高齢化と若年者の不足が顕著化する中、造船関連事業においても、労働者の安定的な確保及び育成は喫緊の課題です。そのような状況の中、近年、四国管内の高等学校に造船工学を学ぶ科(コース)が新設され、現在、3校で造船教育が行われています。四国運輸局ではこの3校も加入している全国高校造船教育研究会とも連携し、高校教育の場における造船工学の拡充を目指しています。
産学官の連携については、愛媛大学工学部附属船舶海洋工学センターにも参画し、運営会議の場において意見交換を行っております。
また、各企業や今治市などで構成されている今治地域造船技術センターでは、新人研修や専門技能の向上研修を行っているところですが、これについても、四国運輸局では関係団体などと連携し支援を行っています。
海事産業の人材の確保・育成と技術・技能の伝承について
造船・舶用工業の振興に向けた人材確保・育成の取り組み
内航船員を確保・育成する取り組み
内航船員は、高齢化と若年者の不足が顕著化する中、団塊世代の大量退職時期を迎える中、コロナ禍の影響もあり、若年船員の確保・育成が喫緊の課題となっています。
四国運輸局では、船員の安定的・効果的な確保・育成等による船員への就業・定着の推進を図るため、以下の取り組みを地道に進めています。
・海事産業次世代人材確保・育成推進協議会等の協議会と連携して、水産系高等学校の生徒を対象に、内航船員の就業を体験してもらうインターンシップの実施や、意見交換会の開催、就職希望者の内航海運事業者との情報共有等を図っています。
また、船員の雇用のマッチングを図ることを目的に、内航海運事業者及び求職者等を一堂に集めた「めざせ!海技者セミナー」の開催や、退職予定海上自衛官に対する企業説明会を開催する等、就業ルートの拡大に取り組んでいます。
・海上運送法に基づき「日本船舶・船員確保計画」の認定を受けた事業者が、同計画に従って船員を確保・育成した場合に、船員計画雇用促進等事業により事業者の取り組みを支援しています。
・離職船員に対しては、職業紹介及び就職指導等を強力に実施するとともに、海技資格等のスキルアップを支援しながら、再就職の促進を図っています。
フネージョ
フネージョとは?船員や造船・舶用工業など海事分野で働く女性を広く象徴する造語で、イタリア語の「アダージョ」(「くつろぐ」、「ゆっくりと」等の意)の語感を込め、母なる大洋を船舶が優雅にゆっくりと航行する姿を想像させ、職場を寛がせるイメージを意味しています。
国土交通省では、2018年から女性活躍推進に積極的に取り組まれている事業者と社員の方をHP や冊子で紹介しています。
令和3年度には今治市と連携し、「バリシップ2021オンライン」の一企画として「輝け!フネージョ☆inいまばり」を開催しました。
令和4年度には高松サンポート合同庁舎で、内航船員4名と旅客船員2名、コーディネーター役として海事振興部の女性職員が参加しました。引き続きこのような女性活躍推進の取組みを進めてまいります。