2023年12月28日 更新
北海道運輸局広報誌『北斗七星』第257号(令和5年12月28日発行)
目次
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- 「中学校の先生向けフェリー見学会・海事講座」を開催しました
- 内部職員向け「バリアフリー教室」を開催しました
〜バリアフリーの現状と今後の方向性〜 - 奥尻島で新しい宿泊スタイルの検証を実施
〜フェリーや公共施設を一時的な宿泊代替施設に活用〜 - 輸送繁忙期の年末年始に「輸送等に関する安全総点検」を実施
〜長距離フェリー「あざれあ」を北海道運輸局次長が立会確認・点検〜 - 赤井川村地域公共交通活性化協議会が「令和5年地域公共交通優良団体大臣表彰」を受賞しました
「中学校の先生向けフェリー見学会・海事講座」を開催しました
旭川運輸支局(稚内庁舎)では、11月28日(火曜日)北海道海事産業人材確保・育成推進協議会、北海道旅客船協会との共催により、ハートランドフェリー株式会社、日本海事広報協会、日本内航海運組合総連合会の協力を得て、稚内市内の中学校の先生を対象とした「フェリー見学会・海事講座」を開催しました。
国内外の海運を支える船員は近年著しく高齢化が進み、将来的な船員不足が懸念されていることから、北海道運輸局では船員という職業を広く知っていただくために、小中学生を対象に様々な事業を展開しています。
今回は、生徒の進路指導を担う中学校の先生に、実際に船員の職場を見学してもらい、船員という仕事への理解を深めていただこうと、稚内と利尻・礼文を結ぶ利礼航路に就航しているハートランドフェリー株式会社のボレアース宗谷(3,578トン)を見学しました。
稚内市内の中学校2校から参加した4名の先生方は、お昼時に稚内港フェリーターミナルに集合して、早速、フェリーに乗り組み、まずは船員の食堂に向かいます。先生方に実際にこの日に提供された船員の昼食を体験してもらうためです。船員は基本的に船内で働いていることから、三食とも船が準備します。この日のメニューはサラダ付きのカツカレーで、とても美味しく、大好評でした。
その後、船員の居住区を見学した際には、案内役の二等航海士が自分の部屋を見学させてくれたり、機関室や操舵室では当直の船員が機械の説明やそれぞれの仕事を紹介してくれるなど、充実の船内見学となりました。先生方は船内の様子がとても興味深かったようで、説明役の航海士などに様々な質問をされていました。
船内見学終了後は、フェリーターミナル内の会議室において、スライドを用いて船員の仕事や資格の取得方法などについて、運輸局職員とハートランドフェリー社員それぞれから説明を受けました。
運輸局からは、海運の重要性、船舶職員の資格、その資格の取得方法などについて、ハートランドフェリー株式会社からは利礼航路、就航船舶、船員の労働条件や労働環境等について、詳細な説明がありました。
参加された先生方からは、「船乗りは厳しいイメージしかなかったが、時代が変化していることがわかりました」との驚きのほか、「生徒達に話したいなと思うことがたくさんありました」「札幌など都市部でも実施してほしい。海の近くで育たなくとも船に乗ってみたいと思う生徒はいると思いました」等の感想をいただきました。
参加された先生の皆様、今見学会の実施にご協力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
内部職員向け「バリアフリー教室」を開催しました
〜バリアフリーの現状と今後の方向性〜
令和5年12月1日(金曜日)に、北海道開発局と北海道運輸局の共催により、北海道開発局職員及び北海道運輸局職員を対象とした「バリアフリー教室」が札幌第一合同庁舎で開催され、当局職員も参加しました。
当課で開催している外部向けのバリアフリー教室では、車椅子体験や白杖体験を通じた実習が主なプログラムとなりますが、今回は内部職員を対象に、バリアフリー等に関するこれまでの状況や今後の課題をより深め、ひいては当省所管業務への反映等、整備アイデア検討の一助となることを期待して開催されました。
本教室の講師、北星学園大学教授の鈴木克典様は、移動等円滑化評価会議北海道分科会の第1回より分科会長を務めていただくなど、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)に深く精通されており、また、北海道運輸局のバリアフリープロモーターにもご就任頂いており、平素より当省のバリアフリー行政に多大なるご支援ご協力を頂いております。
当日はバリアフリーの現状と方向性と題して、バリアフリー法等関係法令からバリアフリーとユニバーサルデザインの実践例まで大変参考になる内容の講演をしていただき、参加者からも大変好評でした。
北海道運輸局では今後も北海道開発局とも協力しながら、バリアフリー行政を推進してまいります。
奥尻島で新しい宿泊スタイルの検証を実施
〜フェリーや公共施設を一時的な宿泊代替施設に活用〜
奥尻島では大規模宿泊施設の閉館以降、慢性的な宿泊施設不足が生じており、一時的な観光需要に対応することが困難な状況となっております。こうした課題を解決するため函館運輸支局では、12月2〜3日にかけて、奥尻町、ハートランドフェリー(株)の協力のもと、奥尻島で新しい宿泊スタイルの構築へ向け、宿泊利用調査として募集したモニターにハートランドフェリーの「カランセ奥尻」と島内の神威脇温泉保養所、町あわび種苗育成センターに宿泊いただき、課題や満足度を検証いたしました。
モニター調査には、遠くは、さいたま市からの参加を含む31名の皆様にご協力いただきました。当日は江差港フェリーターミナルに集合しフェリーに乗船。奥尻島到着後は各グループに分かれて、奥尻ワイナリーの見学やアクセサリーづくりを体験し、島の魅力的な観光スポットをお楽しみいただきました。その後、寿司屋で夕食をいただきいよいよ各宿泊場所へ。
宿泊場所ではパーティションや膝丈の段ボールによる仕切りでプライベート空間を確保し、寝袋とマットを基本の就寝用具として用意しました。この他より快適な就寝状況を検証するための比較対象として、頭部を覆う安眠ドームや室内でテントを設置してご利用いただきました。
帰りのフェリーで感想を伺うと、「フェリーは揺れも無く快適だった」「思ったよりも周りが気にならなかった」という声があった一方、「周りの人の音が気になり眠れなかった」「隣との距離感が気になった」というご意見もいただきました。
今後はいただいた感想や意見を検証し、関係者間で課題の解消を検討してまいります。
輸送繁忙期の年末年始に「輸送等に関する安全総点検」を実施
〜長距離フェリー「あざれあ」を北海道運輸局次長が立会確認・点検〜
北海道運輸局では、令和5年12月10日(日曜日)から令和6年1月10日(水曜日)の期間に、輸送機関等が安全管理の実施状況、自然災害、事故等発生時の乗客等の安全確保、テロ防止のための警戒体制の整備状況、新型インフルエンザ等感染症防止対策等を自主点検することにより、安全に対する意識を高めることを目的とする、令和5年度「年末年始の輸送等に関する安全総点検」を実施しています。
初日の12月10日(日曜日)に現地立会確認・点検を実施した数社のうち、新日本海フェリー株式会社には、北海道運輸局次長ほか運輸局職員11名が、小樽海上保安部6名と合同で、同社が運航する長距離フェリー「あざれあ」に乗船し、甲板や車両甲板、機関室、客室等の救命設備点検、非常脱出口の確認、水密扉作業確認、消防設備確認などの安全点検の立会確認を行いました。また、海上運送法の運航管理及び船員法による労務管理に関する書類や船舶安全法関係書類等の点検、テロ防止や感染症対策の実施状況など、各安全総点検項目を確認・点検しました。
輸送繁忙期となる年末年始は、人流・物流が集中します。ひとたび事故等が発生した場合は、大きな被害となることも予想されます。
各輸送機関等は経営トップが主導する形で、安全総点検実施の趣旨を踏まえ、実施期間中に重点点検事項及び輸送等機関別の点検事項について、最高責任者を選任して事前に計画を定めることにより、現場機関のみに任せることなく、幹部も参加して実施しています。
また、重点点検項目とされた点検細目については、特に入念な点検を行い、総点検において発見された不備事項については厳正な態度で臨み、速やかに適切な措置を講じています。
北海道運輸局では安全総点検の実施期間中に、今回ご紹介した海上交通のほか、鉄道・軌道交通、自動車交通など各輸送機関等の点検の実施状況について、現地確認を実施し点検事項ごとに状況を把握して輸送の安全確保に努めるほか、利用者が安全にかつ安心して輸送機関を利用できるよう、日々全力を尽くしてまいります。
1.安全管理の実施状況 2.災害時の通報・連絡・指示体制 3.テロ対策 4.感染症対策
赤井川村地域公共交通活性化協議会が「令和5年地域公共交通優良団体大臣表彰」を受賞しました
北海道運輸局管内の赤井川村地域公共交通活性化協議会が国土交通省「令和5年地域公共交通優良団体大臣表彰」を受賞いたしました。
この取組は、村唯一のバス路線の存廃協議の申し入れを契機に、村役場が中心となり、リゾート会社の従業員送迎バスといった村内の輸送資源をフル活用し、地域の多様な意見を取り入れ、自らデザインした持続可能な公共交通「むらバス」を運行するなど、地域公共交通の確保・維持に取り組んだことが評価されたものです。
表彰式は令和5年12月13日に行われ、赤井川村地域公共交通活性化協議会会長(赤井川村副村長)他3名が出席いたしました。