バリアフリーニュース 第六十八号 令和五年三月二十七日 記事1 第十六回国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰 四国地方では徳島県立近代美術館 ユニバーサルミュージアムの取組みが受賞 国土交通省では、平成十八年十二月施行の 高齢者、障害者等の移動等の 円滑化の促進に関する法律 バリアフリー法の趣旨を踏まえ、公共交通機関、 建築物、道路などの総合的かつ一体的なバリアフリー化を進めるとともに、 国民のバリアフリーに関する意識啓発にもより一層努めております。 これにより、国土交通分野におけるバリアフリー化の推進に 多大な貢献が認められた個人又は団体を表彰し、 優れた取組みについて広く普及 奨励することを目的に平成十九年度に、 国土交通省バリアフリー化推進功労者表彰制度を創設し、 この度第十六回となる表彰が行われました。 今年度は、令和五年三月十六日木曜日に表彰式が行われ、 当局から推薦の徳島県立近代美術館が受賞しました。 今回の受賞者 市立伊丹病院 徳島県立近代美術館 四国地方の受賞者である徳島県立近代美術館の取組概要は次のとおりです。 どなたもどうぞ観光のユニバーサルデザイン化を推進 徳島県立近代美術館 徳島県徳島市八万町向寺山文化の森総合公園 取組みの概要 工夫を凝らした定期開催イベント 聴覚障がい者に向けた手話通訳や筆談での鑑賞会 視覚障がい者に向けた対話や触図を介しての鑑賞会 視覚障がいを持つサポーターと聴覚障がいを持つ サポーターがナビゲーターを務める鑑賞会 子ども鑑賞クラブ アートイベントサポーター 障がい当事者も含む と共に作成 触図 視覚障がい者の鑑賞の手助け 手話ビデオ 音声ガイド 短い言葉が点字とともに書かれた積み木 感想を伝え合う くつろぎの館内設備 ピクトグラムを用いた簡潔で分かりやすい案内表示 心落ち着く空間を提供する木製家具配置のロビースペース 充実のホームページ 所蔵作品のコンパクトな解説やズーム機能を楽しむことのできるデジタルミュージアム 感覚に優しい センサリーフレンドリーの取り組み すぽっとライトNo.五十四 どなたでもどうぞ 普段の自分でいられる美術館を目指して では、さらに詳しく取組をお話しいただております。 喜びの声 徳島県立近代美術館 館長 島尾竜介 氏 この度は栄誉ある賞をいただき光栄に存じます。 美術に親しむ機会を一人でも多くの方に届けたい思いから、 美術館利用のバリアフリーに取り組んできた 積み重ねが受賞につながったことは 私たちにとって大きな励みとなります。 当館のプログラムを共に企画 運営している アートイベントサポーターの皆さんや、当館事業に参加、 連携してくださった皆さんと美術館との協働の賜と思っております。 これからも、誰もが過ごしやすい社会の実現に向けて、 美術館の現場から発信を続けたいと思います。 そして、さらに多くの方とつながっていけたらと願っております。 国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰式パンフレット 喜びの声コメントより抜粋 記事2 移動等円滑化促進方針 バリアフリー基本構想の作成支援 及び 障害の社会モデル の理解促進に関するセミナーを開催 香川県高松市 オンライン 令和五年一月十八日水曜日、当局主催の移動等円滑化促進方針 バリアフリー基本構想の 作成支援及び 障害の社会モデル の理解促進に 関するセミナーをオンラインで開催し、四国十八自治体にご出席いただきました。 今回のセミナーでは、移動等円滑化促進方針及びバリアフリー基本構想の 作成支援に関する説明のほか、昨年に引き続き障害当事者講師のご協力のもと 障害の社会モデルの理解促進に関するセミナーを開催いたしました。 障害当事者であるCIL星空代表井谷さんを講師としてお招きし、 井谷さんの自分史をはじめ、具体例や体験談を交えて自立とは何か、 そして障害者権利条約についてご講演いただきました。 また、井谷さんの大好きな伊予鉄道さんの、 全国でも数少ない取組についてもご紹介いただきました。 今後も、障害当事者講師にご講演いただき、 心のバリアフリー 障害の社会モデル などの普及啓発を行ってまいります。 日時 令和五年一月十八日水曜日 十四時から十六時 場所 四国運輸局会議室 オンライン 内容 1移動等円滑化促進方針及びバリアフリー基本構想の作成支援について 国土交通省 総合政策局 バリアフリー政策課 横山係長 2障がい当事者が伝える社会モデル〜思いやりの先へ〜 CIL星空 代表 井谷 重人 氏 出席者 四国十八自治体、四国地方整備局、四国運輸局職員 記事3 バリアフリーに関する意見交換会 愛媛 を開催 愛媛県松山市 オンライン 令和五年二月二十二日水曜日に四国地方整備局と四国運輸局の共催により、 バリアフリーに関する意見交換会 愛媛 を、対面とオンライン併用で開催しました。 愛媛県内の障がい当事者団体をはじめ、事業者、自治体、 学識経験者等にご出席いただきました。今回の意見交換会において、 百パーセントバリアフリーじゃなくても、考え方を柔軟にすることで、 不可能が変わっていくことってたくさんあるんだなというのを感じています 公共交通機関の利用の仕方がわからない、本当に乗れるのか はじめの一歩が出ないという当事者を対象に、乗降体験など、事業者さんの 企画の中に私たちを組み込んでいただきたい など、様々な意見 要望がありました。 日時 令和五年二月二十二日水曜日 十四時から十六時 場所 愛媛運輸支局 オンライン併用開催 主な議事 県別意見交換会開催の経緯 意見交換 ほか 出席者 徳島文理大学 理工学部機械創造工学科 藤澤教授 近畿大学 理工学部 社会環境工学科 柳原准教授 公益財団法人愛媛県視覚障害者協会、愛媛県聴覚障害者協会、 愛媛県手をつなぐ育成会、愛媛県精神障害者福祉会連合会、 CIL星空、障害者生活支援センターぐっどらいふ、 特定非営利活動法人ぶうしすてむ、 野村地域自治振興協議会心のバリアフリーステッカープロジェクト、 愛媛頸髄損傷者連絡会事務局、松山市社会福祉協議会、 特定非営利活動法人わをん、四国旅客鉄道株式会社、 伊予鉄道株式会社、伊予鉄バス株式会社、瀬戸内運輸株式会社、 石崎汽船株式会社、松山空港ビル株式会社、 四国鉄道協会、一般社団法人愛媛県バス協会、 松山市 八幡浜市バリアフリー担当者、 大阪航空局高松空港事務所 松山空港事務所 記事4 四国におけるバリアフリー推進施策 令和四年度 バリアフリー推進体制の整備 令和四年七月二十六日第四回移動等円滑化評価会議四国分科会を開催し、 四国内のバリアフリー化進捗状況評価及び各自治体、 事業者の取組の共有、障害当事者団体をはじめ、 事業者、自治体、学識経験者等との意見交換を行いました。 令和五年二月二十二日バリアフリーに関する意見交換会愛媛を オンラインと併用し愛媛運輸支局にて開催し、 障害当事者や事業者との意見交換を行いました。 ソフト面のバリアフリー推進施策 小学生や交通事業者従業員等を対象にした バリアフリー教室 バスの乗り方教室を開催しました。 バリアフリー教室開催実績 令和四年 五月十七日 対象 四国地方整備局 四国運輸局職員 十名 六月十三日 対象 高松市立亀阜小学校 五年生 八十八名 九月九日 対象 鳴門市立林崎小学校 四年生 四十五名 九月十四日 対象 鳴門市立鳴門市第一小学校 四年生 六十一名 九月十六日 対象 徳島市立上八万小学校 三年生 五十七名 九月二十二日 対象 高松市立花園小学校 三年生 三十六名 十月二十一日 対象 徳島市立八万南小学校 四年生 七十四名 十月二十六日 対象 藍住町立藍住西小学校 四年生 八十九名 十二月七日 対象 ことでんバス株式会社 乗務員 十名 バスの乗り方教室開催実績 令和四年八月二十三日 対象 放課後デイサービスあかりプラス 六名 障害の社会モデルの理解促進に関するセミナーを開催しました。 令和五年一月十八日 講師 CIL星空 代表 井谷 重人 氏 対象 四国十八自治体 バリアフリー基本構想及び移動等円滑化促進方針 マスタープランの作成支援 基本構想策定済みの自治体に対しては見直しを、 基本構想 移動等円滑化促進方針 マスタープランが 未策定の自治体に対しては作成について、 四国地方整備局と共にプロモートを実施しました。 令和四年度プロモート実績 令和四年六月 香川県善通寺市 令和五年二月 高知県香美市 香川県小豆島町 バリアフリー化財源の確保 バリアフリー関係補助事業等を活用した、車両のバリアフリー化が進みました。 なお、車両に係る補助実績は次のとおりです。 令和二年度観光振興事業費補助金 公共交通利用環境の革新等事業 低床式鉄道車両 二両 一億九千八百万円 令和二年度訪日外国人旅行者受入環境整備緊急 対策事業費補助金交通サービスインバウンド対応支援事業 交通サービス利便向上促進事業 ユニバーサルデザインタクシー 四両 補正含む 二百四十万円 令和二年度地域公共交通確保維持改善事業費補助金 地域公共交通確保維持事業 車両減価償却費等 ノンステップバス 十八両 二千九百七十五万五千円 地域公共交通バリア解消促進等事業 福祉タクシー 四両 補正含む 百九十五万四千円 旅客施設及び車両等の整備計画 交通事業者移動円滑化取組計画等により、 交通事業者のバリアフリー推進計画の把握に努めました。 交通事業者のソフト面の対応 令和四年十二月、ことでんバス株式会社において、 事業者の乗務員等を対象としたバリアフリー教室を開催しました。 記事5 最終回 疑問にお答えします 連載 移動等円滑化促進方針マスタープランと基本構想 全五回 連載 移動等円滑化促進方針と基本構想を分かりやすく説明しますの 一回から四回まで、計画制度の概要や心のバリアフリー等について説明してきました。 今回は、自治体の方から質問の多かった全国の作成事例を次のとおり紹介いたします。 計画の一部を紹介しております、 詳しい内容は各自治体のホームページにてご確認ください。 移動等円滑化基本構想 1全国的に規模が小さい規模の自治体の作成事例を知りたい 2旅客施設が存在しないからバリアフリー計画は必要ないと考えている 3基本構想の見直しは、必ずマスタープランを作成しないとできないのか 移動等円滑化促進方針 マスタープラン 1全国的に規模が小さい自治体で作成しているところはあるのか 2約二十年前に基本構想作成済みだからマスタープランは作成しなくていいのか 3今は具体的な事業はないけど、いずれ特定事業の対象になるかも 1基本構想 1日平均乗降人数九百八十一人の駅を生活関連施設に 北海道伊達市人口三十二万 令和五年一月 バリアフリー化に向けた整備の基本方針 道路の整備方針 道路改修時 車いすでの走行性の悪さ、白杖の引っ掛かり等を 考慮し、ブロック系の塗装を避けたバリアフリー化を進めます。 同時に段差や勾配の解消を行うため、 関係者との協議 検討を行い、一体的な整備を推進します。 視覚障害者誘導用ブロックの設置については、 視認性の良いもの 黄色を基本とするを使用するようにします。 また、道路管理者が代わる境界などについて連続性が 確保できるように、関係者や市民と連携し整備を推進します。 実施すべき特定事業者等に関する事項 道路特定事業 施設名 管理者 道道伊達紋別停車場線 北海道 整備内容 道路 車道、歩道 拡幅、バリアフリー化を行います。 整備目標 短期 2基本構想 町内に旅客施設 駅がない  奈良県上牧町人口二十二万 平成二十九年三月 一般的に、バリアフリー基本構想においては、駅を中心とした 建物や公共交通機関、公園、駐車場を基本とされるが、 上牧町では、駅ターミナルは存在しないため、 従来の対象施設だけでなく、生活空間全体におけるバリアフリー化を推進します。 実施すべき特定事業 1公共交通特定事業 バス事業者 奈良交通株式会社 整備内容 車両 ノンステップバスの導入 順次バリアフリー適合車両の導入 車内への電光掲示板の設置 今後導入するバリアフリー適合車両には、 次の停留所を表示できる機器を設置 整備目標 中期十年・長期十年以上 整備内容 案内情報の分かりやすさ バスロケーションシステムの導入 整備目標 中期十年 3基本構想 基本構想を見直し 大阪府四條畷市人口五十五万 平成二十八年十月 平成十六年三月に 四条畷市交通バリアフリー基本構想 以下、 旧基本構想を作成し、各施設管理者等の協力を得ながら鉄道駅やバス、 道路等のバリアフリー化を進めてきました。 平成三十年十一月及び平成三十一年四月に、その後、令和二年六月に 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を 改正する法律 が施行しておりこれらの背景をもとに、 より一層のバリアフリー化を進めていくため、令和三年十二月に 旧基本構想は四條畷市バリアフリー基本構想に改訂しました。 教育啓発特定事業 整備メニュー及び取組 具体項目 公共交通事業者等の従業員を対象とした接遇研修の実施 目標時期 継続 事業者 JR西日本 近鉄バス・京阪バス 平成十八年十二月より建築物、都市公園、路外駐車場等が 生活関連施設の対象に追加 令和二年五月より 教育啓発特定事業 創設 1移動等円滑化促進方針 基本構想未作成 岩手県遠野市人口二十六万 令和二年一月 策定の経緯 法や条例に基づき、行政や事業者がすでにそれぞれの道路や施設の バリアフリー整備を進めていますが、事業主体や対象が異なる施設間での バリアフリーの一体感 連続性が図られていない側面が課題となっています。 また、交通政策基本法、障害者総合支援法、障害者差別解消法の成立等を受け、 まちづくり ハード面と福祉施策 ソフト面が連携した バリアフリー推進の必要性が高まっています。 さらに、二千二十年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、 共生社会の実現を目指しており、大会後も見据えた更なるバリアフリー化の進展、 また心のバリアフリー化に向けた取組が必要となっています。 これらの状況を踏まえ、行政・住民 事業者等が一体となってマスタープランを策定し、 共通の方針に基づいた重点的かつ一体的なバリアフリーを推進することとします。 基本構想との関連性と今後について 第7章 移動等円滑化促進方針 マスタープランの評価・見直し なお、移動等円滑化促進地区において、バリアフリー化に関する 具体事業の目処が立った場合には、バリアフリー基本構想の作成を行い、 事業を進めていきます。 2移動等円滑化促進方針 基本構想は既に作成している 新潟県糸魚川市人口三十九万 令和五年一月 策定の経緯 平成十五年度に交通バリアフリー法 高齢者、身体障害者等の 公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律に基づく 糸魚川市交通バリアフリー基本構想を策定し、 重点整備地区において円滑な移動空間の確保に取り組んできました。 しかし、策定から十五年以上が経過しており、 時代の変化に応じた適切な見直しが求められています。 また、平成二十八年十二月に発生した糸魚川市駅北大火からの 復興に向けたまちづくりが進められる中、 本格的な高齢社会に対応した誰もが安全 安心に移動できる バリアフリー環境を実現していくためには、 復興まちづくりと連携した取組を計画的かつ効果的に進めていく必要があります。 このような背景から、官民一体となって面的 一体的な バリアフリー整備を進めるための 第1歩として移動等円滑化促進方針を策定することとなりました。 基本構想との関連性と今後について 糸魚川市交通バリアフリー基本構想に基づくこれまでの取組により、 糸魚川駅を中心とした重点整備地区において、 円滑な移動空間の整備が進められてきました。 しかしながら、誰もが安心して社会参加できる環境を整えるためには、 これまでの取組を発展的に見直しつつ、継続していく必要があります。 このため本方針では、選択と集中の視点を踏まえつつエリアや 取組内容を見直したうえで、中長期的な視点のもと、 継続的 段階的なバリアフリー化を推進します。 移動等円滑化促進地区から重点整備地区へ 3移動等円滑化促進方針 基本構想を見据えたバリアフリー計画 秋田県大館市人口七十一万 令和二年一月 策定の経緯 バリアフリーに関するまちづくりの施策が進められている中、 高齢者や障害者等を含めた誰もが住みよいまちである 健康福祉都市 を実現するため、 移動等円滑化促進方針及びバリアフリー基本構想の策定による 面的かつ一体的なバリアフリー化に向けた具体的な取り組みの 行動指針の策定が求められます。 これにより、将来あるべきまちづくりの方針を示した 都市再興基本計画と連携しながら、 高齢者や障害者等の暮らしやすい環境を整備し、 心のバリアフリーの取り組みを含む移動等の円滑化に資する計画を策定します。 基本構想との関連性と今後について 令和二年度 大館市バリアフリーマスタープラン策定 令和3年度 大館市バリアフリー基本構想策定 高齢者や障害者等を含めた誰もが住みよいまちである 健康福祉都市の実現 本連載記事は、これで終了です。 より詳しく学びたい方は下記までご連絡ください。 記事6 四国運輸局キャラクター誕生 四国運輸局オフィシャルマスコットキャラクター ぴヨンちゃん 以上です。