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北海道運輸局広報誌『北斗七星』第261号(令和6年3月29日発行)印刷用ページ

2024年3月29日 更新

目次

令和5年度 自動車整備人材確保セミナーを開催しました

自動車技術安全部 整備・保安課

 自動車整備に携わる人材確保・育成を目的に「自動車整備人材確保セミナー」を令和6年3月16日、5年ぶりに札幌地方自動車整備振興会を会場として開催しました。
 当セミナーは、整備事業に携わる経営者を対象としたところですが、自動車整備業の垣根を越えて様々な業種の方々も来場され、総勢75名に御参加いただきました。

自動車整備人材確保セミナー 1
【株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター 宇佐川邦子様の講演】

 株式会社リクルート ジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子様より「人材採用」と「離職対策」について、また株式会社日本能率協会コンサルティングの加藤修之様より「生産性向上」について御講演があり、聴講された皆様は熱心に耳を傾け「参考になった」とのお声を9割の方々からいただきました。
 
 御意見や御要望として、「年間休日数の確保や若い人達の考え方をあらためて学ぶことができた。」、「現在の自動車整備士の勤務・採用関係の問題・課題を改めて意識させられた。時代が共に変化していくのでセミナーの継続を希望します。整備非効率時間・非作業時間の可視化・圧縮・改善の考え方など今まで気付かなかったことを再認識させられた。」、「このような講演会は自社の問題解決に繋がる。定期的に開催してほしい。」、「この様なセミナーを北海道運輸局主催で開催することは素晴らしい(中略)ぜひ各地でやって頂きたいです。(Web開催も含めて)」という前向きなお言葉の他、「開催時期を最大の繁忙期となる3月を避けていただければよかった。」「平日開催の方が参加しやすいのではと思います。」といった貴重な御意見もいただきました。

 当セミナーでいただいた御意見、御要望等を踏まえ、今後も自動車整備における人材確保・育成に向けて積極的に取り組んでまいります。

地域公共交通シンポジウムin北海道〜地域が考える公共交通〜

交通政策部 交通企画課

 北海道運輸局では、毎年、地域公共交通に関するシンポジウムを開催しています。今年度は令和6年3月15日に、札幌市内の会場で「地域公共交通シンポジウムin北海道」を開催し、会場73名の方々にご参加いただきました。
 今般の地域公共交通活性化・再生法の改正により、交通事業者のみならず、地域の関係者が連携・協働(共創)し、地域全体で支えていくことが重要とされているところであり、地域自らが交通を地域のくらしと一体と捉え、最適な移動手段を確保していくことが求められています。
 このため、本シンポジウムでは、交通と他分野との「共創」による先駆的な取組事例を紹介するとともに、学識者を交えたディスカッションを行うことにより、地域における持続可能な公共交通を確保・維持するため、どのように取り組むべきか考える機会となるよう企画・開催しました。
 はじめに、呉工業高等専門学校 神田 佑亮教授 から「地域交通を核としたまちと人との紡ぎかた」と題しまして講演をいただきました。


【呉工業高等専門学校 神田 佑亮 教授】

 続いて地域公共交通優良団体国土交通大臣表彰 記念講演として、赤井川村 松 重和氏から「『むらバス』の取組について」、事例紹介として、@株式会社士別ハイヤーの馬淵 麻衣子氏から「習い事応援タクシーについて」、A上士幌町 梶 達氏から「かみしほろルーラルOSについて」、B北海道開発技術センター 竹口 祐二氏から「自走可能なモビリティ・マネジメントの共創モデルづくり事業」を、それぞれ発表いただきました。

【赤井川村 松 重和 氏】

 最後に、神田教授をコーディネーターに、各事例を発表していただいた皆様をパネリストとして、「多様な関係者の巻き込み方」をテーマとしてパネルディスカッションを行い、他分野・他事業者間での“共創”、地域が“自分事”として交通について議論していくことの重要性等について、活発なご議論と幅広いご意見いただきました。

【パネルディスカッション】

 シンポジウムの開催概要及び資料については、後日北海道運輸局HPに掲載する予定です。

2024年問題の解決とカーボンニュートラルの実現に向けて
〜「鉄道モーダルシフト促進セミナーin札幌」を開催〜

交通政策部 環境・物流課

貨物鉄道写真提供:日本貨物鉄道株式会社北海道支社

 物流は、国民生活や経済活動を支える重要な社会インフラです。
 一方、物流分野においては、人手不足が顕在化しており、働き方改革が進められています。また、カーボンニュートラルの実現に向けた取組も求められています。
 物流産業を魅力あるものとするため、本年4月から時間外労働規制がトラックドライバーに適用されますが、一人当たりの運べる荷物量が減り、何も対策を取らなかった場合、物流が停滞するおそれもあります。

 このような状況に対し、トラック輸送から貨物鉄道輸送や海上輸送へ転換する「モーダルシフト」が有効な手段の一つとして考えられます。
 貨物鉄道輸送は、大量輸送機関として労働生産性に優れ、他の輸送モードと比較して環境面でも優位にあり、トラック輸送に係る担い手不足を補うとともに、カーボンニュートラルの実現に向けても、一翼を担うことが期待されています。
 3月6日、北海道運輸局は、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)北海道支社との共催により、「鉄道モーダルシフト促進セミナーin札幌」を開催しました。
 講演と見学の二部構成で行われた本セミナーに、荷主や物流業に携わる方など、約70名が参加しました。
 第一部(講演)では、当局から「モーダルシフト関連補助事業」について、情報提供させていただいた後、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)北海道支社から「JR貨物の概要と北海道支社の取組」について、説明していただきました。

【講演風景】北海道運輸局 交通政策部 呉環境・物流課長
【講演風景】北海道運輸局 交通政策部
呉環境・物流課長

【講演風景】日本貨物鉄道株式会社 北海道支社 中村営業部長
【講演風景】日本貨物鉄道株式会社 北海道支社
中村営業部長

 続いて、サッポログループ物流株式会社(ロジスティクスソリューション部)井上様より「サッポログループが取り組む!みらい志向でのロジスティクス改革」と題し、持続的な物流体制の構築に向けた改革の概要や取組事例について、荷主の立場から発表を行っていただきました。
【講演風景】サッポログループ物流株式会社 井上ロジスティクスソリューション部長
【講演風景】サッポログループ物流株式会社
井上ロジスティクスソリューション部長

 この中では、北海道において、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーのビール4社が連携して取り組む共同配送の紹介もありました。札幌市から遠隔地にあたる道東(釧路・根室地区)向けの商品について、各社の荷物を集約したうえ、札幌貨物ターミナル駅から釧路貨物駅まで鉄道コンテナを活用することでトラックによる長距離輸送が減り、二酸化炭素(CO2)の排出量も削減することができたという事例です。

トラック輸送に関する課題を抱え、貨物鉄道輸送へのモーダルシフトを検討しているものの、具体的な情報がなく、足踏みしている企業があるかもしれません。今回の講演が、物流課題の解決に向けて一歩を踏み出す後押しとなれば、主催者としてうれしく思います。

 第二部(見学)では、実際に「札幌貨物ターミナル駅」や隣接するマルチテナント型物流施設「DPL札幌レールゲート」を見学しました。
札幌貨物ターミナル駅(DPL札幌レールゲートから撮影)
【札幌貨物ターミナル駅(DPL札幌レールゲートから撮影)】

 JR貨物担当者の説明の下、普段は立ち入ることのできない構内をバスで巡回して、荷役作業を見ることもできました。また、DPL札幌レールゲートでは、雪や雨などの影響を受けない屋内トラックバースを間近に見て、トラックと鉄道という異なる輸送モード間を円滑につなぐ、物流の結節点としての機能を肌で感じることができました。
【見学風景】札幌貨物ターミナル駅(コンテナ荷役作業)
【見学風景】札幌貨物ターミナル駅(コンテナ荷役作業)
【見学風景】DPL札幌レールゲート(屋内トラックバース)
【見学風景】DPL札幌レールゲート(屋内トラックバース)

 現在、物流を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。

 今回のセミナーは、限られた輸送資源や労働力の下にあって必要な輸送力の確保や、カーボンニュートラルの実現といった社会的な要請に応えるために、モーダルシフトを促進することを目的として、開催したものです。

 引き続き、北海道運輸局では、関係する機関とも協力しながら、物流に関する諸課題の解決へ向けて、一助となるべく取組を進めて参ります。

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