正確な数値で船舶行政を支える。図面と現場で成長する船舶測度官の挑戦

技術職(船舶)
K.R
海上安全環境部船舶測度官
2024年4月入省(国土交通省の船舶技官として採用され近畿運輸局に配属)

現在の仕事内容と、その中での役割について教えてください。

現在は、船舶の大きさを表す指標である総トン数などの測度業務を担当しています。

総トン数とは、船舶全体の合計容積を基に算出される数値で、船舶の登録や検査、入港税などの各種法令の適用区分を決定する際の基礎となる重要な指標です。船舶の安全性や公正な制度運用を支えるうえで欠かせない役割を果たしています。

船舶測度官の業務は、机上での設計図面の審査と、実際に船舶を確認する現場での実測作業の両方から成り立っています。提出された図面をもとに船体構造を詳細に確認し、現場に赴いて図面どおりに施工されているかを確認しながら必要な寸法を正確に測定し、それらの結果を基に合計容積を算定して所有者に交付する書類を作成します。

船舶技官を選んだ理由を教えていただけますか?

大学のゼミでお世話になっていた教授からの紹介がきっかけでした。

私は大学時代に機械工学を専攻しており、CADを用いた作図や設計演習などを中心に学んでいました。そのため自動車業界などに進む同級生も多かったのですが、教授を通じて実際に船舶技官として働いているOBの方のお話を伺う機会があり、業務内容や仕事に対する姿勢を直接聞く中で、この仕事に強い関心を持つようになりました。

測度業務では、設計図面を正確に読み取り、区画や構造を理解したうえで現場での実測結果と照らし合わせる必要があります。学生時代に身につけた図面から情報を正確に把握する力や、寸法・構造を立体的にイメージする力を活かせる仕事だと感じたことも大きな理由です。

入省前に抱いていたイメージと、実際に働いてみて感じたギャップはありましたか?

入省前は公的機関ということもあり、職場の雰囲気は比較的堅く、業務上の相談もしづらいのではないかというイメージを持っていました。しかし、実際に働いてみると非常に風通しがよく、上司や先輩技官との距離も近いため、業務上の疑問や判断に迷う点があれば気軽に相談できる環境が整っています。

特に技術的な内容については、経験や知識を共有しながら業務を進める文化が根付いており、一人で抱え込むことなく仕事に取り組める点は、入省前には想像していなかった部分でした。新人に対する教育やサポートも手厚く、単に作業手順だけでなく「なぜその確認が必要なのか」といった背景まで丁寧に指導してもらえるため、良い意味でのギャップを感じました。

日々、仕事の難しさや苦労を感じることはありますか?

船舶に関する知識がほとんどない状態から業務を始めたため、最初は戸惑うこともありました。船舶特有の構造や専門用語、そして「船舶法」をはじめとする関係法令の理解など、基礎知識を習得し、法令と実際の船舶構造を結び付けて理解できるようになるまでは時間と労力を要しました。

また、実務においては、設計図面だけでは状況を十分に把握しきれず、実際に現物を確認したうえでも、即座に判断できないケースに直面することがあります。図面上では想定できていなかった部分や現場で初めて分かる要素も多いため、図面と現物の双方を確認し、関連規則や過去の事例を踏まえて総合的に判断する必要があり、簡単に結論を出せない場面に難しさを感じています。

仕事をする上で一番大切だと感じていることや、やりがいは何ですか?

一番大切にしているのは、正確性と客観性を常に意識し、根拠をもって判断することです。総トン数はさまざまな制度の基準となる重要な数値であり、その算定結果は制度運用に直接影響します。感覚や思い込みで判断するのではなく、図面や実測結果、法令といった客観的な根拠を一つ一つ確認しながら業務を進める姿勢が不可欠です。

やりがいは、その重要な指標の算定に直接携わることができる点です。図面審査や現場実測を通じて自ら算出した数値が、船舶行政の基盤として用いられていることに、大きな責任と同時にやりがいを感じています。自身の判断の積み重ねが制度の信頼性を支えていると実感できますし、的確な判断ができるようになることで自身の成長を感じられることも魅力です。

今後のキャリア目標と、就職を考えている方へメッセージをお願いします。

現時点ではまだ一部の船種しか経験していないため、今後はより多様な船舶の測度業務に携わり、幅広い知見を身につけていきたいと考えています。船種ごとに構造や特徴が異なるため、さまざまな船舶の測度を経験することで、柔軟で総合的な判断力を養っていきたいです。

就職を考えている方にお伝えしたいのは、船舶に関する専門的な知識が最初から備わっていなくても、意欲があれば心配はいらないということです。分からないことがあれば周囲の先輩技官が協力してくれ、チームで支え合いながら専門性を高めていける環境が整っています。

地道に業務を積み重ねる姿勢があれば成長できる職場ですので、少しでも興味を持たれた方はぜひ挑戦してみてください。

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