ページトップ

[本文へジャンプ]

東北運輸局 > 自動車の検査・登録 > タクシーによる「ロービーム等夜間見通し体験会」を開催しました

タクシーによる「ロービーム等夜間見通し体験会」を開催しました印刷用ページ

〜 路上横臥者事故の防止に向けて 〜
  東北運輸局では、タクシーが路上横臥者を轢過する事故を防止するため、(一社)宮城県タクシー協会及び宮城県内タクシー事業者と連携して、実車を使用した体験会を開催しました。
 また、対向車のヘッドライトによる蒸発現象の体験も併せて実施しました。

 <結論>
 ・夜間の路上横臥者はきわめて視認しにくいことを確認
 ・そうした状況下でもハイビームであれば、比較的視認しやすく、安全に停車が可能(40〜50q/hの場合)
 ・蒸発現象が発生すると、歩行者が全く見えなくなることがあることを確認
 ・車両の違いによるヘッドライトやテールランプの距離感の見え方の違いを確認

  タクシーは、夜間に交通量が少なく暗い道などを走行することが多いことから、他の業態と比較して
路上横臥※1者を轢過※2する事故が多い傾向にあります。
  このような事故を防止するためには、ハイビームの活用が有効であるものの、路上横臥に係る事故
を分析すると、必ずしもハイビームを使用していない状況です。
  今般、運転者にハイビームの有効性を認識してもらうための手法として、実車を使用して夜間前方に
設置したダミー(路上横臥者を模したもの)をロービームで視認できるか体験する機会を企画しました。
  本体験会は、この手法を幅広く展開し各事業者において開催していただき、同種事故の防止につい
て、運転者にわかりやすく注意喚起・教育していただくことを目的としたものです。
 ※1路上横臥とは、飲酒等による路上での寝込みや倒れ込み等 ※2轢過とは、車両が人をひくこと

【開催日時・場所】
令和4年11月22日(火曜日)17時00分〜19時00分
宮城県総合運動公園グランディ・21 第7駐車場

【体験会概要】
(1)走行状態での見通し体験(タクシー、バス)
実車を使用して運転者と同乗者を入れ替えながら、ロービームとハイビームの視認の違いを
体験してもらいました。
それぞれの体験中に車内から撮影した動画です。下記画像をクリックしてご視聴ください。

ロービーム等夜間見通し体験会の映像
(動画再生時間:1分47秒)

 @ ロービームを点灯して40〜50km/hで走行する車両から前方に設置したダミーを確認し、
その時点でブレーキを踏み、停止した車両とダミーとの距離を測定しました。

ロービームを点灯しスタート地点から発進し、
40〜50km/hまで加速して定速走行

安全を考慮して急ブレーキにならない範囲でブレーキをかけて停止する様子
ダミーを確認して、安全を考慮して急ブレーキに
ならない範囲でブレーキをかけて停止

停止した車両とダミーとの距離を測定(平均で約11.1m)

A ハイビームを点灯して40〜50km/hで走行する車両から前方に設置したダミーを確認し、
その時点でブレーキを踏み、停止した車両とダミーとの距離を測定しました。

ハイビームを点灯しスタート地点から発進し、
40〜50km/hまで加速して定速走行

ロービームの時と同じ程度の強さでブレーキをかけて停止する様子
ダミーを確認して、ロービームの時と同じ程度の強さで
ブレーキをかけて停止

ダミーの位置を向きは変えず移動しています。

停止した車両とダミーとの距離を測定(平均で約26.1m)

《 結果 》
ロービームとハイビームそれぞれで、停止した車両とダミーとの距離を比較したところ、
いずれの場合もハイビームの方が距離が長くなり、ハイビームの有効性を確認することができました。

(2)停止状態での見通し体験
@ ロービームで車両50m前方に設置したダミーを見通すことができるかを体験しました。
上着を脱いでいる状態の画像 上着を着ている状態の画像
上着を脱いでいる状態                         上着を着ている状態

《 結果 》
ダミーを視認するのは、暗い色をしている方がかなり困難な状況でした。

A ハイビームで車両50m前方に設置したダミーを見通すことができるかを体験しました。
上着を脱いでいる状態の画像 上着を着ている状態の画像
上着を脱いでいる状態                          上着を着ている状態

《 結果 》
ダミーはハッキリと視認できる状況でしたが暗い色ではない方がよりハッキリと確認できました。

(3)蒸発現象の体験
ロービームを点灯した対向車を横断歩道前方に配置し、横断歩道から40m手前に停止した自車から、
横断歩道を渡る人物を視認できるかを体験しました。
2人歩いている画像(反射ベストありとなし) 自転車運転者と歩行者がいる画像
2人歩いています(反射ベストありとなし)              自転車運転者と歩行者がいます

《 結果 》
右側(対向車線側)から歩いてくる人物が、左側(歩道側)から歩いてくる人物より見えづらい状況でした。
反射ベストを着用した歩行者や自転車運転者も横断しましたが対向車のヘッドライトにより見えづらい状況でした。


(4)ヘッドライト、テールライト、反射器の距離感を体験
@ロービームを点灯した対向車(左から自転車、バイク、乗用車、バス)を
前方約100mの位置に配置し、自車から見たときの距離感の違いを体験しました。
ロービームを点灯した対向車(左から自転車、バイク、乗用車、バス)の画像

Aテールライトを点灯した前方車(左から自転車、バイク、乗用車、バス)を
前方約100mの位置に配置し、自車から見たときの距離感の違いを体験しました。
テールライトを点灯した前方車(左から自転車、バイク、乗用車、バス)の画像

Bテールライトを消灯した前方車(左から自転車、バイク、乗用車、バス)を
前方約100mの位置に配置し、自車ライトで照らした時の反射光から距離感の違いを体験しました。
ハイビーム・ロービームとも。
テールライトを消灯した前方車(左から自転車、バイク、乗用車、バス)の画像

《 結果 》
それぞれの車両の大きさや光度の違いで同じ距離でも見え方が違うことが確認できました。
バスや乗用車よりバイクや自転車の方が同じ距離でも遠い位置にいるように確認できました。