2024年8月7日 更新
海上運送法Q&A
一般旅客定期航路事業
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Q1 | 「一般旅客定期航路事業」への参入はどのようになりますか。 |
A1 | 「一般旅客定期航路事業」への参入については、輸送の安全性など一定の基準を満たせば誰でも参入することができます。 ただし、「指定区間」への参入については、輸送の安全性などの一定の基準の他に、「一定の海上輸送サービスを確保」することが必要となります。 |
Q2 | 「指定区間」とは、どのような区間ですか。 |
A2 | 離島等の住民の日常生活に必要不可欠な生活航路(区間)について、国土交通大臣が、関係都道府県知事の意見を聴いて指定する区間が「指定区間」となります。 「指定区間」とは、船舶以外には交通機関がない区間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である区間であって、当該区間に係る離島その他の地域の住民が日常生活又は社会生活を営むために必要な船舶による輸送が確保されるべき区間として関係都道府県知事の意見を聴いて国土交通大臣が指定するものをいいます。 |
Q3 | 「指定区間」以外への参入と「指定区間」への参入では、具体的な許可基準はどう違うのですか。 |
A3 | まず、「指定区間」以外への参入の許可基準は、「輸送施設、輸送の安全、合理的な事業運営計画・保険契約、合理的な資金計画、船舶交通の安全」等の基準を満たすことが必要となります。 次に、「指定区間」への参入の許可基準は、上記の基準の加え、新たに「一定の輸送サービスの確保」するために「指定区間ごとに設定されたサービス基準に合致すること」の基準を満たすことが必要となります。 |
Q4 | 「指定区間ごとに設定されたサービス基準に合致すること」との基準とは、どのようなことですか。 |
A4 | 具体的には、「指定区間」ごとに「各運航ごとの運航日程、運航時刻(運航回数及び始終発時刻)、旅客輸送能力・自動車の航送能力等」の項目の中から選択して設定されるサービス基準を満たすことです。 |
Q5 | 例えば、本土と2つの離島を結ぶ区間が一つの「指定区間」となった航路に、本土と1つの離島間に参入するといった「指定区間」の一部区間に参入することはできますか。 |
A5 | 「指定区間」の一部区間のみの参入はできません。 「指定区間」は、離島等の住民の生活のために船舶による輸送が確保されるべき2地点 間のまとまりで指定されていますので、本土と2つの離島を結ぶ区間が1つの「指定区間」として指定された場合は、当該指定区間に含まれる全ての2地点間を運航しなければ参入できません。 もちろん、一つの「指定区間」の全部を運航する場合にあっても、当該指定区間に含まれる全ての二地点間のサービス基準も満たさなければ参入できません。 |
Q6 | 一つの「指定区間」と「指定区間」以外の区間を含めて一つの航路として参入することはできますか。 |
A6 | できます。 ただし、当該事業の許可申請時においては、当該申請航路のうち「指定区間」に係るサービス基準の審査が行われることとなります。 |
Q7 | 2つの「指定区間」を一つの航路として参入することはできますか。 |
A7 | それぞれの「指定区間」に設定されたサービス基準を満たしていれば、一つの航路として経営することができます。 |
Q8 | 「指定区間」に設定されたサービス基準以上の運航を行うことはできますか。 |
A8 | サービス基準以上の運航については、制限はありません。 「指定区間」のサービス基準は、離島等の住民の生活に必要な輸送の確保を目的として設けたものであり、このサービス基準を確保したうえで、より一層の輸送サービスを提供することに制限はありません。 |
Q9 | 一般旅客定期航路事業を休止・廃止しようとするときは、どのような手続きになるのですか。 |
A9 | 事前に届出をすることになります。 事前届出までの期間は、経営する航路が「指定区間」以外である場合は30日前までに、経営する航路が「指定区間」である場合は6ヶ月前までに、国土交通大臣に届け出ることになります。 |
旅客不定期航路事業
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Q10 | 旅客不定期航路事業とはどのようなものですか。 |
A10 | 一定の航路に旅客船(旅客定員13人以上)を就航させて人の運送を行う不定期航路事業です。 |
Q11 | 旅客不定期航路事業を営もうとするときは、どのような手続きになるのですか。 |
A11 | 事業の開始前に許可を受けなければなりません。 |
Q12 | 旅客不定期航路事業で乗合旅客の運送はできるのですか。 |
A12 | 旅客不定期航路事業では、通船や周遊観光船以外の乗合旅客の運送は禁止されています。 |
Q13 | 旅客不定期航路事業を廃止しようとするときは、どのような手続きになるのですか。 |
A13 | 当該事業を廃止する日の30日前までに届け出ることになります。 |
運賃・料金
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Q14 | 旅客船事業の運賃・料金制度はどのようになっているのですか。 |
A14 | 一般旅客定期航路事業・旅客不定期航路事業の旅客等の運賃・料金は、原則、事前の届出制となります。 ただし、一般旅客定期航路事業で「指定区間」に係る旅客の運賃・一部の手荷物の運賃・自動車航送運賃については、その上限を定め、国土交通大臣の認可を受けたうえで、その上限額を超えない範囲で事前に届出を行うこととなります。 |
人の運送に関してよくある質問
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Q15 | 小型の船舶等により人の運送を行いたいと考えておりますが、何か手続きが必要なのでしょうか。 |
A15 | 非旅客船(旅客定員12名以下の船舶)により人の運送をする者、旅客船により人の運送をする者のうち、@航路を定めずに運航する者、A一定の航路で特定の者の需要に応じ、特定の範囲の人の運送を行う者については、海上運送法の規定により事業開始の日の30日前までに地方運輸局長等への届出が必要となります。 |
Q16 | 総トン数5トン未満の船舶や、内航貨物船、遊漁船なども海上運送法の適用があるのでしょうか。 |
A16 | 総トン数5トン未満の船舶や内航貨物船、遊漁船など本来は人の運送を目的とするものではない用途の船舶を使用する場合であっても、旅客定員を有し、乗組員や遊漁旅客以外の者を輸送対象として、主に二地点間の移動を目的とする旅客の運送を行う場合は、海上運送法が適用されることとなります。 |
Q17 | 人の運送を行う事業については、どのような規制が適用されるのでしょうか。 |
A17 | 事業の開始(変更)の届出、安全管理規程の作成と届出、運賃及び料金等の公示の義務規定や輸送の安全確保に関する命令、保険契約締結命令等といった規制の適用を受けることとなります。 |
Q18 | 人の運送を行うため、損害賠償のための保険契約を締結する場合には、1人あたりの補償額を最低いくらにしたらよいのですか。 |
A18 | 旅客定員1人当り3,000万円以上(令和6年10月1日以降に締結するものは旅客定員1人当り5,000万円以上)の保険に加入する必要があります。 |
Q19 | 人の運送については、事業開始に係る届出を行えばその後の手続きは不要なのでしょうか。 |
A19 | 届出を行った事項(@住所、氏名A使用旅客船の明細(船名、船舶の種類、船舶所有者、総トン数、旅客定員、主機の種類、連続最大出力、航海速力)B事業の概要(航路、水域、運航の時季、旅客の需要等)について、変更をしようとする場合は、30日前までに地方運輸局長等への届出が必要となります。なお、安全管理規程を変更しようとする場合及び安全統括管理者又は運航管理者の選任・解任を行った場合についても届出が必要となります。 |
Q20 | 現在、遊漁船業を行っていますが、近い将来、イルカウォッチングを行おうと考えています。こうした場合であっても、海上運送法の適用はあるのでしょうか。 |
A20 | イルカウォッチング・ホエールウォッチングをする場合には、仮に遊漁船業の登録を受けていても人の運送を行うもの(遊漁行為又は磯(瀬)渡し行為以外のもの)であれば、海上運送法の適用となります。 |
Q21 | 旅客定員13名以上の船舶で、臨時のクルーズを行いたいのですが、どのような手続が必要ですか。 |
A21 | スポット的なクルーズ運航であっても、法第20条の規定により人の運送をする不定期航路事業に該当することとなりますので、最寄りの運輸局、運輸支局又は海事事務所に事業開始の30日前までに届出をしてください。なお、同一の航路に就航することが度重なる場合は、一の航路を反復継続して運航するものとなりますから、最寄の運輸局等へご相談ください。 |
Q22 | 内航海運業において「人の運送を行う事業」は、どのような事業となるのですか。 |
A22 | 新たに内航海運業となる「自動車航送貨物定期航路事業」のように定時運航するものにあっては「人の運送をする貨物定期航路事業(法第19条の5)」となり、それ以外の事業にあっては「人の運送をする不定期航路事業(法第20条)」となります。 |
Q23 | 海上運送法の適用除外はありますか。 |
A23 | ろかい船のみをもって営む船舶運航事業は除かれます。 |
詳細については、九州運輸局海事振興部旅客課までお問い合わせ下さい。 (TEL/092-472-3155) |