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Y字路の町「西脇」をまち歩き

時 期 平成25年7月
エリア 兵庫県西脇市
 兵庫県西脇市出身の画家、横尾忠則さんが発表して話題になった「暗夜光路N市」という作品がある。作品はネット上でもいくつか拾えるし、神戸市灘区王子動物園前にある横尾忠則記念館に行けば本物を見ることができるが、N市とは西脇市のことだ。なんてことはない、どこにでもある町中のY字路を描いた作品だが、夕闇のY字路がつくる不思議な空間と、どこか切なくタイムスリップした感じにさせてくれるのが魅力だ。
 今回、西脇生まれのかみさんが「今どうなってるかな」というので、墓参りのついでに作品に描かれたY字路を訪れてみた。あわせて、まち歩きのいくつかの見どころも紹介したい。


▼作品「暗夜行路N市-Uふたたび」のいま
作品「暗夜行路N市-Uふたたび」のいま
 著作権の関係で作品を掲載することができないのが残念だが、作品の構図どおりに撮ってみた。2000年頃の作品だが今も何も変わらずそのままの状態にある。場所は村上歯科医院前と言って分かる人もいないだろうけど、かみさんに言わせると子どもの頃は人の往来も多く賑わってた通りらしい。


▼作品「暗夜行路N市-X」のいま
作品「暗夜行路N市-X」のいま
 主婦の店ヒロタ前。先ほどの作品の一筋南側に位置するが、これも立てかけた看板も含め全く同じだ。西脇の町は時間が止まったかのように何も変わっていない。ちなみにヒロタの焼豚は絶品で、来た時は必ず寄るけどいつも売り切れだ。


▼作品「暗夜行路N市-V」のいま
作品「暗夜行路N市-V」のいま
 以前は、右画像のように船の舳先に似た塀のある舟形屋敷だったが、今は崩壊したのか、その舳先部分がなくなっている。

 作品を頼りに何度も同じ場所を行き来し、分かった時にはぐったりした。場所はコープ西脇店の北側で、国登録有形文化財の旧来住(きし)家住宅の近く。この辺りは鯉が泳ぐ水路に沿った静かな町並みで、小京都の風情が感じられる。車で来た場合は旧来住家住宅前の無料駐車場が便利で、ここを起点に歩くと良い。大正7年につくられた豪商旧来住家住宅も立派な造りで、全面的に内部が開放されていて、それでいて見学料が無料というのがうれしい。
旧来住家住宅付近



▼のこぎり屋根
のこぎり屋根
 西脇は織物の町として有名だ。のこぎり屋根の垂直部分には明かり取りの窓が設けられ、中では「ガチャン、ガチャン」と大きな音を立てて織物の機械が動いていた。かみさんの子ども時代には町中のあちこちから聞こえていたそうで、今も稼働しているところがあったが、大半ののこぎり屋根は本来の役目を終え、静かに佇んでいるだけだ。工場を改装した播州織工房館があるので、ぜひ訪れてみてほしい。


▼西脇マップ
西脇マップ


(投稿職員 播州人)