次的な籍を活用した交流及び共同学習 国土交通省 バリアフリー教室の取組 交流及び共同学習とは 障害のある子供と障害のない子供が、共に経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を育むとともに、 お互いを尊重し合う大切さを学ぶ教育活動。障害者基本法第十六条においても積極的に進めることとされている。 ※小学校学習指導要領 他の小学校や、幼稚園、認定こども園、保育所、中学校、高等学校、特別支援学校などとの間の連携や 交流を図るとともに、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け, 共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むようにすること。 ※ 令和二年十一月実施。取組はこちらをご参照ください。 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/1413898_00001.htm 十七ページ 心のバリアフリーノート 文部科学省 十八ページ 心のバリアフリーノート 経緯 ・平成二十九年2月、ユニバーサルデザイン2020 行動計画 関係閣僚会議 が取りまとめられ、 次期学習指導要領の全面実施に先行して、すべての子ども達に心のバリアフリーに関する理解を深めるため、 自分ごととして受け止め、活きて働く知識や経験とするための心のバリアフリーノート 仮  の作成を検討することについて明記。 ・平成三十年十一月、文部科学省に学校関係者や障害者関係団体、 有識者等で構成する作成検討会を設置。 ・平成三十一年3月、作成検討会において内容及び構成の方向性についてとりまとめ。 ・令和元年十一月、心のバリアフリーノートを作成・公表。 〇内容・構成 ・様々な心身の特性や考え方をもつ人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、 学び合い、支え合い、育ち合う関係を形成していくことを目的に、児童生徒用 小学生用、中高生用、 及び教師用指導上の留意点 小学生用、中高生用 を作成。 ・バリアフリーに関する基本的な理解、バリアフリーについて考える学習、バリアフリーについて行動する学習  で構成した児童生徒の書き込み用教材。 十九ページ 中表紙 各運輸局、地域分科会の最近の主な取組 171ページ 北海道運輸局の主な取組 1 北海道開発局との共催によるバリアフリー教室の実施 北海道開発局と共催で内部職員向けのバリアフリー教室を開催し、バリアフリープロモーターである、 北星学園大学の鈴木克典教授にバリアフリーの現状と今後の方向性についてご講演いただいた。 開催日 令和5年十二月1日 金曜日 主催 北海道運輸局 北海道開発局 後援 北海道 参加者 北海道運輸局及び北海道開発局職員 三十九名 実施概要 バリアフリーの現状と今後の方向性  バリアフリー法について  バリアフリーとユニバーサルデザインについて  バリアフリー・ユニバーサルデザイン実践例  主な感想  障害者差別解消法における合理的配慮がユニバーサルデザインにつながり、 不明瞭と感じていた合理的配慮を ユニバーサルデザイン7つの原則に当てはめると、少し明確化された感じがあり感銘を受けました。  具体的な例 特定の建物や乗り物 をもとに、これまでどのような変革、歴史があり、 時点におけるユーザーの広がりや、利便性の向上が図られてきたのかを知ってみたくなった。 どういった視点に着目することが大事だったのか等  公共事業として整備を進める場合、現行の規格・基準等を準拠する必要があり、 求められる機能をより良く達成するためにはPDCA、OODAを円滑に進める事が重要であることを改めて感じた。 二十一ページ 北海道運輸局の主な取組 2 札幌市営地下鉄福住駅におけるバリアフリー教室の実施 札幌国際大学の学生、先生を対象に札幌市営地下鉄福住駅でバリアフリー教室を開催し、 視覚障がい者、高齢者の疑似・介助体験と車いす体験、介助体験を行った。 開催日 令和6年1月二十六日金曜日 主催 北海道運輸局 共催 札幌市交通局 後援 北海道 協力 NPO法人 手と手 参加者 札幌国際大学 学生3名、先生1名 実施概要  視覚障がい者疑似・介助体験  高齢者疑似・介助体験  車いす体験、介助体験 主な感想  車いす、視覚障がい、高齢者の疑似体験をすることにより、地下鉄などの実際の公共施設を 多様な方々が利用していることを体感しました。 今回、ハード面とソフト面の視点が重要であることを学び貴重な機会となりました。  私のイメージでは体育館やコミュニティセンターなどでやるイメージでした。 ですがそれはあまり実用的ではないと思っていましたが、今回実際に使われている 地下鉄でのバリアフリー教室はとても実践的でよかったです。  とてもいい体験でした。もっとみんなにも体験してもらいたいと思います。  視覚障がい者疑似・介助体験の写真  車いす体験、介助体験の写真  高齢者疑似・介助体験の写真 二十二ページ 東北分科会 バリアフリー教室の開催 主なもの 高齢者疑似体験・視覚障害者疑似体験 開催概要 実施日 令和5年4月二十八日金曜日 場所 仙台医療福祉専門学校 参加者 仙台医療福祉専門学校介護福祉学科1学年 二十八名 主催 東北運輸局 参加者の感想 高齢者疑似体験  高齢者の方の身体の動かしにくさを体感し少しでも高齢者の方のサポートをしたいと思った。  手足を上手く動かすことができずもどかしかった。 また、車椅子のスピードが速いと感じたため自分が車椅子を押す時には、気をつけようと思った。  視覚障害者疑似体験  普段は目の見える状態で生活しているが、目隠しをして白杖を使用して歩いてみると、 怖くて思うように歩けなかったため、介助者側の声がけが大切だと気づいた。  普段は、点字ブロックを意識したことがなかったが、 自分が当事者だと考えるとかかせない物だと認識させられた。   車椅子に関する講話、高齢者疑似体験 開催概要 実施日 令和5年6月二十二日木曜日 場所 仙台市立住吉台小学校 参加者 仙台市立住吉台小学校小学4年生 五十一名 主催 東北運輸局 参加者の感想 車椅子に関する講話   車椅子での生活の大変さや困りごとを知ることができたので、 車椅子で困っている人を見かけたら助けてあげたいと思った。   車椅子の生活等についてお話いただいたのがとても勉強になった。 高齢者疑似体験  体験用具を装着すると目の見えづらさや耳の聞こえづらさがよく分かり、 高齢者の方の生活の大変さが分かった。  体が重かったり、目が見えにくかったりしている中で動けている高齢者の方々がすごいと思ったし、 困っていたら助けてあげたいと思った。 講話、意見交換、車椅子を利用したタクシーの乗降車体験 開催概要 実施日 令和5年7月十八日火曜日 場 所 東北運輸局 参加者 宮城県内タクシー乗務員十四名 主催 東北運輸局、宮城県タクシー協会 協力 公益財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センター、社会福祉法人仙台市社会福祉協議会 参加者の感想  逆の立場になってみて分かったことが多くあった。 今回の体験を活かして全ての利用者が安心して利用できるよう努めたい。  普段患者さんをタクシーに乗せているが、実際に自分が目の見えない状態で体験してみて、 歩き方や足の上げ方等、タクシーの形状が分からない中で行うのは、大変だと感じた。 二十三ページ 東北分科会  バリアフリー教室の開催 主なもの 車椅子に関する講話、車椅子体験、ボッチャ体験 開催概要 実施日 令和5年9月十三日水曜日 場所 楽天モバイルパーク宮城 参加者 仙台市立原町小学校小学4年生 百一名 主催 東北運輸局、東北地方整備局 協力 株式会社楽天野球団、社会福祉法人仙台市社会福祉協議会、NPO法人仙台バリアフリーツアーセンター 参加者の感想  車椅子での移動が大変なことが分かった。ボッチャ体験でもボールの位置を調整するのが難しかった。  ボッチャ体験では、ボールを投げる位置の調整や投げ方にも工夫が必要で難しかった。 今回は貴重な体験をさせてもらえて良かった。 視覚障害者疑似体験 開催概要 実施日 令和5年9月二十三日土曜日 場 所 勾当台公園いこいのゾーン 交通フェスタ2023 に疑似体験コーナーを設置 参加者 会場来場者 体験者 約二百九十名 主 催 仙台市、仙台市交通局 参加者の感想  歩くのが不安だった。やってみて初めて知ることができた。  点字ブロックの大切さが分かった。勉強になった。  目の不自由な方を助けてあげることが大事だと思った。 講話 開催概要 実施日 令和5年十月二十七日金曜日 場 所 NPO法人宮城県患者、家族団体連絡協議会 参加者 難病患者、家族、支援者、難病に関心のある方 等 主催 NPO法人宮城県患者、家族団体連絡協議会、仙台市難病サポートセンター、 宮城県難病相談支援センター 内容 交流会 サロンひだまり  東北運輸局からのミニ講話  参加者同士の情報交換 等 交流会に参加して 難病のある方やそのご家族との情報交換では、参加者の方から、 鉄道など公共交通を利用中の急な体調悪化が不安。 外から見ただけでは難病があることが分からないため、その場に座り込んで苦しんでいても 誰も声をかけてくれなかった時もあったというお話しがありました。 そのような状況にある人を見かけたときに声をかけられるよう、 心のバリアフリーの理解促進の必要性を強く感じました。 外出先でも手伝ってくれる人がいる、という安心感を持てるような社会を目指して、 心のバリアフリーへの取り組みを東北運輸局としても引き続き進めて参ります。 二十四ページ 関東運輸局 タクシー運転手への盲導犬ユーザー模擬接客研修 概要  公益財団法人東京タクシーセンターは、タクシー運転者の資質・接遇向上を目的として、二千十四年からユニバーサルドライバー研修を実施している。  令和5年度からは新たな取り組みとして、公益財団法人日本盲導犬協会と連携して視覚障がい当事者を講師として招き、 盲導犬ユーザーの視点やニーズ、接客のポイントについてUDタクシーを使用し、模擬接客の演習を行っている。  導入の背景としては、盲導犬ユーザーの乗車を拒絶する申告があったことから、 誰もが安全・安心してタクシーを利用出来るユニバーサルな社会の実現に向け取り組むべく、今般導入するに至った。  研修生は、座学とUDタクシーでの実車演習にて接遇の知識や理解を深めている。 実施内容 名称 自主ユニバーサルドライバー研修 実施日 令和5年7月二十五日火曜日、十月三十一日火曜日、十二月二十六日火曜日、 令和6年2月十四日水曜日 計4回 主催、開催場所 公益財団法人東京タクシーセンター 東京都江東区 協力 公益財団法人日本盲導犬協会 研修内容  タクシーとユニバーサル社会  お客様の理解と接遇、介助の留意点  身体障害者補助犬法、障害者差別解消法等について  車いす・電動車いすの取り扱い方と乗車、降車演習  盲導犬ユーザーの模擬接客演習 ※研修生からの感想例  実際にユーザーの方と研修が出来、より実践的でした。実技の時間を長くして、料金の受け取り等もやってみたかった。 二十五ページ  関東運輸局 鉄道駅の現地調査について 概要  当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する中間的な整理案について、 最終とりまとめに向けた参考の意見をいただくため、鉄道駅の現地調査を開催した。  実施に当たっては、様々な障害特性の方のご意見を反映できるよう留意して参加者を決定。  各参加者からは、好事例として評価出来る点や、気になる点についてご指摘があった。 実施内容 実施日 令和5年十二月1日金曜日 実施場所 東急電鉄株式会社 大岡山駅 目黒線、大井町線 参加者 学識経験者 中央大学 秋山教授、高崎経済大学 長野准教授 関東分科会委員より、障害当事者もしくは知見をお持ちの方 視覚、聴覚、知的、肢体不自由 調査対象施設、経路 券売機、触知案内板、有人改札、無人改札、案内表示、 サイン、トイレ、エレベーター、エスカレーター、階段、ホーム 二十六ページ 好事例 改札口の写真 拡幅改札口があり、車いす利用者等が有人窓口で順番待ちをしなくて済む 券売機の写真 ICカードに十円単位でチャージできる 階段の写真 手すりに文字と点字で行先表示がある 改札口の写真 シースルー改札は、外から室内の様子を確認できる トイレの写真 バリアフリートイレが2か所男女別にある ホームの写真1 ホームドアの点字で乗車位置を確認できる。ホームから落ちないで済む ホームの写真2 待合室があり、体温調節ができない障害者にとっても助かる 改札口の写真 シースルー改札は、外から室内の様子を確認できる エレベーターの写真 かご内が広く、車いす2台やストレッチャーでの利用ができる ソフト面の好事例 車いすでの乗車時、駅員さんにスロープを設置していただいたが、 すべて同行者ではなく本人に話しかけていただいた 車いす利用者等のご案内時、ホームドアのQRコードとアプリを活用して駅員間 乗車駅、降車駅 の良い連携ができている Webサイトの駅情報で、駅の外観、改札口の写真が掲載されていて、駅のイメージを把握しやすかった 二十七ページ 関東運輸局 視覚障がい当事者参画のバリアフリー教室実施について 国土交通省が所管する業務の大半においてバリアフリー施策は大きく関係しているが、 それら業務に携わる職員の中には、バリアフリーに対する意識の低さを感じられる者も多い。 また、障害者差別解消法では行政機関は不当な差別的取扱いの禁止及び合理的配慮の提供については 義務として強く求められている。 このような背景を踏まえて、以前より職員向けバリアフリー教室を開催している。 今般は初の試みとして、障がい当事者を招いて講話をいただき、課題に基づいたグループディスカッション、 障がい当事者本人の移動を誘導するといった体験ができるバリアフリー教室を開催した。 開催概要 日時 令和6年2月十四日水曜日 十五時から十七時 場所 横浜第二合同庁舎 参加者 関東運輸局職員、独立行政法人 自動車事故対策機構職員 計二十三名 協力 特定非営利活動法人神奈川県視覚障害者情報雇用福祉ネットワーク、横浜市交通局 プログラム オリエンテーション 視覚障がい当事者の方よりご講話  障害者差別解消法で考える「社会モデル」について  グループディスカッション 視覚障がい者誘導体験  視覚障がい当事者の方を申請窓口へ誘導する体験 車いす体験  ノンステップバスの機能説明  ノンステップバス車内での車いす体験 まとめ 参加者より感想  障がいの種類によって合理的配慮も変わってくると思うので、様々な方の講話を聞いてみたい。  今回は実際に障がい当事者の講話があり、誘導方法等を説明いただき、接し方や対応方法への理解がより一層深まった。  講師の方から直接お話を聞けたことが障がいの新たな考え方として勉強になった。  当事者の体験談や日常生活、社会生活に対する要望を聞く事は初めての経験で、気づかされる事が多かったので、他の障がい当事者の話も聞いてみたいと感じた。  障がい者にとっての障壁が社会モデルとなった今、その障壁をなくすために日頃から行動する必要があると感じた。 二十八ページ 北陸信越運輸局 バリアフリー教室 万代シテイバスまつり2023 日時 令和5年9月十日日曜日 十時から十五時三十分 場所 万代シテイ通り 新潟市 バリアフリー体験参加者 二十名 内訳 車いす体験十五名、高齢者疑似体験五名 実施概要 万代シテイバスまつり2023でバリアフリー教室を開催しました。 バリアフリー体験ではノンステップバスに車椅子で乗降車する体験と特殊な重りや装具を着けてバスに乗降車する高齢者疑似体験を実施しました。 それらの体験を通じ、障害等の有無にかかわらずお互いに支え合うことの大切さを発信しました。 また、バリアフリー教室に来場した人を対象に心のバリアフリーに関するアンケートを実施しました。 バリアフリー体験の写真 乗務員が車椅子の乗降車をサポート。車椅子を固定し、運行時の安全を確保。 バス停から通路までのわずかな段差も乗り越えるのに一苦労。周りのサポートが重要。 参加者の声 高齢者体験キットを着けてバスに乗車 少し動くだけでもつかれる、いつもより足が曲がらないだけで、動作が大変なことに気づいた 二十九ページ 北陸信越運輸局 バリアフリー教室 万代シテイバスまつり2023 設問1 心のバリアフリーという言葉を知っていますか。 回答数 九十三  全年齢 知っている三十九%、聞いたことはあるがよく知らない三十五%、全く知らない二十六%  年代別 六十代 知っている五十%、聞いたことはあるがよく知らない五十%、全く知らない0% 五十代 知っている三十三%、聞いたことはあるがよく知らない四十二%、全く知らない二十五% 四十代 知っている三十九%、聞いたことはあるがよく知らない四十二%、全く知らない十九% 三十代 知っている四十二%、聞いたことはあるがよく知らない二十九%、全く知らない二十九% 二十代 知っている六十%、聞いたことはあるがよく知らない四十%、全く知らない0% 十代以下 全く知らない百% 設問2 日頃から高齢者、障害者、妊婦、ベビーカーユーザー、子ども連れ等が困っているのを見かけたら 声かけや手助けをしますか。 回答数 九十四 全年齢 する三十一%、ときどきする五十二%、していない十一%、困っている様子を見たことがない六% 年代別 六十代 する六十%、ときどきする二十%、していない二十%、困っている様子を見たことがない二十% 五十代 する四十二%、ときどきする四十二%、していない八%、困っている様子を見たことがない八% 四十代 する二十八%、ときどきする五十八%、していない十一%、困っている様子を見たことがない三% 三十代 する二十六%、ときどきする五十五%、していない十%、困っている様子を見たことがない十% 二十代 する二十%、ときどきする八十%、していない零%、困っている様子を見たことがない零% 十代以下 する四十%、ときどきする二十%、していない二十%、困っている様子を見たことがない二十% 三十ページ 北陸信越運輸局 バリアフリー教室 万代シテイバスまつり2023 設問3 高齢者、障害者、妊婦、ベビーカーユーザー、子ども連れ等の立場を理解して 行動できるような人を増やすためには、どうすればよいと思いますか 複数回答可  全年齢 当事者との交流で理解を深めるような機会を設ける 三十九 メディア 政府広報、TV、web、広告等 での啓発 五十四 学校等での教育 六十二 特に増やす必要は感じない 1 わからない 3 その他 7 その他の主な意見 三十代 学校と保護者との勉強、経験 手助けが必要かわからない、かえって迷惑になりそう 四十代 介助している時に周りの人がじろじろ見ないような社会にする。 当事者が困っている様子を見せない、当事者が助けを求めるのも大事 五十代 お手本となる人が実践する姿を見せ、その風景が一般化すると良い バスの運転士のアナウンスを活用する 三十一ページ 北陸信越運輸局 安心してタクシーが利用できる社会を目指して 1 UDタクシー等の乗車体験会 日時 令和5年十月2日月曜日 十三時三十五分から十四時二十分 場所 長野市若里多目的スポーツアリーナ ビッグハット前 長野県長野市 主催 北陸信越運輸局 一般社団法人長野県タクシー協会 協力 社会福祉法人長野市身体障害者福祉協会、長野市視覚障害者福祉協会、長野市聴覚障害者協会 乗車体験参加者 8名 実施概要 ジャパンタクシー UDタクシー、シエンタ 福祉タクシー、コンフォート セダン型の 3種類の形状の異なるタクシー車両を用いて、 乗務員による車椅子スロープの設置と格納 シエンタのみ、乗降時の介助、 乗務員とのコミュニケーションといった乗車時の一連の流れを、視覚障害者、 盲導犬ユーザー、白杖ユーザー、車椅子利用者 手動車椅子ユーザー、 電動車椅子ユーザー、聴覚障害者、身体障害者、肢体不自由の計8名の方々に体験いただきました。 ※実車走行はおこなっておりません。 体験者の声  介助を受けるのは初めての経験だったが、シートベルトの装着など乗務員のケアがあり、安心して乗れた。 肢体不自由  段差があることを伝えてくれるのはありがたいが、上りなのか下りなのかを言ってもらえると分かりやすい。  スライドドアかどうか、手すりの場所も教えてもらえるとありがたい。 白杖ユーザー  スライドドアの場合に乗るときの立ち位置が異なることについて声をかけてくれるのはよかった。 肢体不自由  ジャパンタクシーはスロープ設置に時間がかかるのでシエンタのように簡単に設置できると、 乗務員としても負担が少なくて済むのではないか。 電動車椅子ユーザー 三十二ページ 北陸信越運輸局 安心してタクシーが利用できる社会を目指して 2 障害当事者とタクシー乗務員等の意見交換会 日時 令和5年十月2日月曜日 十四時三十五分から十五時五十分 場所 長野市若里市民文化ホール会議室 長野県長野市 参加者 乗車体験参加者、長野市内のタクシー関係者などパネリスト十三名、聴講者約二十名 主催 北陸信越運輸局、一般社団法人長野県タクシー協会 協力 社会福祉法人長野市身体障害者福祉協会、長野市視覚障害者福祉協会、長野市聴覚障害者協会 実施概要 障害をはじめとする様々な特性を理解し、多様なニーズに応え、全ての利用者が快適で安心して タクシーをご利用いただけるための課題を探るとともに、サービス提供者とタクシー利用者双方が 信頼関係や価値を高めることを目的に意見交換を行いました。 コーディネーターに、移動等円滑化評価会議北陸信越分科会長 中村美香 氏を迎え、 障害当事者8名とタクシー経営者2名とタクシー乗務員3名の計十三名により、 誰もが快適で利用しやすいタクシーを目指して、熱心にご議論いただきました。 パネリストの主な発言等 車椅子利用者  飲みに行った帰りのように、利用時間が事前に分からない場合でも予約なしにスムーズに対応してもらえるようにしてほしい。  車椅子の場合など、パッと見で障害があるのが分かると拒否されることは珍しくない。 駅なのに運転手に外れくじを引いたような顔をされたり、車椅子は自車に乗らないからと断られたりもする。  大型の電動車椅子で、スロープの耐荷重を超過する、幅が足りないといった事情で乗れない場合でも、 どうすれば乗れるようになるのか考えてくれることが、この先に繋がる。 聴覚障害者  筆談では時間がかかるため、音声アプリを活用したコミュニケーションが取れるとよい。 視覚障害者 盲導犬が乗り込んだ向きで降りられるように左側ドアから乗ったら右側ドアから降りられるよう配慮してもらえるとありがたい。 盲導犬をケージやトランクに入れろと言われたり、明らかに順番が来ているのに乗せてくれず、 誰か乗せてやってくれと後ろの運転手に聞きに行かれたりする。 以前、知人が○○駅だと言われて降ろされた場所が○○駅ではなかった。 また、降ろす場所については駅の入口など利用者が納得できる場所で降ろして欲しい。 ※障害当事者が日頃感じているエピソードをコーディネーターに引き出していただき、そのエピソードを聞いた タクシー関係者の方々からは 普段、障害当事者を乗せていても胸の内を言ってもらう機会が無く、 自分が思っている固定概念もあったが、今回ストレートに意見を言ってもらえてよかった。 社内には障害当事者を乗せた経験がないドライバーも多いので、今日の経験を共有して同じようなレベルの サービスを提供していけるようにしたい といった発言がありました。 聴講者からの主な意見等  スライドドア一つ取ってもバリアとなることが分かった。  タクシー事業者として、現在も乗車拒否があることに驚くとともに、恥ずかしく思う。社内教育を強力に進めていく必要がある。  障害の有無だけでなく、お客様ごとに適切な対応が出来るよう取り組んでいきたい。  ジャパンタクシーの準備に時間がかかるためドライバーの負担軽減のためにも改善を、 と障害当事者側からもドライバーに配慮した発言をしていただいたことが印象に残った。 三十三ページ 北陸信越運輸局 バリアフリー教室  カーフリーデー2023 in金沢 日時 令和5年十月8日日曜日 十時から十五時まで 場所 金沢市役所庁舎前広場 主催 金沢市、金沢市交通まちづくり協議会 協力 北陸信越運輸局石川運輸支局 参加者 約二千名 イベント来場者 都市の中心部でマイカーを使わない日を設け、交通や環境、都市生活と車の使い方について、 市民が考える機会を提供する社会啓発活動 カーフリーデー2023in金沢が金沢市で開かれました。 会場である金沢市役所庁舎前広場では交通事業者や大学など様々な機関による展示や体験等が実施されました。 石川県内に1台しかないエレベーターバスや、ユニバーサルデザインタクシーであるジャパンタクシーを用いた乗車体験では、 車椅子のまま乗車できることに「すごく便利」「こういう車がもっと増えてほしい」といった声が上がっていました。 乗車体験の実施にあたっては、交通事業者と協力し、体験者やそのご家族等に車椅子の乗降時の注意点や、 スロープ昇降時など操作時におけるコミュニケーションの重要性等を説明しました。 石川運輸支局もブース出展をおこない、公益社団法人石川県バス協会と連携し、バスの利用促進に関する PR活動をおこなったほか、高齢者障害者等施設などの適正利用に関するポスターの展示やバリアフリーハンドブックの 配布をとおして心のバリアフリーに関する周知・啓発を行いました。 ブースには公共交通利用促進キャラクターのりたろうも駆けつけ、多くの親子連れが記念撮影をするなど大盛況で、 用意していたバリアフリーハンドブックも午前中でなくなってしまうほど多くの方に関心を持っていただきました。 三十四ページ 北陸信越運輸局 バリアフリー教室 富山短期大学 幼児教育学科 日時 令和5年十一月三十日木曜日 九時十分から十二時二十分 場所 学校法人 富山国際学園 富山短期大学 キャンパス内 主催 北陸信越運輸局 協力 富山地方鉄道株式会社、富山交通株式会社 対象者 富山短期大学幼児教育学科生七十八名 実施概要 富山短期大学幼児教育学科の学生を対象に、バリアフリーについての理解を深めるとともに ボランティア意識を高めていただき、誰もが当日は手や足に重りを着けたり、目が見えづらくなるゴーグルを 着用した高齢者擬似体験や、目が見えない状態で折り紙を折ってもらう視覚障害擬似体験、 ノンステップバスやユニバーサルデザインタクシーに乗降する車椅子体験などを実施しました。 参加者の声 1 高齢者擬似体験  普段何気なく行っている動作でも制限があると簡単ではない。  信号を渡る時など危険なので命に関わる。そのため正しい知識が必要。  視覚、聴覚、四肢不自由で生活するには苦労ばかりだと感じたので支援の仕方を考えさせられた。  人によって不自由なところは違うので、その人に合わせた援助をしたり声かけをしたりしなければいけないと思った。 2 視覚障害擬似体験  情報が伝わりにくいので、具体的な指示やゆっくりと大きな声で話すと伝わりやすいことに気づいた。  色によっても区別がつかない形があり見えないことに驚いた。  時計の針の位置を使って説明するとお互いに良いと気づいた。  今までの経験があるから折り紙を折ることができたけれど、子供や馴染みのないものを言葉で説明するのにとても不安に思った。 3 車椅子体験  車椅子に乗ってみて、普段の歩くスピードでは早く感じ、少しの段差や坂でも怖かった。  介助側も乗る側もお互い怖い思いをしないように安心できるような声かけが必要だと理解した。 三十五ページ 北陸信越運輸局 佐渡汽船新潟港バリアフリー施設見学会 日時 令和5年8月二十五日金曜日 十時から十一時二十分 見学先 佐渡汽船新潟港ターミナル 新潟県新潟市 主催 移動等円滑化評価会議北陸信越分科会事務局 参加者 移動等円滑化評価会議北陸信越分科会委員等 十六名 主な意見等 ターミナル周辺施設  バス降車口とバス乗り場に隙間があり、乗車の際に注意が必要。  バスの正着がなされていない。 乗降口との距離五十センチ  バスのりばの明るさが足りない。  点字誘導ブロックが必要な箇所に敷設されていない。総合案内所へ向かっていない。  点字ブロックの彩度差が低いのが問題 特にバス乗り場。  3階までのエスカレーターを降りた先での音声案内がない。  介添え必要な場合のインターホンがあるが小さいので、壁面に大きく表示するとよい。 また、会話のできない人のことを考慮し、 壁の案内にインターホンで呼び出し可能である旨を記載すべき。 3階ターミナル内  売店や食堂への点字がすくない。売店入り口にマットなどないため視覚障害のある方にとって位置がわかりづらい。  多機能トイレが設置されているが、ドア開閉ボタンが近い位置に設置されている。 車椅子利用者には使いやすいが、視覚障害のある方は使いにくい  手話ができる職員はいないがホワイトボードで対応できるようにしている。 時間等の記載があれば購入者発信で希望の発券を指し示すことができるものを用意してはどうか。  車いすユーザーにとって、発券窓口のカウンターや発券機のボタン位置が高い。 停泊中のジェットフォイル内  トイレがやや狭い。流すボタンの場所がわかりづらい。車椅子は利用できない。緊急時に外向けにHELP表示が出るとよい。 タラップの段差はほぼないが、揺れがあるので乗降時には注意が必要。  救命胴衣の場所はアナウンスだけではわかりにくい。座席後部に大きく救命胴衣の場所を書いてはどうか。  車いす利用者の移動経路が長い。 三十六ページ 中部運輸局の主な取組 心のバリアフリー教室開催について 令和5年度 開催日程 令和5年9月十四日木曜日 開催場所 静岡県三島市立東小学校、体育館等 主催 中部運輸局静岡運輸支局、三島市、社会福祉法人三島市社会福祉協議会 協力 株式会社 東海バス沼津営業所 参加者 小学4年生 六十名 障がい者の方に講話をいただいた後、各グループに分かれて、車いす体験 ノンステップバス乗降体験含む、バリアフリークイズに取り組みました。 開催日程 令和5年十月5日木曜日 開催場所 福井県坂井市立兵庫小学校 主催 中部運輸局、福井運輸支局 協力 社会福祉法人坂井市社会福祉協議会、京福バス株式会社、公益社団法人福井県バス協会 参加者 小学4年生 十一名 障がい者の方に講話をいただいた後、各グループに分かれて、シニア体験、 車いす体験 ノンステップバス乗降体験含む に取り組みました。 開催日程 令和5年十月6日金曜日 開催場所 福井県坂井市立加戸小学校 主催 中部運輸局、福井運輸支局 協力 社会福祉法人坂井市社会福祉協議会、京福バス 株式会社、公益社団法人 福井県バス協会 参加者 : 小学4年生 二十八名 障がい者の方に講話をいただいた後、各グループに分かれて、視覚障害体験、 車いす体験 ノンステップバス乗降体験含む に取り組みました。 開催日程 令和5年十月三十一日火曜日 開催場所 名古屋市立大須小学校 主催 中部運輸局 協力 社会福祉法人名古屋市中区社会福祉協議会、大須学区地域福祉推進協議会 参加者 小学5年生 二十二名 各グループに分かれて、視覚障害体験コースを介助者、体験者を交代しながら歩いた後、 視覚障害の方の実演を含む階段の上り下り体験をしました。 その後、障がい者の方に普段の生活の様子や盲導犬についての説明をしていただきました。 開催日程 令和5年十一月二十一日火曜日 開催場所 名古屋城 主 催 中部運輸局 協 力 名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所 参加者 一般の方 名古屋城で開催されていた秋祭りの期間に合わせ、ブースを設置して点字ブロックを使った視覚障害体験を実施。 参加者からは足の裏だけでは点字ブロックがあるかないかはっきりわからず不安、 白杖も使いこなすのは難しいと思った、などの感想がありました。 開催日程 令和6年1月二十三日火曜日 開催場所 岐阜駅北口駅前広場 信長ゆめ広場 主催 中部運輸局 協力 岐阜市 参加者 一般の方 岐阜駅北口駅前広場(信長ゆめ広場)にて、ブースを設置して点字ブロックを使った視覚障害体験を実施しました。 参加者からは「足裏だけでは誘導ブロック 長型 と警告ブロック 点字 の違いが分かりにくい、実際に体験してみて、 駅などで白杖を使っている方を見たことがあるがスムーズに歩いていてすごい」との感想がありました。 三十七ページ 中部運輸局の主な取組 令和5年度 令和5年度 中部運輸局長表彰 中部運輸局では、公共交通、観光など運輸局が所管する分野で、 バリアフリーに大きく貢献した事業者、団体に対して、 バリアフリーの普及、奨励を目的に表彰しており、 令和5年度は1団体を表彰しました。 団体名 マザーズグループ バリアフリー旅館 サポートイン南知多 と 天然温泉、レストラン、宿泊施設 とキャンプ場等をバリアフリー化した榊原温泉湯の瀬を 運営するなどバリアフリー化の推進に多大な貢献をしている。 受賞者の取組  スロープや手すり、エレベーターを設置するなど館内全てをバリアフリーに改修し、 障害者や高齢者でもくつろぎやすい工夫をしている。  全客室内含む館内全てにユニバーサルデザイントイレを完備し、 入浴は脱衣所から洗い場まで段差なしのバリアフリーとなっており、 手すりにつかまりながら階段で安全に湯船に入れる檜の湯と、 電動式リフトで座ったまま浴槽に入れる機械式風呂の二種類のお風呂で軽度から重度まで、 ゲストそれぞれの身体機能に応じて安心安全に入浴を楽しめる。  画一的なマニュアルではなく、スタッフ一人一人が目の前のお客様と向き合い、 寄り添いながら、時には家族のように近くで、時には存在を気付かせない程の距離で、 好いかげんなおもてなしを提供している。 嚥下機能に障害のある方のために、料理を刻んだりミキサーにかけて ペースト状にするサービスも提供している。 食のバリアフリー ※榊原温泉 湯の瀬 ラムちゃんパークは、温浴施設のほかに地元食材を使った田舎料理やラム肉が味わえる レストラン、オートキャンプ場、バーベキュー施設を備え、観光旅行が困難な障がい者や介助が必要な 高齢者の利用に特化した福祉旅館として、全館バリアフリー、車いす対応の貸切風呂、リフト付きジャグジーを備えている。 ※2018年4月、南知多町にバリアフリー旅館としてオープン。知多半島で採れる新鮮な海の幸山の幸や、 伊勢湾から見る美しい夕焼け等、南知多の魅力を楽しむことができる。 館内は高齢の方、障がいがある方でも過ごしやすいバリアフリー設備が充実しており、 ニーズに応じた「きざみ食」や「ミキサー食」の提供など、宿泊者の心配事やお困り事に 寄り添ったバリアフリーなおもてなしを行っている。 バリアフリーおもてなし勉強会 表彰旅館のご協力を得て、2月にバリアフリー教室を開催する予定です。 三十八ページ 近畿分科会  大阪駅うめきたエリア見学及び意見交換会 1 令和5年3月に大阪駅に新しく開業したうめきたエリアを中心に、バリアフリー設備の整備状況を確認し、 その後、事業者も交えた意見交換を行った。 実施日 令和6年1月十五日月曜日 場所 大阪駅 西口・うめきたエリア 参加者 近畿分科会委員、大阪市交通バリアフリー基本構想推進協議会委員、JR西日本 見学内容:改札内外 案内表示、インターホン、ホーム ホームドア、トイレ 等 うめきたエリアに導入された新技術を用いた設備・システム 〇フルスクリーンホームドア 特徴 ・ホーム上の乗車位置は、ドアの開口位置が車種によって異なるためドア上部のサイネージで案内 ・列車接近、次の列車案内等は親扉サイネージで提供 主な意見  乗車位置の案内について、  肢体 サイネージの案内だけではわかりづらい  視覚 案内は点字や音声でも行ってほしい  知的 サイネージの映像は、光の刺激が強すぎるものとならないよう配慮してほしい  わかりやすい乗車位置の案内を目指して、事業者でも今後、改善に向けた対応の検討が見込まれる。  視覚障害者ナビゲーションシステム(shikAI しかい) 特徴 スマートフォン専用アプリで点字ブロック上の2次元コードを読み取ることで、 現在地から目的地までの移動を音声案内でサポート 主な意見  高齢 駅の中で利用するとなると、アプリからの音声と駅アナウンスなどの他の音声を聞き分けることができるか心配  肢体 障害の有無に関係なく、街中の移動のサポートなどに広く活用できるととても便利  精神 アプリが特定のOSでしか使用できないので、多様な機種で使用可能となるようアプリの汎用化を期待 三十九ページ 近畿分科会 大阪駅うめきたエリア見学及び意見交換会 2 エスカレーター、エレベーターの円滑な利用に資する取組 エスカレーターの案内表示、視認性の向上 特徴  エスカレーターの位置や運転方向を少し離れた場所からでも視認できるよう、乗降口付近や側面の案内を工夫  利用者のスムーズな移動の実現、乗降口付近での立止り抑制、誤進入の防止により、転倒事故の低減を目的として整備 主な意見  肢体 乗降口付近の案内は、横からも見やすくてよい。  肢体 側面の運転方向を示す表示は、矢印で表すとよりわかりやすくなると思う。  エレベーターの優先利用と動線確保 床面サイン 特徴  障害当事者やベビーカー利用者がエレベーターを優先的に使用できるよう、床面の一部に着色やピクトグラムで案内  通路幅や柱位置など構造上の制約がある中でラッシュ時の動線を確保し、エレベーターの適正利用を促進 主な意見  精神 緑が明るすぎると感じたので、少し明るさを抑えた色の方がよい。  肢体 案内の説明を付記するなどの工夫を行うことで、利用者に表示の目的がより伝わると思う。  学識 車椅子のピクトグラムはバリアフリートイレなどの案内にも使われるため、トイレへの案内と勘違いするおそれあり 今後のうめきた地区の開発に伴う利用者の増加や多様性を見据えた、 新技術を用いた設備やシステムの導入や利便性向上の工夫は評価できる。 今回の意見を踏まえ、より当事者目線に立った改善の積み重ねに期待。 四十ページ 近畿分科会 UDタクシー等体験乗車及び意見交換会 概要 タクシー分野における更なる移動円滑化を実現するため、令和4年度に引き続き自動車メーカーとの意見交換会を実施した。 昨年のJPNタクシーに加え、障害当事者から希望があった、シエンタ、ヴォクシーも確認したところ、後方スロープ板のため乗車しやすい、 固定装置の扱いが簡単 など、当事者からは好評価の意見が多く出された。 なお、UDタクシーの新たな認定レベル レベル準1 の導入が検討されており、シエンタ、ヴォクシー 一部のモデル仕様 は、その対象と目されている。 実施日 令和5年十二月5日火曜日 場所 大阪合同庁舎第4号館地下駐車場2階共用第2会議室 参加者 移動等円滑化評価会議近畿分科会障害当事者、トヨタ自動車株式会社 主な意見等 身体 シエンタ、ヴォクシーは、後方スロープ板のため、車いすで回転 フロントへ方向転換 しなくてよいのは良い。 スロープ板の操作、固定装置も簡単で良い。 身体 JPNタクシーは、車いすでの回転が大変。タクシードライバーの負担になっている。 身体 シエンタ・ヴォクシーはスロープ板の耐荷重、介助者入れて二百キログラムを二百五十、三百キログラムにしてほしい。 学識 スロープ板があれば、ご高齢の方も乗りやすい。床からスロープ板を引き出す方法にできないか。 身体 ヴォクシーは、空間的にゆったりしていて安心感あり。 JPNタクシーを、スロープ板をスライド式にして、それにより床面が上がることへの対応はエアサスを付けて下げるようにしてほしい。 視覚 視覚障害者にとっては広ければいいというわけではなく、何か手が触れられる方が安心できる。 他 JPNタクシー 車いす利用者は回転およびタクシー運転者はスロープ板の取り付けの点が課題 後方スロープ板の車両は好評価 UDタクシーとしての導入 と スロープ板の耐荷重引き上げ が当面の課題 四十一ページ 近畿分科会 船内バリアフリー設備見学及び意見交換会 概要 目的 新造船 さんふらわあ くれない むらさき は多様な乗客への配慮がなされた船舶であり、 障害者、高齢者対応ガイドラインを作成して接遇向上にも取り組んでいることから、 船舶の更なるバリアフリー化に向けて、船内見学及び意見交換を実施した。 実施日 令和5年十一月二十七日月曜日 場所 さんふらわあ くれない船内、ATCオズ北棟6階会議室 参加者 移動等円滑化評価会議近畿分科会 商船三井さんふらわあ株式会社 主な意見等 視覚 点字、点字ブロック、音声案内、段差等の不安要素となる情報の一覧があれば、乗船前の不安解消に役立つ 身体 バリアフリー客室の電動ドアは、出入口から少し離れた位置で操作できるので素晴らしい 旧船では車椅子で開閉が困難であった。 知的 船内表示に仮名表記がない デジタルサイネージはソフトで漢字にルビを振る等できるので、可能性に期待したい 視覚 アトリウム付近の配色に工夫があれば、弱視の人もより使いやすく楽しめる空間になる 高齢 客室トイレ・シャワールームの入口の段差 約二十五センチ が高すぎる 高齢者で足に少し不自由を感じる人は、特に不安 視覚 出発ターミナルの乗船手続の窓口前まで、点字ブロックで誘導できるようになっているので、視覚障害の人も安心して手続きができる 身体 家具の大きさや重量などの工夫が必要 容易に動かせる家具がいい 聴覚 緊急時等のフラッシュライト設置、デジタルサイネージやスマートフォンの活用を検討いただきたい LGBTQ、身体 多目的トイレ、シャワー室は複数利用が難しい 複数利用が可能となる仕切りや個別入口が必要 他 船舶のバリアフリー化の推進にあたり、当事者参画を進めていくことが重要 四十二ページ 近畿運輸局 バリアフリー教室による心のバリアフリーの推進 令和5年度 開催実績 十五件 内訳 大阪2、京都3、兵庫2、奈良4、滋賀2、和歌山1 ここから表 兵庫県神戸市 神戸市交通局 西神車庫 バスまつり 6月十一日  対象はイベント来場者 お子様連れファミリー 参加人数二十一名 主催 近畿運輸局 大阪府藤井寺市 大阪府立 藤井寺工科高等学校 定時制 7月二十日  対象は高校生 定時制 参加人数十四名 先生9名 主催 近畿運輸局 滋賀県守山市 ピエリ守山 バスの日まつり 9月2日 対象はイベント来場者 主催 滋賀運輸支局 大阪府高槻市 高槻市立芝谷中学校 1 9月二十日,2 1月上旬,3 2月9日  対象は中学生 参加人数三十名程度 先生2名 主催 近畿運輸局 滋賀県竜王町 滋賀県交通安全フェア 十月7日 対象はイベント来場者 主催 滋賀運輸支局 和歌山県和歌山市 和歌山市立加太中学校 十月十七日 対象は中学生 参加人数四十九名 主催 和歌山市社会福祉協議会 滋賀県甲賀市 甲賀市立甲南第三小学校 十月十九日 対象は小学生 参加人数8名 先生3名 主催 近畿運輸局 京都府宇治市 京都文教大学 1 十月十九日,2 十月二十六日,3 十一月2日 対象は大学生 参加人数二十五名 主催 宇治市 奈良県香芝市 香芝市立関屋小学校 十月三十一日 対象は小学生 参加人数六十九名 主催 香芝市 奈良県奈良市 奈良市立帯解小学校 十一月2日 対象は小学生 参加人数十六名 先生4名 主催 近畿運輸局 京都府相楽郡精華町 精華町立精北小学校 十一月十日 対象は小学生 参加人数六十一名 主催 精華町 兵庫県姫路市 姫路市立中寺小学校 十一月三十日 対象は小学生 参加人数五十五名 先生6名 主催 近畿運輸局 奈良県大和郡山市 大和郡山市立片桐西小学校 1月十八日 対象は小学生 参加人数八十名 先生8名 主催 近畿運輸局 京都府長岡京市 長岡京市立長岡第四小学校 1月三十日 対象は小学生 参加人数七十名 主催 長岡京市 奈良県大和郡山市 大和郡山市立矢田小学校 2月二十日予定 対象は小学生 参加人数七十六名 先生4から5名 主催 近畿運輸局 表 終わり 参加者感想  障害がある人が、とても大変なことに気付いた困っている人がいたら、声をかけようと思った  自分たちにできることはやりたい  教室でただ聞くだけの学習ではなく、実際 に体験することができて、 相手の気持ちを考えたり、接し方を学んだりすることができ良かった 啓発活動の輪を広げるための取組  できる限り多くの先生に参加を働きかけ、体験補助等にも積極的に先生が参加  自治体にバリアフリー教室の資料を提供し、自治体主催でバリアフリー教室を実施  学校の先生方が多数集まる会議でバリアフリー教室に関する資料を配付  バリアフリー教室の保護者参観を実施 四十三ページ 近畿運輸局 甲賀市立甲南第三小学校でバリアフリー教室を開催  協力 特定非営利活動法人滋賀県脊髄損傷者協会 令和5年十月十九日木曜日 十時四十分から十二時十五分 講義 十五分 体験と前野さんとの交流 七十五分 まとめ 5分 令和5年十月十九日木曜日、甲賀市立甲南第三小学校において、小学3年生を主とする 8名の児童を対象にバリアフリー教室を開催しました。 今回は、2人ずつのペアで4つの体験、1 車椅子体験、高齢者疑似体験の2 階段昇降、3 お買い物体験、 4 バリアフリークイズを行い、児童全員が当事者と介助の体験をしました。 また、障害当事者講師 車椅子使用者 の前野さんにお越しいただき、車椅子体験でアドバイスをいただくとともに、 バスケット用車椅子体験等を通して児童のみなさんとの交流にご協力いただきました。 参加した児童からは、 体が不自由な人は、こわいことがいっぱいあるんだと思った  しょうがいがある人が、とてもたいへんなことに気づいた。 こまっている人がいたら、声をかけようと思った おとしよりや妊婦さんは歩きづらいし、 立っているのがたいへんなので、みかけたら、 いすをゆずるなどをして、私ができることをしたい など、多様な人への理解を深め、 実際に行動しようとする前向きな感想が寄せられました。 また、参加した先生からは 教室でただ聞くだけの学習ではなく、実際に体験することができて、相手の気持ちを考えたり、 接し方を学んだりすることができ良かった などの感想が寄せられました! グラフ バリアフリー教室に参加して、 すぐにやってみよう!と思ったこと 困っている人を見かけた時にはお手伝いしましょうか?と声をかけたい 三十三% 障がいのある人の気持ちになって考えたい 四十二% バリアフリー教室で学んだお手伝いの方法などを家族や友達に伝えたい 二十五% 車椅子体験 声かけが大切。少しの段差でも思った以上に衝撃が強い!段差を上り下りするのは大変。 高齢者疑似体験 階段昇降 目が見えづらく、足も曲がりにくいので、普段何気なく行っている歩いたり階段を昇降する等の動作も一苦労。 高齢者疑似体験 お買い物 目が見えづらく、肘や指先が思うように動かないので、物を取ったり袋を開けるのにも苦戦。声も聞こえづらい。 前野さんとの交流 前野さんが持ってきてくださったバスケット用車椅子をみんなで体験♪お話やアドバイスもいただきました! 四十四ページ 近畿運輸局 京都文教大学、宇治市、京都運輸支局の連携による心のバリアフリー推進事業 京都文教大学の臨床心理学科の1年生を対象に、バリアフリーについて学習、考察するとともに、 その学習成果を活かして、地域における心のバリアフリーの推進に繋げることを目的としたこころのバリアフリー推進事業を 京都文教大学、宇治市、京都運輸支局が連携して実施しました。 学び 事前学習、体験学習、まとめ 十月十九日、十月二十六日、十一月二日 京都運輸支局、宇治市による説明  車椅子体験  視覚障害疑似体験  考察、発表 実践 イベントで学生が企画、出店 十二月十日 地域に大学を開放し、地域の様々な人々が集い交流する場として開催されている ともいき 共生 フェスティバル において、学生自らが企画した体験ゲーム等を通じて こころのバリアフリー を推進。  ポスター展示  目隠しで物あて  大学内で体験  心のBFクイズ 改善 宇治市交通バリアフリー検討委員会 二月一日 障害当事者、交通事業者、行政などが参加する宇治市交通バリアフリー検討委員会において、学生から今回の取組を発表。 委員会での主な意見  地域の子供たちが、楽しく心のバリアフリーについて学ぶ取組は非常に有意義である。継続いただきたい。  障害当事者とともに取り組めば、より深い学びに繋がる。 次年度以降も同事業を継続。障害当事者を交えて、より深く学んでいただき、地域への心のバリアフリーのさらなる啓発につなげていく予定。 四十五ページ 中国分科会 バリアフリー教室の実施 1 第二十五回ひろしまバスまつり 取組のポイント  多数の地域バス会社と連携  公共交通の利用促進とバリアフリーの啓発を同時に実施 日時 令和5年十一月五日日曜日 九時三十分から十五時三十分 場所 広島市中小企業会館 参加者 主に未就学児、小学生 主催 中国運輸局※、芸陽バス株式会社 広島電鉄株式会社 広島交通株式会社  広島バス株式会社 HD西広島株式会社 中国JRバス株式会社 順不同 ※ひろしまバスまつりの主催は、ひろしまバスまつり実行委員会および広島県バス協会 内容 以下のとおり 一部抜粋  バスの乗り方説明  バリアフリー設備の説明1 スロープ、インターホン  バリアフリー設備の説明2 車椅子使用者用スペース  バスの乗降体験  バスに関連するバリアフリークイズの実施  アンケート結果 今回の教室で学べたことはなにか。 交通安全三十五%、車内マナー二十六%、バリアフリー十七%、バスに対する親しみ十三%、運賃表の見方八%、その他1% 参加者からの感想  車両側面のインターホンの存在を初めて知った。介助が必要な際や、バスの行き先を訪ねる際に便利だと思う。  子どもは楽しく、バスやバリアフリーに興味を持ったようです。親としても大変勉強になった。  バスのバリアフリーについて 初めて知った!すごい! と子どもが言っていた。 総括  小さなお子様を対象とし、幼い頃からバリアフリーに触れていただけたことで、 今後の心のバリアフリー社会の実現に一定の効果があったと思われる。  参加したお子様からは これからはたくさんバスに乗りたい。 身体が不自由な人がいたら席を譲る。等の発言もあり、 公共交通の利用促進、バリアフリーの啓発の両面で効果があったと思われる。 四十六ページ 中国分科会 バリアフリー教室の実施2 道の駅のん太の酒蔵バリアフリー教室 取組のポイント  大学生がバリアフリーについて目で見て、体験して、考える  グループディスカッションによる大学生目線での意見収集 日時 令和5年十一月十六日木曜日 十三時十五分から十五時二十分 場所 道の駅西条のん太の酒蔵 参加者 広島大学の学生 主催 中国運輸局、中国地方整備局 協力 国立大学法人広島大学ダイバーシティ&インクルージョン推進機構、芸陽バス株式会社、 株式会社東広島タクシー、道の駅西条のん太の酒蔵、東広島市 内容 以下のとおり 一部抜粋  障害の社会モデル、心のバリアフリーの説明  思いやり駐車場の説明 適正利用の推進  車椅子を用いた乗車体験 スロープや車椅子用座席の説明  子ども連れの妊婦を想定した乗車体験 接遇・ベビーカーの折りたたみ等  グループディスカッション グループディスカッション 議題 気づきにくい社会の障壁とその取り除き方 内容 一部抜粋  この人は障害者である。配慮が必要。と思うこと自体が意識上の障壁になっている。  障害の社会モデルの普及が重要となる。  具体的にどういった介助が必要なのか口頭で説明するのは、難しいのではないか。   心身の不自由に対する理解を深める。社会全体に対するヘルプマークの普及。 広島大学 山本准教授による講評  障害の社会モデル、心のバリアフリーを知っているか否かで、物事の見方は変わる。 すると社会全体も変わっていく。今回の教室のように当事者目線で社会を体験、観察することで、 そういったことに対する理解はより一層深まる。 参加者からの感想  障害とは、個人の心身の不自由によるものではなく、社会のあり方によるものである。  国土交通省、交通事業者、自治体が、バリアフリー化に向けて取り組んでいると知ることが出来た。  ノンステップバスやUDタクシーを教室で使用することで、より深い学びに繋がった。  用語説明、見学体験、ディスカッションと無駄なくわかりやすく学ぶことが出来た。 四十七ページ 中国分科会 バリアフリー教室の実施3 路面電車、バリアフリープロモーター 取組のポイント  模擬電停と超低床車両での教室実施  小学生が障害の社会モデル、心のバリアフリーに関する講話を聴講  日時 令和6年1月十六日火曜日 九時三十分から十二時  場所 広島電鉄株式会社 本社、車庫  参加者 広島市立竹屋小学校5年生五十五名  主催 中国運輸局  協力 広島電鉄株式会社 広島市立竹屋小学校 バリアフリープロモーター 徳政 宏一 氏  内 容 以下のとおり その他 車庫見学  バリアフリークイズ  バリアフリープロモーターによる講話 心のバリアフリー、障害の社会モデルについて  路面電車の乗り方教室 バリアフリー設備説明等 スロープ、優先席  高齢者疑似体験装具による体験  車椅子を用いた乗降体験 参加者からの感想  たまにくるまいすを見たり、少し乗ったりすることがあり、ずっとすわっていられるから楽なんだと思っていたけれど、 徳政さんは自分のくるまいすを乗り物ではなく足と表現していたので体の動かない、 自由にできないことは本当はすごく大変なことなんだと感じた。  お年寄りの人たちはひざがうまくまがらず、 私の暮らしている世界とはぜんぜんちがうと感じてとてもびっくりしました。  高齢者の人の手や足が思うように動かず、視野までせまくなってしまうのは体験してとても大変だった。  今後は車椅子をのっている人や耳がきこえない人や 目が見えない人とかに席をゆずってルールを守ろうと思いました。  車椅子のひとのために電車にもいろいろな工夫があることが分かりました。 四十八ページ 中国分科会 当事者目線にたったバリアフリー環境の課題整理のための現地視察 取組のポイント   中間整理案の最終とりまとめに向けた当事者意見の収集   中間整理案の内容に沿った点検表を独自に作成 日時 令和6年2月5日月曜日 十四時から十五時 場所 新白島駅から紙屋町シャレオ地下街 参加者 移動等円滑化評価会議 中国分科会 構成員 主催 中国運輸局 中国地方整備局 協力 広島高速交通株式会社 内容 以下のとおり  駅構内の視察 構内図や案内表示  駅構内の視察 インターホン、改札窓口 等  駅ホーム 経路上の障害物、案内、放送 等  車両内の点検 車両内の情報 駅名表示  紙屋町シャレオ地下街の点検 歩道の幅、傾斜、案内表示 等 参加者からのご意見 好事例 1 案内表示が4カ国語対応 日、英、中、韓 されており良い。 2 音声案内がわかりやすい。 3 構内図に点字が使用されており良い。 4 券売機に荷物を置けるスペース、隣と幅があり子ども連れが利用しやすい。 5 案内所のマークは大きくわかりやすい。 要望、気になる点 1 案内板には音声案内がほしい。 2 インターホンの声は屋外だと聞こえにくい。 3 車椅子使用者としては、券売機がもう30cmほど低いと望ましい。 4 まもなく到着します。から、到着するまでの時間が短い。 5 停車時、車内からホーム上の駅名表示は確認できなかった。 その他の好事例 1 新型車両→段差なし 2 EVに車椅子2台 3 全駅ホームドア完備 4 車内表示 参加された方からは 様々な当事者団体が集まり視察を行う取組は大変貴重である。 将来のバリアフリー環境整備に必ず役に立つと思う。 との声をいただいた。 四十九ページ 中国分科会 サンフレッチェ広島ホームゲームにおけるブース出展 取組のポイント  サンフレッチェ広島株式会社、広島市、中国運輸局の3者申合せの取組として実施  バリアフリーへの関心の有無や老若男女を問わず多くの方への啓発に注力  日時 令和5年十月二十一日土曜日 十二時から十六時  場所 エディオンスタジアム広島 特設ブース  参加者 スタジアム来場者の皆様 700名以上!  主催 中国運輸局 広島市  協力 株式会社サンフレッチェ広島  内容 試合会場にブース出展し、障害の社会モデルや心のバリアフリーに関するクイズ、展示を実施  SNSによる用語の啓発、イベントの告知 ブースの様子  啓発ポスターやヘルプマークの掲示  障害の社会モデル、心のバリアフリーの説明  場内アナウンスによる心のバリアフリーの啓発 1 参加者からの感想  障害の社会モデルを初めて聞いた、勉強になった。  行政とサッカーチームという異色のコラボが面白く、目を引く。  サッカーの試合のように大勢の人が集まる機会に、こういった活動を行うことで、 バリアフリーにあまり興味を持たない人にも啓発ができるため、とても良い取組だと思う。 総括  日頃、バリアフリーにあまり興味を持たない人に対する啓発として、一定の効果があった。 特にSNSの投稿は、3者合計およそ17万件の閲覧があり、効果があったと思われる。  当日の来場者は、当時シーズン最多の二万二千八百三十四人 サンフレッチェ広島公表 であり、 ブースも大盛況であったため、多くの方に関心を持っていただいた。 五十ページ 四国分科会 バリアフリー研修の実施 職員向けバリアフリー研修を開催 日時 令和5年5月十七日水曜日 場所 JR高松駅 ホーム、駅前広場、コンコース、路線バス乗り場 主催 四国運輸局 協力 香川県視覚障害者福祉センター、四国旅客鉄道株式会社、ことでんバス株式会社 参加 四国運輸局職員 7名、四国地方整備局職員 2名 内容 講義、視覚障害者疑似体験、視覚障害者サポート体験 概要 運輸局職員 主に令和4年十月以降新規採用職員 高松市内勤務者  と整備局職員を対象に、4回目となる標記研修を開催。 高松駅において、実際にホームや列車、バスを使用し、視覚障害者疑似体験や 介助方法等を学び、サポート方法だけでなく、 心のバリアフリーについて考え、高齢者、障害者等の困難を自らの問題として認識するきっかけとした。 参加者の感想  体験を通して学んだことは、視覚以外で得られる情報提供の重要性です。目が見えづらくなると、 普段あまり気にしていなかった段差や隙間、人との距離に不安や恐怖を感じたのですが、声による案内や 補助者の声かけがあると、安心感が増し次の行動に移りやすくなりました。  バスの乗降の際は、外とは明るさが違うため、車内はとても見えづらく、空席を探すのも困難だと感じました。 電車の乗降の際には電車とホームの間がはっきり見えないことがとても不安でした。これらの経験は、 実際に体験しなければわからないことであり、視覚障害者の方が駅を利用する中で、どのようなことに 困っているのかを理解することができました。 逆に、点字ブロックやバスの中の黄色の手すり、段差がわかりやすいライトなど、 視覚障害者の方が駅を利用しやすくなる設備を改めて見つけることができました。  ハード面だけではなく、周りの人の声掛けや手助けによる心のバリアフリーの大切さも学びました。 一般の人だとハード面からバリアフリーを実践することは中々難しいですが、 心のバリアフリーであれば誰でも心がけ次第で行動に移すことができると思います。  視覚障害者サポート体験 2人1組のペアになって視覚障害者の介助体験を行い、ガイドヘルプの方法を学ぶ。  視覚障害疑似体験 視覚障害疑似体験ゴーグルを着けて疑似体験を行うことにより、視覚障害への理解を深める。 五十一ページ 九州分科会 好事例 旅客船乗組員等を対象としたバリアフリー講習会  別府国際観光港及び宮崎港において、旅客船事業者の乗組員を はじめとする従業員を対象にバリアフリー講習会を開催。  障がい当事者や福祉団体、施設設置管理者、地方公共団体等幅広い団体等が関わることで、 バリアフリー化への意識向上に加え、ユニバーサルツーリズムの促進にも繋がることを期待。 九州分科会委員に講師を依頼、九州地方整備局もスタッフとして参加することで九州分科会としての連携を図った。  参加者への質問に、講師 障がい当事者 の方が直接答えていただくことで、より理解を深める機会となった。  参加者からは、 車いすに実際乗ったのが初めてだったので、何にしても新鮮な体験だった。やはり座学だけでなく、 実際に体験して感じることが大切だと思った。、手助けが必要な人と接する機会が少なく、 どのような時に困るのか実体験がなく、 当事者意識がなかった。、まず声をかけて、何を感じているか、何をしてもらいたいかを 聞くことが大切だと思った。など、意識の向上に繋がった。 今後の取組 今後も、関係機関との協力や連携を活かし、バリアフリー講習会等の実施場所や対象者などの幅を広げるとともに、 講習会等を通じて関係者のバリアフリー化の意識向上を図っていく。 講習内容  座学 旅客船事業者に求められること エコモ財団による講義に加え、当事者との質疑形式で実施。  体験実習 フェリーターミナルから乗船までのルート、船内の移動やトイレでの介助方法等、 車いす及び高齢者疑似体験キットを使って擬似介助体験。  別府観光港 令和5年十二月1日開催 参加者二十四名 協力 一般社団法人大分県介護福祉士会、大分県旅客船協会、商船三井さんふらわあ株式会社、 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団、NPO法人自立支援センターおおいた、 大分県、別府市、九州地方整備局 主催 公益財団法人九州運輸振興センター、九州運輸局 宮崎港 令和5年十二月6日開催 参加者二十二名 協力 一般社団法人宮崎県介護福祉士会、宮崎県旅客船協会、 宮崎カーフェリー株式会社、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団、 NPO法人障害者自立応援センターYAH!DOみやざき、一般社団法人日本福祉のまちづくり学会、 宮崎県、宮崎市、公益財団法人宮崎県観光協会、九州地方整備局 主催 公益財団法人九州運輸振興センター、九州運輸局 五十二ページ  九州分科会・取組事例】 鹿児島第三地方合同庁舎の視察 令和6年1月二十四日、令和5年度 移動等円滑化評価会議 九州分科会における事業の一環として、 整備局のユニバーサルデザイン UD レビューの取り組みを経て整備された 鹿児島第三地方合同庁舎 令和5年8月完成  の現地視察及び意見交換会を実施。 施設のバリアフリー、UDの状況を視察し、分科会委員等からの助言や課題等に関する意見交換を実施することで、 当事者参画の取組の情報共有及びその重要性について理解促進に取り組んだ。 参加者 計二十五名  バリアフリープロモーター兼有識者 九州大学大学院 工学研究院 准教授 大枝分科会長、 NPO法人 障害者自立応援センターYAH!DOみやざき 理事 永山委員、 一般社団法人日本福祉のまちづくり学会 九州沖縄副支部長 岩浦委員  その他委員 代理出席者含む 九州旅客鉄道株式会社、 西日本鉄道株式会社、 九州バス協会、NPO法人 自立支援センターおおいた、 大分県、 宮崎県、 鹿児島県、 福岡市  事務局 九州運輸局、九州地方整備局  協力 九州財務局 施設管理者 意見交換における主な発言 抜粋  障害当事者によって施設の使い方・考え方が異なるため、多様な意見を聞くプロセスが重要。  障害の種類によって施設に対する意見・要望が異なり、合意形成が難しい。 便座の背もたれの有無、便座の高低 等  意見の違いを互いに認め合い、話し合うことがUDの取組を進めるうえで大事。  話し合いに出席した当事者の意見だけで方針を決めてしまうのではなく、様々な特性の方に アンケート、ヒアリング等により調査のうえで整備に反映し、その経験を他に展開することが必要。  意見、要望が異なる場合、複数の対応パターンを用意するというのも選択肢の一つだと思う。  当事者参画で意見が取り入れられており、使いやすい施設だと感じた。  トイレのドアストッパーがなく、介助者がいない場合を想定するとあった方が良い。  トイレのピクトグラムが大きくわかりやすい。手すりの右、左表記も他で見たことがなく、良い。  今回の視察で得た知見を持ち帰り、今後の施設整備の取組の参考にしたい。 五十三ページ 沖縄分科会 ユニバーサルドライバー研修  地域の課題等に応じた取組として、内閣府沖縄総合事務局が一般社団法人沖縄県ハイヤータクシー協会と共催で、 タクシードライバー等を対象としたユニバーサルドライバー研修を開催。 当事者である特定非営利活動法人沖縄県自立生活センターイルカや沖縄トヨペット株式会社の協力のもと、 ジャパンタクシーの乗降演習及びグループディスカッションを実施。  参加者からのアンケートや現地の声では、車いす利用者からの要望に関する声を聴くことができ参考になった、 沖縄県内における観光施設のバリアフリーの状況を知りたい、やっておいて良かった。 練習せずにいきなりの実践はできなかった。との意見があった。 日時 令和6年1月十八日木曜日 九時から十七時 場所 一般社団法人 沖縄県ハイヤー・タクシー協会敷地内 対象者 タクシードライバー、運行管理者等 参加者四十二名 ※昨年度より4名の増加 概要 1 課題紹介 九時十分から九時三十分 UDタクシーに対する課題紹介 沖縄総合事務局運輸部監査指導課 2 講義 九時三十分から十二時 タクシーとバリアフリーそしてユニバーサル社会  お客様の接客にあたって  お客様の理解と接遇、介助の留意点 3 実技 十三時から十五時 車いすの取り扱い方と乗車、降車 講師  特定非営利活動法人沖縄県自立生活センターイルカ、沖縄トヨペット株式会社 4 グループディスカッション 十五時三十分から十六時五十分 五十四ページ 沖縄分科会 首里城復元にかかる移動等円滑化評価会議メンバーとの意見交換 前回の意見交換会 令和五年二月二十八日 で頂いた意見への対応状況を報告するとともに、 首里城公園の歴史的空間に配慮したバリアフリー対応について、移動等円滑化評価会議 沖縄分科会委員 沖縄総合事務局設置 と意見交換を行った。 頂いた主な意見  園路の段差解消について、細かい配慮に感謝する。 木曳門から下之御庭に続く園路  奉神門階段と地面に明度差がないため、弱視の方は階段を踏み外してしまう可能性がある。  歴史的な景観への配慮はよく分かるので無理にとは言わないが、 角が分かるような印付けをするだけでも変わるのではないか。  QRコードの貼付け場所はもう少し目立つ場所にした方がいい。パネルの間ではなく、 自然な動線に沿って最初に目につくパネルの横 向かって左側 に設置する方がいいのではないか。  観光施設における心のバリアフリー認定制度 観光庁 の申請をしてはどうか。 首里城は認定基準を満たしていると思われる。沖縄県は、観光立県であるにも関わらず、 他県に比べ当該認定が少ない状況なので、ぜひ認定申請をしてほしい。  現地見学・意見交換の概要 日時 令和6年1月十二日金曜日 十三時三十分から十五時三十分 出席者 NPOバリアフリーネットワーク会議、NPO沖縄県脊髄損傷者協会、公益社団法人沖縄県精神保健福祉会連合会、 社会福祉法人沖縄県身体障害者福祉協会、沖縄県発達障害者支援センター、 沖縄総合事務局 国営沖縄記念公園事務所、運輸部企画室、沖縄県 都市公園課 首里城復興課、一般社団法人沖縄美ら島財団 内容 1 現地見学  園路 首里杜館から下之御庭  広福門 トイレ、券売所  奉神門 階段、スロープ、トイレ  素屋根見学エリア 2 意見交換  首里城復元に向けた取り組み  前回 令和五年二月二十八日 頂いた意見への対応状況  令和の復元の正殿のバリアフリー対策 五十五ページ 沖縄分科会 令和四年参考資料 首里城公園における移動等円滑化評価会議メンバーとの現地見学、意見交換 令和3年度に障がい者団体から、沖縄総合事務局長あて首里城復元におけるバリアフリー対策に関する要望書の提出を受け、 令和5年2月二十八日火曜日に首里城公園におけるバリアフリーに関する取組状況等について現地見学及び意見交換を行った。 現地視察では 券売所の高さが車いすでは使用しづらい、首里城復興展示室における多言語化について、 意見交換の場では 展示や音声ガイド、QRコードを用いた展示解説等の整備が足りない、設計の段階で我々障害当事者と 意見交換などこのような取り組みを継続していただきたい。などの意見があった。 また、会議終了後に委員から 前回の復元工事にて米国の建築士 車いす利用者 の方から、 首里城公園におけるバリアフリー対応が素晴らしかったとの話があり、誇らしく思えた。とのご発言があった。 首里城公園における現地見学等 概要 参加者 移動等円滑化評価会議委員、国営沖縄記念公園事務所、 沖縄県都市公園課、沖縄美ら島財団 内容 1 現地見学  券売所  下之御庭  見学デッキ  首里城復興展示室 2 意見交換  バリアフリーの取組状況 情報発信、現地スタッフ対応等、各種案内  復元関係の取組状況 正殿におけるバリアフリー等、その他 首里城公園復元におけるバリアフリー対策への要望 概要 首里城復元に向けて、計画段階からのバリアフリー整備の検討に対し、 当事者の声が反映されるよう沖縄総合事務局長あて要望書を提出。 沖縄総合事務局からは、令和4年に着工予定の首里城正殿について、仮設施設を含めたバリアフリー計画の説明があり、 今後の関係団体との意見交換の場の設定について検討する旨の回答があった。 日時 令和3年十月十四日木曜日 ※本来8月5日に要望書を提出する予定だったが、緊急事態宣言のため延期 要望者 特定非営利活動法人 沖縄県脊髄損傷者協会 仲根理事長、一般社団法人那覇市身体障害者福祉協会 高嶺理事長 参考資料 資料9 当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する最終とりまとめについて 国土交通省 総合政策局 バリアフリー政策課 令和6年3月 全41ページ 1ページ 目次 1 検討の経緯 2 最終取りまとめ 概要 3 バリアフリー環境の課題等について 各課題の優先順位と対応の方向性 括弧一 速やかに取り組む課題  丸一 ウェブサイトにおける情報提供  丸二 バリアフリールートの把握のしやすさ  丸三 経路誘導に関するサインシステム等  丸四 音声案内等の聞こえやすさ 括弧二 周知拡大に取り組む課題  丸一 ICTによる情報提供や誘導サービス  丸二 券売機 括弧三 現時点では中長期的に取り組むものと整理される課題  丸一 運行情報  丸二 車両内の情報提供  丸三 輸送障害や施設不具合等の事態が発生した際の情報提供等  丸四 改札口・改札窓口  丸五 駅名表示  丸六 ホームにおける乗車位置等  丸七 ホームや移動経路における障害物、インターホン等のアクセス性  丸八 乗り継ぎの際のバリアフリールートの整備等 二ページ 1 検討の経緯 最終とりまとめの位置づけ バリアフリー政策の展開 バリアフリー法制定 二千六年  バリアフリー法に基づく移動円滑化基準やガイドラインを策定  国として目指すべきバリアフリー整備目標の策定  施設設置管理者等への財政支援 第1、2次バリフリ目標 二千二十年まで  一定規模以上の鉄道駅など旅客施設や車両のバリアフリー整備が進捗  例えば、利用者数が三千人以上の旅客施設のほぼ全てで、 段差が解消されるとともに、視覚障害者誘導用ブロックの整備も進展 バリアフリー法改正 二千十八年、二千二十年 及び東京2020大会の開催  二千二十一年 コロナ禍で公共交通事業者の利用者減少  移動等円滑化評価会議の設置  バリアフリー関係施設の適正利用の責務の創設  役務提供基準 ソフト基準 の創設  当事者参画の重要性の高まり  第3次バリフリ目標 二千二十一年以降  旅客施設や車両等の更なるバリアフリー整備の推進  地方部も含めたバリアフリーの推進  外側から見えにくい障害に係るバリアフリー整備の進捗状況の見える化  心のバリアフリーの推進 等 新たなバリアフリー環境の課題に対応が必要  次期バリアフリー整備目標の策定の検討  基準・ガイドライン等の制度改正等の検討 今後の主な課題 本最終とりまとめでは主に丸一丸二の課題を整理 丸一 当事者目線でのハード面のアクセス性や使い勝手の向上 丸二 情報面でのバリアフリー 丸三 心のバリアフリーの更なる推進 丸四 当事者参画の推進 三ページ 1 検討の経緯 中間整理提示後の検討 第9回移動等円滑化評価会議 令和5年3月 において、当事者目線に立ったバリアフリー環境の 課題等に関する中間的な整理案を提示。 以降、最終取りまとめに向けて、以下の対応を実施。 丸一 鉄道事業者に対する実態調査を実施。事業者における整備の実態や課題等を把握。 丸二 当事者参画の下、地域分科会にて鉄道駅施設の現地調査を実施。取組事例や課題を把握。 丸三 テーマ別意見交換会を実施。当事者の意見を更に把握。 丸四 当事者及び事業者と意見交換を実施。頂いたご意見を考慮。 実態調査結果の整理・対応の方向性等の検討  事業者の整備状況や考え方等に関する実態調査の結果を整理  必要に応じて当事者からの意見の趣旨等の精査を行い、課題を整理  当事者のニーズ、対応の困難度、行政側の手当の状況 補助金、ガイドラインの有無等 等も 考慮しながら、課題の優先順位や対応の方向性を検討 地域分科会の活用テーマ別意見交換会の活用 4分科会において、事業者の協力も得ながら、施設の整備状況の確認や参考となる事例の収集等のため、 当事者参画の原則の下、現地調査を実施 現地調査先  新白島駅及び県庁前駅 中国  牧志駅及び市立病院前駅 沖縄  JR大阪駅うめきたエリア 近畿  大岡山駅 関東 テーマ別意見交換会の活用 当事者の意見の更なる把握が必要な項目について、 認識の共有や適切な解決策の検討を図るため、テーマ別の意見交換会を実施 テーマ  情報アクセシビリティ  ホーム駅名表示の視認性  乗車位置の識別方法  経路上の障害物、インターフォンへのアクセス 当事者、事業者との意見交換会 最終取りまとめ 四ページ 1 検討の経緯 鉄道事業者に対する実態調査の実施 目的  当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する最終的な取りまとめにあたっては、 移動円滑化の効果や鉄道事業者による対応の困難度等も考慮しながら、 課題の優先順位や対応の方向性を検討することが必要。  上記の検討材料として、様々な規模・地域の鉄道事業者におけるバリアフリー整備状況の 現状や整備の基本的な考え方等を把握するため、書面による実態調査を実施。  調査の実施にあたっては、バリアフリー整備が相当程度進んでいる鉄道駅を題材 1日あたりの平均利用者数を基準として、 1社あたり3駅 とし、対象駅の選定・回答作成を依頼 調査の概要  実施期間 令和5年8月1日から十月二十日  対象事業者 JR、民間鉄道事業者三十六社  主な調査内容   中間整理に記載されたバリアフリー環境の課題に係る、現在の基準やガイドラインの適合状況 ※   バリアフリー環境の向上に向けて工夫した事例 当事者や専門家からの意見聴取の有無を含む   運用、整備にあたっての課題 ※インターネットやICTによる情報提供等については、現状詳細なガイドライン等が存在しないため、 情報提供、サービス内容、運用方針、わかりにくさを解消するために工夫している点、運用の課題等について幅広く回答を依頼。 五ページ 1 検討の経緯 現地視察を通した事例等の収集  中間整理を基に、施設の整備状況の確認や参考となる事例の収集等のため、 移動等円滑化評価会議地域分科会のうち、下記4分科会において現地視察を実施。  実施に当たっては、様々な障害特性の方のご意見を反映できるよう留意して参加委員を決定。 各委員からは、好事例として評価出来る点や、気になる点についてご指摘があった。  得られた結果については、最終とりまとめにおける各項目の記載内容に反映。 中国分科会  視察先  新白島駅及び県庁前駅 施設概要  新白島駅 広島県   開業年月日 二千十五年3月十四日   乗降人員 一日あたり一万二千百十五人  県庁前駅 広島県   開業年月日 千九百九十四年8月二十日   乗降人員一日当たり一万二千九百四十七人 実施日 令和6年2月5日月曜日  新白島駅と県庁前駅の写真 沖縄分科会 視察先 牧志駅及び市立病院前駅 施設概要  牧志駅 沖縄県   開業年月日 二千三年8月十日   乗降客数 一日あたり二千八百四十九人  市立病院前駅 沖縄県   開業年月日 二千三年8月十日   乗降客数 一日あたり千三百八十九人 実施日 令和5年9月4日月曜日  現地調査の様子の写真 近畿分科会  視察先 JR大阪駅うめきたエリア 施設概要  大阪駅 大阪府   開業年月日 二千二十三年3月十八日   乗降人数 一日六十九万四千百五十六人 実施日 令和6年1月十五日 月曜日  対象エリア地図と改札口の写真 関東分科会 視察先 大岡山駅 施設概要  大岡山駅 東京都   開業年月日 千九百二十三年3月十一日   乗降人数 四万千三百六十七人 実施日 令和5年十二月1日金曜日  大岡山駅の駅外観と現地調査の様子の写真 六ページ 1 検討の経緯 現地視察を通した事例等の収集丸二 取組事例丸一 床面のサイン  視覚障害者向けの誘導ナビ 写真  床面の誘導案内 写真  床面のサインで通行方向を分ける取組写真 案内表示  到着駅ホームの垂直移動設備位置の表示 写真  ホームドアを活用した情報提供 写真 七ページ 1 検討の経緯 現地視察を通した事例等の収集丸二 取組事例丸二 券売機、改札口  有人改札口以外の拡幅改札口 写真  AIを活用した券売機 写真 その他  駅係員と映像でやり取りできるインターホン 写真  トイレの空き状況が外からわかる取組 女性用、男性用、車椅子使用者用別に、 空きあり、残り個室〇分の○ と表示された写真 八ページ 1 検討の経緯 現地視察を通した事例等の収集丸三 主なご意見 インターネット  駅情報について、駅の外観や改札口の写真が掲載されており、事前に駅のイメージをすることができた 知的  駅情報について、写真や構内図が掲載されているのはよかったが、拡大した際に解像度が低くなってしまう 知的  HP上に掲載されているデータがPDF化されているため、読み取りソフトが対応することができない 視覚 ホーム・通路  上り、下りの音声案内が男性の声と女性の声で分かれており、判断がしやすくなっている 視覚  電車が到着した際、電車の走行音で音声案内が聞こえないことがある 視覚  行き先表示が色分けされており、分かりやすくなっている 聴覚  ホームドアの点字の位置は斜面の両端が分かりやすい 視覚  インターホンの位置がそもそもわからない 視覚  エスカレーターやエレベーター降り口付近で、そこが何号車にあたる位置なのか音声で知らせてほしい 視覚 券売機、改札  IC専用と切符が使用できる改札をわかるようにしていただきたい 聴覚  券売機にインターホンが設置されているが、音が割れて聞きにくい 肢体  有人カウンターがある改札以外にも幅広の改札があるといい 肢体 トイレ  一般トイレの手洗い場が電動車いすでも使用しやすい高さになっていた 肢体  ベビーベッドではなく、大人も寝ることができるベッドだとよい 有識者  バリアフリートイレの施錠ボタンについて、部屋の隅に設置されており押しにくい 肢体  家族や異性介助の場合もあるため、男女兼用のバリアフリートイレがあるとよい 肢体  2つ設置されているバリアフリートイレのレイアウトが左右対称になっていてよかった 高齢者 エレベータ、エスカレーター  エレベーター内にインターホンのみではなく、モニター等があるとよい 聴覚  エスカレーターの入り口に上下矢印が表示されているのはとてもわかりやすい 肢体 案内表示・その他  構内案内図がある場所においては音声案内を整備してほしい 視覚  デジタルサイネージ等で表示する日本語にはフリガナをつけてほしい 知的  精算機や呼び出しボタンの位置を知らせる音声案内をつけてほしい 視覚  路線ごとに色の表示があるとわかりやすい 聴覚  案内表示が多言語 日英韓中の4か国語 表示になっていてよかった 高齢者 九ページ 1 検討の経緯 特性に応じたテーマ別意見交換会の開催について  当事者目線に立ったバリアフリー環境の課題等に関する最終取りまとめに向けて、 これまでアンケート調査や意見交換会を通して各団体からいただいたご意見等のうち、 中間整理において当事者の声をさらに把握とした項目 テーマ について、具体的なお困り事の状況や内容、 優良事例、他団体からのご意見に対するお気づきの点等の観点でヒアリング、意見交換を実施。  異なる特性間の相互理解や共通のニーズを把握するため、複数の特性の当事者団体に参加頂き実施。 ※複数回参加している団体については、特性ごとに異なる方に参加頂いている テーマ別意見交換会丸一  実施日時 令和5年十二月1日金曜日  特性 肢体不自由及び妊産婦、乳幼児連れ  参加団体 DPI日本会議、日本身体障害者団体連合会、全国脊髄損傷者連合会、 全国自立生活センター協議会、子育てひろば全国連絡協議会、びーのびーの、主婦連合会、アクセシブルジャパン テーマ別意見交換会丸二  実施日時 令和5年十二月5日火曜日  特性 視覚障害、聴覚障害、知的障害、発達障害、精神障害、認知症及び高齢者  参加団体 DPI日本会議、日本視覚障害者団体連合、日本身体障害者団体連合会、 全日本ろうあ連盟、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全国手をつなぐ育成会連合会、 日本発達障害ネットワーク、全国精神保健福祉連合会、認知症の人と家族の会、全国老人クラブ連合 テーマ別意見交換会のテーマ 丸一 情報アクセシビリティ インターネットやICTによる情報提供等 丸二 ホーム上駅名表示の視認性 丸三 乗車位置の識別方法 丸四 経路上の障害物・インターホンへのアクセス ※主に中間整理において当事者の声をさらに把握とした項目に関して、 最終とりまとめに向けて深度化が必要だと思われる内容を選定 十ページ 2 最終取りまとめ 概要 実施事項  令和4年度  日常利用の多い鉄道駅を題材として、これまでに実施した現地調査や意見交換会における意見を踏まえ、 横断的なテーマを設定し、当事者等の困りごと等に関するアンケートを実施。  アンケートで得られた当事者の意見について、それぞれの困りごとの状況や原因、解決策等について より詳しく把握するため、意見交換会を実施。異なる特性間の相互理解や共通のニーズを把握するため、 複数の特性の当事者団体に参加いただき実施。 これらの結果をもとに、施設利用の場面ごとにバリアフリー環境の課題を整理し、中間整理案において提示。 令和5年度  中間整理において当事者の声をさらに把握とした項目 テーマ について、具体的なお困り事の状況や内容、 優良事例、他団体からのご意見に対するお気づきの点等の観点で意見交換会を実施。 本意見交換会の結果も踏まえ、改めてバリアフリー環境の課題を整理し、 対応の方向性を本最終とりまとめにおいて提示。 各課題の優先順位づけと対応方針の整理  これまで頂いた当事者の声からニーズを整理するとともに、 実態調査等を通して事業者目線でガイドラインの充足度や対応の困難度を整理。  これらの結果を踏まえて各課題の優先順位を3つのカテゴリー 速やかに取り組む課題、 周知拡大に取り組む課題、現時点では中長期的に取り組むものと整理される課題 に分類。 各カテゴリーに対し、今後の対応方針を整理。 各論  各課題について、丸一 当事者の声、丸二 事業者の取組状況、 丸三 当事者のニーズと事業者の取組状況とのギャップ及びその要因等、 丸四 総括及び対応の方向性を整理。  今般の実態調査対象となっていない課題については、丸二、丸三を除く 他分野に対しても取りまとめ結果を共有、周知するとともに、順次具体的な検討等を実施 十一ページ 3 バリアフリー環境の課題等について 各課題の優先順位と対応の方向性  各課題について、これまで当事者から頂いた意見を基にニーズを整理。さらに、 事業者への実態調査等を踏まえ、事業者目線から対応の困難度、ガイドラインの充足度について目安を整理。  これらを踏まえ、各課題について、以下3つの優先順位カテゴリーに分類。  丸一 速やかに取り組む課題 当事者からのニーズが高い課題であり、かつ、 ガイドラインの充実化が図られれば改善に向けた対応が期待されるもの  丸二 周知拡大に取り組む課題 事業者の工夫により多種多様な新たな取り組みがなされているものの、 当事者への更なる周知・認知度向上が必要と思慮されるもの   丸三 現時点では中長期的に取り組むものと整理される課題 丸一、丸二以外の課題であり、 引き続き実態の把握等を行いながら検討を要するもの。  また、全項目共通の対応として、既存の補助金の活用等により引き続き整備の促進を行うとともに、 今般の調査や既往の調査で得られた導入・対応事例について、有用性が一定程度認められるものについては、 普及促進を図る観点から今後ガイドラインに盛り込む予定。 丸一 速やかに取り組む課題  ウェブサイトにおける情報提供  案内設備 バリアフリールートの把握のしやすさ、経路誘導に関するサインシステム等、音声案内等のわかりやすさ 令和6年度より、公共交通機関のバリアフリー基準等に関する検討会 以下、基準検討会 等において、具体的な検討に着手 丸二 周知拡大に取り組む課題  ICTによる情報提供や誘導サービス  券売機 令和6年度より順次周知拡大の取り組みを行う※1 丸三 現時点では中長期的に取り組むものと整理される課題※2  車両内の情報提供、運行情報、輸送障害時等の情報提供  改札口、改札窓口  駅名表示、ホームにおける乗車位置等  乗り継ぎの際のバリアフリールートの整備 引き続き実態把握等を行いながら検討を行う※1 ※1 周知拡大や実態把握等にあたっては、地域分科会とも適宜連携して対応 ※2 今後の新技術の普及や事業者のノウハウの蓄積等の状況に応じ、 将来的にガイドライン等で整備の方向性を示すこと等もあり得る 十二ページ  参考1 当事者目線  優先順位を整理するにあたっての表 縦軸 意見の数 横軸 関係する特性の数 幅広い特性の障害者から多くのニーズがあるもの ウェブサイトにおける情報提供 経路誘導に関するサインシステム等 輸送障害や施設不具合等の事態が発生した際の情報提供等 バリアフリールートの把握のしやすさ その他 ICTによる情報提供や誘導サービス 音声の聞こえやすさ 運行情報 ホームや移動経路における障害物 インターホン等へのアクセス性 ホームにおける乗車位置等 改札口、改札窓口 駅名表示 券売機 車両内の情報提供 乗り継ぎの際のバリアフリールートの整備等 括弧一 インターネットやICTによる情報提供やコミュニケーション 括弧二 駅構内での案内図等による移動経路の分かりやすさ 括弧三 駅構内整備等に関する情報保障等 括弧四 輸送障害や施設不具合等の事態が発生した際の情報提供等 括弧五 今後のさらなるバリアフリー環境の向上等に関してご意見があった事項 ※令和4年度に実施したアンケート調査及びテーマ別意見交換会で頂いたご意見を下に整理 <表ここまで> 十三ページ  参考2 事業者目線 優先順位を整理するにあたっての表 縦軸 整備の指針となるものの充足度 基準、ガイドライン、参考事例等 横軸 対応困難度 構造的要因、技術的課題の度合いを目安として示すもの 充足度 高 困難度 低  駅名表示  ホームにおける乗車位置等 充足度 高 困難度 高  ホームや移動経路における障害物、インターホン等へのアクセス性  運行情報  輸送障害や施設不具合等の事態が発生した際の情報提供等  車両内の情報提供 充足度 低 困難度 低  経路誘導に関するサインシステム等  券売機  ウェブサイトにおける情報提供  バリアフリールートの把握のしやすさ  音声案内の聞こえやすさ 他の項目と比較して、指針の充実化により、整備の改善が見込まれると考えられるもの 充足度 低 困難度 高  改札口、改札窓口  ICTによる情報提供や誘導サービス  乗り継ぎの際のバリアフリールートの整備等 括弧一 インターネットやICTによる情報提供やコミュニケーション 括弧二 駅構内での案内図等による移動経路の分かりやすさ 括弧三 駅構内整備等に関する情報保障等 括弧四 輸送障害や施設不具合等の事態が発生した際の情報提供等 括弧五 今後のさらなるバリアフリー環境の向上等に関してご意見があった事項 ※今般の実態調査で得られた各項目の回答を基に、課題の優先順位づけの際の目安として整理したものである 表ここまで 十四ページ 3 バリアフリー環境の課題等について 括弧一速やかに取り組む課題 丸一 ウェブサイトにおける情報提供 当事者の声  当事者は、その特性に応じたバリアフリー関係施設の有無等により、利用する駅や行動の範囲が決まるため、 当該鉄道駅におけるホームドアの有無や無人駅・有人駅の別、トイレ内の設備、授乳室、 駅構内の混雑状況等の施設情報についてホームページ等における情報提供のニーズがある。  一方、インターネット等における一般的な駅構内図の複雑性や情報量の多さ、 情報の断片的な掲載等による分かりにくさ、掲載されている画像の見づらさ、構内図が PDF化されている等で音声読み上げへの非対応等の状況が指摘されている。 調査項目 丸一 ウェブアクセシビリティの方針や運用ガイドラインの有無、課題 丸二 構内図案内ページの作成の有無 丸三 バリアフリールートの掲載の有無、工夫している点 丸四 構内図案内ページにおける、音声読み上げ機能への対応の有無 丸五 構内図案内ページにおける色覚障害者への配慮の有無、工夫している点 丸六 バリアフリー情報の作成の有無 丸七 バリアフリー情報を提供するに当たって、情報量の多さ等により生じるわかりにくさを解消するために工夫している点。 丸八 バリアフリー情報を提供するに当たって、視覚障害者にとって活用しにくいツール(リスト選択方式や動的コンテンツなど)を利用してもらうために工夫している点。 丸九 ウェブサイトのウェブアクセシビリティのチェックに当たって、ツールや指標の使用の有無 十五ページ 1 調査結果概要  概ね全ての事業者においてホームページ上でバリアフリー関係施設の有無等を含む、 バリアフリー関連の情報発信を行っていることが確認された。 また、ホームページでの情報発信に当たっては、読みやすさや使いやすさ等が重要になるところ、 方針や運用ガイドラインを定め、堅実に取り組んでいる事業者も複数確認された。 事業者によっては、色覚障害者当人に参画いただきながら検討、整備された事例も報告されており、 ウェブ整備に当たっても当事者参画の取組が確認された。  一方、ホームページでの情報発信に当たっては、ホームページ自体のユーザビリティ、 バリアフリー情報が掲載されたホームページまでのアクセス性、提供するバリアフリー情報の 範囲、粒度、見せ方など、それら対応については、各事業者によって当然異なる状況であることが確認された。 2 課題  事業者からは、デザインクオリティと読みやすさ 文字サイズ、文字と背景のコントラスト比等 の共存が難しい、 関係者による概念や技術的な知識の浸透度が低い、改修に伴う費用などのコスト面の問題などが挙げられるとともに、 利用者の方にとって知りたい情報が掲載できているか分からないといった そもそもウェブを通した情報発信に当たって求められる情報が不明確、といった課題が確認された。  なお、国土交通省が作成するバリアフリー整備ガイドラインにおいては、 読みやすさや使いやすさの確保のための具体的な手段に関する記載が乏しいものとなっている。 3 総括及び対応の方向性  今回事例として収集した各事業者における取組事例を参考としつつ、 令和6年度からW基準検討会のもとにWGを設置し、他の交通モードの事例も含め収集、検討を行い、 ガイドライン記載部分を拡充していくこととしてはどうか。  具体的には、丸一 障害当事者が事前に確認したい情報 ホームページ等で提供してほしい情報 を収集、 丸二 JISの各項目について可能な限り、クリア出来ている事例を収集、丸三 事業者から寄せられた 課題への解決策を他事業者での取組も含めて収集、丸四 事業者が取り組みやすいように 事例を多くガイドラインに掲示するような方向性を想定。   ※標準的な整備内容、望ましい整備内容、コラム、参考に記載する内容を充実化することを想定 速やかに取り組む課題として、令和6年度よりWGを設置し、具体的な検討に着手する 十六ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧一 速やかに取り組む課題 丸二 バリアフリールートの把握のしやすさ 当事者の声  駅構内の経路案内の情報では、バリアフリールートの把握がしにくいとの声が多い。  駅構内に様々な形態の構内案内図等が分散しており、どこで何を見ればよいのかが分かりにくい、 触知案内図も含め構内図が施設全体の構造を表示するなど情報量が多すぎて分かりにくいなど  そのほか、全体の経路の中でのエレベーターやトイレと現在地との位置関係を把握する必要があるとの声も聞かれている。  一方で、地方の利用者が少ない駅では簡単な案内しかなく、具体的な設備の位置が分からないといった声も聞かれている。 調査項目 丸一 ガイドラインの適合状況 丸二 計画に当たって、分かりやすい案内とするために工夫した点 丸三 デザインや掲出位置に関して、計画する際に課題となった箇所 丸四 課題は認識しているが現状改善できていない点 検討ステータス、要因含む 丸五 ホームページ上にて構内図の案内を提供している場合、現地の案内図との連携や見比べることを想定して工夫している点 十七ページ 1 調査結果概要  構造が複雑な駅や複数の事業者が乗り入れる駅において、アイソメ図による直感的にわかりやすい標記や 駅エリアを限定した標記、その他地上図と地下図を並べてエレベーターの位置関係がわかるように 標記する等の様々な工夫が確認された。 2 課題  構内案内図については、平面図による多層階のわかりやすい表現方法や適切な表示範囲等の課題が確認された。  触知案内図については改良工事等に伴う更新や、一時的な表記の不一致が課題として確認された。 3 総括及び対応の方向性  駅構内案内図に掲載する情報量が多いためかえって必要な情報を発見しにくい場面が想定されるが、 情報内容を絞る、内容を統一する際の方向性を示すことが必要ではないか。  駅構内案内図による情報提供を補足するものとして、ウェブサイトにおける事前の情報提供が 適切になされることも重要であるため、当該情報提供に係る何らかのガイドラインが必要ではないか。  なお、ICTを活用した情報提供や人的サポートとの連携を検討する必要性が生じてきている点や、 今後の検討、議論の動向によっては案内設備に求められる役割が変わっていく可能性がある点については留意が必要。  触知案内図については、設置場所の知らせ方、設置場所までの誘導の仕方、 有効性 触ってもわかりにくい等 等についてどのように考えるか整理が必要ではないか。  上記の観点等を念頭に置きつつ基準検討会等の場で議論を行い、 その結果を踏まえガイドラインの記載内容の見直し等を行ってはどうか。 速やかに取り組む課題として、令和6年度より、具体的な検討に着手する 十八ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧一 速やかに取り組む課題 丸三 経路誘導に関するサインシステム等 当事者の声  誘導サイン等については、複数の特性の当事者から、乗継ぎ時をはじめとして、途中で見失ったり、 複雑でわからなくなるとの声が聞かれている。また、頭上、床下、壁面におけるサインやルート表示を 望む意見の一方で、混雑により、床下、壁面は見えにくくなるなどの意見も存在。 発達障害の人からは、困りごと等の対応が可能な有人の場所の案内表記が少ないのではないかとの声も聞かれている。  また、混雑に伴う人の流れにより、視覚障害者誘導用ブロックに沿って進めなくなる等動線の交錯について不安が聞かれる。  その他にも、掲出する案内サインの色合いや床や壁等とのコントラストをつけてほしいという意見も聞かれている。 調査項目 丸一 ガイドラインの適合状況 丸二 計画に当たって、分かりやすい案内とするために工夫した点 丸三 デザインや掲出位置に関して、計画する際に課題となった箇所 丸四 課題は認識しているが現状改善できていない点(検討ステータス、要因含む) 丸五 混雑時の一般利用者と障害者の動線の交錯を防ぐために工夫した点 十九ページ 1 調査結果概要  サインシステム  他社線や周辺施設への誘導にあたっては、サインの増設やイメージカラーの採用のほか、 分岐点等には床面に誘導サインを掲出する等の工夫が確認された。  また、限られたサイン表示スペースを有効活用するため提供情報に優先順位をつけたり、 情報過多にならないよう掲出サインを必要最低限にしている事業者も確認された。 混雑に伴う導線の交錯  誘導ブロックの設置位置や床面サインを活用した旅客動線の誘導、 駅員を増員して声がけする等のソフト面での対応等の工夫が確認された。 2 課題  サイン同士やサインと広告との競合によりサインのわかりにくさの一因となっているといった課題が確認された。  また、表示する項目が多くある一方で1つのサイン表示スペースに収まらない場合や、 他社への乗り換え誘導のため本来設置したい場所が、自社エリアではないため設置できないといった課題も確認された。 3 総括及び対応の方向性  誘導サイン整備の基本的な考え方として、以下の観点を考慮することが重要ではないか。  丸一 サインと広告及びサイン同士が干渉せずどこからでもサインが確認できるようにすること  丸二 様々な障害の特性を考慮したサイン表示とすること  丸三 施設設置管理者間で連携を図り連続的な誘導案内が行われること  知的、発達障害者においては情報の取捨選択が難しい場合があること等も考慮しつつ、 サイン表示のあり方についてどのように考えるか整理が必要ではないか。 床サインについてはサインシステム全体の中で有効性に関する整理が必要ではないか。 ソフト面による対応に関しては接遇モデルプログラムの充実化を図る等も視野に入れてはどうか。  上記の観点等を念頭に置きつつ基準検討会等の場で議論を行い、 その結果を踏まえガイドラインの記載内容の見直し等を行ってはどうか。 速やかに取り組む課題として、令和6年度より、具体的な検討に着手する 二十ページ 3 バリアフリー環境の課題等について 括弧一 速やかに取り組む課題 丸四 音声案内等の聞こえやすさ 当事者の声  複数の特性の当事者から、ホームや列車内の音声案内について、担当する駅職員や場所によって 音量や明瞭度、スピード等が異なるため聞こえにくいという意見や、列車の行先等の音声案内に 別の音声案内等が重なり、聞こえないという意見が多く聞かれた。  また、精神障害者の方からは、いろいろな音が混ざってくると、 情報処理に時間がかかることから混乱してしまうと意見も聞かれた。 調査項目 丸一 ガイドラインの適合状況 丸二 駅構内音声案内における質 音量、明瞭度、読み上げスピード等 に関して、参考にしたものや工夫している点 丸三 音声案内に係る社内教育、研修の実施状況など 研修実施の有無、実施する場合はその内容、頻度 丸四 課題は認識しているが現状改善できていない点 検討ステータス、要因含む 二十一ページ 1 調査結果概要  わかりやすい音声案内の項目については、バリアフリー整備ガイドラインにおいて音量、音質、スピーカーの 設置位置に関する考え方等が参考で記載されているものの、具体的な導入事例にまでは 十分に踏み込めていない部分もあり、各事業者が独自に工夫して取り組んでいる状況が確認された。  自動合成音声を使用することで、音量、明瞭度、読み上げスピードについて 各駅間での平準化を図っている事業者も確認された。 2 課題  駅施設の構造上の問題として、全面が屋根に覆われているため、音が反響しやすいといった課題が確認された。  また、列車通過時等において案内放送が聞こえづらくなることがあるほか、 駅構内放送に対する近隣住民から苦情等により音量を下げざるを得ず、 案内放送が聞こえづらくなるといった課題も確認された。  ガイドラインにおいて、音声案内の聞こえやすさの観点から具体的な指針となる内容にまでは至っていない。 3 総括及び対応の方向性  指向性スピーカーや互いに干渉しない合成音声の活用、天井や壁への吸音パネルの設置等の対応が 一定の解決策になり得ると考えられる。 また引き続き、音声案内に係る研修等の実施も重要である。これらの有効性等について引き続き議論、検討が必要。  音声案内の整備にあたっては、以下の観点も考慮することが重要ではないか。  丸一 住宅地近辺など音への配慮が求められる場所や列車の発着時の騒音が大きなホーム等、 様々な場所において、誘導、設置の案内、アナウンス等の音声案内が必要とされることから、 単体の設備についてのみ考えるのでは無く、トータルでのサウンドコーディネートが求められており、 それぞれの場所に適したスピーカーや装置を設置することが必要である  丸二 設置方法について当事者や有識者による点検が有効である  上記の観点等を念頭に置きつつ基準検討会等の場で議論を行い、 その結果を踏まえガイドラインの記載内容の見直し等を行ってはどうか。 速やかに取り組む課題として、令和6年度より、具体的な検討に着手する 二十二ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧二 周知拡大に取り組む課題 丸一 ICTによる情報提供や誘導サービス 当事者の声  当事者は、その特性に応じたバリアフリー関係施設の有無等により、利用する駅や行動の範囲が決まるため、 当該鉄道駅におけるホームドアの有無や無人駅、有人駅の別、 トイレ内の設備等の施設情報について情報提供のニーズがある。  一方、駅構内図の複雑性や情報量の多さ、情報の断片的な掲載等による分かりにくさ、 構内図が音声案内への非対応 等の状況が指摘されている。また、スマホ等のアプリや二次元バーコード、 備え付けのタブレット 端末等を活用したルート案内や問い合わせのニーズ等も存在。 調査項目 丸一 アプリ等を活用した駅構内のバリアフリールートに関する情報提供や 案内サービスを導入の有無、工夫している点、課題 丸二 QRコード、アプリ等を活用したチャット・通話機能や、動画による 問い合わせサービスの導入の有無、工夫している点、課題 丸三 改札窓口や駅事務室等において案内用のタブレットの備え付けの有無、工夫している点、課題 丸四 上記のほかに、ICTを活用した誘導サービスの導入の有無、工夫している点、課題 二十三ページ 1 調査結果概要  各事業者によるバリアフリー情報の提供は、その内容、粒度に差異はあっても、着実に進んでいる状況。  また、アプリやAI等を利用した積極的な情報提供に取り組んでいる事業者も確認された。 2 課題  事業者からは、導入した技術に対する認知度や、利用者からの利用機会の課題が確認された。 3 総括及び対応の方向性  利用者による認知度向上に向けては、以下の取組を行う。   障害当事者が技術導入に係る情報を入手しやすくするため、事業者がこうした先進技術を導入した事例について、 定期的に国土交通省より障害当事者団体へ情報提供を行う。 また、国土交通省のHPに先進技術導入事例集を公表し、 定期的に更新することで最新の情報が一括して確認できるような形とする。   鉄道事業者におかれては、先進技術の導入や実証実験を行う際には、障害当事者がその旨を把握できるよう、 プレスリリースや各駅の案内ページ等の各社HPやアプリ等において引き続き積極的に周知いただけないか。 地域の障害者団体に呼びかけを行い、体験の機会を設ける等の取組も認知度向上に大きく資するものと考えられる   また、障害当事者団体におかれては、現地視察の内容や国土交通省から提供した情報 その他実際に利用した際の感想等を傘下会員らへ広報誌等を通じて積極的に周知していただけないか。 加えて、傘下会員らに対して積極的にこうした技術を利用して頂くよう、声がけをしていただけないか。 ※技術の導入に当たっては、利用者のニーズやレスポンスを把握することが重要であり、 利用頻度が低い状態が続くと、事業者としても導入リスクの懸念や当事者のニーズに合わない形で普及することに つながる可能性があると思慮。 そのため、障害当事者当人による技術の認知度向上や、触れ合う機会の増加は、 今後のバリアフリー分野での技術開発の試金石となる。 令和6年度より順次周知拡大に向けた取り組みを行う 二十四ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧二 周知拡大に取り組む課題 丸二 券売機 当事者の声  券売機の使い方の案内については、聴覚障害者にとって音声情報による対応が多いため、 使い方が分からない場合に理解しにくい状況であり、文字や手話通訳による意思疎通が望まれている。  また、障害者割引での購入方法が分かりずらいという声も聞かれた。 調査項目 丸一 ガイドラインの適合状況 丸二 聴覚障害者向けにモニター付き券売機を設けるなど、障害特性に応じたサービス提供方法で工夫している点 丸三 とりわけ、聴覚障害者に対する券売に係るサービス案内において、課題は認識しているが現状改善できていない点 丸四 聴覚障害以外の各種障害を有する利用者の方から、 券売に係るサービスに関して、課題は認識しているもが現状改善できていない点 二十五ページ 1 調査結果概要  オペレーターが遠隔できっぷ購入を手伝うシステムや、券売機付近に設置したカメラに 紙やスマホをかざすことでモニター上でオペレーターと筆談が可能となるシステムを導入している工夫が確認された。  また、中には先進的な技術の導入事例として、AI自動対話機能を設けているものも確認された。 2 課題  上記の事例のような券売機は筆談対応可能なことが広く認知されておらず、 利用者が戸惑われる場合がある等、如何に適切に周知していくかといった課題が確認された。 3 総括及び対応の方向性  利用者による認知度向上に向けて、以下の取組を行う。   障害当事者が情報を入手しやすくするため、事業者の導入事例について定期的に 国土交通省より障害当事者団体へ情報提供を行う。 また、国土交通省のHPに公表し、定期的に更新することで最新の情報が一括して確認できるような形とする。   鉄道事業者におかれては、プレスリリースや各駅の案内ページ等の各社HPやアプリ等において、 引き続き積極的に周知いただけないか。 地域の障害者団体に呼びかけを行い、体験の機会を設ける等の取組も認知度向上に大きく資するものと考えられる   また、障害当事者団体におかれては、現地視察の内容や国土交通省から提供した情報 その他実際に利用した際の感想等を傘下会員らへ広報誌等を通じて積極的に周知していただけないか。 加えて、傘下会員らに対して積極的に利用して頂くよう、声がけをしていただけないか。 令和6年度より順次周知拡大に向けた取り組みを行う 二十六ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧三 中長期的に取り組む課題 丸一 運行情報 当事者の声  視覚障害者や聴覚障害者の人は、限定された音声や文字の情報を収集し、状況を予測して、 次の行動の準備を行っており、運行情報は目的地に到達するために必要な情報であり、 音声、文字、手話通訳による情報の充実のニーズがある。  発車前、列車の接近情報など連続的な情報提供に加えて、編成数等必要な情報提供が望まれている。 移動経路全体にも関わる可能性もあるが、精神障害者の人からは、 商業広告や注意喚起など様々な情報と運行情報が混ざり、必要な情報が分かりにくいとの声がある。 調査項目  括弧一 運行情報  丸一 ガイドラインの適合状況  丸二 1 情報提供の内容、2 情報提供の方法  丸三 1 提供する情報の差異は具体的に何か、2 提供方法の差異 3 提供する情報の差異を設ける考え方  括弧二 可変式情報表示装置  丸四 ガイドラインの適合状況  丸五 1 設置位置、2 表示内容  丸六 追加的に表示している情報及び提供することとした背景や考え方  丸七 課題は認識しているものの現状改善できていない点 二十七ページ 1 調査結果概要  運行情報に関する情報提供  乗り場、発車時刻、種別、行き先、停車駅等、列車 電車 の基本的な情報や、運行障害が発生した際の情報は 概ね情報提供されていることが確認された。 また、各線、各列車の運行情報、運休情報などの情報を日ごろからHPで確認頂ける旨周知するため、 駅構内にQRコードを掲載したポスターを設けている事業者も確認された。  また、設置している設備や、事業者ごとの考え方や優先順位に基づいて、改札やホームにおいて提供する情報や 提供方法に差異を設けている事業者も確認された。 可変式情報表示装置  様々な情報を表示することが可能であり、ガイドラインの記載内容に加えて、 次列車の接近情報や多言語表示、PR等の一般情報等を表示している事業者も確認された。 2 課題  最新の運行情報や他社線運行情報について、異常時には情報が入らない情報輻輳、 また運行順序変更・種別変更が急遽あるなど、現況をリアルタイムに提供することが難しいといった課題が確認された。  ソフト面では、時間帯によって対応人数に限りがあり、旅客対応と運行情報の提供が同時に できないことがあるといった課題や、駅に配置されている係員が一人のため旅客対応と運行情報の提供が 同時に対応できないことがあるといった課題も確認された。 3 総括及び対応の方向性  当事者からは更なる情報の充実について求められているが、多くの情報が混ざると必要なものが 分かりにくいといった声もあるため、慎重な検討の上、真に必要な情報のニーズの把握が必要。  可変式情報表示装置による情報提供については、様々な情報を表示できるというメリットがある一方で、 広告等の一般情報を表示してしている事業者もあり、本当に必要な情報の判断が難しくなるという面もあるため、表示方法が課題。  またウェブ等の活用については、情報の即時性から有用であると思慮され、 分かりやすい情報提供が必要。 また、ウェブ等で情報を入手できることについて普段からの周知や輸送障害時における周知が必要。  輸送障害等の状況において、駅係員による適切な誘導等のソフト面の対応も重要であり、 また、他の利用客による声がけの観点からは心のバリアフリーの更なる推進が必要と思慮される。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う。 ウェブ等によるわかりやすい情報案内については、速やかに取り組む課題として、ガイドラインの検討の際に考慮することとする 二十八ページ 3 バリアフリー環境の課題等について 括弧三 中長期的に取り組む課題 丸二 車両内の情報提供 当事者の声  当事者は、車両内において、特性毎に降車や降車後の移動を円滑にできるように準備をしており、 車両内の事前の情報取得のニーズが伺われる。 車椅子使用者からは扉の開閉方向、精神障害者や高齢者からは駅間の必要時間や 降車駅の情報など、情報提供の内容の充実の声が聞かれている。  また、運転見合わせの状況等については駅構内だけでは無く 電車内でも分かりやすく案内してほしいといった声も聞かれている。  一方、アプリを使って到着駅を案内する仕組み等のニーズも存在。 調査項目  括弧一   丸一 車両内の案内表示装置 LED、液晶等 から、どのような情報提供しているか   丸二 車両内の可変式情報表示装置等から、車両の運行の異常に関連して、どのような情報を提供しているか   丸三 車椅子利用者が車内の車椅子スペースから、各駅における停車時の扉の開閉方向が分かるような 表示になっているか。 なっていない場合にはその理由を含む  括弧二 その他、車両内におけるバリアフリーに関する情報提供にあたっての工夫している点  括弧三 課題は認識しているものの現状改善できていない点 検討ステータス、要因含む   ※車両によって設備が異なるため、各社において最新の車両を選定の上回答頂いた 二十九ページ 1 調査結果概要  車両内での情報提供の項目については、ガイドラインに記載されている案内表示装置における 次の停車駅や行き先の表示、案内放送装置における行き先や戸の開閉側等の移動等円滑化基準で 定められた内容の提供はほぼ全ての事業者で確認され、車内案内表示装置での各駅における エレベーターやエスカレーターの設置位置を表示する等の工夫も確認された。  異常時の情報提供内容については、過去の事例を基に内容を決定している事業者も確認された。 その他、タイムリーな情報提供を優先する観点から肉声放送やWEB HP、X等  で案内している事業者も確認された。 2 課題  次停車駅の扉開閉方向、異常時における情報提供については運用面やコスト面 車両や地上設備の 改良等に係るもの の課題が確認された。  また、表示文字数の制約から案内できる内容に限りがあるといった課題も確認された。 3 総括及び対応の方向性  当事者からの声や事業者からの「案内できる内容に限りがある」というようなご意見を踏まえると、 情報提供の拡充に関しては、表示内容の優先順位について検討する必要があると考えられる。 その際には、各事業者の考え方や当事者のニーズも踏まえ、ガイドラインにおいて一例を示すこと等が考えられる。  またウェブ等の活用については、情報の即時性から有用であると思慮され、分かりやすい情報提供が重要。 また、ウェブ等で情報を入手できることについて普段からの適切な周知も必要と思慮。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う。 ウェブ等によるわかりやすい情報案内については、速やかに取り組む課題として、 ガイドラインの検討の際に考慮することとする 三十ページ 3 バリアフリー環境の課題等について 括弧三 中長期的に取り組む課題 丸三 輸送障害や施設不具合等の事態が発生した際の情報提供等 当事者の声  視覚障害者や聴覚障害者をはじめ様々な特性の当事者から、輸送障害や設備の不具合等が 発生した場合において、文字・音声情報による運転再開予定や代替ルートなどの 情報提供の具体化、充実化を求める声が多く聞かれている。  また、実際に災害等が発生した際に状況の把握が出来ず、 取り残されないか、不安な状態に置かれているとの声も聞かれている。 調査項目 丸一 ガイドラインの適合状況 丸二 輸送障害や施設不具合といった事案が発生した場合において、利用者に対する状況把握に資する情報提供方法 三十一ページ 1 調査結果概要  輸送障害時等の情報提供については、文字情報 ホワイトボードや張り紙、可変式情報表示装置等 や 音声情報といった形で概ね複数の手段により提供されている事業者が多く確認された。  窓口のお客さま対応などで係員が音声案内できない場合があるため、 司令所からの遠隔放送により最新の情報が提供できるよう取り組んでいる事例も確認された。  運行情報等を提供しているウェブ等 HPやアプリ への誘導を行っている事業者も確認された。 2 課題  輸送障害時等の情報提供については、多くの事業者でガイドラインに基づいた情報提供を できているものの、掲示板による文字情報では準備が状況に追いつかないといった課題も聞かれた。 3 総括及び対応の方向性  異常時の情報提供手段・提供内容について整理や、案内情報の充実にあたっての 真に必要な情報のニーズの把握が必要である。 また、多くの情報が混ざりかえって必要なものが分かりにくくなる可能性がある点にも留意し、慎重な検討を要する。  またウェブ等の活用については、情報の即時性から有用であると思慮され、 分かりやすい情報提供が重要。 また、ウェブ等で情報を入手できることについて普段からの周知や輸送障害時における周知が必要。  輸送障害や施設不具合等の状況において、駅職員による適切な誘導等のソフト面の 対応も重要であり、また、他の利用客による声がけの観点からは心のバリアフリーの更なる推進が必要と思慮される。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う。 ウェブ等によるわかりやすい情報案内については、速やかに取り組む課題として、 ガイドラインの検討の際に考慮することとする 三十二ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧三 中長期的に取り組む課題 丸四 改札口、改札窓口 当事者の声  複数路線の結節点である大規模な駅等では、乗継経路や改札口の複数設置も多いため、 視覚障害者や聴覚障害者が通過するべき改札の特定や、経路改札のインターホン等での 問い合わせに不安があり、特に聴覚障害者の方からは、文字や手話通訳による意思疎通が望まれている。  また、有人改札口以外の自動改札機においても、拡幅改札口を設けてほしいというご意見も聞かれた。 調査項目 丸一 ガイドラインの適合状況 丸二 改札口の別の視覚障害者に対する案内方法について、工夫している点 丸三 改札口の案内に関して、課題は認識しているが現状改善できていない点 丸四 改札口でのモニター付きインターホンや手話通訳等、各種障害特性に応じた案内方法で工夫している点 丸五 改札口周辺での音声等による位置情報提供、出口案内、路線情報等の情報提供について工夫している点 丸六 改札口における情報提供について、課題は認識しているが現状改善できていない点 三十三ページ 1 調査結果概要  視覚障害者に対しては、視覚障害者誘導用ブロックや音声案内、点字等により 改札の種別が案内されている事業者が多数確認された。 改札口名称に加え、券売機、改札機の位置関係や距離を音声で案内しているといった工夫も確認された。  また、拡幅改札を駅係員室の近くに設置して混雑時に手伝える体制を整えている事業者も確認された。  そのほか、タブレット端末や紙等を用いた筆談による案内や、遠隔での対応として、 モニター付きインターホンや利用者のスマートフォン端末を活用したビデオ通話、チャット等 のサービスを提供している事業者も確認された。 2 課題  音声案内については長文化や音の輻輳、設置費用等の問題があり どこまで情報提供するかといった課題が確認された。  障害当事者以外の他の利用者も当該改札を通過する傾向が高く、 混雑時には動線が交錯する傾向があるという課題も確認された。 3 総括及び対応の方向性  情報提供の方法や内容の優先順位について、各事業者の考え方や当事者のニーズも踏まえ、 ガイドラインにおいて一例を示すこと等が考えられる。  駅係員室において、真に支援が必要な障害当事者が支援を受けられるよう、 他の利用者に対する周知、啓発も重要。  筆談やIT機器等のサービスは駅により提供している内容が異なるため、 各駅でどのようなサービスを受けることが可能かという点について障害当事者への認知度の向上や、 どの駅にどのような設備が設置されているか適切に周知、案内されることが重要であり、 HPや触知案内図、音声案内等による周知が重要と思慮。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う 三十四ページ 3 バリアフリー環境の課題等について 括弧三 中長期的に取り組む課題 丸五 駅名表示 当事者の声  車椅子使用者や聴覚障害者から、ホームドア設置等による環境変化もあり、 車両内から停車時に駅名表示が見えにくい、 駅名表示は夜でも見やすくしてほしいといった声が聞かれている。  一方で、ホームドアの線路側に駅名や表示されている事例や、 駅の壁面にローマ字で駅名が大きく書かれている場合はわかりやすいといった声があった。 調査項目 括弧一 車両内の案内表示装置 LED、液晶等 から、どのような情報提供しているか 括弧二 その他、車両内におけるバリアフリーに関する情報提供にあたっての工夫している点 括弧三 課題は認識しているものの現状改善できていない点 検討ステータス、要因含む  ※車両によって設備が異なるため、各社において最新の車両を選定の上回答頂いた 三十五ページ 1 調査結果概要  現在の停車駅を表示することとしていると回答があった事業者も確認された。 2 課題  ガイドラインにおいては、車内で到着駅を表示する場合を除き、駅ホームにおいて、 車内から視認できる高さに駅名を表示し、その際は、どの位置からも視認できるよう配置に配慮するとされている。  なお、車内で駅名の案内表示をしている場合において、混雑時では車椅子着座状態では 表示が見えない場面も想定される等の課題が確認された。 3 総括及び対応の方向性  車内から視認できる高さへの駅名表示については、引き続き整備状況の進展が望まれるが、 整備が進まない何らか要因等が存在するか、要因がある場合にはどのような解決策が 考えられるか等の実態把握、検討を行ってはどうか。  一方で、他の手段と組み合わせてどのように案内するか全体的な議論も必要と思慮。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う。 三十六ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧三 中長期的に取り組む課題 丸六 ホームにおける乗車位置等 当事者の声  ロービジョンの視覚障害者や、知的障害者にとって、ホーム上で、様々な種別の 列車の乗車位置を色分け等で表示する方法は分かりにくいという意見が聞かれている。  また、ホームドアの点字表示やホームドアの床面の扉番号を頼りにしているが、 戸袋移動型やロープ式のホームドアでは点字がなく分からないという声や、 ホームドアの改修で床面の番号がなくなって分からなくなったなどの声も聞かれている。  そのほか、車両とホームの隙間を狭めるためにホーム上に 櫛形ゴムが設置されている部分について、分かりやすい表示のニーズがある。 ※鉄道事業者への実態調査対象外項目 今般、当事者の声をさらに把握することに注力したもの 三十七ページ 1 課題  ロービジョンや視覚障害者の方に対する、列車種別に応じた乗車位置を示す方法について、 直ちに一定の見解を示すことが難しいものと思慮される。 ホームドアの点字表示、段差、 隙間を縮小している箇所の案内表示については記載、例示の掲載がある  この点について、引き続き、視覚障害者の方の歩行支援に資する様々な技術開発の進展も望まれる。 2 総括及び対応の方向性  色分け等の表示が分かりにくいケースでは、駅職員による適切な誘導等のソフト面の 対応も重要であり、また、他の利用客による声がけの観点からは心のバリアフリーの更なる推進が必要と思慮される。  ホームドア 新たなタイプのホームドアを含む の点字表示、段差、隙間を縮小している箇所の 案内表示については、引き続き整備状況の進展が望まれるが、整備が進まない何らか要因等が存在するか、 要因がある場合にはどのような解決策が考えられるか等の実態把握、検討を行ってはどうか。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う。 三十八ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧三 中長期的に取り組む課題 丸七 ホームや移動経路における障害物、インターホン等のアクセス性 当事者の声  視覚障害者からは、柱が点字ブロックに近接していたり、点字ブロックを削るような形で柱がある場合は 衝突する可能性があるため、柱に衝突してもけがをしないよう、 緩衝材や素材等で工夫してほしいといった意見が聞かれている。  また、柱の色が床面や壁と同系色であると衝突が回避しづらくなるので、 柱全体や半分から下の色を変えるなど、色に配慮することに対するニーズがある。  聴覚障害者からは、ホーム上の非常用インターホンが音声のみでの やり取りしかできない場合、使用を戸惑ってしまうとの声が、 車椅子利用者からはインターホンに手が届くようにしてほしいとの声がある。 ※鉄道事業者への実態調査対象外項目 今般、当事者の声をさらに把握することに注力したもの 三十九ページ 1 課題  プラットホームにおけるインターホン等の設置については、ガイドラインにおいて障害者等が 使用しやすい構造、分かりやすい案内表示等が求めら れているが、具体的な仕様等について記載がない。  一方、緩衝材の活用、コントラストの確保については記載や例示の掲載がある 2 総括及び対応の方向性  緩衝材の活用、コントラストの確保については、引き続き整備状況の進展が望まれるが、 整備が進まない何らか要因等が存在するか、要因がある場合にはどのような解決策が 考えられるか等の実態把握、検討を行ってはどうか。  一方、プラットホームにおけるインターホン等の設置については、 ガイドラインの充実に向けた検討を行ってはどうか。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う。 四十ページ 3 バリアフリー環境の課題等について  括弧三 中長期的に取り組む課題 丸八 乗り継ぎの際のバリアフリールートの整備等 当事者の声  車椅子利用者からは、案内サインを含めバリアフリールートの分かりやすさが 課題といった声が聞かれている。  また、乗継ぎの際のバリアフリールートの整備などバリアフリールートの拡大、複数化など 今後の更なるバリアフリー環境の向上のための意見が聞かれている。 調査項目  丸一 1 バリアフリー化の状況 2 バリアフリー化する場合の他事業者とのこれまでの調整内容、調整状況 3 バリアフリー化が進んでいない場合には 今後の予定  丸二 他の事業者の路線への乗り継ぎの際の連絡ルートに関する案内の状況 提供する情報が 事業者の管轄区域ごとに異なることなく、統一されたものになっているか について 統一されていない場合にはその理由含む  丸三 課題は認識しているものの現状改善できていない点 検討ステータス、要因含む 四十一ページ 1 調査結果概要  乗り継ぎ経路の案内サインについて他社と協議の上統一化を図った事例が確認された。  また、バリアフリールートの整備にあたって自治体や他の事業者と検討を進めているという事業者も多数確認された。 2 課題  案内サインについてはそれぞれの事業者が個別にマニュアルを策定していることや、 組織横断的に調整する会議体等がないことから、他の事業者への乗り継ぎ経路における 案内サイン等が統一されていないという課題が確認された。  バリアフリールートの整備については、鉄道事業者間のみで調整することが難しいケース  乗り継ぎ経路が公道を挟む場合等 や費用負担の分担調整、駅施設の構造上の制約といった課題が確認された。 3 総括及び対応の方向性  乗り継ぎ経路 案内サインや段差の解消等 の整備に関する調整について、 関係者が多岐にわたる場合等には広域自治体主導で検討会を立ち上げ調整を行った事例もあることから、 そのような事例を深掘りして調整手順や留意点について何らかの指針を示すことが可能かどうか検討してはどうか。  事業者間で協議が進められていても、調整困難に至る場合等にあっては 必要に応じ自治体の協力も重要になってくると思慮。  一方、施設構造上の制約がある場合等には、整備が進まないことについて 当事者の理解を得つつ、どのような代替手段を提供していくかといった観点からの検討も重要と思慮。 現時点では中長期的に取り組む課題として取り扱い、引き続き実態把握等を行いながら検討を行う 以上