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令和7年 中国運輸局長 年頭所感印刷用ページ

2025年1月1日 更新

局長 金子 修久
 




               
                   かねこ  のぶひさ
中国運輸局長 金子 修久

  新年、明けましておめでとうございます。令和7年の年頭にあたり、御挨拶を申し上げます。

 昨年は、元日に発生した令和6年能登半島地震により、石川県を中心に、新潟県、富山県、福井県の広い範囲にわたって甚大な被害が発生しました。震災によって亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被災された全ての方々に改めてお見舞いを申し上げます。
 また、長年核兵器の廃絶に向けて取り組んでこられた日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞されました。極めて意義深いことであると考えており、心よりお祝い申し上げます。

 本年、中国運輸局としては、
@「運輸の安全・安心の確保」
A「地域公共交通の確保・活性化」
B「観光による地域振興」
C「地域経済を支える産業振興」
を4つの使命とし、運輸行政・観光行政に係る施策を総合的に進めてまいります。

 まず、「運輸の安全・安心の確保」について、運輸の安全・安心の確保は運輸行政の根幹であり、最大の使命です。令和4年4月には、北海道・知床半島沖で多くの観光客を乗せた旅客船が沈没しました。また、近年、大型車両の車輪脱落による事故が頻発しているほか、雪道等における事故や飲酒による事故も発生しています。中国運輸局では、引き続き、各種規制、運輸安全マネジメント、監査等を通じて、鉄道、バス、タクシー、旅客船などの公共交通機関や、トラック、貨物船などの貨物の輸送の安全安心の一層の向上を図ってまいります。

 2つ目は、「地域公共交通の確保・活性化」です。管内では、少子高齢化や人口減少による利用者の減少と運転者等の人手不足がともに顕在化しており、地域公共交通の維持が大きな課題となっています。
 中国運輸局では、地域の関係者の連携と協働を通じて、地域公共交通の「リ・デザイン」の全面展開を図るべく、予算支援も含めて自治体や交通事業者への伴走支援を丁寧に行ってまいります。
 また、芸備線については、沿線地域における人口減少や自家用自動車の普及などにより、大量輸送機関としての鉄道の特性を生かした地域旅客運送サービスの持続可能な提供が困難な状況にあります。このため、昨年3月に芸備線再構築協議会を設置した上で、@まずは芸備線の可能性を追求し、その後、A最適な交通モードの在り方を検討するという2段構えの検討を進めることとして、現在、芸備線の可能性を追求するための調査事業を進めているところです。中国運輸局としては、引き続き、芸備線再構築に向けて議論を進めてまいります。
 さらに、全国各地の「交通空白」の状態を早急に解消するため、昨年7月に国土交通大臣を本部長とする国土交通省「交通空白」解消本部が設置されました。私自身も管内の首長等を直接訪問し、日本版ライドシェア等の説明や交通に係る課題の聴き取りなどを行ってきましたが、中国運輸局の総力を挙げて、自治体や交通事業者と連携しつつ、交通空白の解消に取り組んでいるところです。令和7年度からの3か年を「交通空白解消・集中対策期間」と定め、引き続き、予算支援も含め地域の特性に応じた取組を強力に進めてまいります。
 加えて、レベル4の自動運転移動サービスの実現に向けた実証事業やMaaSへの支援をはじめとして、交通DXを推進してまいります。

 3つ目は、「観光による地域振興」です。観光は地域の多くの分野への経済波及効果が期待される成長戦略の柱、地域活性化の切り札であるとともに国際相互理解・国際平和にも重要な役割を果たしています。
 中国運輸局では、広島平和記念資料館の混雑対策、宮島や出雲大社周辺エリアをはじめとしたオーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取組などを進めつつ、中国地方の真の魅力を引き出し、具体的な消費活動につなげるための特別な体験の提供や高付加価値な旅行需要を取り込むための観光地づくりに取り組んでまいります。
 また、今年は、大阪・関西万博、瀬戸内国際芸術祭及び世界バラ会議(福山市)が開催されるほか、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の舞台として島根県が注目されることが期待されるとともに、鳥取県では鳥取県立美術館が3月に開館予定です。中国運輸局では、これらと連携して中国地方へのインバウンド等の誘客を進めてまいります。特に万博への対応として、中国地方の万博テーマに即した観光資源を周遊するモデルコースを18コース作成し、モデルコース等を活用した旅行商品化を促し、万博のホームページや海外の旅行販売事業者を通じて積極的に情報発信しているところです。引き続き、DMOや旅行会社等と連携し、中国地方へのインバウンドの誘客を推進してまいります。

 4つ目は、「地域経済を支える産業振興」です。運輸・観光産業が将来にわたって魅力ある産業として発展するよう、生産性の向上、人材の確保・育成、環境対策等の取組を進めます。
 中国地方は造船業や舶用工業など海事産業の一大集積地であるほか、バス、タクシー、トラック、鉄道、索道、海運、港湾運送、自動車整備、倉庫、宿泊業等の運輸・観光産業が地域の経済や雇用に大きく貢献しています。しかしながら、少子高齢化・人口減少やコロナ禍に伴う離職等により、人手不足が運輸・観光産業共通の課題となっております。
 特に、自動車運転業務の時間外労働に上限規制が適用され、輸送力に制約が生じる、いわゆる2024年問題により、自動車運送事業におけるドライバー不足が深刻化しています。ドライバー不足の解消には、労働環境の改善を通じて、職業としての魅力を向上させることが重要であることから、中国運輸局では、昨年7月のトラックGメン発足以来、荷主事業者等に対して長時間にわたり荷待ちさせるなどの不法原因行為に対する是正指導を積み重ねました。さらに、「荷主等パトロール」や「オンライン説明会」といった独自の取組を進めるとともに、近畿や関東など活動範囲を広域に拡大した合同パトロールを企画・実施するなど、全国的なGメンの活動を主導してきました。更に昨年11月からは、「トラック・物流Gメン」へ改組し、倉庫事業者も情報収集の対象に加え、荷主に対する監視を強化しております。
 このほか、事業者の人材確保に向けた取組を支援するべく、バスやタクシー等の運賃改定、陸上・海上・航空自衛隊と連携した退職自衛官向けの陸・海の運輸業界の魅力発信、学生への業界の魅力のアピール、職業体験会、就職相談会等の取組を引き続き進めてまいります。
 また、2050年カーボンニュートラル実現に向けた環境対策にも資するよう、トラック輸送から鉄道・船舶輸送等へのモーダルシフトや、EVバス等の導入支援を進めてまいります。

 中国運輸局では、現下の社会経済情勢に主体的に対応しつつ、所管する運輸行政や観光行政において、適切な事業監督にとどまらず、多くの関係する皆様と連携し、地域に密着しながら、地域づくり・まちづくりに積極的に貢献してまいります。
 
 結びにあたり、引き続き、中国運輸局の業務に御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のますますの御健勝・御発展を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

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