海事振興部

旅客課/九州の旅客船事業


 「離島をぶらり」
下 甑 島(しもこしきじま)

1.下甑島の概要
 東シナ海にある甑島列島の南部に位置しています。この島は全体的に地形が険しく、特に両町の境あたりには長いこと道路がなかったため、かつては島内でありながら船でしか往来ができませんでした。海岸の僅かな平坦地には集落が集中しており、また、島内は、季節ごとに色とりどりの花が咲きれ、野鳥や渡り鳥が飛び交い、初夏になるとウミガメが産卵する浜もあります。


鹿島断崖
2.下甑島を観る
・鹿島断崖
 波に洗われた男性的な景観の中に門口瀬、池屋崎、鶴穴、由良島など、数多くの奇岩・大岩が連なる鹿島断崖。ウミネコ繁殖の南限地で飛来シーズンにあたる11月〜7月になると、豪壮な景色の中を群れ飛ぶ幻想的な姿が見られます。
 
・鳥ノ巣山展望台
 下甑島の北端に位置し、紺碧の海を見下ろし向こう岸に中甑島を眺望できる展望台で、この周辺はカノコユリの自生地としても知られ、初夏には甘い香りを漂わせる美しいカノコユリの群生が見られます。
 
鹿島断崖


ナポレオン岩 ・ナポレオン岩
 下甑町の西側、瀬々野浦の海上に突き出た高さ127mの奇岩。横から見るとフランス皇帝ナポレオンに似ていることが、この名の由来。奇岩の多いこの地区の中でも代表的なもので、下甑のシンボル的な存在になっています。
 
・瀬尾の観音三滝
 江戸時代、郷土の居宅があった麓地区。整然と積み上げられた玉石垣のたたずまいは当時を忍ばせています。瀬尾川上流にある緑に囲まれた美しい滝です。55mの高所から三段になって落ちています。周辺は観音三滝公園として整備されており、公園内にはキャンプ場も整備されていますので、アウトドアが大好きな方にはおすすめの滝です。
ナポレオン岩
 


3.下甑島を体験する
・「こしきの塩」
 甑島列島を洗う黒潮でつくった天然塩で、直径約1メートルの鉄製の鍋で3日3晩海水を炊き続ける製塩方法。塩田などで海水を濃縮した後、煮詰める通常の製塩方法に比べて効率は悪いが、不純物が少ないミネラル分たっぷりの塩ができます。
 
・トシドン
 毎年大晦日の夜、首のない馬に乗って子供のいる家にやってくるという仮面神で、鼻の長い鬼の面にシュロやソテツの葉で作った服をまとって現れ、子供を脅したり諭したりし、最後は歳餅を渡して去っていきます。国指定重要無形文化財に指定されています。


※このページは、(財)日本離島センター発行の「日本の島ガイドSHIMADAS(シマダス)」(1998年)の内容の一部を転載したものを含んでいます。このページの一部または全部を無断で複製することはできません。

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