2024年12月27日 更新
北海道運輸局広報誌『北斗七星』第270号(令和6年12月27日発行)
目次
「造船所見学会・海事講座」を開催しました
旭川運輸支局(稚内庁舎)では、令和6年11月13日(水曜日)、14日(木曜日)の二日間にわたり、(一社)日本中小型造船工業会との共催で、稚内港湾施設(株)、ハートランドフェリー(株)、(一社)北海道小型船舶工業会、北海道舶用工業会等の協力により、稚内市内の中学生を対象とした「造船所見学会・海事講座」を実施しました。
四面を海に囲まれた私たちの暮らしは、船によって支えられており、その船を支えるのが造船所です。本事業は、それら海事産業の将来の担い手である中学生を対象に実施し、中学生に船やものづくりに対する好奇心を喚起し、海や船、地元産業の大切さを理解してもらう機会とするものです。
特にこの時期は、利礼航路に就航するハートランドフェリー(株)のアマポーラ宗谷(4265トン)が入渠していることから、ドックとフェリー船内の両方の見学を企画することができ、稚内市立稚内中学校1年生24名が13日、稚内市立潮見が丘中学校1年生47名が14日と二日間、総勢71名が参加して開催することとなりました。
最初は海事講座です。稚内港湾合同庁舎会議室に集合した参加者に向け、北海道運輸局 海事振興部 船舶産業振興官が「海運の重要性」「様々な船舶」「造船所の役割」を説明しました。次に、地元の造船所 稚内港湾施設(株)を紹介しました。船舶産業振興官は、生徒たちが飽きないように質問を交えながら講座を進めており、本職の先生方からも大変好評でした。
さあ、次はいよいよ造船所見学です!
乾ドックの底に降りると、上に見上げるフェリーの巨大さに、生徒たちから「おーーー!」と感嘆の声が上がります。船首のサイドスラスターや中央部のフィン・スタビライザー、そして船尾には巨大なスクリューと、普段は水面下にあるため決して見ることが出来ない船底の様々な設備が目の前に現れます!造船所の方からは「秋に船をドックに入れて海水を抜くと、沢山の鮭が取り残されていたことも」などのエピソードも紹介されました。
フェリーの船内では、船橋の航海設備に触らせていただきました。普段は絶対に触ることが出来ない機器類ですが、ドック中なのでOKらしく、生徒たちは蛇輪を回したり、主機関の操作レバーをいじったりと、それは楽しそうです。
また、機関室では整備の真っ最中だったこともあり、主機関の横を通り、機関制御室を見学した程度にとどまったのですが、機械好きの生徒にはたまらなかったらしく「あ〜、ココを自分の部屋にしたい」とつぶやいたのを筆者は聞き逃しませんでした。
子供たちからの感想も「かんドッグにアキアジなどの魚が入るなど、おもしろいことが聞けて良かったです」「やっぱり、船は近くで見るとデカいなーと思いました」「初めて知ることが多くてワクワクした」「ハンドルやレバーにさわれたのが印象に残った」「エンジンのところが色々なパイプとかがあって、すごいなと思った」と好評でした。
先生からは「すべてにおいて、すばらしく、おもしろい内容でした」「最初の座学、そしてフェリー見学と素晴らしい内容で、生徒だけでなく我々教員も楽しませていただきました」と大絶賛でした。
最後に、稚内中学校のブログを紹介。見学のワクワクが伝わりますね。
このように、子どもたちにとって、実りある事業になったようです。
参加された生徒のみなさんお疲れ様でした。そして、本事業の実施にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
北海道運輸局旭川運輸支局(稚内庁舎)では、地元の海事産業の担い手確保に向け、今後も「楽しく」「実りある」事業を展開してまいります。
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「中学校先生向けフェリー見学会・海事講座」を開催しました
旭川運輸支局(稚内庁舎)では、令和6年11月29日(金曜日)に北海道旅客船協会と共同で、ハートランドフェリー(株)等の協力により、稚内市の中学校の先生を対象とした「フェリー見学会・海事講座」を開催しました。
四面を海に囲まれた私たちの暮らしは船によって支えられています。しかし、船を動かす船員の高齢化が進み、将来的な船員不足が心配されることから、若手の船員を確保・育成することが重要課題となっています。そこで、将来の海事産業の担い手である中学生の進路を指導する立場である先生に、船員という仕事について深く理解いただこうと本事業を企画しました。この日は稚内市内の中学校3校から1名ずつ、計3名の先生方にご参加いただき、稚内〜利礼航路に就航するボレアース宗谷(3578トン)を見学していただきました。
まずは、船員の生活の一端を体験いただこうと、船での昼食をおよばれしました。航海中の船員の食事は法律により船舶所有者が賄うこととされています。(船員法第80条 船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。(抄))ボレアース宗谷でも専門の司厨員(船のコックさん)が乗船しており、3食準備してくれます。
食後は、船員居住区でこの日案内してくれた一等航海士の居室を見せていただいた後、機関室を経由して一等客室、船橋の順に見学しました。
船橋では様々な航海機器についてご説明いただくとともに、実際に舵に触らせていただくなど、船の仕組みや船橋における船員の仕事について理解を深めていただきました。
その後、船長とも懇談となりました。船長は中学生時代に南極観測船しらせを見学して感銘を受け、「こんな船に乗りたい」という夢をもって地元を離れて商船高等専門学校に進学、卒業後にハートランドフェリーに入社して今に至る、という自身の経歴を紹介して、「中学生に対する進路指導は重要。先生には船員という職業への理解を深めていただき、私もそうだったように船員になりたいという生徒から相談があったときには、親身に対応いただきたい。」とお話されていました。
見学後はフェリーターミナル会議室にて、北海道運輸局職員とハートランドフェリー職員からの海事講座です。北海道運輸局からは海事産業とは、海運の重要性、船の種類、船員の仕事、船員への道について、フェリー会社からは、利礼航路、就航船、船員の労働環境、労働条件について説明しました。
先生からは、「乗船するだけでは分らない船の構造を含めた海事のことを、一部理解することが出来ました。興味深く体験することが出来ました。」「船のウラ側など、普段見ることが出来ない場所を見られたこと、聞くことが出来ない話を聞けたことが良かったです。準備等ありがとうございました」と、感想をいただきました。
参加された先生、お疲れ様でした。これからの生徒への指導よろしくお願いします。
そして、本事業の実施にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
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旭川市で大学生向け物流施設体験会を開催しました
令和6年11月30日(土曜日)、旭川市内で旭川市立大学の学生を対象にした「物流施設体験会」を開催しました。
北海道運輸局旭川運輸支局では、物流の重要性や社会的役割などの理解を深めてもらうことにより、物流企業を就職先の選択肢としてもらうため、一般社団法人旭川地区トラック協会、日本貨物鉄道株式会社北旭川駅及び旭川通運株式会社の御協力のもと、旭川市立大学経済学部の勝又ゼミナール生13名を対象に物流施設体験会を開催しました。
最初に、旭川市立大学において、物流の最前線で働く関係者から「物流の2024年問題」に対する取組と業界や自社の労働環境等の講話を実施しました。
学生からは、「ネットショッピングなどで送料無料が可能になっている理由」や「自動運転やAI技術の導入状況や今後の展望」などの鋭い質問もあり、関心の高さがうかがえました。
【旭川地区トラック協会担当者の講話】
講話後、JR貨物北旭川駅へ移動し、実際に運行してきた貨物列車を見学するとともに、フォークリフトの乗車体験やコンテナにはタグが付いており、フォークリフトを差し込むことにより、配送先や積込む列車が車載のパソコンに表示されるなどの説明を受けました。
【JR貨物北旭川駅構内の見学】
続いて、旭川通運の低温倉庫に移動し、米が保管している状況や倉庫業の役割について、説明を受けるとともにフォークリフトやトラックの運転席に乗車体験するなど物流の現場を体験しました。
【旭川通運における乗車体験と見学】
参加した学生からは、「見たり触れたりする体験が多く時間が経つにつれて没入する程面白かった」「旭川の物流の現状や、重要性がよく理解できた」など、物流に強い関心を持って頂きました。
人材不足解消をはじめ「物流の2024年問題」は、継続して取り組まなければならない課題であることから、引き続き関係者と連携のうえ、取り組んでいきたいと思います。
最後に、年末業務で御多忙の中、御協力頂きました関係者の皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
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「自衛隊退官予定者向け合同就職説明会及びバス・トラック運転体験会」を開催しました
令和6年11月30日(土曜日)、北海道運輸局帯広運輸支局は自衛隊帯広地方協力本部との共催で「自衛隊退官予定者向け合同就職説明会及びバス・トラック運転体験会」を開催しました。
運輸業界では、路線バスの減便やタクシーの稼働率低下、「物流2024年問題」と言われるトラック業界の輸送力不足など、各モードで運転者不足による問題が顕在化・深刻化しています。そうした中で、退官自衛官は大型の運転免許を取得しているケースが多く、運転者の新たな担い手として期待が高まっているところです。
帯広運輸支局ではそうした可能性に着目し、昨年の令和5年11月22日に、全道で初の試みとして「自衛隊退官予定者向けの合同就職説明会・運転体験会」を開催したところ、参加者の満足度も高く、実際に運転者としての採用実績も生まれたことから、今年も取組を継続するべく、イベントを開催しました。
また新たな取組として、就職説明会において、運輸業界と同じく人手不足が深刻な「自動車整備士」を紹介するブースも設営しました。
天候にも恵まれたイベント当日は、35名の自衛官にご参加いただいて、バス・タクシー・トラックの合同就職説明や、十勝管内運送事業者との個別就職相談、バス・トラックの運転体験を行いました。
【合同就職説明会の様子 – 北海道拓殖バス 中木社長よりご挨拶】
個別就職相談会では、各ブースから熱心な説明や積極的な質問の声が聞こえてくるなど、活気にあふれた時間となりました。
【個別就職相談会の様子 – 東洋タクシー汲フ個別相談ブース】
帯広運転免許試験場内のコースを利用した運転体験会では、路線バスやトラック等の運転を体験することで、運転者として働く姿をイメージできる、貴重な経験としていただけたようです。
【バス・トラック運転体験会の様子】
参加した自衛官からは、「この度の説明会で挑戦しやすい業種ではないかと思えた」「業界の人手不足が深刻であり、自衛隊退職後でも自分が役に立てるかもと考えた」といった好意的なご意見を多くいただきました。
帯広運輸支局では今後もこうした取り組みを継続し、運転者不足の解消に向けて尽力して参ります。
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”雪道”で初!?「自衛官向けバス・トラック運転体験会及び合同就職相談会」を開催しました
札幌運輸支局では、自衛隊札幌地方協力本部との共催で、令和6年12月7日(土曜日)自衛隊真駒内駐屯地において、令和9年度までの退官予定自衛官を対象とした、運転体験会及び合同就職相談会を開催しました。
当日は、朝から降雪となり「道内初!?」となる、雪道での運転体験会となりそうです。担当者は入念に安全対策を講じつつ、北海道ならではの実践さながらの雪道でのバス・トラック運転に、参加自衛官がどのような感想を持ってくれるか、期待に胸を膨らませます。
【運転体験前に入念な打合せをする運輸局職員と参加事業者様】
イベントは、主催者である札幌運輸支局長及び自衛隊札幌地方協力本部長の挨拶から始まり、3グループに分かれて運転体験と合同就職相談を行いました。
【札幌運輸支局 渋谷武則支局長による挨拶】
運転体験では、各企業のご協力により用意されたバス・トラック車両計6台に乗車し、プロドライバーからの説明を受けた後、それぞれの車両を実際に運転しました。
今回の体験車両にはトレーラーのような大型車両もありましたが、降雪による悪路も難なく楽しそうに運転している自衛官の姿が印象的でした。
【運転体験(操作説明の様子)】
別会場では、運転体験会と並行して各企業との合同就職相談会を実施しました。12ブースを設け、参加した自衛官は各企業の勤務体系等を熱心に聞いていました。限られた時間ではありましたが、自衛官に運輸業界(バス・タクシー・トラック)の魅力を伝えることができました。
【合同就職相談会の様子】
参加した自衛官からは「貴重な体験をさせてもらいました。今後の就職活動の参考となりました。」などの感想がありました。
北海道運輸局では引き続き、運輸業界の人手不足解消へむけた取組みを実施して参ります。
【運転体験車両(写真はトレーラー)】
輸送繁忙期の年末年始に「輸送等に関する安全総点検」を実施します
北海道運輸局では、令和6年12月10日(火曜日)から令和7年1月10日(金曜日)の期間に、輸送機関等が重点点検項目である@安全管理の実施状況、A自然災害・事故等発生時の乗客等の安全確保のための通報・連絡・指示体制の整備・構築状況、Bテロ防止のための警戒体制の整備状況、C新型インフルエンザ等感染症防止対策を中心とした自主点検を通して、安全に対する意識を高めることを目的として、令和6年度「年末年始の輸送等に関する安全総点検」を実施しています。
今年度は北海道内82の事業所等に対して北海道運輸局本局及び各運輸支局等で現地立会確認及び点検を実施しました。初日の12月10日(火曜日)にはジェイ・アール北海道バス株式会社に北海道運輸局長ほか運輸局職員6名、新日本海フェリー株式会社に北海道運輸局次長ほか運輸局職員8名及び小樽海上保安部職員7名が合同で現地立会確認及び点検を実施しています。
ジェイ・アール北海道バス株式会社では点呼の実施状況、車両の点検状況、休憩室及び仮眠室の整備状況等を、新日本海フェリー株式会社では運航するするフェリー「らべんだあ」に乗船し、甲板や車両甲板、機関室、客室等の救命設備点検、非常脱出口の確認、水密扉作業確認、消防設備確認などの安全点検の立会確認を行いました。
また、重点点検項目とされた点検細目につきましては、特に入念な点検を行い、総点検において発見された不備事項については厳正な態度で臨み、速やかに適切な措置を講じています。
北海道運輸局は安全総点検の実施期間中に、今回ご紹介した自動車交通、海上交通のほか、鉄道・軌道交通などに対しても点検を実施しています。現地確認を実施し点検事項ごとに状況を把握して輸送の安全確保に努めるほか、利用者が安全にかつ安心して輸送機関を利用できるよう、日々全力を尽くしてまいります。
札幌日本大学高等学校生徒が新千歳空港で「Safety tips」をPR!
令和6年12月16日(月曜日)に新千歳空港国際線ターミナルにおいて、札幌日本大学高等学校の生徒3名が、観光庁が監修した外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」の広報活動を行いました。「Safety tips」は15言語対応で、地震や津波などの災害発生時に、プッシュ通知でリアルタイムに情報を受け取ることができます。
生徒たちは、SGH*(スーパーグローバルハイスクール)の学習の一環として、新千歳空港で外国人旅行者にインタビューを行い、多くの旅行者が日本の災害情報に不安を抱いていることを知り、少しでも安心安全な旅を楽しんでもらうために、この広報活動を行うことになりました。
*札幌日本大学高等学校は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)ネットワーク参加校の1つで、将来国際的に活躍できるグローバル・リーダーを育成するために、グローバルな社会問題などをテーマに横断的・総合的な学習、探究的な学習をしています。
当日、生徒たちは「Safety tips」ポスターをターミナル内に掲示し、自分たちが制作したチラシでアプリダウンロードを呼びかけました。事前に英語の簡単なあいさつやアプリを説明するフレーズを練習し、外国人旅行者に声をかけました。最初はなかなかチラシを受け取ってもらえませんでしたが、笑顔で話しかけるうちにチラシを受け取ってもらえるようになりました。短い時間でしたが、50人の外国人旅行者にチラシを配布し、アプリの存在を知ってもらうことができました。参加された生徒のみなさま、お疲れ様でした。また、北海道エアポート株式会社様、ご協力ありがとうございました。
北海道運輸局では、今後も「Safety tips」の周知や「北海道の旅の安全情報」での情報発信に力を入れ、外国人旅行者が安心して北海道を旅行できる環境づくりを目指します。生徒には、今回の経験を生かして、観光に興味・関心をもって学んでいただけることを期待しています。