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標準的なバス情報フォーマットFAQ(HTML版、R2.3.31時点版)印刷用ページ

本FAQは、標準的なバス情報フォーマットの静的情報(GTFS-JP)を整備する際によくある質問についてまとめたものです。バス事業者、自治体職員等がデータを作成する際の手助けとなることを狙いとしており、国土交通省の各種仕様書およびガイドラインや、九州運輸局の各種資料と併せて御覧いただくことを想定しています。

なお、本FAQは九州運輸局の令和元年度「標準的なバス情報フォーマット作成に関するFAQの調査・作成」の成果物をベースにしており、令和2年3月末時点での情報となっています。

1. フォーマットの概要

「標準的なバス情報フォーマット」とは何か?

標準的なバス情報フォーマット

「標準的なバス情報フォーマット」とは、経路検索等ための共通フォーマットです。路線、時刻、運賃などの静的情報のための「GTFS-JP」と、実際の運行情報、車両の位置情報などの動的情報のための「GTFSリアルタイム」の2種類のフォーマットが含まれます。
このうち、経路検索ができるようにするためには、最低限「GTFS-JP」の作成が必要です。

データ整備のメリットは何か?

バス事業者や自治体には、次のようなメリットがあります。

  1. 地方部、小規模事業者コミュニティバスでも経路検索サービス等に掲載できる
  2. ダイヤ改正等をバス事業者自身が正確、かつ、迅速に案内できる
  3. 異常時の運行情報や臨時便の運行情報が経路検索に掲載できる
  4. バスロケーションシステム(バスロケ)に基づく各車両のリアルタイムな位置情報を経路検索に表示できる
  5. デジタルサイネージによる案内の導入やMaaSの推進など、多様な活用ができる(ワンソース・マルチユース)
  6. 経路検索事業者等へ提供するデータの一元化や、作成過程における運行管理に必要なデータの一元化により、業務を効率化できる

なぜ経路検索サービス等による情報提供が大事なのか?

経路検索サービスを通じた情報提供には、次のようなメリットがあります。

  1. バスの運行状況を調べる手段のNo.1(41.3%)であり、掲載費がかからないPR手段にもなる
  2. 地元住民だけでなく、来訪者や外国人にもバスを認知してもらえる
  3. 出発地から目的地まで、他社線・他交通手段・徒歩を含めた移動方法をシームレスに案内できる

「標準的なバス情報フォーマット」による提供は必須なのか?

必須ではありませんが、共通規格である「標準的なバス情報フォーマット」を用いることで、データの汎用性が高まります。効果的・効率的な情報提供のため、積極的な利用をお願いします。
なお、「標準的なバス情報フォーマット」は、国際的に広く利用されている「GTFS」(General Transit Feed Specification)を基本としているため、データが多くの経路検索サービス等に効率的に反映されます。

質問はどこにすれば良いか?

国土交通省

関係事業者

  • 経路検索等への掲載:掲載先の経路検索事業者(連絡先
  • データ整備システム:ダイヤ編成システム、バスロケーションシステム等のメーカー

技術支援コミュニティ

試しにGTFS-JPデータの作成を体験・練習してみることはできるか?

九州運輸局において、体験・練習のためのキット(GTFS-JPデータ作成体験キット)を公開しています。

2. 整備・活用事例

データ整備の事例はあるか?

令和2年3月31日現在、全国で272の事業者・自治体がGTFS-JPデータを整備し、オープンデータとして公開しています。このうち、9事業者がバスロケ等のリアルタイム情報を配信しています。

GTFS-JP

どのような情報提供が可能になるのか?

次のようなサービスが実用化されています。

帳票管理、申請行為等に関する業務効率化にも活用可能か?

GTFS-JPデータの出力に対応したダイヤ編成システムが、時刻表、申請様式等の出力にも対応している場合があります。

GTFS-JPデータを用いて時刻表を作成することができます。

交通計画に活用可能か?

GTFS-JPデータにはバス停、時刻表、運賃などの情報が含まれることから、自治体における交通計画の基礎データとして用いることができると考えられます。また、GIS(Geographic Information System;地理情報システム)を用いて地図上にデータを可視化することで、交通計画の立案の際の参考とすることも考えられます。

参考例

3. データ整備の進め方

本章の基本資料

  1. システム選定など
  2. 全体的な手順

無償ツールはどのようなものがあるか?

以下3種類のツールが現時点で公開されています。詳細は「標準的なバス情報フォーマット」データ整備の手引き又は各ツールのWEBサイトで確認してください。

必須・任意の区別は何か?

標準的なバス情報フォーマットでは、ファイルや項目の作成・設定の必要性について、以下のように区分して定義されています。

  • 必須:必ず設定する必要があるファイル/項目
  • 条件付き必須:関連する項目のどちらかは必ず設定するなど、条件付きで必須なファイル/項目
  • 任意:充実した情報提供のため可能であれば設定することが望ましいファイル/項目

高速バスは対象としているのか?

路線バスを主たる対象としていますが、高速バスのデータ提供にも利用可能です。

  • (参考) Google Mapsへの掲載基準は、@一般公開されたサービスを提供していること、A一定の経路とスケジュールで運行していることの2点が基本とされています。詳細は、Googleヘルプ「参加要件」の重要も参照してください。

オンデマンドバス等は対象としているか?

データ作成・掲載は可能ですが、以下のような制約があることに留意してください。

  • バス停以外の場所で乗降可能な「フリー乗降方式」を表現できない
  • 立ち寄りにより時刻が変わる場合を表現できない(リアルタイム情報による補完は可能)

コミュニティバスのGTFS-JPデータは誰が作成すれば良いか?

自治体又は運行会社のどちらが作成しても構いませんので、協議により決めてください。

他社に運行委託している場合はGTFS-JPデータを誰が作成すれば良いか?

委託者又は受託者のどちらが作成しても構いませんので、協議により決めてください。

共同運行している場合は自社分だけの提供で良いか?

各社がそれぞれ提供することを原則とします。複数事業者のデータが重複しないように協議により決めてください。

グループ会社のデータを親会社が一括して管理している場合はグループ会社ごとに個別で作成する必要があるのか?

親会社等が一括で作成しても構いません。利用者に親会社の名称で案内している場合は、事業者ID[agency_id]および事業者名称[agency_name]は親会社のものに統一します。

  • 例:実際の運行会社は「Aバス東」「Aバス西」であっても、利用者に「Aバス」と案内している場合、事業者名は「Aバス」とする
  • (参考)Googleヘルプ「例」

  • 利用者に子会社それぞれの名称で案内している場合は、それぞれの社名で事業者ID[agency_id]及び事業者名称[agency_name]を設定してください。

4. データ設定

ファイル作成時の留意点は何か?

よくあるミス1 文字コードはUTF-8にしてください。
  • Excel、メモ帳等で作成した場合、文字コードがShift_JISになっていることがあります。
  • (関連)1-6-2. 利用可能文字等
よくあるミス2 拡張子は「.txt」にしてください。
  • .csv」等は不正です。
  • ファイルが.csv等の拡張子で保存されている場合には、ファイル名の変更で拡張子を.txtに書き換えるか、テキストエディタ(「メモ帳」等)で開いてtxt形式で保存し直せば利用可能です。
よくあるミス3 zipファイルにはtxtファイル群を直に置いてください。
  • txtファイル群が格納されたフォルダを圧縮するのではなく、全てのtxtファイルを選択した状態で圧縮してください。
  • (関連)1-6-1. ファイル構成
  • Windows上でのzip圧縮操作例

ファイル作成時の留意点

事業者情報の法人番号はどこで入手すれば良いか?

国税庁法人番号公表サイトにて確認できます。

停留所の緯度経度はどうすれば取得できるのか?

情報源

方法1 バスロケ、経路検索システム等で利用している既存データを利用
方法2 国土数値情報 バス停留所データ
  • GISツールで表示可能なシェープファイル及びGML形式のデータです。下記の「バス停データ作成補助ツール」を用いて地理院地図上にて微修正することもできます。
  • (注意)平成22年度時点のデータと古いこと、標柱別の座標がないことに留意してください。
方法3 調査による取得
  • Google Mapsストリートビュー
  • 現地調査

(参考)緯度経度の取得方法に関しては、「公共交通運行情報オープンデータ化に向けた課題解消の為の調査研究」も参照してください。

ツールごとの入力方法

緯度経度は小数点以下何桁まで必要か?

小数点以下6桁程度(例:135.123456, 35.123456)を推奨します。緯度0.000001度は、実距離11.1cmに相当します。

経路(系統)及び便はどのようにデータ化すれば良いか?

対象 ファイル 説明
経路(系統) routes 往復・経由違い・途中止まり等を別経路として設定することを基本とします。※注意
便 trips 旅客が連続して乗車可能な1回の運行を設定します。route_idで経路と関連付けます。
(注意)経路の設定方法について
  • Googleから、名称が同じ系統については経路(route)を束ねるよう指摘が入る場合があります。

系統番号をどのように設定すれば良いか?

車両の方向幕や現地の案内で利用している番号を[route_short_name(routes.txt)]に設定してください。
新たに系統番号を付与する際は、国土交通省「乗合バスの運行系統のナンバリング等に関するガイドライン」を参考にしてください。

循環線等の行先表示が途中で変わる場合はどうすれば良いか?

[stop_headsign(stop_times.txt)]に、行先表示器と同等の内容を停留所ごとに設定してください。
  • (注意)循環線の場合、行先([stop_headsign]または[trip_headsign])を設定しないと、起点が終点として表示される場合があるため、行先を必ず設定してください。

全てのバス停の時刻を表示していない場合はどうすれば良いか?

停車するバス停(乗降可能なバス停)は全てデータの作成が必要です。
  • (注意)デマンド方式やフリー乗降方式など、停車するバス停の位置や時刻が確定しないものは、GTFS-JPでは表現できません。

運賃三角表が整理券番号(運賃区界)単位の場合はどうすれば良いか?

運賃区界以外も含む、全停留所間のデータを入力する必要があります。

shapes.txt(描画情報)は何のためにあるのか?

地図上等で運行経路を正確に表現する(道路に沿った案内を行う)ための情報です。
描画情報を設定しない場合、道路を無視してバスルートが引かれる、別の道路に沿ってルートが補完される、などの問題が発生することがあります。 描画情報

外国語表記はどのように入力すれば良いか?

以下のガイドラインを参考にしてください。

IDの付け方に基準・規則はあるのか?

agency_idは法人番号を用いてください。
経路や停留所について既存のデータにIDがある場合は、そのIDを利用することをおすすめします。
  • 新たにIDを設定する場合は、連番等を適宜設定してください。ツールによってはIDが自動的に設定されます。
  • データ更新時には、route_id、stop_id等は同じ値を保持することで、経路検索サービス等への反映が迅速かつ正確に行われやすくなります。
  • (参考)道路運送法の手続においても、系統、停留所等の番号の付け方に制約はありません。

データの有効期間はどのように設定すればよいか? 次のダイヤ改正日が未定な場合は?

有効期限開始日[feed_start_date]は、設定中のダイヤの改正日を設定します。
  • 次のダイヤ改正が1年以内に予定されている場合、有効期限終了日[feed_end_date]には次の改正予定の前日に設定します。
  • 次のダイヤ改正が未定の場合、有効期限終了日には有効期限開始日から1年間(例:有効期限開始日=20200401、有効期限終了日=20210331)に設定するのが良いでしょう。

5. データ検証

データの検証はどのように行えば良いか?

静的データの検証には、以下のツールが利用できます。
言語 ツール名 開発元 動作環境 入手先
日本語 駅すぱあとGTFS-JPデータチェッカー ヴァル研究所 Windows 説明
英語 FeedValidator Google デスクトップ/オンライン 説明 / Windows版 / オンライン版(TransitScreen社)
英語 Google 乗換案内パートナー Google オンライン 説明

エラー(error)とは何か?

フォーマットとしての仕様違反や明らかな異常値です。必ず修正してください。

警告(warning)とは何か?

推奨されないデータ設定方法に対する警告です。以下などの警告種別については、実質的に問題がない場合又は解消が困難な場合があります。
警告種別(FeedValidator) 説明
Unknown File agency_jp.txtなど、GTFS-JPの拡張ファイルへの警告です。GTFS-JPはGTFSのいわば「日本標準」の規格であるため、GTFSとしては不要と見なされるファイルもありますが、問題ありません。
Unrecognized Column jp_parent_idなど、GTFS-JPの拡張項目への警告です。Unknown File同様、GTFS-JPの仕様によるものであるため、問題ありません。
Future Service 開始日が将来の日付になっていることへの警告です。ダイヤ改正等の予定に基づき将来のデータをあらかじめ作成している場合には、問題ありません。
Stops Too Close 複数の停留所がデータ上、非常に近くに存在する場合に表示される警告です。実際に異なる名称の停留所が近接して存在する場合や同一の名称の停留所でも事業者が異なる場合など、そもそも別の停留所として登録したい場合には、問題ありません。

Googleの検証画面の見方は?


Googleの検証結果にどう対処すれば良いか?

登録後、Googleの担当者から様々な指摘が来ますので、解決に努めてください。
対応に悩んだ場合は、公共交通データ議論用メーリングリストFacebookグループ、各地方運輸局の交通企画課等に相談してみてください。

6. データ提供

データ提供のためには何をすれば良いか?

代表的な提供先は以下の通りです。
  • Google社(Google Maps)
  • 国内の経路検索事業者(CP=Contents Provider)

Google社や各CPに連絡し、データの授受、契約等について調整してください。
その他、オープンデータとして配信することで、逐次の連絡に代えることも可能です。

経路検索での案内に際して掲載料等の費用は発生するのか?

掲載料はかかりません。ただし、掲載に当たり、Google社や経路検索事業者との契約が必要となる場合があります。

Google Mapsに掲載するためには、どのようにデータ提供をすれば良いか?

Googleアカウントの作成、「乗換案内パートナー」への登録、契約の締結、データ登録、データ検証等を行ってください。詳しくは以下のページを御覧ください。九州運輸局管内は、同局交通企画課でもご案内いたします。

経路検索事業者(CP)にはいつまでに提供しないといけないのか?

CPや時期にもよりますが、データ掲載までには以下の日数がかかります。ダイヤ改正日の前までに余裕をもってデータを提供するようにしましょう。

オープンデータとは何か?

オープンデータ基本指針」(内閣官房IT総合戦略本部)では次のように定義されています。
  1. 営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
  2. 機械判読に適したもの
  3. 無償で利用できるもの

オープンデータとして提供するメリットは何か?

次のようなデータ利用促進や手間削減につながります。データを作成した際にはオープンデータとして積極的に提供しましょう。

オープンデータはどこから配信するのか?

以下の方法が一般的です。
  1. 自社のWebサイト(例:永井運輸
  2. 自治体のオープンデータ配信サイト(例宮崎県串間市 オープンデータカタログサイト
  3. バスロケシステム上のサイト(例バスきたくまさん(熊本県内)


オープンデータのライセンスはどうなっているのか?

オープンデータとして配信する場合は「CC0 1.0」又は「CC BY 4.0」を推奨します。

オープンデータ提供の告知はどのようにすれば良いか?

以下の方法が一般的です。
  1. 自社サイト上でのおしらせ・プレスリリース
  2. 経路検索事業者(CP)への連絡【掲載まで要時間】
  3. Google乗換案内パートナーへの登録【掲載まで要時間】
  4. オープンデータ一覧登録フォーム

データを更新する必要があるのはどんな時か?

停留所の新設廃止・名称変更、系統の新設廃止、運行時刻の変更(修正も含む)など、変更が1か所でもあれば全データの提供が必要です。廃止の場合も、どのデータが廃止対象であるかはデータを利用する側ではわからない為、全路線のデータを改めて提供してください。
データの有効期間が切れている場合は日付を更新して改めて提供してください。以下の項目に注意してください。
  • 有効期間終了日[feed_info.txt].[feed_end_date]
  • サービス期間終了日[calendar.txt].[end_date]
  • 運行日設定(祝日等)[calendar_dates.txt].[date]

データ更新の際に気を付けることは何か?

データ作成ツールの関連ファイルは、過去の版もコピーして保存するようにしてください。最新版がどれかファイル名等で分かるようにしましょう。