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自動車整備士の仕事を知ったきっかけ、整備士の仕事を選んだ理由を教えてください

  • 「父親が整備士で、お客様に頼られている姿を見て、自分もそのような整備士になりたいと思った」
  • 「幼少期からプラモデルなどが好きで、分解して組み立てる作業が好きだった」、「従兄弟が整備士をしており整備士に憧れていた」
  • 「バイクや自動車に興味があった」、「学生時代に維持費を安くするためにメンテナンスを自分でできるようになりたいと思った」
  • 「高校受験の時、工業科目へいきたいと思い、自動車整備士という職業を知って魅力を感じ自動車科へ進学した」
  • 「小学校の頃、自動車メーカー工場に見学に行きクルマに興味を持った」
  • 「学生時代に通学路の整備工場を見て整備士は格好が良いと思った」、「当時、各自動車メーカーが個性的なクルマを作っていて、その構造や機能に興味を持ち整備士になろうと思った」
  • 「機械いじりが好きだったので、自分の車くらいは自分で整備できるようになりたいと思った」
  • 「父親が経営する会社に就職した」

整備士で良かったと感じたこと、魅力・やりがいや苦労したこと、困ったこと、困っていることをエピソードも添えてお聞かせください。

【魅力・やりがい】
  • 「整備士の資格取得後においても、中古車査定士など多数の資格を取得する必要があり、自己研鑽が絶えず苦労もあるが好きで入った職業なのでやりがいもある」、「実際にスキルアップが実感でき、お客様や友人に頼られている」
  • 「自分の車や友人の車を整備でき、感謝されることが嬉しい」、「整備士(エンジニア)だからこそお客様に寄り添えることができる職業と実感」
  • 「普段は目にすることができないクラッシックカーや高級車など様々な車種に触れることができることが魅力」、「女性だから話がしやすいと言われたりする」

【苦労したこと、困ったこと】
  • 「整備士の資格取得後においても、中古車査定士などの多数の資格を取得する必要があり、自己研鑽が絶えず苦労もあるが好きで入った職業なのでやりがいもある」(再掲)
  • 「作業ミスによりお客様に迷惑をかけたことで落ち込んだが周りの助けもあり解決した。次はミスをしないと誓った」
  • 「大型車両を整備するためには工具が大きく重たい」、「整備には診断機やパソコンが必須であり対応に苦戦している」

電気自動車、自動運転車など自動車技術の進化により構造も複雑化する中、自動車整備士の重要性は益々高くなっていますが、皆様にとっての課題、今後の目標や取り組んでいきたいことなどあればお聞かせください。

【課題・今後の目標】
  • 「クルマの機能システムを熟知しなければ故障診断できず故障診断器やパソコンを使用する必要がある」、「作業者の安全のためにも実車を用いた勉強会などの日々の研鑽が必要」
  • 「電気自動車や先進安全装置搭載車両等の様々な知識を習得し、お客様に正しく説明し、メンテナンスの必要性を周知していくことが大事であり課題」
  • 「先進技術の方向性が定まっていないので、それぞれの車種に対応していくための日々の研鑽が必要であり課題」、「故障の際、ユニット交換で高額修理が増えていることへのお客様への説明対応が課題」、「人材がすぐに辞めることで技術継承されないのが課題」、「若い人材の育て方も昔ながらのやり方ではなく課題」

自動車整備士になろうとする若者が減ってきていますが、整備士不足を解決するためにはどのような取組に力を入れていくべきと思うか、お聞かせください。

  • 「整備士の処遇改善が大事」、「自動車整備士は、若者が憧れるような社会的立場でなければならない」、「行政にも資格取得や経験年数・勤続年数に応じた整備士への対策を検討していただきたい」
  • 「新しく入ってきた社員への声掛けや環境美化などによる職場環境の改善」、「若者への職場体験や社会科見学、マイカー点検などを通じ、自動車を知る機会や興味を持っていただくべき」
  • 「働き続けてもらえる職場環境づくり(適正な評価が必要)」、「外国人労働者の受け入れ体制づくり(外国人は短縮語がわからないのでマニュアル作成等)」、「親も子も知っている仕事として興味持っていただくため、整備士の仕事が身近に感じられる発信や環境の整備が必要」

整備士の人材不足や自動車技術が進歩する中での課題とそれらに対応するための皆さんの取組や目標を伺ったところですが、行政や業界団体に期待する取組などがあればお聞かせください。

  • 「行政や振興会における高校訪問や職場体験、各種補助を継続してほしい」、「技術研修などは、業務の都合で受講が困難な場合もあることから、eラーニング等を活用し、いつでも受講できるようにしていただきたい」、「外国の整備士の方たちに映像で作業内容を提供することも有効ではないか」
  • 「一部悪質事業者により自動車整備業界が社会的に悪いイメージがあるので、行政には未認証や悪質事業者にはもっと厳しい罰則を設け再発しないようしていただきたい」、「行政には優良な事業場や整備士には、いろいろな優遇的な制度を考えてほしい」、「整備士の社会的地位の向上に向けた活動を実施していただきたい」
  • 「デジタルツール(VR等)を活用した体験型の職業紹介のツールを行政で作成していただき、教育団体等で活用し整備士体験してもらい、広く整備の面白さを伝えていただきたい」、「日本の整備技術は世界的にもトップレベルであるので、自動車整備士の資格が世界で認められるような制度を構築していただきたい」


福岡県自動車整備振興会(関係団体)からのコメント
 本日は、整備士の皆様より、就業のきっかけ、困っていること、やりがいなど、幅広く聞かせていただきました。
 皆様方から、振興会内で実施している事業者教育の必要性を聞かせていただき、また、新技術に対する対応などの姿勢もうかがうことができ、振興会も変わっていかなくてはならないと実感したところです。
 人材不足の関係では、整備業界だけではなくすべての業界で人材不足が言われているところですが、人材獲得のみではなく、今いる人材で乗り越えるためにはどうしたらよいか、高齢の方を整備士として引き戻すことはできないのかなど、うまく採用していくことはできないのかなども考えられます。
 また、DX化やワンストップサービスを活用していくなど、制度をうまく使うことで省力化できるのではないかと考えられます。
 今後は、若い人材だけではなく幅広い人材を活用する、DXをどう活用していくかを各企業で考えていただきたくとともに、その中で、ご相談やご質問がございましたら振興会においても強力にバックアップしていく所存です。

九州運輸局における総評
 本日は、自動車整備士の皆様方の生の声をお伺いでき、貴重な意見交換ができました。
 自動車整備士と言われる方は、国家資格を持っており、車の点検整備をして、私たちに快適なカーライフを提供してくれたり、交通の安全や環境を守ってくれています。
 また、現在では、街中を電気自動車や先進安全自動車などがたくさん走るようになってきていますが、このようなクルマの最新技術や知識を学んでおられ、構造や整備に関する知識が豊富で、将来性のある仕事をされておられます。
 しかしながら、車の健康を守っているお医者さん的な自動車整備士が担っている仕事の重要性や魅力について、社会的にはあまり知られていません。
 我々、行政といたしましては、関係団体と協力しまして、未来の整備士を目指す方たちが希望をもって、この業界に入ってきて貰えるよう、整備の高度化に対する補助や自動車整備士の皆様方の働く環境など、処遇改善のための方策などを検討していく所存であります。
 本日いただきましたご意見ご要望につきましては、今後の施策反映のための材料としてありがたく頂戴させていただき、対応できるべき点な速やかに対応するため、継続的な情報交換を行いたいと思っております。
 最後になりますが、本日、ご出席の皆様方、来席の皆様、大変お忙しいところ、ありがとうございました。