特集Vol.1日光街道

東京の日本橋から1番目の宿場町「千住宿」の魅力を楽しむ旅。

東京の日本橋から1番目の宿場町「千住宿」の魅力を楽しむ旅。

浮世絵(日光御街道千住宿日本無類楠橋杭之風景本願寺行粧之図/作者:橋本貞秀)

東京の「千住宿(せんじゅじゅく)」は、日本橋から日光街道および奥州街道、水戸街道の分岐場所として多くの人々が集まり、仙台の伊達家や秋田の佐竹家など東北や関東から江戸に向かう大名行列や、多くの旅人でにぎわいを見せました。

「千住大橋」は、江戸に入府して間もない徳川家康公の命により、1593(文禄2)年に着工、翌1594(文禄3)年に完成しました。図は1865(慶応元)年に橋本貞秀が描いた『日光御街道千住宿日本無類楠橋杭之風景本願寺行粧之図』。図の左奥の町が「掃部宿(かもんじゅく)※現在の千住仲町」。

北千住駅前のミルディスI番館(マルイ)10階に展示されてる千住宿の模型は、問屋場、貫目改所をふくむ千住一丁目の主体と南の千住掃部宿の一部が復元されており当時の町並みをイメージできます。

横山家住宅/江戸時代の千住宿だった地域で唯一残る問屋建築。地漉紙問屋「松屋」だった建物で、現在の千住地域で江戸の系譜をひく建造物として貴重である。

「宿場町通り」商店街を歩く

千住宿の宿場町周辺は、今では「宿場町通り」という商店街になっています。通りの街灯には、一本一本に千住宿を通った大名の名前と家紋などの説明や、足元をみると当時をイメージしたタイル、また建物の壁やシャッターにも個性的なアートを見て楽しめます。

水戸黄門様が守った「槍かけ松」とは

今の千住4丁目で日光街道から分岐した水戸街道に面する最初の寺院「清亮寺」の門前には、「水戸街道」に覆い被さる見事な枝ぶりの松の木がありました。このお寺の前を通る水戸藩主徳川光圀公の大名行列はいかなる理由でも槍を横に倒すことは許されなかった時代。光圀公は「名松を切るのは惜しい。この松に槍を立てかけて休み、出立の時に、槍持ちが松の向こう側から槍を取り直せば槍を倒したことにはならない。」と粋な計らいをしました。

「清亮寺」の門前

有し日の槍かけ松。ここを通る大名行列は、門前で松に槍を立てかけて休むようになりました。残念ながらこの松は昭和の時代に枯れてしまいました。

「刃」の戒名

当時、千住にあった小塚原刑場で斬首された死罪人の墓石が「清亮寺」にあります。死罪人には「刃」の戒名がつくようで、戒名、解剖日、俗名、年齢が刻まれ、11名の戒名のうち8名は”刃”の文字が刻まれています。当時の医学教育の解剖に共されたとのことです。

「槍かけ松」の名物お団子

北千住に来たら必ず食べたい名物「かどやの槍かけだんご」。七輪と炭火で焼いたほんのり香ばしく、やわらかいお団子です。その歴史に想いを馳せて味わってみてください。

■千住名物かどやの槍かけだんご 東京都足立区千住5-5-10 電話:03-3888-0682

レトロな喫茶店として人気の自家焙煎珈琲店でひとやすみ。

アンティークをあしらった魅力的な内装の老舗喫茶店で、焙煎度合いや抽出方法にこだわった深煎りで上質なコーヒーを味わえます。

コーヒーは産地や収穫時期、保存状態にまでこだわった生豆を自家焙煎しています。 オリジナルブレンドから「珈琲フロート」などアレンジの効いたものまで、コーヒーだけでなんと20種類以上! スイーツはもちろん、食事系のトーストメニューも揃ってます。スイーツは素朴でシンプルな美味しさ!コーヒーとの組み合わせにおすすめです。

■珈琲物語 東京都足立区千住3-6 電話:03-3882-5524
レトロな店内に並ぶ彩り豊かな珈琲カップの数々

縁日でにぎわう北千住「勝専寺」

勝専寺は山門が朱塗りであることから地元で赤門(あかもん)寺として昔から親しまれ、1年のうち1月と7月の15日・16日のみ閻魔堂の扉が開かれ、閻魔(えんま)大王が公開されます。 お参りすれば日頃の非を許してもらえるうえに、万病、特にぜんそくやへんとう腺などの喉の病気に霊験あらたかといわれています。

■勝専寺 東京都足立区千住2-11 電話:03-3881-2358

御宿場印(ごしゅくばいん)プロジェクトとは

旧街道沿いの宿場町でネットワークを広げる「御宿場印」。この御宿場印プロジェクトは、奥州・日光街道の起点である日本橋から一番目の宿場である「千住」に本店を構える足立成和信用金庫が発起人となって広がった取り組みです。印を集めながら歩いて、観て、知って、食べて街をもっと楽しもうという企画。歴史を偲び、楽しい思い出を集めながら宿場町を漫遊してみましょう。