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北海道運輸局広報誌『北斗七星』第240号(令和4年1月4日発行)印刷用ページ

令和4年 「年頭の辞」

北海道運輸局長 加藤 進

北海道運輸局長の写真

 新年明けましておめでとうございます。令和4年の新春を迎えるにあたり、一言ご挨拶申し上げます。
 最初に、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、道民生活や経済活動を支えるエッセンシャルワーカーとして輸送の使命と責任を果たしている公共交通や物流の関係者の方々に対し、改めて敬意を表するとともに深く感謝申し上げます。
北海道運輸局といたしましては、深刻な影響を受けている交通・観光関係産業に対し、@新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止、A事業の継続、雇用の確保、B日常生活との両立を3つの柱として支援してまいります。
 感染拡大防止については、利用者の皆様に公共交通機関を安心してご利用いただけるよう、業界毎に策定された感染症対策に関するガイドラインの遵守を徹底するとともに、車内でのマスク着用、大声での会話の抑制等について利用者の理解を促してまいります。さらに、令和3年度補正予算を活用して感染症対策に要する経費等を支援するとともに、バスやタクシーの優れた換気性能をはじめ公共交通機関の感染症対策を発信してまいります。
 事業の継続・雇用の確保については、事業者の資金繰り状況等を注視し、政府系金融機関による無利子無担保融資や資本性劣後ローンの活用等による資金繰り支援を行うとともに、雇用調整助成金等の活用により雇用の確保を支援してまいります。
 また、令和3年度補正予算を活用して、コロナの影響を受けた既存補助路線・航路の維持のため、欠損額増大に対する支援や補助要件の緩和により追加的な支援を行ってまいります。
 さらに、日常生活との両立に向け、新たに策定された「旅行業・宿泊業におけるワクチン・検査パッケージ運用ガイドライン」や「新しい旅のエチケット」の活用等により、経済社会活動の再開に取り組みます。地域観光事業支援を活用して「どうみん割」の期間延長や隣県への対象範囲の拡大等を支援するとともに、「新たなGo To トラベル事業」等の需要喚起策を安全・安心な形で行う準備を進めてまいります。
 次に、昨年から続く原油価格高騰による燃料費の値上がりについては、政府として小売価格の急騰を抑制する時限的措置や、影響を受けるトラック運送事業者や地域公共交通の経営安定化に向けた取組を実施するほか、燃料サーチャージ制の導入やトラック運送事業者が燃料費の上昇分の運賃・料金への反映を求めたにも関わらず運賃・料金を不当に据え置くことは私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に違反すること等について、荷主関係団体や企業に対し理解と協力を求めてまいります。

 一方、ポストコロナ時代の社会構造変化に対応してデジタル化を推進してまいります。令和3年度補正予算を活用して公共交通のデジタル化による経営効率化を支援するとともに、停留所の位置情報やダイヤ等のデータ化、AIオンデマンド交通等による移動の利便性の向上、キャッシュレス決済等、公共交通のデジタル化を推進してまいります。特に、本年1月から、空港からの二次交通の充実が求められる道東エリアにおいて、バスの路線案内、チケットの予約・購入及び決済を一括して行えるとともにチケットレス乗車が可能となる実証事業を実施します。また、地方公共団体・DMOや地域の観光事業者、先進技術を保有する企業等が一体となってデジタル技術を活用した観光地経営を図る実証事業を行ってまいります。
 さらに、令和5年1月予定の自動車検査証の電子化、自動車保有に関する手続や税の納付等をオンラインで一括して行う「自動車保有関連手続のワンストップサービス(OSS)」の利用促進等、行政サービスのデジタル化を推進してまいります。
 また、脱炭素社会の実現に向け、「ゼロカーボン北海道」タスクフォース等の関係者とも連携して、事業用自動車における電動車の導入支援や、サイクリングやカヌー等の非動力によるモデルルート造成等環境負荷の少ない観光の推進に取り組んでまいります。

 人口減少・高齢化が加速する中で地域の足を如何に確保するかという切実な課題に対し、「地域公共交通確保維持改善事業」による支援に加え、一昨年の地域公共交通活性化再生法の改正や独占禁止法特例法も踏まえ、地方公共団体による地域公共交通計画の作成促進・支援等を通じて、バス、タクシー、鉄軌道、船舶だけでなく、福祉輸送、スクールバス、自家用有償旅客運送等、「地域の輸送資源の総動員」により、持続可能な地域公共交通を目指してまいります。
 さらに、地域住民や旅行者一人一人の移動ニーズに対応して複数の公共交通や移動サービス等を最適に組み合わせ検索・予約・決済等を一括で行うMaaSや貨客混載についても支援してまいります。また、昨年成立した国鉄債務等処理法等の改正法による枠組等を踏まえ、JR北海道の経営自立に向けた取組に対し適切に対処してまいります。
観光に関し、身体を使った活動(アクティビティ)だけでなく、ハイキングや野鳥の観察等「自然」に触れることや歴史や伝統、食も含めた「文化」を体験することを通じて訪れた地域の理解を深める「アドベンチャートラベル」について、2023年のアドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)の北海道開催に向け、北海道が持つ価値の世界への発信、北海道の魅力を体験できるアドベンチャーツアー造成等により、滞在型観光の実現に取り組んでまいります。
 また、地図や観光情報等の検索、チケット等の予約・購入、決済等をスマートフォン一つで行えることを目指して、無料Wi-Fi整備、多言語対応、キャッシュレス化等の受入環境を整備してまいります。

 働き方改革は、人手不足への対応のためにも待ったなしの課題です。特に、自動車運送事業については令和6年度からの時間外労働時間の上限規制適用に向け、長時間労働の是正が求められています。トラック運送事業者、荷主団体や経済団体、関係行政機関から構成される「北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会」での取組や、ドライバーの賃金を全産業の標準的水準に是正する等のための「標準的な運賃」の導入促進等により、トラック輸送における労働条件や取引環境の改善に向けた取組を推進してまいります。
 併せて、荷主企業と物流事業者の相互協力による「ホワイト物流推進運動」、ドライバーのための「働きやすい職場認証制度」の普及促進、令和4年度から義務づけられる船員の労務管理責任者の選任等により、自動車運送事業や海運業の労働環境の改善に取り組んでまいります。

 安全・安心の確保は運輸・交通行政にとって基本的かつ最重要課題です。車両や船舶等に対する検査や事業者に対する監査と、安全管理を組織的に定着させるための運輸安全マネジメント評価とを「車の両輪」として実施する等により、事故等の発生を未然に防止し、国民の命と暮らしを守ることに全力を尽くしてまいります。
 また、「北海道運輸局安全プラン2025」において策定された飲酒運転ゼロ等の目標の達成に向けた取組みを進めるほか、車内での傷害事件等が相次いだ鉄道についても警備の強化や被害回避・軽減対策を講じてまいります。
 さらに、交通事業者や防災関係機関と連携して、公共交通機関の運行情報提供や代替輸送手段の確保、緊急物資輸送の手配、旅館・ホテルを活用した要配慮者の受入、「運輸防災ワークショップ」による運輸事業者の防災力向上等、災害対応についても万全を期してまいります。大雪に伴うお客様の滞留防止や車両の大規模な立ち往生への対応にも備えてまいります。

 このほかにも課題は山積していますが、北海道運輸局としても「開かれた運輸局」をモットーに、道民・国民の皆様方のご意見を真摯に伺いながら課題の解決に向けて取り組んでまいります。本年も引き続き北海道運輸局の行政に対し、皆様方のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げて、年頭の辞とさせていただきます。

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