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■クルーズの定義…
「クルーズ」について、(社)日本外航客船協会では次のように定義づけている。
■「クルーズ」とは…
1.船に乗ること自体が旅行の主目的の一つであること。つまり、「船」そのものが主要な目的地(ディスティネーション)であること。
2.航空機や鉄道などの代替え・振替の輸送機関としての船旅でないこと。
3.船を単なる輸送機関としてでなく、船内でのレジャーや滞在、洋上ライフを楽しむことが乗船の主目的になっていること。
4.原則的に船内での宿泊が伴うこと。
■クルーズの形態…
クルーズの形態には、クルーズ専用船を用いるものの他、フェリー客船を活用する形態(フェリークルーズ)もある。
航海の態様では、国際航海を行う「外航クルーズ」と国内航海を行う「内航クルーーズ」に分けられる。
また、クルーズの乗客に着目すると、船社等が一般客を募集して運航する「レジャークルーズ」と、団体客等を対象とする「チャータークルーズ」がある。
さらに、運航形態には、運航経路等が一定している「定期クルーズ」と、そうでない「不定期クルーズ(トランパクルーズ)」に分けられる。
■日本のクルーズ船…
日本に国籍を持つクルーズ船は、現在4社4隻あり、全船が 外航クルーズ船である。うち、「にっぽん丸」、「飛鳥U」、「ぱしふぃっくびーなす」の3隻はレジ
ャークルーズとチャータークルーズの両方を行い、「ふじ丸」の2隻はチャータークルーズを専門に行っている。
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1.観光地としての北海道の魅力
(1) 来道観光客数
道外から北海道を訪れる観光客の数は、2002年度で638万人である。また、訪日外国人の来道者数は、実人数で27万9,350人である。
(2) 食(食事)
@ 新鮮で種類も量も豊富な海産物
うに、あわび、かに、ほたて、鮭、イカ、牡蠣、さんま、すし、なべ料理、さしみ等
A 新鮮な農産物
じゃがいも、とうもろこし、アスパラ、りんご、ぶどう、サクランボ、メロン等
B 各地に天然の良水がある
(3) 自然・景観
「離島」、「半島」、「美瑛・富良野」、「流氷」、「知床秘境」等、北海道を代表する自然的資源が豊富。
北海道ならではのひろびろとした(雄大さ)地、農作地のパッチワーク模様、等。
(4) 北海道の公園
北海道には多くの公園が存在し、景観の美しさを誇る。
○国立公園(6ヶ所)
阿寒、大雪山、支笏洞爺、知床、利尻礼文サロベツ、釧路湿原
○国定公園(5ヶ所)
網走、大沼、ニセコ積丹小樽海岸、日高山脈襟裳、暑寒別天売焼尻
○道立自然公園(12ヶ所)
富良野芦別、厚岸、檜山、恵山、野付風連、松前矢越、朱鞠内、北オホーツク、野幌森林公園、狩場茂津多、天塩岳、斜里岳
(5) 秘境性
北海道は自然環境の厳しさから、未だ未開の部分が数多く野生動物も多く棲息している。当然秘境性にも富み、知床、摩周湖、離島、ニセコ連山、大雪山等、秘境の宝庫でもある。
(6) 離島観光
日本最北の島、礼文島・利尻島の他、天売島・焼尻島、奥尻島が有り、いずれの島も自然が多く、景観や海鳥等、人気が高い。
(7) 温泉
道内いたるところに温泉地が点在し、都市近郊の温泉から自然を満喫できる温泉泉質や効能も多種多様で、その選択肢は幅広い。
(8) 気候(夏の爽やかさ、冬の魅力)
四季の変化がはっきりしている。夏の爽快さは勿論、冬の厳しさも魅力の一つになっている。
(9) 祭りなどの各種イベント
道内各地では、季節に合わせた祭り・イベントが数多く見られ、特に、ラベンダー、ひまわり、紅葉、しばざくら、コスモスなど「花」を題材にした祭りや、かに、ワイン、ぶどう、にく、魚介類等、地元特産品をア ピールするまつりがある。
札幌での雪祭りは海外からの観光客も多く、YOSAKOIソーラン祭りも全国区へと人気が高まっている。
その他、地獄まつり(登別)、火祭り(昭和新山)、くしろ霧フェス(釧路)、まりも祭り(阿寒)等、地元ならではのまつりも多い。
(10) 買い物
(8)の食材の他、ガラス製品、木工品等各地に独特の名産品がある。
2.フライ&クルーズの可能性
(1) 小樽港、苫小牧港、室蘭港等は新千歳空港(国際空港)から1時間内外でアクセス可能。
道内の港湾都市の近郊には、函館(函館港)、釧路(釧路港)、女満別(網走港)稚内(稚内港)、旭川(留萌港)、帯広(十勝港)等に空港が整備されている。従って、国内はもとより、海外からのフライ&クルーズの可能性も極めて高い。
(2) 観光地間の移動時間の活用
北海道観光はその広さ故に移動時間がかかる特性を持つ。クルーズによる観光は船内で楽しみ、休んでいる時間に移動するという、移動時間の問題を解決する手段であり、他の交通手段では得ることのきない景観を楽しみながらの移動といということと併せ、クルーズ観光の大きな長所といえる。
(3) ロシア(サハリン・カムチャッカ)へのアクセス
横浜を起点とするサハリンへのクルーズが毎年のように実施され、北海道では、小樽港、根室港、網走港、ウトロ、利尻等が寄港地となり、人気を博している。
また、本州を起点とするサハリン・カムチャッカ・北海道クルーズも毎年のように実施されている。
(4) ホスピタリテイ(利尻の例(乗客アンケートより))
○バーベキューで歓迎・・・親切で好感
○利尻富士を中心としたバスツアーは新鮮で暖かい。
○地元の人とパークゴルフ交流、夫婦初めてで楽しめた。
○利尻山、姫沼他森の沼の神秘性。
○利尻町関係者への好感。
(5) 港湾機能の充足
全道の多くの港が水深9m〜10m岸壁が整備されており、どの港湾も5万トン〜6万トンのクルーズ船に十分対応できる。ただ、ウトロや利尻・礼文などの港では交通艇が利用される。
3.北海道の港とアラスカ、サハリン、カムチャッカとの位置関係
サハリン、カムチャッカへは北海道いずれの港湾も至便であり、アラスカクルーズも可能性を秘めている。
○北海道各港湾〜サハリン・カムチャッカ・アラスカ各港間の距離
◆小樽〜ホルムスク(サハリン)−240マイル
◆小樽〜ナホトカ(サハリン)−369マイル
◆稚内〜コルサコフ(サハリン)−90マイル
◆稚内〜ペトロパブロフスクカムチャッキー(カムチャッカ)−862マイル
◆根室〜ペトロパブロフスクカムチャッキー(カムチャッカ)−822マイル
◆室蘭〜ペトロパブロフスクカムチャッキー(カムチャッカ)−1061マイル
◆根室〜アンカレッジ(アラスカ)−2702マイル
◆室蘭〜アンカレッジ(アラスカ)−2941マイル
※ 1マイル=1,852m
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