海洋汚染の防止
海洋環境保全に向けて努力しています。
海洋汚染の防止のために
海洋汚染の防止の関係法律として「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」があります。 この法律は、船舶等からの海洋への油、有害液体物質及び廃棄物の排出を規制し、また排出された油等の防除並びに海上火災の発生及び拡大の防止等の措置を講じることにより、海洋の汚染及び海上の災害を防止し、あわせて海洋の汚染の防止に関する国際約束を的確に実施し、もって海洋環境の保全並びに国民の生命、身体及び財産の保護を図ることを目的とした法律です。 最近の海洋汚染事故などの状況を考慮して、中国運輸局では船舶検査官が船舶安全法による船舶安全検査とは別に、上記の法律に基づき船舶からの海洋汚染防止を図るため、海洋汚染防止に関する船舶の性能や設備について特に力を入れて検査し、船主や船員、造船所の理解を得て海洋環境保全に向けて努力しています。 |
検査官が検査をしている構造設備等には、
設備:船舶から排出する水に含まれる油や有害性物質を少なくするための設備
構造:船舶が事故を起こしても積荷を海洋に流出させないための構造
手引書:設備・構造を有効に機能させるために必要な情報を提供するための手引書
の3つがあり、それぞれの詳細については次のとおりです。
海洋汚染の防止のための設備
海防法では、タンク洗浄に使用した水も油及び有害液体物質として取り扱われ、船舶から排出してはならない旨規定されています。しかし、すべての洗浄水・油が混ざったビルジを陸上処理することは不可能であるため、技術基準に適合した設備により一定の処理を施した後のバラスト水は海洋に排出して良いこととなっています。
@ 油による汚染を防止するための設備
一般貨物船は、ビルジ(船底にたまる水)から油分を除去し、油分が一定濃度以下になっていることを確認しながら排出する必要があり、分離した油分を貯蔵するためのタンクも必要です。
油タンカーは、更に貨物タンク内に漲ったバラスト水を油分濃度を監視しながら排出する必要があり、分離された油分を貯蔵するためのタンクも必要です。
A 有害液体物質による汚染を防止するための設備
有害液体は、その有害の程度に応じてA,B,C及びDの4種類に分類され、その程度や性状に応じた排出装置や洗浄装置が必要です。
海洋汚染の防止のための構造
衝突や座礁によって船体に穴が開いたり沈んだりした場合、船内にある大量の貨物(油・有害液体物質)が流出し、沿岸に著しい被害をもたらすことから、油タンカー、ケミカルタンカーについては、貨物タンクを外板から離して流出を阻止すること、一定の損傷に対しても船舶が沈まないことを要求しています。
油濁防止緊急措置手引書
実際に海難が起きた場合に適切な措置をとらなければ、いくら設備・構造を整えても海洋汚染を引き起こすことは避けられません。このため、緊急時の連絡先、対策のために必要な情報を網羅して乗組員に提供する資料として油濁防止緊急措置手引書を作成する必要があります。これは、前述の構造・設備と密接に関連することから、検査した内容と齟齬がないことを確認するために、海洋汚染防止設備の一環として検査を行っています。