海事振興部

旅客課/九州の旅客船事業


 「離島をぶらり」
黒 島(くろしま)

黒島教会
1.黒島の概要
 黒島は、佐世保市相浦港外の西、海上約12kmにある離島であり、西海国立公園九十九島を構成する208の島の1つで、九十九島に属する島々の中で最も大きく広い島です。島民の約8割はキリシタンの信者です。
 
 18世紀後半、外海地方の潜伏キリシタン約600人の信者が移住し、弾圧はありましたが、それでも信者は信仰を貫き試練の時代を乗り切りました。黒島教会は1998年5月1日、国の重要文化財に指定されています。
 
黒島教会

黒島教会の内部
2.黒島教会
 正式名称:黒島天主堂
(イエスの御心に捧げる教会)
・1900年   マルマン神父の設計により、現教会建設開始。師は、県内各地の教会を手がけ、この黒島天主堂が教会建造の集大成と言われています。また、三層構造の教会としては先駆的存在です。
・1902年   現教会完成と語り継がれていますが、証拠が無く不明です。
 
特徴
・建物は「アーケード・トリフォリウム・クリアストリー」からなる三層構造で、天井は「リブ・ヴォールト(こうもり天井)」です。そして、その木目は、すべて刷毛で描かれたものです。
・祭壇部は、何れも円形平面の珍しい構成であり、マルマン神父自ら飾りの彫刻を手がけました。また、その床に敷きつめられたタイルは「肥前有田焼」の刻印があり、他の教会堂には例を見ません。
・内部列柱は、黒島の御影石を台座に束ね柱となっています。
・木製の説教壇は日本に3つしかなく、長崎では黒島にのみ現存。
・建物の後部は、「円筒形アプス」の造りです。
 
黒島教会の内部
3.黒島を観る・食べる
◎ 串ノ浜岩脈(県指定天然記念物): 長崎県下最大です。
◎ 根谷の大サザンカ(市指定天然記念物):根回り4m、目通り1.8m、樹高約10m、樹齢250〜350年。
 数歩先には、大岩を飲み込んだ「アコウの樹」があります。
◎ 黒島神社社叢:この一帯は霊域であるために人の手が入らず、照葉樹を主体として縄文の森の面影を残しています。
◎ 黒島豆腐:「海水のにがり」で固めた独特の風味と硬いのが特徴。
◎ ふくれ饅頭:黒島豆腐とともに、お祝い事には欠かせない一品。


※このページは、(財)日本離島センター発行の「日本の島ガイドSHIMADAS(シマダス)」(1998年)の内容の一部を転載したものを含んでいます。このページの一部または全部を無断で複製することはできません。

(C)日本離島センター National Institute for Japanese Islands

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