四国の主要観光地入り込み状況(平成14年度)
観光部
1.目的等 四国における観光地の入込状況を把握し、今後の観光行政の参考とするため、香川県、徳島県、愛媛県、高知県の各11カ所及び愛媛県のしまなみ海道沿線3カ所(村上三島記念館・大三島美術館・能島村上水軍資料館)の合計47カ所の主要観光地と、さらに参考データとして、平成12年4月からオープンした「渦の道」(徳島県)、「モネの庭」(高知県)の2カ所の入込客数のデータを収集し取りまとめたものである。 2.四国全体の概況 本州四国連絡橋三ルートが完成して3年が経過した平成14年度の主要観光地の入り込み客数は、四国全体にわたって、前年度に比べ減少したところが多く、調査施設全体としては約3.4%の減少となっている。 その原因としては、(1)「明石海峡大橋」、「しまなみ海道」の開通に伴う観光ブームの反動による観光客離れが進んだこと、(2)個人消費そのものが伸び悩んでいること、などが考えられる。 平成13年度の減少率(△7.0%)に比べ減少率が縮小している要因としては、平成12年3月の「Xハイウェイ」の完成、平成14年7月の四国横断自動車道の延伸による高松〜鳴門間の開通で神戸淡路鳴門自動車道と接続し関西からの入り込み客数の増加が考えられるが、各地域をおしなべて増加させるといった顕著な効果は現れていない。 しかし、徳島県に平成12年4月にオープンした「渦の道」、平成13年7月にオープンした「あすたむらんど」などは、依然として賑わいをみせている。 3.各県の概況 (1)香川県 小豆島等一部の観光地は好調であったが、全体的には減少した観光施設が多く、調査施設合計では対前年度比約2%の減少となった。 高松市内の代表的観光地である栗林公園と屋島について見てみると、「栗林公園」の入り込み客数については、対前年度比で99.1%とほぼ横這いであったものの、「屋島ドライブウェイの利用台数」については、同95.9%と若干減少しているが、うちバス利用台数は、同99.2%とほぼ横ばいとなっている。これは四国八十八カ所巡礼の人気が依然続いていることによるものと考えられる。 また、「四国民家博物館(四国村)」が同101.5%、「瀬戸内海歴史民俗資料館」も同107.5%と増加に転じている。しかし、昨年度好調であった「玉藻公園」の入り込み客数については、同84.8%と減少に転じている。これは近接する「サンポート高松」が平成13年5月のオープンから1年が経過し、人気が一段落したことが考えられる。 小豆島の観光地は、「寒霞渓ロープウェイ」が対前年度比106.3%、「二十四の瞳映画村」がイベント(岬の分教場100年祭)効果等により同118.2%と好調である。 これら以外の施設では、「琴平」の入り込み客数は、対前年度比99.5%とほぼ横ばいであった。また、平成13年10月から約3ヶ月間の休館があり、それ以後低調な入り込み客数となっている「ゴールドタワー」では、対前年度比48.9%にとどまった。 (2)徳島県 県西部や鳴門市周辺等一部の観光地が賑わいを見せたものの、調査施設合計では対前年度比約2%の減少となっている。 鳴門市周辺では「ドイツ館」が対前年度比87.5%と減少したものの、平成14年7月の高松自動車道、板野・鳴門間開通効果とあいまって、「大鳴門橋架橋記念館」が同105.1%と増加に転じた。平成12年4月末にオープンした「渦の道」は、対前年度比でこそ84.6%と減少したが、依然として年間約69万人の入り込みがあり、人気が持続しているものと思われる。また「鳴門公園(駐車場)」も対前年度比87.0%と減少が続いているが、対11年度比では155%と増加しており、「渦の道」の波及効果が続いていると思われる。 徳島市周辺では「阿波十郎兵衛屋敷」が対前年度比85.0%、「とくしま体験館」が同87.9%の減少となったが、「文化の森総合公園」では、平成14年4月からの公立学校の週5日制の実施に合わせて、当施設の美術館・博物館の有料観覧施設を土・日・祝日及び振替休日、春・夏・冬休み期間中を小・中・高校生を対象に無料化したことにより、同115.5%と増加している。 また、板野郡板野町の「あすたむらんど」は、平成13年7月のオープン時の人気は一段落したものの、依然として年間約54万人の入り込みがあり、人気を持続しているものと思われる。 県南部では、「太龍寺ロープウェイ」が対前年度比93.0%、「うみがめ博物館」も同95.9%と減少した。 県西部では、「祖谷のかずら橋」が、対前年度比107.2%、「石の博物館」が、同108.2%と増加に転じている。これは、観光入り込み客数が多数見込まれる夏場が昨年に比べて好天に恵まれたことによるものと思われる。 (3)愛媛県 (4)高知県
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