2022年3月4日 更新
令和3年度地域公共交通活性化シンポジウムin関西 「持続可能な地域公共交通 〜モビリティを考え共感できる人材こそがカギ〜」
近畿運輸局では、令和4年2月25日(金曜日)に、「オンライン版 地域公共交通活性化シンポジウムin関西 持続可能な地域公共交通〜モビリティを考え共感できる人材こそがカギ〜」を開催しました。
本格的な人口減少が進む中、地域の交通サービスの維持・確保が課題となっておりましたが、さらに、一昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大による外出抑制やテレワーク・オンライン会議の普及等により、地域公共交通はさらに厳しい状況に置かれています。今後も地域公共交通を維持していくためには、地域自らが主体となり、地域特性やニーズ等を把握し、交通政策を考え実践していくことが重要であると考え、『〜モビリティを考え共感できる人材こそがカギ〜』をテーマに実施いたしました。開催方法については、近畿2府2県においてまん延防止等重点措置の適用を受けていることから、昨年と同様に完全オンライン形式で開催しましたが、近畿管内だけではなく、全国の自治体・交通事業者などから約350名の方々にお申し込みいただきました。
開会挨拶 近畿運輸局長 金井 昭彦
※シンポジウム当日の動画は、近畿運輸局公式YouTubeチャンネルにて一般公開されています。皆さまも是非アクセスしていただき、ご視聴いただければ幸いです。(https://youtu.be/gW3lHodxMF4)
※本シンポジウムの資料をご希望の方は、下記のリンクよりダウンロードしてください。
※資料を二次利用される際は出典の明示をお願いいたします。
・プログラム(資料)
○制度説明(資料)
「第2次交通政策基本計画について」
国土交通省 総合政策局 交通政策課 企画室長 赤星 健太郎 氏
赤星室長からは、昨年5月に策定された「第2次交通政策基本計画」のポイントをご説明いただきました。その中で、交通データと人口分布や産業等の地域構造を組み合わせて可視化することで、的確に課題を把握することが可能であることをご説明いただき、また、実際にそのようなデータを利用し議論している場をご紹介いただきました。
国土交通省 赤星室長
○講演(資料)
「クロスセクター効果 〜公共交通における評価指標の重要性〜」
一般社団法人グローカル交流推進機構 理事長 土井 勉氏
地域公共交通の意義や役割の理解のためには、公共交通の利用者だけでなく、普段はマイカーを利用している人たちにも「自分事」として共感してもらうことが重要であり、そのためには公共交通には多様な役割があることと、この効果を定量的に把握し可視化することが必要とのご説明をいただきました。その手法として、地域公共交通の運行費用に係る財政支出(補助金等)と、仮に公共交通がなくなった場合にこれらの人々の移動を支えるための多様な行政分野別代替費用を比較することで、現在の補助金等の支出が効果的なものとなっているかを把握する「クロスセクター効果」算出についてご説明頂くとともに、政策判断に活用された自治体の算出事例等をご紹介いただきました。
グローカル交流推進機構 土井理事長
○事例紹介@(資料)
「橋本市の地域公共交通再編に向けた取り組み
〜はしもと ONE TEAM 競合から協働へ〜」
橋本市生活交通ネットワーク協議会
橋本市 総合政策部 政策企画課 地域振興係 副主査 乾 沙也香 氏
地域公共交通網形成計画に基づき市内交通を再編し、費用の抑制と運賃収入の増加を実現した「橋本市生活交通ネットワーク協議会」の取組み(令和2年度近畿運輸局地域公共交通優良団体表彰)についてご講演いただきました。当初は、市民病院の移転や市町村合併によるコミュニティバス・病院無料バスの運行のため、既存の路線バスと競合してしまい、市事業費の増加・民業圧迫等の問題が生じていたため、その解決策として、コミュニティバスと路線バスの役割分担を明確にし、競合していた病院無料バスを路線バスに置き換えるなどの取組をご説明頂きました。施策の実施にあたっては市の財政状況が厳しいことを丁寧に説明することで理解をしていただいたこと等をご紹介いただきました。
和歌山県橋本市 乾 副主査
○事例紹介A(資料)
「NPO法人再生塾における交通まちづくりを担う実務者育成」
特定非営利活動法人 持続可能なまちと交通をめざす再生塾
理事長 正司 健一 氏
まちづくりや交通課題の解決に取り組んでいる行政団体・交通事業者・コンサルタントの担当者や地方議員等に対し、調査研究や実地研修などの場の提供を通じた人材育成を実施している取組み(令和3年度地域公共交通優良団体国土交通大臣表彰受賞)についてご講演をいただきました。NPO法人再生塾立ち上げの経緯や研修プログラムや研修内容等についてご説明いただきました。特に、実際のフィールドでのケース・スタディによる実践的研修を行い、互学互習により成果を上げている点をご紹介いただきました。また、思考停止せず、常に改善していてくことを大切にしている点もお話しいただきました。
NPO法人再生塾 正司理事長
○質疑応答
質疑応答では、登壇者への質問を視聴者からオンラインで受け付けました。土井様からは「クロスセクター効果はどのように始めたらよいか」という質問に対し、「まずは現況等の把握(利用者数、利用目的、時間帯等)」と回答いただき、乾様からは「業者と自治体が同じ方向性となったのはなぜか」という質問に対し「お互い現状を理解したうえで歩み寄っていくことが大事」と回答、正司様からは「現場に求められるのはどのような人材でしょうか」という質問に対し「想像ができ、課題解決に向けて熱いハートをもつ人材」と回答いただく等、活発な質疑応答が行われました。
質疑応答の様子
今後とも、近畿運輸局では、地域公共交通の活性化に努めておられる自治体・事業者・住民の皆さまの取組の後押しとなるよう、情報発信と施策の推進に取り組んでまいります。
【問い合わせ先】 近畿運輸局 交通政策部 交通企画課 (電話)06−6949−6409
本格的な人口減少が進む中、地域の交通サービスの維持・確保が課題となっておりましたが、さらに、一昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大による外出抑制やテレワーク・オンライン会議の普及等により、地域公共交通はさらに厳しい状況に置かれています。今後も地域公共交通を維持していくためには、地域自らが主体となり、地域特性やニーズ等を把握し、交通政策を考え実践していくことが重要であると考え、『〜モビリティを考え共感できる人材こそがカギ〜』をテーマに実施いたしました。開催方法については、近畿2府2県においてまん延防止等重点措置の適用を受けていることから、昨年と同様に完全オンライン形式で開催しましたが、近畿管内だけではなく、全国の自治体・交通事業者などから約350名の方々にお申し込みいただきました。
開会挨拶 近畿運輸局長 金井 昭彦
※シンポジウム当日の動画は、近畿運輸局公式YouTubeチャンネルにて一般公開されています。皆さまも是非アクセスしていただき、ご視聴いただければ幸いです。(https://youtu.be/gW3lHodxMF4)
※本シンポジウムの資料をご希望の方は、下記のリンクよりダウンロードしてください。
※資料を二次利用される際は出典の明示をお願いいたします。
・プログラム(資料)
○制度説明(資料)
「第2次交通政策基本計画について」
国土交通省 総合政策局 交通政策課 企画室長 赤星 健太郎 氏
赤星室長からは、昨年5月に策定された「第2次交通政策基本計画」のポイントをご説明いただきました。その中で、交通データと人口分布や産業等の地域構造を組み合わせて可視化することで、的確に課題を把握することが可能であることをご説明いただき、また、実際にそのようなデータを利用し議論している場をご紹介いただきました。
国土交通省 赤星室長
○講演(資料)
「クロスセクター効果 〜公共交通における評価指標の重要性〜」
一般社団法人グローカル交流推進機構 理事長 土井 勉氏
地域公共交通の意義や役割の理解のためには、公共交通の利用者だけでなく、普段はマイカーを利用している人たちにも「自分事」として共感してもらうことが重要であり、そのためには公共交通には多様な役割があることと、この効果を定量的に把握し可視化することが必要とのご説明をいただきました。その手法として、地域公共交通の運行費用に係る財政支出(補助金等)と、仮に公共交通がなくなった場合にこれらの人々の移動を支えるための多様な行政分野別代替費用を比較することで、現在の補助金等の支出が効果的なものとなっているかを把握する「クロスセクター効果」算出についてご説明頂くとともに、政策判断に活用された自治体の算出事例等をご紹介いただきました。
グローカル交流推進機構 土井理事長
○事例紹介@(資料)
「橋本市の地域公共交通再編に向けた取り組み
〜はしもと ONE TEAM 競合から協働へ〜」
橋本市生活交通ネットワーク協議会
橋本市 総合政策部 政策企画課 地域振興係 副主査 乾 沙也香 氏
地域公共交通網形成計画に基づき市内交通を再編し、費用の抑制と運賃収入の増加を実現した「橋本市生活交通ネットワーク協議会」の取組み(令和2年度近畿運輸局地域公共交通優良団体表彰)についてご講演いただきました。当初は、市民病院の移転や市町村合併によるコミュニティバス・病院無料バスの運行のため、既存の路線バスと競合してしまい、市事業費の増加・民業圧迫等の問題が生じていたため、その解決策として、コミュニティバスと路線バスの役割分担を明確にし、競合していた病院無料バスを路線バスに置き換えるなどの取組をご説明頂きました。施策の実施にあたっては市の財政状況が厳しいことを丁寧に説明することで理解をしていただいたこと等をご紹介いただきました。
和歌山県橋本市 乾 副主査
○事例紹介A(資料)
「NPO法人再生塾における交通まちづくりを担う実務者育成」
特定非営利活動法人 持続可能なまちと交通をめざす再生塾
理事長 正司 健一 氏
まちづくりや交通課題の解決に取り組んでいる行政団体・交通事業者・コンサルタントの担当者や地方議員等に対し、調査研究や実地研修などの場の提供を通じた人材育成を実施している取組み(令和3年度地域公共交通優良団体国土交通大臣表彰受賞)についてご講演をいただきました。NPO法人再生塾立ち上げの経緯や研修プログラムや研修内容等についてご説明いただきました。特に、実際のフィールドでのケース・スタディによる実践的研修を行い、互学互習により成果を上げている点をご紹介いただきました。また、思考停止せず、常に改善していてくことを大切にしている点もお話しいただきました。
NPO法人再生塾 正司理事長
○質疑応答
質疑応答では、登壇者への質問を視聴者からオンラインで受け付けました。土井様からは「クロスセクター効果はどのように始めたらよいか」という質問に対し、「まずは現況等の把握(利用者数、利用目的、時間帯等)」と回答いただき、乾様からは「業者と自治体が同じ方向性となったのはなぜか」という質問に対し「お互い現状を理解したうえで歩み寄っていくことが大事」と回答、正司様からは「現場に求められるのはどのような人材でしょうか」という質問に対し「想像ができ、課題解決に向けて熱いハートをもつ人材」と回答いただく等、活発な質疑応答が行われました。
質疑応答の様子
今後とも、近畿運輸局では、地域公共交通の活性化に努めておられる自治体・事業者・住民の皆さまの取組の後押しとなるよう、情報発信と施策の推進に取り組んでまいります。
【問い合わせ先】 近畿運輸局 交通政策部 交通企画課 (電話)06−6949−6409