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北海道運輸局広報誌『北斗七星』第254号(ATWS2023特別号)(令和5年10月11日発行)印刷用ページ

2023年10月11日 更新

目次

アジア初!「アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道・日本」が開催されました

観光部 観光企画課

 アジア初となるアドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)が、令和5年9月11日(月曜日)〜9月14日(木曜日)、札幌コンベンションセンターを主会場に開催され、64カ国・約750人が参加しましたので、開催の様子を紹介します。



■アドベンチャートラベル(AT)とは
 「アドベンチャートラベル(AT)」とは、一般的に『アクティビティ』『自然』『異文化体験』の3つの要素のうち、2つ以上を組み合わせた旅行形態と定義されます。さらに、ATを推進する世界最大の組織であるアドベンチャートラベル・トレード・アソシエーション(ATTA) は、『今までにないユニークな体験』『自己変革』『健康であること』『挑戦』『ローインパクト』といった5つの体験価値を提唱しており、より本質的な理解としては、アクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行い、地域の人々と双方向で触れ合い楽しみながら、その土地の自然と文化をより深く知ることで自分の内面が変わっていくような旅行形態を指します。サステナビリティや旅行を通じた地域貢献を重要視する層からも支持されており、主にヨーロッパや北米、オーストラリアを中心とした富裕層に人気が高まっています。


■ATWSとは
 ATWSは、ATTAが主催する世界最大のATイベントです。世界中の約60カ国から旅行会社やメディア、ツアーオペレーター、アウトドアメーカー、政府観光局、観光協会、DMOなど約800人の関係者が参加し、期間中にATツアー体験や講演会、セミナー、商談会等が行われます。
 ATの世界市場規模は70兆円を超えると言われており、従来の旅行形態「マスツーリズム」と比較して、旅行者一人当たりの消費額や地域への経済波及効果が大きく、また、ウィズコロナ・ポストコロナ時代において需要拡大が期待できる観光分野として注目を集めています。
 北海道は、世界自然遺産の知床をはじめとした「美しく雄大な自然」や「豊かな食」、アイヌ文化や世界文化遺産に登録された縄文遺跡群といった「北海道独自の文化」、サイクリングやカヌー、スキーといった「多様なアクティビティ」を楽しむ環境が整っており、四季を通じて楽しめるATコンテンツが豊富にそろっていることから、まさにATの適地と言えます。北海道の観光施策においても、観光の柱の一つとしてATを位置付けています。

■ATWS北海道開催までの経緯

 今回、北海道でのATWS開催に当たり、実行委員会で様々なWGを構成し、主催者であるATTAと交渉・調整を行いましたが、北海道運輸局はいずれのWGにもコミットし、精力的に業務を行いました。


■新千歳空港でのお出迎え
 多くのATWS参加者が到着する9月10日、北海道の空の玄関口・新千歳空港にて、サミット歓迎の気持ちを伝えるため、札幌国際大学の学生に「おもてなしボランティア」として参加いただきました。オリジナルの手ぬぐいや、折り紙の手作りペンダントを贈り、和気藹々とした雰囲気の中、参加者と英語で交流しました。後日、サミット会場で手ぬぐいをリュックに付けている参加者も見受けられるなど、プレゼントは好評だったようです。




■9月11日 デイオブアドベンチャー(DOA)、ウェルカムレセプション


 DOAとは、大会初日に行われる、ATWS登録者が全員参加できる札幌発着の日帰りツアーです。全31コース、16社の旅行会社によって催行されました。
 この中で、北広島市の開拓、稲作の歴史を学ぶ全長41kmのサイクリングツアー(DOA-13)については、カナダやオーストラリアほか、海外の旅行関係者16人が参加しました。 北広島市エコミュージアムセンター知新の駅、旧島松駅逓所(国指定史跡)でガイドから説明を受けたほか、地域の農場では、とうきび収穫、生食体験を行い、参加者も大満足の様子でした。当日はテレビ局2社、新聞社1社が取材に訪れ、参加者やガイドに、ツアーの感想や今後の課題などについてインタビューを行いました。




 DOA各コースから札幌に帰着後、大通公園「Picoler」にて、来場した参加者にドリンクや 軽食の提供があり、参加者同士がジュアルな雰囲気でネットワーキングを行いました。 その後、同じく大通公園で開催されているグルメイベント「さっぽろオータムフェスト」を楽しむ参加者も見られ、札幌の夜を楽しんでいました。




■9月12日 開会式
 開会式では、斉藤国土交通大臣からのビデオメッセージが放映され、「アドベンチャートラベル・ワールドサミット2023が、日本の北海道にて開催されることを心から嬉しく思います。2021年に開催した北海道大会は、新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインでの開催となりましたが、2年の時を経て、今ここ北海道の地において、アジアで初めての実地での開催が実現しました。」とのお言葉をいただきました。


■9月12日 オープニングセレモニー
 札幌を象徴する施設の一つである大倉山ジャンプ競技場にて、オープニングセレモニーを開催しました。当日は生憎の空模様でしたが、ATWS2023のテーマである「調和」と日本が誇る多様性を、「日本らしさ、北海道らしさ」をコンセプトとしたアトラクションや料理を通じて参加者に感じていただきました。


 レストラン「ヌーベルプース」内で、実行委員会参画組織やスポンサー企業の幹部とATTAとの懇親会を開催しました。日本側は観光庁・中村観光地域振興部?、北海道運輸局・井上局?、鈴木北海道知事ほかが、ATTAからはシャノン・ストーウェルCEOをはじめとする幹部がそれぞれ参加し、ATTAと日本側関係者の良好な関係を再確認しました。


■9月12〜14日 各種講演、商談、ミニ講座等
 イベント全体に北海道や日本の魅力が感じられるよう、主会場である札幌コンベンション センターに様々な工夫を行いました。また、アジアで初開催となるATWSであることから、参加者の記憶に残る各種の企画(ミニ講座など)を盛り込みました。なお、12日〜14日まで3日間提供されたランチについては、一つ一つ検討を重ねたこだわりのメニューであり、食器や素材は環境に配慮したものとなりました。





札幌コンベンションセンターで連日開催された、各種講演や商談の様子です。





■ラウンジ
 北海道・日本をPRするためのラウンジを、JNTOと実行委員会で連携して設置しました。
 北海道・日本の一体感を出すために、仕切りなどは置かずに運営を行いました。ラウンジに は全道・全国から多くの方に出展いただき、常に海外の方と商談している姿が見受けられました。




■メディア
 ATWSはB to Bイベントですが、主催者と実行委員会で協議を重ね、9月 11日DOAの一部のコース、9月12日の基調講演、プレスカンファレンス及び大倉山のオープニングセレモニーについて、メディアの取材を受け入れたことで、テレビ、新聞、インターネットメディア等で大きく取り上げていただきました。また、これ以外にも、スポンサー様の広報誌やデジタルサイネージ、実行委員会各機関の広報活動により、サミット前から各種の機運醸成事業を行いました。




■クロージングパーティー、アフターパーティー等
 13日の夜には、沖縄チームの独自企画による懇親会「沖縄ナイト」が開催されました。サミットでは例年、こうした独自企画のイベントが開催されており、この日はほかにも神社でのイベントや「広島ナイト」などが行われていたようです。沖縄チームとはPSAなどで以前から連携させていただいたこともあり、北海道運輸局メンバーもお誘いただきました。途中から、ATTAのCEOであるシャノンさんも参加し、大いに盛り上がりました。


 ATWS最終日の9月14日、サミットの余韻を残したまま、札幌コンベンションセンターでクロージングパーティーを開催しました。サミットの成功を祝い、また、参加者同士がより強固なネットワーキング形成を図っていました。




 クロージングパーティ終了後、ATWS終了後恒例のアフターパーティーが「Riviera Sapporo」で開催されました。参加は任意ですが、大人数が深夜まで飲食や踊り、参加者との交流を楽しんでいました。


■おわりに
 ATWS誘致の段階で、主催者から「楽しいだけのツアーだけではなく、ビジネスとして成功するものをサミットに出さないと意味が無い」と言われ、今回のサミットまで5年かけて用意してきました。サミットは海外のビジネスパートナーと繋がり、同時に日本国内の関係者のネットワークの場でもあります。
 コロナ禍を経験した旅行者は、密を避け地方にある自然や文化を追い求める旅行へシフトしていきます。アドベンチャートラベルは、付加価値が高く地元に雇用や経済で還元ができる持続可能な旅行形態です。今回築いた海外や国内とのネットワークを活かし、今後もアジアの先進地としてアドベンチャートラベルに取り組んでいきます。

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