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九州運輸局長からのご挨拶

九州運輸局長からのご挨拶

就任の挨拶

T.【九州北部の豪雨について】

まずは、今般の九州北部地方での豪雨災害により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われました皆様にお見舞い申し上げます。 九州運輸局におきましても、警戒体制を講じまして福岡県、大分県に職員を派遣するなど、関係者と連携し情報収集に当たるとともに、物流関係団体との緊急輸送に係る体制構築等を実施して参りました。 今後とも、職員一丸となって、災害からの復旧に努めるとともに、両県の観光地への入り込みにつきまして、風評が起こらないよう、地域の情報を的確に発信して参ります。


U.【熊本地震】

昨年の平成28年熊本地震につきましても、九州運輸局では、熊本地震の発生直後から様々な取組みを行って参りましたが、阿蘇くじゅう国立公園や温泉地等の様々な魅力を踏まえ、阿蘇地域の魅力を発信するためのプロモーション等の取組みを進め、引き続き観光の振興を全力で支援して参ります。また、南阿蘇鉄道については、1日も早い全線復旧を目指すとともに、公共交通網の持続可能な再構築・利用促進を図るため、計画を年度内に策定をするべく、現在、南阿蘇鉄道沿線地域公共交通活性化協議会が行われているところであり、こちらに九州運輸局も参加をし、関係自治体等とも連携して取り組んで参りたいと考えております。


V.【九州の観光、貸切バス】

訪日外国人旅行者数が2,400万人を超えるなど、九州におきましても372万人となり前年と比べて31%も増えており、観光は日本・九州の一大産業ともいえる規模に発展しました。九州は、自然、歴史、文化、食など、いずれの面からも、観光地としてとても魅力的であり、また、先日も「宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界文化遺産に登録され、様々な観光に関わる情報が日々発信され続け世界各国の方が注目をされている場所であると思っております。そういった九州の「良さ」を発揮できるよう、一層磨き上げ、発信させて、九州、我が国の経済に大きく寄与させていくということが大切であろうと思っております。 九州のインバウンドの特徴の一つでありますクルーズ船については、九州インバウンド観光の37.2%を占めています。2016年、九州管内におけるクルーズ船の寄港回数は814回と、過去最高を記録しました。さらに高い目標を目指して行くためには、さらに多くのインバウンド観光客を迎えていくための施策を展開していく必要があり、寄港地を増やす取組、或いはクルーズ客の利便の確保問題等を関係者とともに解決或いは推進していくことが大切であると思います。寄港地につきましては、博多港・長崎港などに加え、今年の1月に佐世保港と八代港が「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾として選定され、また、改正港湾法も施行されクルーズ船の受入れ環境整備が一層進むと考えられます。 クルーズ客の利便の確保につきましては、日本に来ていただく旅行者に寄港地を満喫していただけるよう魅力的な観光素材を発掘し、いろいろ「見ていただく」「回っていただく」「買っていただく」「食していただく」ということが大切であろうと思います。また、快適に周遊していただくため、寄港地観光の分散化により、混雑しない快適な周遊のための環境作りの取組を検討・推進して参ります。


最近の動きでは、6月に「観光ビジョン推進九州ブロック戦略会議」が開催されました。以前より連絡会というものがありましたが、この観光ビジョン推進九州ブロック戦略会議では、関係省庁の地方機関、地方公共団体、民間事業者等、幅広い関係者が参加し、連絡会の時に加え、新たな観光資源魅力向上ワーキンググループを含む五つのワーキンググループで議論を行っていくこととしております。例えば、政府全体で取り組んでいく観光の一つのメニューとして、「国立公園を世界水準のナショナルパークにすること」「農泊を進めること」「観光施策により入り込み地の魅力を高めていくこと」等があり、これらをいろんな関係省庁が重層的に議論を行って、効果の高いものを求めていくことに、この会議のポイントがあると考えていますので、この会議の議論につきましてご期待いただきたいと思います。年末に一定のとりまとめをしたいという意識で取り組んでおりますので、また、その時には情報を公表して参りたいと考えております。また、前述の阿蘇地域の魅力を発信するためのプロモーション等につきましても、この会議の議論なども含め、関係者一丸となって進めて参りたいと思います。


また、2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピック・パラリンピックが開催され、ことラグビーワールドカップについては九州の3会場(福岡、熊本、大分)でも試合が行われます。九州の観光の特徴でありますアジアからの多くの訪日観光客に対して、九州への直行便がほとんどなかった欧米豪といった地域からの観光客については、まだまだ潜在力があると考えております。ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックを契機として、いかに九州の魅力を訴求し、九州を長期に周遊していただけるかチャレンジしていく絶好の機会であると思います。欧米豪富裕層の市場の開拓により消費拡大を目指していくことなども重要な戦略であろうと考えております。 そのためにはビジット・ジャパン地方連携事業や広域観光周遊ルート形成促進事業を活用し、地方自治体等観光関係者と連携しながら、海外での観光説明会や商談会の開催、海外旅行社等を招請してのファムトリップを実施することで、九州各地の自然や温泉、伝統文化、食といった魅力をPRする絶好の機会であろうかと考えております。


観光に関連し、観光客を受け入れるに当たって貸切バスの問題があります。貸切バスにつきましては、軽井沢スキーバス事故があり、それを契機として、道路運送法が改正され、貸切バスの安全性を一層確保していくという仕組みがそこに書き込まれました。その一つに、新たに適正化実施機関をブロック毎に設置し巡回指導を行うことになりました。九州の適正化実施機関では8月1日から巡回指導を開始することになります。 貸切バスの安全対策の徹底により利用者の貸切バス全体に対する安全への信頼確保を通じて、より観光の振興にも寄与するものと考えております。


W.【九州の地域公共交通】

地域の公共交通の活性化についても、着実に取り組んで参りたいと思います。 地域公共交通活性化再生法が成立して10年経ちましたが、九州は地域公共交通の取組に大変熱心なエリアであろうと思います。この活性化法で地域公共交通をどのように確保・維持していくかというマスタープランである「地域公共交通網形成計画」の作成件数は全国303件中、九州は52件も作られており、作成を検討している自治体を含めれば九州の約2分の1の自治体が同法に基づく取組を進めている状況になります。 マスタープランを作成するための協議会には、地方自治体や交通事業者のみならず、地域の利用者の方々も参画しています。計画作成件数が多いということはそれだけ地域が熱心であるということでもあり、大変素晴らしいことだと思います。 加えて、マスタープランの次のステップとしまして、再編実施のアクションプラン「地域公共交通再編実施計画」の作成・認定も進んでおり、去る7月12日には、九州で6件目となる八代市の地域公共交通再編実施計画の認定を行ったところです。この計画では、バスの上限運賃を200円に設定し、分かりやすく、かつ利用しやすい運賃に定め、高齢の方にも快適に乗車いただくよう乗り継ぎ利便性の向上とデマンド運行化を拡大するなど様々な具体的プランが書き込まれており、それが関係者の創意工夫と議論によって作り上げられていることに大きな意義があります。 管内の多くの自治体が、将来を見据えてマスタープラン及びアクションプランを作っていくということは喫緊の課題であろう考えております。私ども九州運輸局、運輸支局としましても、地域の皆様と一緒に地域公共交通のあり方を考え、支援・アドバイスなどをしてまいりたいと考えております。


X.【物流への取組み】

物流につきましては、私事ながら、平成24年から2年間、国土交通省自動車局貨物課長を務めておりました。トラック事業は全国10数兆円の売り上げがある国土交通省の中でも屈指の大きな業界でありますが、労働環境や経営環境というのは当時から相当厳しい議論がありました。最近では、自動車運送事業の働き方改革ということが大変大きな注目を浴びており、関係省庁連絡会議が開催されるなど、貨物運送事業の生産性向上や働き方改革は我が国及び九州経済にとりましても喫緊の課題であると考えております。 トラックを含めた物流の効率化ということが大変重要でありますが、昨年10月から「改正物流総合効率化法」が施行され、輸送網の集約やモーダルシフト、共同輸配送といった輸送の合理化を支援する仕組みが構築されたことを受けて、九州運輸局ではプロジェクトチーム「九州運輸局物流効率化政策推進本部」を組織し、各部横断的に諸取組を行っています。物流の効率化や省力化に向けて、例えば優秀なモデルを構築し、支援を行う。そういうことを精力的に強化してきております。 九州の特性としまして、大都市向けの輸送というのが相当あるほか、長距離フェリー航路の約7割が発着するなど海上輸送による輸送網が充実しているといった特徴があります。モーダルシフトを進めるにあたって、様々な選択肢があるということが大きな強みの一つであると考えております。現に、九州管内におきまして、海上交通或いはJR貨物による鉄道輸送とトラック輸送を組み合わせたもの等の取組みが、改正法に基づく「総合効率化計画」として5件認定され、国の支援等を受ける見込みとなっております。このような輸送の合理化の取組みが九州内に今後一層拡がっていくことに強く期待しております。 また、トラック業界と荷主との連携強化なども重要なテーマであり、物流に関わる様々な取組或いは対応につきまして、プロジェクトチームにおける取組を、改めて、年内にはご報告申し上げたいと考えております。


Y.【離島航路】

鉄道やバスもさることながら、九州には全国の約3割を占める離島航路があります。これらの航路は、離島における人口減少・少子高齢化の進行など輸送需要の減少により、厳しい経営環境に直面しています。九州運輸局としては、地域公共交通確保維持改善事業等を活用し、離島に暮らす人々の移動や生活必需品等の輸送を支える離島航路を引き続き支援して参ります。また、そのために必要となる人材育成、ノウハウ、情報提供の充実を図って参ります。


Z.【安全・安心の確保】

あらためて申すまでもなく、運輸事業にとって最も基本とすべきは安全の確保です。 昨今、鉄道やバス、海上タクシーの輸送の安全性、信頼を損ねる事故等が起きており、安全が第一との認識の下、検査や監査を通じた管内事業者の指導・監督、外国船舶の安全確保に関する監督を適切に行って参ります。 輸送の安全確保のためには事業者自らが安全性向上に取り組む必要があり、経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制が構築されるように、運輸安全マネジメント制度の定着に努めて参ります。


[.【防災対策の推進】

ここ九州においては、南海トラフ巨大地震をはじめとした防災対策の推進が喫緊の課題となっております。これまでも、九州各県において物流団体との協定を締結する等、支援体制の確立がなされて参りましたが、引き続き、緊急輸送体制の整備や被災者支援等、災害発生に備えて実施すべき施策や緊急時に執るべき措置等について、各県・各交通事業者等の関係者と連携して実効性のある対策が講じられるよう努めて参ります。


\.【IoTの発展】

私ども運輸局としまして、世の中の変化にいろいろとアンテナを高くし柔軟に対応して参りたいと考えております。国土交通省では、現下の人口減少時代において労働の生産性を高めていく、労働者の減少していく分を、それを上回る生産性を確保していくことで経済成長を実現するため、昨年3月に「国土交通省生産性革命本部」を設置し、現在20のプロジェクトを国交省全体で推進をしております。一つのキーワードは「IoT」であり、IoTの進展というのを、観光や公共交通、物流を含めて各業界が積極的に取り入れておられます。相当の潜在力を持っており、それを色々な形で、みんなで勉強しながら支援させていただくことを通じて、事業者や利用者の利便の確保に大きく貢献できると考えております。 また、話題になります「クルマのICT革命」につきましては、九州管内でも道の駅等で自動運転の実証実験の取組みが行われ、自動運転技術の実用化に向けたルール整備、システムの実証も進められてきているところです。様々な分野に活用できるIoTに限らず、世の中の技術の発展・進展その動きなど、各分野における様々な取組について知恵やご提案をいただきながら取り組んで参りたいと考えております。


].【最後に】

九州運輸局は、平成26年より「運輸と観光で九州の元気を創ります」というキャッチフレーズのもと、所掌業務を推進しております。各地域からも声をいただきながら職員と一丸となって、頑張って参りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


平成29年7月

九州運輸局長 加賀 至

 

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