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九州運輸局長からのご挨拶

                  年頭の辞

                          九州運輸局長 下野 元也

 新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

 昨年7月の豪雨災害により、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
熊本地震や九州北部豪雨からの復旧・復興は着実に進んではいますが、まだ道半ばの状況にあり、九州運輸局としましても、これら被災地の復旧・復興に向け、引き続き職員一同取り組んでまいります。

 また、昨年10月には、長崎県の離島航路において、運航事業者の経営の行き詰まりから突然運航が停止され、利用者利便が大きく低下するという事態が発生しました。離島航路は、島民の日々の暮らしに欠かせない重要な生活インフラであることから、今後も必要な輸送サービスが適切に提供されるよう、航路経営の安定と維持・確保に向けた支援に全力で取り組んでまいります。


年頭に当たり、九州の運輸・観光行政に関する抱負を述べさせていただきます。

まず、防災対応です。

 近年、防災業務の重要性は、益々アップしております。九州運輸局では、昨年、日本各地で発生しました主な災害を教訓に、初動体制の確立が喫緊の課題であるとの認識のもと、代替庁舎を含む九州運輸局災害対策本部を立ち上げるとともに、短時間での情報収集に必要な「初動時タイムライン」を策定いたしました。また、やむを得ず支局・事務所を閉庁する際には、利用者への周知を念頭に置いたマニュアルの作成も行ったところです。
 今後は、災害発生時におけるオペレーション向上に向け、自治体や各種事業者団体との益々の連携、気象データの利活用も含めた気象台等との意見交換も検討し、危機管理業務に取り組んでまいります。

 次に、九州観光の推進です。

 今年は「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が9月20日から約7週間、国内12都市で開催されます。
 ここ九州においても、福岡市、熊本市、大分市において、合計10試合が開催される予定となっており、ラグビー人気の高い欧米豪を含めた多くの観光客に向け、開催都市をはじめとする九州各地の多様な魅力を広くPRする絶好の機会です。
 加えて、参加チームは、欧米やオセアニア圏等経済的に豊かな地域が多いことから、これらの国々に向けたPRは、滞在期間が長く、また、比較的消費額が高い傾向にある欧米豪からの誘客を継続的に進めていくためにも非常に重要であると考えています。
 そのため、昨年開催した国際観光シンポジウムや欧米豪5ヶ国からの旅行者750名を対象とした関心度調査で得られた経験や知見等も活かしながら、関係の皆様と一体となってハード・ソフト両面にわたる受入環境の整備を進め、九州観光の推進に向けた取組みをしっかりと進めてまいります。

 また、鉄道の活性化等の地域公共交通の活性化にも力を入れてまいります。

 九州の鉄道については、通勤・通学や旅行の移動手段等様々なご利用がされていますが、人口減少・高齢化が進む中、地方部における鉄道のあり方が今後ますます大きな課題となることが予想されます。
 他方、各地域においては、活性化再生法に基づく網形成計画の策定を始め、地域公共交通活性化に向けた様々な取組みが行われてきておりますが、バスや乗合タクシーに比べ、鉄道に関する議論はあまり活発ではありません。九州運輸局におきましては、鉄道を含めた地域公共交通の活性化や今後のあり方の議論を積極的に進めてまいります。
 九州全体における今後のあり方として、現在実施している鉄道調査事業を活かし、地域と鉄道事業者との連携を推進し、鉄道を含めた地域公共交通ネットワークの維持・活性化に努めてまいります。また、地域公共交通網形成計画の策定やバス路線網の見直しを地域とともに進めてまいります。地域公共交通の維持確保には、多様な者の連携及び施策の連携が必要となることを踏まえ、九州運輸局としましても、地域の皆様と、将来のそれぞれの地域公共交通のあり方を考え、積極的にサポートしてまいります。
 加えて、公共交通活性化に当たっては、利用者の方々の目線にたち、新しいモビリティサービスやバス情報データの作成・活用を積極的に進めてまいります。

 続いて、運輸の各分野について触れたいと思います。

 物流分野については、「物流効率化政策推進本部」を中心に、九州の地域特性を活かしつつ、モーダルシフトの推進をはじめとした物流の効率化・省力化に向けた取組みを支援してまいります。また、本年1月には、RORO船を活用した物流効率化の展望等をテーマとした「物流効率化シンポジウムin大分」を開催し、モーダルシフトを中心とした物流効率化の促進に努めてまいります。

 運輸事業者の事故防止については、より一層の安全対策を講じていただくとともに、九州運輸局としても保安監査や運輸安全マネジメント評価等を通じて、安全・安心な輸送の確保に向けて取り組んでまいります。

 バス事業については、関係機関・事業者等と連携を図りながら、効率的な運行を目指す路線の再編等、生産性の向上を図りつつ、路線の維持・確保に必要な補助等の支援を行ってまいります。また、宮崎県、熊本県等で実施されている客貨混載の取組みについては、生産性の向上やドライバー不足の解消等の効果が見られており、このような収益改善効果の高い取組みについては、地域協議会等の場を活用し、客貨事業者間の連携を促すとともに、必要な助言を行うなど、取組みを支援してまいります。
 タクシー事業については、改正タクシー特措法に基づくタクシー事業の適正化の促進とともに、多様化・高度化する利用者のニーズに対して柔軟かつ的確に対応するなど、利用客の利便性向上やタクシー需要喚起につながる活性化に取組み、経営環境の改善を図ってまいります。
 トラック事業については、長時間労働やドライバー不足が深刻化する中、働き方改革を進め生産性を向上させるため、九州各県の「トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会」にて、全国版ガイドラインの横展開を図るとともに、長時間労働の抑制・取引環境の改善等に取り組んでまいります。
 自動車の検査・登録については、制度の適正な運用を図るとともに、全国的に展開しています自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)について、昨年、九州全県において登録及び継続検査の手続きが可能となりました。本年も引き続き普及啓発に努めていきますので関係団体のご協力をお願いいたします。また、昨年10月に全国的には41地域、九州内でも6地域で交付が始まった「地方版図柄入りナンバープレート」及び「2019ラグビーワールドカップ」並びに「東京2020オリンピック・パラリンピック」の各特別仕様ナンバープレートの普及促進に関係機関と協力してまいります。

 続いて、海上交通については、九州から首都圏、関西圏への人流・物流両面で有用な交通手段であり、また、全国の3割を占めている離島航路は九州の特色でもあり、離島は本土に比べ過疎化・高齢化の進展が著しく、非常に厳しい状況のなか、島民の生活安定のため離島航路の経営安定と航路の維持・活性化に向けて全力で取り組んでまいります。
 また、本年は航路の利用促進や活性化に向けた方策を検討するため、局内に「海上旅客航路維持・活性化支援推進本部」を設置し、関係自治体と密接に連携しながら、必要な施策を適切に実施するよう努めてまいります。
 他方、内航海運業については、産業基礎物資輸送を担う基幹的な輸送インフラであるものの、内航海運事業者の事業基盤は脆弱であるため、登録船舶管理事業者制度の活用促進や海運へのモーダルシフトを促す取組み等、事業基盤の強化を図るべく必要な対策を講じてまいります。
 内航船員の高齢化・不足問題に対応するため、若年船員を計画的に確保・育成することを喫緊の課題として、船員就業フェアや海事産業見学会等の各種事業の取組みをさらに推進するとともに、船員の労働環境の改善や海技士免許取得に向けた制度の更なる周知徹底を図るなど諸施策を実施してまいります。
 港湾運送事業については、東アジアのゲートウェイとして位置する九州のポテンシャルを活かしながら、今後とも港湾機能の向上や国際競争力の強化を図るための諸施策等を通じ、その発展に努めてまいります。
 また、造船業については、船舶の開発・建造から運航に至る全てのフェーズで生産性の向上を目指す「i-Shipping(海事生産性革命)」と、海事人材育成・確保を両輪として、造船業の生産性向上を強力に推進してまいります。
海上交通の安全確保については、船舶検査、船員の海技資格・乗組体制の審査、運航管理監査等を的確に実施し、引き続き船舶事故の防止に取り組んでまいります。
また、関係機関と連携し、小型船の安全指導や各種講習会を行い、事故防止に関する啓発活動に取り組んでまいります。
 外国船舶については、ポートステートコントロール(寄港国による監督)を適切に実施し、構造・設備及び乗組員の配乗等が条約で定められた安全及び海洋環境保護等の基準を満たしていない所謂サブスタンダード船の排除に努めるとともに、近年、管内で増加しているクルーズ船への立入検査の強化を図ってまいります。

 以上のように、九州運輸局では「運輸と観光で九州の元気を創ります」をキャッチフレーズに、職員一丸で、社会・経済情勢の動向に対応した課題、ニーズ等に的確に取り組んでまいる所存です。
 結びに九州の発展と皆様方のご健勝とご多幸をお祈りして新年のご挨拶といたします。

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